デスマーチからはじまる異世界空我   作:naogran

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猪王を倒したクウガとアギトとサトゥー。

落命したセーラを、巫女長と共に蘇生させた。

そして、帰りを待っている仲間達の元へ帰還した。


DEATH MARCH72「公都」

『BGM:予兆』

 

海を渡る船。

 

タマ「馬〜!」

 

ポチ「馬さんなのです!」

 

アリサ「へ?あの小さな点みたいなの?」

 

空に浮かんでる小さな黒点が見えた。

 

アリサ「よくあんなのが見えるわね。」

 

ドロシー「2人は視力が良いのね。」

 

サヤ「ん〜・・・よく見えないです・・・」

 

ナナ「マスター。望遠ユニットの増設をして欲しいと希望します。」

 

そう良いながらサトゥーに抱き付いた。ミーアが引き離した。

 

ミーア「近い。」

 

ルル「ご、ご主人様はやっぱり・・・その・・・大きい方が・・・」

 

泣いてるルルを撫で撫でした。

 

リザ「ご主人様!ライト様!人が騎乗しているようです!」

 

カリナ「襲撃ですの?」

 

ラカ『盗賊なら単騎と言う事はあるまい。』

 

ローズ「どっちにしろ、油断出来ないわ。」

 

メイリン「掛かって来るのです!」

 

ライト(皆警戒してるな。)

 

サトゥー(けど、マップ上での詳細情報で、空から近付く者が敵ではない事は判っている。それを今は伝えられないが・・・)

 

ライト(にしても、こうして平和な船旅をしていると、昨夜に公都の地下で魔王が復活していたとは思えねえな。)

 

マップ情報によると、現在セーラは『衰弱』状態だが、神殿には神聖魔法が使える神官が沢山居るので大丈夫。

 

サトゥー(お見舞いは、もう少し彼女が回復してからにしよう。次の『魔王の季節』は、66年後だろうし。これからは平和を満喫して行きたい。)

 

公都には、珍しいものがいっぱいあるらしい。長期滞在して観光を楽しむ予定。エルフのミーアを故郷に送るのが遅れてしまうが、彼女の無事は既に伝えてある。エルフは1年位の誤差は気にしないらしいので、こちらを優先させて貰う。ムーノ男爵の書状を公都へ運ぶ役目のカリナとは公都でお別れるすが、彼女にはラカや2人の武装メイドが付いているから心配不要。

 

騎士「あれは・・・?」

 

戦士「何だ?」

 

上空から2人の鳥人族が降りて来た。

 

騎士「偵察!!」

 

彼女達が警戒態勢に入るが。

 

サトゥー「敵じゃないから。慌てなくて良いよ。」

 

ライト「落ち着け皆。」

 

サトゥー(来たか。)

 

望遠スキルと遠見スキルで確認した。

 

 

 

 

飛翔木馬に乗っている人物の名は『リーングランデ・オーユゴック』。

 

勇者ハヤト・マサキの従者にして、テニオン神殿の巫女セーラの姉。

 

 

 

 

サトゥー(スキル構成を見る限り。魔法使いよりの魔法剣士らしい。)

 

シガ王国の重鎮たるオーユゴックの孫が、何故サガ帝国の勇者に仕える事になったのかは不明。

 

サトゥー(きっと、セーラにそっくりの美人さんに違いない。)

 

鳥人族「リーングランデ様だ!『天破の魔女』リーングランデ様が帰っていらしたぞ!」

 

タマ「り〜ん?」

 

ポチ「()()()()なのです?」

 

タスク「リーングランデ?聞いた事ある。」

 

カリナ「リーングランデ様!?・・・勇者の従者になったあの?」

 

ライト「おいアリサ。お前リーングランデに会った事があるのか?」

 

アリサ「ないわ。私が勇者ハヤトと出会ったのは、彼女が仲間に入る前だったと思う。でも、普段から日本人を見慣れているだろうから、ご主人様とライト様の出自も見抜かれそうね。」

 

サトゥー「そうだな。その時はルルみたいに先祖が日本出身の勇者って事にするよ。」

 

 

 

 

飛翔木馬が船に近付き、リーングランデが仮面を外した。

 

リーングランデ「私は、オーユゴック公爵の孫リーングランデ!貴船への着地を望む!」

 

 

 

 

船長「許可する!」

 

騎士達・船員達「リーングランデ様だ!リーングランデ!リーングランデ!」

 

盛大なる歓声にポチとタマはビビり、サトゥーが2人を撫でて落ち着かせる。

 

ルル「隣。」

 

アリサ「わ、私も!」

 

ルル「す、凄い人気ですね。」

 

タスク「間違いない。あのリーングランデ様だ。」

 

ドロシー「知っているの?タスク。」

 

タスク「ライトと出会う前に、1度だけお目に掛かった事があるんだ。」

 

ナナ「マスター。あの馬と同じぬいぐるみが欲しいと宣言します。」

 

サトゥー「良いよ。船に乗っている間は暇だから作ってあげよう。」

 

ナナ「マスター感謝を!」

 

ライト「ナナのぬいぐるみコレクションが増えるな・・・」

 

添乗員「士爵様。船員達が騒がしくて申し訳ありません。」

 

ライト「添乗員さん。それは構わない。」

 

サトゥー「リーングランデ様は随分人気者なのですね。」

 

添乗員「士爵様はご存知ありませんか?」

 

ライト「恥ずかしながら初耳だ。」

 

リーングランデは、時期公爵の長女であり、その母親がシガ王国から降下して来た現国王の娘。つまり公爵の孫であると同時に、国王の孫でもある。

 

サトゥー(王位継承権こそないそうだが、折り紙付きの血統の良さだ。)

 

また10歳の幼さで入学した王位学院を僅か2年で卒業し、風と炎の魔法を上級まで修めた才媛でもある。卒業後も学院の研究員として籍を置き、15歳までの3年の間に失伝していた爆裂魔法や破壊魔法の2種類を復活させた天才魔法使いでもある。その研究と並行し、迷宮都市セリビーラで魔術の腕を磨いていた。

 

添乗員「迷宮都市で『階層の主』を退治した功績に、名誉女男爵の位を授けられたんです。」

 

メイリン「って事は、単独で退治されたのですか?」

 

添乗員「幾らリーングランデ様が凄くても、1人では無理ですよ。」

 

王都の聖騎士隊の能力があっての事らしい。そんな彼女なので、18歳でシガ王国を出奔して、サガ帝国の勇者に仕える事になった時、色々と騒動が起きたそうだ。尚、彼女が里帰りするのは4年振りだと言う。

 

リーングランデ「初めまして。勇者ハヤト・マサキの従者、リーングランデ・オーユゴックと申します。」

 

カリナ「は、はい・・・はじゅめまして・・・」

 

本物のリーングランデの前にして、カリナが緊張で固まってしまった。

 

サトゥー「横から失礼致します。こちらは私の主人、ムーノ男爵の次女カリナ・ムーノでございます。リーングランデ様とお会い出来た感動で礼を失した事を、カリナ様に代わってお詫び致します。」

 

リーングランデ「あら、感動なんて・・・ムーノ男爵と言うと、レオン小父様の事よね?ならば私達は再従姉妹じゃない。私が勇者の従者を目指したのは、レオン小父様が研究者時代に書いた書物のお陰だもの。もっと気軽に接して下さると嬉しいわ。」

 

カリナ「ぽわー・・・」

 

リーングランデ「それで、あなたの名前を伺っても宜しいかしら?」

 

サトゥー「はい。私はムーノ男爵の家臣でサトゥー・ペンドラゴン名誉士爵と申します。」

 

リーングランデ「レオン小父様の家臣?ムーノ男爵領の噂はご存知ないの?」

 

サトゥー「いいえ。勿論存じております。それに、ムーノ男爵領を苦しめていた呪いは既に解呪されております。」

 

解呪したのが、クウガと銀仮面の勇者だと言う事は伏せた。

 

サトゥー(『新たな勇者と戦士登場』の話題は、説明が長くなりそうだからね。)

 

リーングランデ「それは重畳ね。どなたが解呪なさったの・・・」

 

添乗員「あ、あの・・・」

 

リーングランデ「どうかなさったの?」

 

添乗員「あの、もうすぐ幻蛍窟ですので・・・」

 

リーングランデ「あ、あらごめんなさい。初見の方々も居るみたいだし、邪魔しては無粋ね。私も咳を用意して頂けるかしら?」

 

カリナの横が空いており、カリナがその横をチラチラと見る。

 

タスク「リーングランデ様。私はペンドラゴン名誉士爵と共に旅をしておりますタスクと申します。宜しければ、カリナ様のお隣が空いておりますので、お掛け下さい。」

 

リーングランデ「宜しいのかしら?」

 

カリナ「は、はい!ど、どうぞ!」

 

ライト(タスクナイスフォロー。)

 

イバーサ「リーン。少し詰めて貰って良いかな?私も腰掛けて幻蛍窟を眺めるとしよう。」

 

リーングランデ「えぇ。宜しくてよ。」

 

2人がカリナの横に座る。カリナは緊張してる。

 

 

 

 

『BGM:閑寂』

 

幻蛍窟は長さが3キロもある人工トンネルの名前で、大河を遮るように聳え立つ葡萄山脈を貫いている。ここは有数の観光スポット。

 

添乗員「では皆様。目を閉じてお待ち下さい。」

 

全員が目を閉じる。

 

添乗員「私が合図するまで目を開けないで下さいますようお願い申し上げます。これより本船の操舵は船長に代わりまして、蝙蝠人族のメルウが担当致します。」

 

蝙蝠人族のメルウが船長に代わって操舵する。

 

添乗員「幻蛍窟に入りますと音が反響しますので、大声はお控え下さいますようお願い致します。」

 

ライト(成る程。トンネルが大型船1隻分の幅しかないから、交通整理しているな。)

 

船が幻蛍窟へ入った。

 

添乗員「さぁ皆さん!目をゆっくり開けて下さい!」

 

目を開けると、洞窟に無数に輝く光の光景が広がっていた。

 

添乗員「これがかの有名な『オークの幻蛍窟』です!」

 

メイリン「綺麗〜!」

 

タマ「キラキラ〜!ふわふわ〜!」

 

ポチ「凄いのです!ご主人様!しゅごいのです!」

 

アリサ「綺麗!」

 

ルル「凄いです!」

 

ミーア「綺麗だわ!そう!とても綺麗なの!本当よ!」

 

ドロシー「素敵だわ!」

 

ローズ「ええ!」

 

サヤ「兄さん!とっても綺麗です!」

 

ジーク「ああ!本当に綺麗だ!」

 

リザ「・・・」

 

幻想的な光景にリザが魔槍を手放して、サトゥー達が座ってるソファーに当たった。リザがすぐに持ってサトゥーに頭を下げて謝罪した。

 

サトゥー(照れてる・・・)

 

タスク「これが幻蛍窟かぁ・・・」

 

ライト「今まで見た景色の中で1番だ。」

 

ナナ「マスター。語彙が不足しています。言語セットⅡのインストールを申請します。」

 

ライト(言語セットⅡって何だよ。)

 

サトゥー「語彙なんて気にしなくていいよ。綺麗の一言で充分だ。」

 

ナナ「はいマスター。綺麗です。」

 

やがて、船は幻蛍窟を抜けた。

 

サトゥー(今度はゼナさんも連れて見物に来るのも良いかもね。)

 

皆、大感嘆のひととき・・・

 

 

 

 

 

 

船の上で、リーングランデとイパーサが剣術の試合に励んでいた。

 

イーナ「姫様!頑張ってぇええ!!」

 

ヒース「隊長そこだ!!」

 

幻蛍窟を抜けてすぐに飛び立とうとしていたリーングランデだったが、騎士達に請われて1回ずつ指南する事になった。リーングランデはサクサクと騎士達を打ち負かし、対戦相手の欠点と改善方法を伝えた。そして現在は、組み合わせのラストであるイパーサとの試合中。レベル差もあって、実力は歴然だが、試合と言う事もあって、中々切迫した戦いになっている。

 

イパーサのレベルは33。

 

対してリーングランデのレベルは55。

 

サトゥー(リーングランデ嬢は華のある剣技だ。一方でイパーサ卿の剣技は、地味だが堅実で無駄な動きがないから、防御に徹すると驚く程強い。見ているだけでは勿体ないな。ちょっとだけ彼の動きを練習してみよう。)

 

少し離れた場所へ移動し、イパーサの動きを真似てみる。

 

サトゥー(ふむ。見ているだけじゃ判らなかった視線や重心移動の意味がよく判る。)

 

『模倣:武術』スキルを獲得。

 

サトゥー(便利そうだし、すぐに有効化してみよう。よし、トレース再開!)

 

有効化してトレースを始めた。

 

サトゥー(さっきよりも的確にイパーサ卿の剣技をコピー出来る気がする。でも2人の戦いは終了したようだ。ちょっと惜しい。もう少し模倣を続けたかった・・・ん?)

 

試合を終えたリーングランデがサトゥーに近付いた。

 

リーングランデ「面白そうな事をしていたじゃない。次は、あなたと戦いたいわ。」

 

イパーサ「彼はそちらのライト殿と同じくムーノ市防衛戦の英雄にして、グルリアン市で下級魔族を無傷で倒した手練れだぞ。リーンでも油断したら危ないかも知れん。」

 

サトゥー(余計な情報を・・・)

 

ライト(俺らのプライベートを口にするなよ・・・)

 

リーングランデ「へぇ。それは楽しめそうね。」

 

サトゥー(でも、彼女の剣技を盗む千載一遇のチャンスだ。)

 

ルル「ご主人様。妖精剣です。」

 

サトゥー「ありがとうルル。」

 

ルルから妖精剣を受け取る。

 

イパーサ「光防御(レイプロテクション)

 

周囲に光が溢れた。

 

ライト(あれは怪我しないようにする為の防御魔法の一種か。)

 

サトゥー「ありがとうございます。」

 

イパーサにお礼をした瞬間、危機感知スキルが後ろから迫るリーングランデの攻撃に反応した。サトゥーが即座に躱した。

 

リーングランデ「ふ〜ん。油断しているように見えて、ちゃんと警戒していたのね。どうせなら、誘いに使って相手に反撃出来るようになさい。」

 

2人の試合が始まった。

 

 

 

 

猪王『攻撃に虚実!織り交ゼル事もセヌ!』

 

 

 

 

サトゥー(魔王に叱られた理由がよく判る。)

 

視線や踏み込みをフェイントに使って相手の攻撃を誘い、その隙を突いて攻撃するのは有効。

 

サトゥー(フェイントに乗った場合。乗らなかった場合。)

 

リーングランデの戦闘パターンが網羅出来るように新しい戦い方を引き出す。

 

サトゥー(レーダーやログウィンドウが視線を遮って、どうにも気が散る。閉じるか。)

 

レーダーとログウィンドウを閉じた瞬間。

 

サトゥー(死角から!?防御すると彼女の剣を破壊してしまいそうだな。)

 

死角を取られたサトゥーが、防御せず敢えて剣先を向けられた。

 

イパーサ「勝者!リーングランデ!」

 

試合の結果、リーングランデの勝利で終了した。

 

リーングランデ「あなた、中々やるわね。」

 

サトゥー「私などまだまだです。ご指導ありがとうございました。」

 

握手を交わした瞬間、リーングランデがサトゥーの耳である言葉を言った。

 

リーングランデ「その黒髪黒目に顔立ち・・・あなた、ハヤトと同じ日本人ね。」

 

日本人を知る人物がここに居た。

 

サトゥー「えぇ。その通りです。私の()()は日本人です。サトゥーと言う名は代々受け継いだもので、初代は勇者だったと伝えられております。最も、サガ帝国の勇者目録には、サトゥーと言う名は載っておりませんので、眉唾かも知れませんが・・・私の仲間の黒髪の娘も、曽祖父がサガ帝国の元勇者だったそうです。」

 

リーングランデ「・・・召喚者かと思ったけど、違うみたいね。・・・あら?耳族の小さな子達にエルフに巫女まで・・・ふふっ。まるで勇者パーティーみたいね。」

 

セーラはリーングランデと距離がある様子だったが、中々気さくで良い娘だと思った。

 

サトゥー(2人が仲良くなれたら良いと思うが・・・)

 

試合を終えたリーングランデは、ライトとサトゥーとタスクが作ったエビの天ぷらに舌鼓を打った。彼女は驚きの味に心打たれた後、颯爽と公都に向けて飛んで行った。

 

 

 

 

 

 

『BGM:平穏』

 

船がしばらく進むと、目の前の跳ね橋が動き出した。

 

ナナ「マスター!橋型の魔物を確認しました!迎撃準備を進言します!」

 

タマ「大変〜!」

 

ポチ「危険が危ないのです!」

 

ライト「そう慌てなさんな。あれは『跳ね橋』って言う仕組みだ。」

 

添乗員「あの橋は千年前に神々がお創りになられたと伝えられていて・・・」

 

 

 

 

解説を聞いている内に、船は貴族専用の港へと入港した。

 

サトゥー(荷降ろしの間に公都の最新情報をチェック。)

 

武術大会が開催されており、高レベルの人物が多い。

 

サトゥー(最大がリーングランデ嬢のレベル55のようだ。転生者や勇者の称号を持つ者。魔族は憑依状態の者なし・・・)

 

魔王信奉集団『自由の翼』は公都内に30人程残存している。

 

サトゥー(下町に1名。ボビーノ伯爵と言う貴族の邸宅の地下に15名が潜伏。)

 

ケオン・ボビーノ自身は『自由の翼』構成員ではなく、仙台の伯爵が構成員達のまとめ役のよう。残り2人は公爵城内に存在しており、セーラの叔父にあたる現公爵の三男とその側近である事が確認された。

 

サトゥー(また新しい魔王を召喚されたら困るし、連中の潜伏場所や氏名を勇者名義で公爵に告白するとしよう。)

 

 

 

 

船から下船すると。

 

トルマ「サトゥー殿!ライト殿!兄者からの迎えの馬車が来たので先に失礼するよ!」

 

魔法道具(マジック・アイテム)の一種であるゴーレム車。

 

サトゥー(中々ファンタジーな馬車だ。)

 

ライト(趣味悪そう。まぁ貴族か。)

 

トルマ「公都での宿が決まっていないなら、我が家に滞在するかい?」

 

ライト「お気遣い感謝する。でも公都滞在中はウォルゴック伯爵邸にご厄介になる予定だから大丈夫だ。」

 

ウォルゴック伯爵はグルリアン太守の事。グルリアン市を襲った下級魔族を討伐した縁で、彼の実家である伯爵邸の離れを宿泊施設として提供して貰える事になっている。トルマ一家を見送り、彼らも馬車と馬に分乗してウォルゴック伯爵邸に向かう。

 

サトゥー(添乗員さんの乗る馬車が先導してくれるし、道に迷う事もないだろう。)

 

カリナ「この馬車は乗り心地が良いですわね。」

 

メイド「はい!走行中の馬車の中で気兼ねなく喋れるなんて凄いです!」

 

アリサ「ま〜ね!ご主人様の愛が篭っているのよ!」

 

ミーア「ん。愛。」

 

港の近くにある大壁の門を抜けると、すぐに公都の貴族区画に入った。ムーノ城での宴会時に聞いた話では、コンクリート風の質感の建物は『建築魔法』と呼ばれる土魔法の一種を用いて建てられていると言う。

 

サトゥー(公都だとホーエン伯爵と言う貴族がその魔法に長けているらしい。公都にもメイド服を浸透させねば。)

 

外を歩く2人のメイドを見てそう考えた。

 

アリサ「カリナ様もウォルゴック伯爵邸に泊まるの?」

 

カリナ「え、えぇ。オリオンの下宿に泊めていただく予定でしたけど、あちらはオリオン以外の青年貴族達も下宿しているそうですから・・・」

 

サトゥー(成る程。)

 

オリオンはカリナの弟で14歳。ムーノ男爵家の嫡男で、公都の学校に留学している。

 

 

 

 

やがて馬車は、公爵城に近い場所で速度を落とした。

 

サトゥー(まるで宮殿だ。)

 

タスク(見事なものだ。)

 

ライト(凄えなこりゃ。)

 

太守の両親にあたるウォルゴック前伯爵夫妻への挨拶を済ませ、伯爵邸への離れへと案内される。公爵城へ報告書を届けに行くと言う添乗員に、公爵への面会依頼の手紙を託してここで別れた。

 

サトゥー(ここが離れか。)

 

ライト(あの娘達と宿したセーリュー伯爵邸の迎賓館よりも豪華だ。)

 

執事長「お待ちいたしておりました。私は離れの統轄を任されておりますセバフと申します。」

 

アリサ「惜しい。セバスチャンだったら完璧だったのに・・・」

 

ライト(分かる。)

 

サトゥー「私はサトゥー・ペンドラゴン名誉士爵と申します。お世話になりますセバフさん。」

 

セバフ「どうか私めの事はセバフと呼び捨てに。」

 

続いてライトの自己紹介と、カリナの紹介もしておく。

 

 

 

 

セバフ「こちらがサトゥー様とライト様のお部屋になります。」

 

入った部屋は幾つかの続き間があり、寝室と書斎。衣装部屋になっている。

 

サトゥー(寝室のベッドは特大サイズ。皆が一緒に寝れるのに充分な広さだ。)

 

皆の分の個室もあるようだが、寂しがり屋が多いカrあ、サトゥー用に割り当てられた部屋とリビング以外は未使用になる。因みにカリナ達の部屋は別の階。

 

 

 

 

案内が終わったあと、皆が希望したので屋敷の探検を許可した。

 

タマ「タマが居る〜!」

 

ポチ「ポチも一緒なのです!」

 

リザ「綺麗な鏡です。銅鏡とは映りが違いますね。」

 

 

 

 

部屋でライトとサトゥーとタスクが待っている。

 

タスク「彼奴ら楽しそうだな。」

 

ライト「だな。」

 

アリサ「ただいま〜!」

 

ルル「ご主人様!ここの厨房は凄いです!オーブンや冷蔵庫もあったんですよ!」

 

サトゥー「それは凄いな。」

 

セバフから厨房の許可を貰っている。事前に言っておけば自分達で食事の準備をする事も可能。

 

タスク「何か材料とかあったか?」

 

アリサ「そうなの!冷蔵庫にミルクや果物があったから、ケーキでも焼いてよ!」

 

サトゥー「そうだな。スポンジケーキが上手く焼けたらフルーツケーキでも作ってみるか。」

 

ライト「良いなそれ!」

 

タマ「ケーキ?」

 

ポチ「なのです!」

 

メイリン「姉さん!ケーキですよケーキ!」

 

ローズ「良かったわねメイリン。」

 

するとそこに、手紙を持ったナナがミーアと共に戻って来た。

 

ミーア「手紙。」

 

ナナ「マスター。老成体からメッセージを2件預かってきたと報告します。」

 

差出人はウォルゴック前伯爵とオーユゴック公爵。前伯爵の方は今日の晩餐の招待状で、公爵の方は添乗員経由で出しておいた面会依頼の許可証だった。

 

サトゥー(面会は明日か。)

 

どちらも対象はサトゥーとライトとカリナの3人。他の仲間達には屋敷で寛ぐように伝えた。その日の晩餐は小規模ながらも、贅を尽くした山海の珍味の皿が並んだ。

 

ライト(どれも美味いな。幾つかの料理は再現可能だし、滞在中に皆にも作ってやるか。)

 

 

 

 

 

 

『BGM:懊悩』

 

翌日の昼。オーユゴック城の謁見の間。複数人の兵士達に囲まれて歓迎された。

 

カリナ「・・・・・!」

 

そんな中、カリナは冷や汗掻いて緊張してる。

 

オーユゴック公爵「レオンの娘よ。よくぞ参った。イパーサより話は聞いておる。ムーノ市防衛線で先陣を切り、グルリアン市では魔族を相手に勇猛果敢に戦ったそうではないか。」

 

サトゥー(そう言えば公爵はムーノ男爵と親戚だっけ。)

 

ライト(本来ならカリナがここで返答するのが当たり前だが、緊張のあまり内心パニックになってる。)

 

サトゥー(フォローしてやりたいが、最下級貴族である俺とライトは公爵の許可なく口を開けない。)

 

ラカ『主人の代わり、慰労の言葉を拝受する。』

 

ライト(ラカ!ナイスフォロー!)

 

オーユゴック公爵「ほぅ。人語を解するマジック・アイテムか。まるで王祖様の伝説にある無敵甲冑のようではないか。」

 

執事「左様ですな。」

 

リーングランデ「お祖父様!!!」

 

突如リーングランデが謁見の間に入った。

 

オーユゴック公爵「リーンか・・・公務中だ。退出せよ。」

 

リーングランデ「カリナ殿とサトゥーとライトが来ているって聞いたから、お祖父様に虐められる前に助けに来たのよ。全く!グルリアン市を救った英雄達を迎える雰囲気じゃないわね!それに、威圧したい相手には全く効いていないじゃない。」

 

ライト(おいおい、これ威圧だったのかよ。)

 

サトゥー(てっきり大歓迎してくれているんだと思っていたよ。)

 

ライト(何でこんなに兵士達が居るのか疑問が解けたぜ。)

 

オーユゴック公爵「リーンには敵わぬな。」

 

そう言って兵士全員を退出させた。

 

ライト(お、さっきまでの空気が軽くなった。)

 

オーユゴック公爵「さて、これで良いな?」

 

気を取り直して、叙勲が始まった。

 

執事「グルリアン市を魔族の手から救った勇敢なるカリナ・ムーの男爵令嬢。そして、サトゥー・ペンドラゴン士爵。ライト・アイラ士爵の3名の功績と勇気を讃え、オーユゴック公爵より『オーユゴック公爵蒼炎勲章』が授与される。」

 

カリナ(金貨・・・!)

 

勲章の他に、金貨数枚も授与された。

 

イパーサ「あれが蒼炎勲章・・・」

 

サトゥー(この勲章は中々価値の高いレアな物なのかな?)

 

ライト(だとしたら、超貴重な勲章を手にした俺達はラッキーだな。)

 

オーユゴック公爵「遠慮なく受け取るが良い。貴公らの功績はそれだけの価値がる。貴公らは知らぬと思うが、グルリアン市を襲ったような下級魔族が領内の各都市を襲っていたのだ。被害が少なかったのはグルリアンとスウトアンデルの2都市のみ。後は復興に何年か掛かりそうな被害が出ている。」

 

サトゥー(他の都市にも『短角魔族』達が出没したのなら、もしかして・・・!)

 

ライト(何か手掛かりが!)

 

2人はこっそりとマップを開いた。

 

ライト(成る程。検索結果が出たぜ。公爵の執務室の隠し金庫に『使用済みの短角』を3つ発見。それと、魔族の討伐数と『使用済みの短角』の数が合わないから、必ず落とす物じゃあなさそうだ。)

 

サトゥー(そしてグルリアン市で手に入れた『使用済みの短角』については、今更公爵に提出しても藪蛇になりそうだから、このまましらばっくれる事にしよう。)

 

 

 

 

その後。ムーの男爵から預かった書状の件へと移る。

 

オーユゴック公爵「レオン名義になっておるが、この書状を作製したのはニナだな。全く、空手形を魅力的に見せる才能は相変わらずだ。」

 

ニナをムーノ男爵領の執政官に推薦したのはオーユゴック公爵本人である。

 

オーユゴック公爵「復興資金の貸付けや、男爵領で不足する物資を寄越せと言うのは兎も角、文官や武官。まして技術者を貸与する事は出来ん。」

 

サトゥー(中々無茶な要求をしたようだ。)

 

ライト(だが、ニナ女史の事だから後半の人材の方は手に入ったらラッキー程度の要求に違いねえだろうな。ムーノ男爵領にはエレナ達が復興を支えている。)

 

オーユゴック公爵「ペンドラゴン卿。そしてアイラ卿。貴公らが我が家臣になると言うのなら、これらの要求を全て叶えてやるぞ?望むなら名誉准男爵の位を陛下に具申してやろう。」

 

サトゥー(俺とライトの2人とトレードか。)

 

ライト(無茶な取引だな。さて、どうご冗談で巻き返してやろうか・・・)

 

カリナ「ダ、ダメですは!!サ、サトゥーとライトはお父様の家臣ですもの!こ、公爵様でもダ、ダメなのですわ!!」

 

ライト(急に声を出したな・・・)

 

オーユゴック公爵「ふむ、ダメか。」

 

カリナ「ダ、ダメですわ!」

 

オーユゴック公爵「分かった。レオンの娘よ。そなたの愛しい者を取り上げたりせぬから安心せよ。」

 

カリナ「い、いと・・・愛し・・・」

 

彼女は気絶した。サトゥーが支えた。

 

ライト(この展開、サトゥーが愛しい人で間違いないな。)

 

サトゥー「公爵閣下。カリナ様は純情なので、お戯れは程々に願います。」

 

オーユゴック公爵「うむ。レオンの血族らしいのう。」

 

するとリーングランデがオーユゴックの耳元で何かを伝えた。

 

サトゥー(何だ?防諜の魔法装置でもあるのか?)

 

ライト(ダメだ。聞き耳スキルが効かねえ。)

 

オーユゴック公爵「ほう。奇跡の料理か・・・ペンドラゴン卿。アイラ卿。今宵、市内の上級貴族を集めた万斉を行うのだが、その席でイパーサが食したと言う『コンソメスープ』と、リーンも絶賛しておった『テンプラ』と言う料理を所望する。満足いく品であったら、ニナが求める援助をしてやろう。」

 

サトゥー「公爵閣下のお求めとあらば、否と口にしたくないのですが、コンソメスープは仕込みに時間が掛かります故、本日の晩祭に供するのは不可能でございます。」

 

オーユゴック「良かろう。ならば今宵はテンプラだけで我慢するとしよう。3日後に公都の貴族達を集めた夜会を開く。コンソメスープはそちらで作れ。」

 

サトゥー「畏まりました。」

 

生粋の貴族なら料理人扱いされて憤るのかも知れないが、一般人出身で俄貴族のライトとサトゥーからしたら、そこまで理由を付けて彼らの料理を食べたいと所望されるのは中々誇らしい。倒れたカリナは城のメイド達に介抱を頼んだ。

 

 

 

 

謁見の間を後にし、2人は侍女に厨房を案内される。

 

侍女「厨房はこちらです。」

 

サトゥー(公爵城の食材をチェック。・・・少し足りない素材があるな。売っている場所を検索。)

 

マップでテンプラの材料が何処で売っているか検索した。

 

侍女「料理長を呼びに行って来ますので、士爵様はここでお待ち下さい。」

 

ライト「ああ。」

 

料理長「公爵様のご命令で貴族の小僧共に主菜の皿を任せるだと!?」

 

侍女「ちょ、ちょっと料理長!そんな大声で!聞こえたら不敬罪で首が飛びますよ!」

 

料理長「五月蝿え!ここは俺達の真剣勝負の場だ!お遊びの貴族様に荒らされてたまるか!」

 

侍女「だ、大丈夫です!あのロイド家のイパーサ卿が保証しておられましたから!」

 

料理長「何?ロイド家の御曹司がか・・・良いだろう。厨房の奥を空けてやれ。」

 

イパーサの実家であるロイド侯爵家は食通で有名らしい。

 

 

 

 

『BGM:安隠』

 

料理長と副料理長の間で話が纏まると、侍女と一緒にやって来た副料理長が申し訳なさそうに伝えてくれた。

 

サトゥー「えぇ。了解しました。調理器具と食材が使えるなら手伝いの人材は自前で用意しましょう。」

 

 

 

 

その後。

 

ライト「この手紙を届けたいんだが、頼めるか?」

 

侍女「はい。お任せ下さい。」

 

ウォルゴック伯爵邸で留守番をしているアリサ達への連絡を頼んだ。

 

侍女「お待たせしました。それでは食材庫にご案内します。」

 

 

 

 

食材庫。

 

サトゥー「ほぅ。これは凄いですね。」

 

ライト「色々揃ってあるな。」

 

醤油1つ取っても、味や産地別に何十種類も並んでいる程。調味料を少しずつ味見をして、個々の味の違いや特性を記録した。

 

テンプラに使う油もシガ王国で主流の獣脂だけではなく、植物油が何種類もあった。常温と冷蔵と冷凍の3つの食材庫を順番に巡った。

 

これまでの旅で見掛けなかった食材もあった。インゲンとサツマイモとレンコン。

 

サトゥー(公都の市場で手に入るようだから、多めに確保しておこう。)

 

ライト(マジか!豆腐まであるじゃねえか!待てよ?これで豆腐ハンバーグを作ればミーアでも食べれるか?)

 

そんなこんなで、必要な素材や調味料を確保していく。

 

サトゥー「よし、ライト。厨房に戻ろう。」

 

ライト「いやぁ〜、まさに食材の宝石箱や〜。」

 

サトゥー(懐かしい・・・)

 

すると侍女が人を呼んで運ばせてくれた。

 

ライト・サトゥー「あ・・・」

 

侍女「こう言った労働は、下働きの者にさせるのですよ?」

 

ライト・サトゥー(・・・俄貴族でごめんなさい。)

 

 

 

 

 

 

初見の食材もあるので、下拵えの序でに植物油の種類毎に味が違うかを確認した。

 

サトゥー(魔力の通りが悪いマジック・アイテムは何時ものように魔力経路を掃除して・・・)

 

侍女に味見をして貰った所、メイドや給仕がこちらを預かっていたので、仕事に支障のない範囲で参加させている。意外にナスのテンプラの評判が悪く、何故か薄切り人参のテンプラが高評価だった。

 

サトゥー(ナスのテンプラ美味しいのに・・・)

 

ライト(ビール飲みながらナスのテンプラ食べるのが好きなのによぉ・・・)

 

侍女「こちらです。」

 

アリサ「ご主人様!入手して来たわよ!」

 

ミーア「サトゥー。ライト。」

 

ルル「お待たせしましたご主人様!ライト様!」

 

タスク「調子はどうだい?」

 

厨房にアリサ、ミーア、ルル、タスクが食材を持って訪れた。

 

アリサ「はい。こっちがポチとタマに集めて貰った大葉。」

 

ミーア「ベニショウガ。」

 

ルル「ハモと言う魚が見付からなかったので、アリサに聞いてアナゴと牙鰻、甘鰻の三種類を買って来ました。」

 

サトゥー「ありがとう。助かるよ。」

 

ライト「これだけあれば充分だろう。」

 

紅生姜は赤い物ではなく、淡い薄紅色だった。

 

サトゥー(赤紫蘇で着色していないタイプなのだろう。)

 

この紅生姜は付け合わせではなく、同じくテンプラにする予定。

 

サトゥー(関西のテンプラ屋でしか見た事ないが、独特の味と食感が癖になるので、異世界でも広めたい。)

 

ライト「ルルとタスクは下越しらえの手伝い。アリサとミーアはマジック・アイテムの魔力チャージを頼む。」

 

アリサ「はい!」

 

タスク「ああ!」

 

アリサ「おっけー!」

 

ミーア「ん。」

 

 

 

 

今回選択した食材はこの9品。

 

人参・椎茸・カボチャ・インゲン・大葉・海老・蓮根・紅生姜・牙鰻(1番ハモに近い味。)

 

 

 

 

それらを特性テンプラ油を使って揚げる。ゼッツ伯爵領産のごま油をメインに、色々な種類の植物油を調合したもの。

 

特製の天つゆ。グルリアン製のみりん、王都の有名工房が作った薄口醤油、スウトアンデル製の高級白砂糖、公都産の純米シガ酒を調合したもの。

 

 

 

 

食材を全てテンプラに揚げた。

 

サトゥー「ミーア。頼む。」

 

ミーア「ん。ーーーーーーー。蒸気循環(スチーム・ループ):テンプラ。」

 

テンプラの衣から、余分な油が抜ける。これはテンプラ専用の調理方法で、余分な油が抜けて、ヘルシーになる上に表面のサクサク感がアップする。

 

サトゥー「ありがとうミーア。これで美味しさ200%アップだ。」

 

ライト「いや1000%だ。既に美味い匂いがするぜ。」

 

ミーア「ご褒美。」

 

ご褒美のナデナデ。ミーアが嬉しい顔をした。するとそこに。

 

カリナ「サト・・・ペンドラゴン士爵!!手伝いに参りましたわ!!」

 

タスク「カリナ?」

 

ミーア「ぎるてぃ。」

 

アリサ「おっぱい星人め。」

 

ライト「どうどう。」

 

タスク「お加減は宜しいのか?」

 

カリナ「ええ!問題ありませんわ!さぁ、領民の為にも力を合わせて頑張りましょう!その為ならどんな努力も厭いません!何だって致しますわ!!」

 

ライト(何でもって・・・それ以上求めてねえよ・・・)

 

アリサ「残念だけふがっ!!」

 

断ろうとしたがサトゥーに口を塞がれた。

 

サトゥー「でしたら、カリナ様にしか出来ない重要な作業をお願い致します。」

 

ライト「ここに並んでるテンプラを試食。味や食感に不備がないか確かめて欲しいんだ。」

 

カリナ「判りました。それなら得意です。」

 

タスク(試食が得意って・・・誰でも出来るぞそれ・・・)

 

まずは海老のテンプラを試食した。

 

サトゥー「如何ですか?」

 

カリナ「合格ですサトゥー!今まで食べたどの海老天よりも美味しかったですわ!」

 

ライト(お?そろそろ出番のようだ。)

 

給仕達が駆け込み、出来たテンプラを運ばせた。

 

サトゥー(さて、人事も尽くした事だし、後は天命に任せよう。)

 

ライト(お?)

 

聞き耳スキルを使って、テンプラを食べた貴族達の絶賛の声を聞いた。

 

ライト(物凄え喜び。これなら行ける。)

 

給仕「士爵様!ばっちりです!皆さん最大級の賛辞を贈られておりました!」

 

タスク「やったな。」

 

ライト「ああ。」

 

報告をしてくれた給仕達にお礼を告げ、厨房を騒がせた事を料理長に詫びた。

 

サトゥー「お疲れ様。」

 

アリサ「ふぃ〜。腹減った〜。」

 

ミーア「ん。空腹。」

 

ルル「いっぱい働いたものね。」

 

ライト「ん?なぁ、この野菜の端材少し貰って良いか?」

 

シェフ「はい、どうぞ?」

 

野菜の端材を貰い、端材を包丁で切る。

 

アリサ「何を作るの?」

 

ライト「大した物じゃないが、俺達の好きなアレだ。」

 

それをかき揚げにした。

 

アリサ「かき揚げね!」

 

ライト「正解だ!」

 

サトゥー「アリサ。茶碗にご飯をよそって貰って来て。」

 

アリサ「おっけー!1人じゃ持てないからタスク様も来て。」

 

タスク「分かった。」

 

米を貰い、かき揚げ丼にした。

 

アリサ「んまい!」

 

ミーア「美味し。」

 

タスク「おぉ!これは美味いな!」

 

ルル「サクサクで熱々で最高です!」

 

カリナ「美味しいですわ!私、普通のテンプラより此方の方が好きです!」

 

ライト「あ〜!やっぱり美味えなかき揚げ!」

 

サトゥー「はい、どうぞ。」

 

1つのかき揚げ丼を侍女に渡した。

 

侍女「渡しも宜しいんですか?」

 

サトゥー「えぇ。色々と手伝って頂きましたから。細やかなお礼です。」

 

残りの2つは料理長と副料理長へ持って行く。3日後の夜会でもこの厨房にお邪魔する予定になっている。少しでも心証を良くしておきたいと。

 

サトゥー「今日は厨房を貸して頂きありがとうございました。」

 

ライト「色々すまなかったな。」

 

料理長「いや、アンタ達を疑って悪かった・・・」

 

副料理長「士爵様の実力をお伺いした件は、誠に申し訳ありませんでした。」

 

サトゥー「公爵閣下からもお褒めの言葉を頂いております。」

 

手紙には、テンプラに対するお褒めの言葉と、晩餐後にサロンで開かれる歓談に客として招くと書かれてあった。

 

副料理長「所で、そちらの料理は?」

 

ライト「これはかき揚げ丼と言う賄い料理。俺達の国では有名な料理だ。」

 

サトゥー「上級貴族の方々にお出ししたテンプラのような高級食材は使っておりませんが。宜しかったら食べてみて下さい。」

 

料理長「おう美味そうだ!ありがたく頂くぜ!!」

 

かき揚げ丼をガツガツと食べる。

 

 

 

 

その後。

 

ロイド侯爵「ペンドラゴン卿!アイラ卿!貴殿のテンプラは芸術だ!あのサクサクした皮にぷりぷりの海老が絶妙だった!」

 

ホーエン伯爵「いやいやロイド侯!ベニショウガこそ至高!あの美味さは他では表現不能だ!」

 

ロイド侯爵「それは違うぞホーエン伯!海老天こそ究極なのだ!」

 

この2人は、公爵領でも首位を争う食通として有名なロイド侯爵とホーエン伯爵の2人。

 

サトゥー(公爵に挨拶する前に、重鎮の2人に捕まってしまった・・・)

 

ライト(早くここから抜け出したい・・・)

 

ウォルゴック卿「ロイド侯にホーエン伯。テンプラが美味いのは私も同感だが、ペンドラゴン卿とアイラ卿が困っておられるぞ。一先ず公爵閣下への挨拶くらいさせてやりたまえ。」

 

ロイド侯爵「ウォルゴック卿が仰るなら。」

 

ホーエン伯爵「うむ。ウォルゴック卿の言にも一理ある。」

 

この部屋に居る貴族は、オーユゴック公爵を支える子爵以上の貴族十二家の当主、或いは先代当主達。

 

 

 

 

『BGM:懊悩』

 

内訳は一侯三伯八子爵。リーングランデの父親である次期公爵や、彼女の弟で次々期公爵の2人は遠方に出掛けていて不在。

 

トルマ「美味しかったよサトゥー殿。ライト殿。」

 

ライト(彼の兄のシーメン子爵の代理で出席しているな?)

 

オーユゴック公爵「ペンドラゴン卿、アイラ卿。貴公の作る料理は美味であった。」

 

リーングランデ「でしょう?」

 

ライト(結構砕けてるな。リーングランデ。)

 

オーユゴック公爵「夜会の料理も期待している。人材派遣の件は領内で公募し、成り手がおらぬ場合のみ指名を行う。」

 

サトゥー「まだ夜会の料理をお出ししておりませんが、宜しいですか?」

 

オーユゴック公爵「構わぬ。今宵の料理の対価だと思。夜会の料理で貴族達を唸らせる事が出来れば、領内の貴族達に寄付や出資を募るのを許そう。」

 

ライト(What's?思ったより大盤振る舞いだな。)

 

リーングランデ「お祖父様。それはムーノ男爵領への褒美よね?サトゥーとライトへのご褒美はないの?」

 

オーユゴック公爵「ふむ、褒美か・・・何か望みはあるか?」

 

サトゥー「既に領地への便宜を図って頂いておりますれば、これ以上の褒美を戴く訳には参りません。」

 

ライト「同じく。」

 

リーングランデ「あら?遠慮は美徳ではないわよ?あなた達は料理で素晴らしい時間を提供してくれたのだもの。胸を張って受け取りなさい。・・・そうね、勇者ハヤトの専属料理人にでもなってみる?」

 

サトゥー(それは勘弁して欲しい。)

 

ライト(俺達は作るより食う方が好きだ。)

 

オーユゴック公爵「どうした、遠慮なく申してみよ。リーンの嫁にでも望むか?」

 

リーングランデ「ちょっとお祖父様!私は勇者ハヤトの従者なんだから!結婚なんて魔王討伐までする気はないわよ!」

 

ライト(・・・あれ?魔王討伐の報告がテニオン神殿の巫女長カrあ届いてねぇのか?)

 

サトゥー(今晩にでもテニオン神殿に忍び込んで、巫女長から事情を聞かせて貰おう。)

 

セーラ蘇生術後に、巫女長は・・・?

 

サトゥー「そのような己の分を弁えぬ望みは抱いておりません。」

 

ライト「同じく。」

 

サトゥー「叶いますれば、公爵領内の巻物(スクロール)や魔法書の購入許可を戴ければ望外の喜びでございます。」

 

オーユゴック公爵「ふむ。魔法書や巻物(スクロール)ではなく、購入許可を求めるとは欲のない事だ。良かろう、許可してやろう。」

 

元々シーメン子爵にはトルマが紹介してくれる予定だったが、公爵の許可があればより一層巻物(スクロール)が入手しやすくなるはず。

 

オーユゴック公爵「レオンの家臣を辞める事があったら、我が家を頼るが良い。何時でも料理人として雇ってやろう。」

 

ロイド侯爵「お待ち下さい閣下!ペンドラゴン卿とアイラ卿は我がロイド家の筆頭料理人を任せるに足る器!一料理人にする位なら、是非とも譲って戴きたい!!」

 

ホーエン伯爵「ムーノ男爵の家臣を引き抜こうとするなど、ロイド侯も大人気ない。特にペンドラゴン卿とアイラ卿は細君はおられるのかな?」

 

サトゥー「いいえ。若輩者故、今は身を固める予定はございません。」

 

ライト「同じく。」

 

ホーエン伯爵「ならば、我が孫に貴殿と同い年の娘が神殿に入っておってな。貴公らが望むなら、我が一門の一員に・・・」

 

ロイド侯爵「待たれよホーエン伯爵!ま、まさか名誉士爵を婿に迎えると仰るのか!」

 

ライト(何とまあ賑やかな貴族だ事。)

 

途中でリーングランデが助け出してくれ、他の上級貴族達とも交流を持つ事が出来た。彼らは公都に工房を持っていたり、希少な魔法書を持っていたりするので、仲良くなるのに吝かではない。特に上級魔法の魔法書の多くは、貴族達が秘匿しており、幾ら購入許可があっても入手出来ない代物。

 

サトゥー(少なくとも公都をマップ検索した範囲では、魔法屋に上級の魔法書は無かった。)

 

シーメン子爵「サトゥー殿。実は兄が巻物(スクロール)工房の幼児で迷宮都市まで出張中でね。近い内に王都経由で帰って来るそうだから、巻物(スクロール)の件はそれからで良いかな?どんなに遅れても一小月以内だと思うからさ。」

 

ライト(10日程か。)

 

サトゥー「えぇ。私達もしばらく公都に滞在しますから構いませんよ。」

 

依頼予定のオリジナル魔法の巻物(スクロール)作製に時間が掛かるようなら、ライトとサトゥーだけ天駆とゴウラムで公都まで受け取りに戻るのもアリ。

 

 

 

 

『BGM:懊悩』

 

夜。公都に戻った2人が、仮面を被って巫女長と再び対面する。

 

サトゥー「夜分に失礼する。巫女長殿。」

 

ライト「急に押し掛けてすまない。」

 

巫女長「あら、ナナシさん。ラットさん。何時も神出鬼没ね。」

 

ライト「実は少し聞きたい事があってお邪魔した。」

 

巫女長「あら、何かしら?でもその前に良いかしら?」

 

サトゥー「・・・構わん。何だ?」

 

巫女長「テニオン髪より魔王討滅の神託を受けました。勇者ナナシ、勇者ラット。神殿の者に代わり、お礼申し上げます。・・・私の大好きな公都を守って下さってありがとう、ナナシさん。ラットさん。」

 

サトゥー「・・・・」

 

巫女長「お2人が救ってくれた巫女セーラは、まだベッドから出られえないけど、他の2人の巫女はちゃんと何時も通りの生活に戻れたから、安心して下さいね。」

 

ライト(今は衰弱中か。)

 

サトゥー(衰弱が取れたら、サトゥーとしてセーラのお見舞いに行くとしよう。)

 

ライト「それは重畳だ。」

 

サトゥー「そろそろこちらの質問をしても構わないか?」

 

巫女長「ごめんなさい。私ばかり話してしまって。何でもお聞きになって。」

 

ライト「その前に立ったままでは身体に障る。座ってくれ。」

 

巫女長を椅子に座らせた。

 

サトゥー「公都では、魔王討滅の話を聞かなかったが、公表していないのか?」

 

巫女長「えぇ・・・公爵閣下にはお報せしたのですけれど、他神殿から討滅神託を受けてから発表するとの事でした。」

 

サトゥー「他の神殿は、討滅の神託を受けていないのか?」

 

巫女長「神託スキルがあっても、神殿によって儀式には何日もの時間が掛かってしまうの。」

 

サトゥー(そんなにホイホイと神様に質問出来る訳じゃないのか。)

 

巫女長「テニオン神殿は、この聖域があるから他の神殿よりも儀式の準備が簡単なの。」

 

ライト「ほう。聖域とは便利なものだな。」

 

巫女長「テニオン様の御業ですもの。寿命間近の私が、こうして普通に動けるのもこの聖域のお陰なの。外では介護無しでは気上がる事さえ出来ないのよ。」

 

ライト(そう言う事か。ムーノ男爵領でセーラが言ってた『聖域から出られない』の意味が分かった。)

 

サトゥー「事情は了解した。」

 

ライト「これで失礼する。」

 

巫女長「あら?もう帰ってしまうの?もう少しお話したいわ。」

 

今日の残りの仕事は、公爵の所へ行き『自由の翼』の潜伏場所を密告に行く。少しなら問題ない。

 

サトゥー(蘇生の秘宝が魔力切れのはずだから、会話の間に再チャージしておこう。)

 

ストレージから取り出したお茶と茶菓子をお供に、巫女長とたわいない雑談や神話を聞かせて貰った。しばらくして巫女長が眠ってしまった。状態は疲労。

 

ライト「少し長居したな。」

 

サトゥー「ああ。」

 

再チャージした蘇生の秘宝を巫女長に授けた。

 

巫女長「ありがとう、ナナシさん。これが必要な時が来なければ良いのだけど。」

 

サトゥー「同感だ。」

 

 

 

 

 

 

オーユゴック城・公爵部屋の窓。

 

サトゥー(公爵の寝室・・・こちらから入れそうだ。)

 

ライト(待てサトゥー。そこ、結界張られてるぞ。)

 

サトゥー(本当だ。都市核(シティ・コア)による結界かな?)

 

 

 

 

結界を抜けて寝室へ。

 

オーユゴック公爵「城の結界を越えて侵入するとは・・・何者だ?」

 

ライト・サトゥー「勇者。」

 

オーユゴック公爵「勇者だと?・・・紫髪と金髪の勇者。貴公らが勇者ナナシ殿とラット殿か?」

 

サトゥー「そう。」

 

ライト「ご名答。」

 

サトゥーがある書類を出した。

 

オーユゴック公爵「これは?」

 

サトゥー「読んで。」

 

オーユゴック公爵「魔王信奉者共の潜伏場所か・・・どうやってこれ程の情報を?まさか目と鼻の先のボビーノ伯爵邸の地下だと・・・?あのバカ息子までが・・・勇者ナナシ。そして勇者ラット。こやつらの処分は私にお任せ願いたい。オーユゴック公爵の名に懸けて、適正に処分を下す。ボビーノ伯爵邸に関しては、明日にでも近衛騎士団を派遣し一網打尽に。下町に潜伏している賊は騎士団ではなく、密かに捕縛出来る者達を送り込もう。」

 

サトゥー(随分あっさり信じるものだ。)

 

ライト(物分かりの良い公爵で助かった。)

 

オーユゴック公爵「心配せずとも、この資料を鵜呑みにはせぬ。真偽は身柄を押さえてから。ヤマト石と『断罪の瞳』を持つ家臣にやらせる。」

 

ライト(あ〜。そう言う便利な道具やギフトがあったな〜。)

 

サトゥー(念の為・・・)

 

自由の翼の捕獲に関して纏めた注意点を強調しておく。一網打尽にする事と人を魔族に変える短角(ショート・ホーン)について。テロリストは、追い詰められると自暴自棄になる。なるべく同時に処理するように注文を付けてる。マップ検索で短角(ショート・ホーン)を所持した者が居ないのは確認済みだが、奴らの中には宝物庫(アイテムボックス)スキルや魔法の鞄(マジック・バッグ)を持つ者も居た。これらの中に隠されると、マーキングした物ではない限り検索不可能になる。念の為にピックアップしてリストに強調してある。

 

オーユゴック公爵「任せる。」

 

 

 

 

任務を終え、次の仕事へ向かう。

 

サトゥー(この単語バージョンは打ち合わせがしにくい。)

 

ライト(もうちーっと俺達を連想出来ないような話し方や行動パターンのダミー人格を考えた方が良さそうじゃね?)

 

サトゥー(そうだな。アリサにでも相談してみよう。)

 

 

 

 

 

 

『BGM:平穏』

 

翌朝。

 

ライト「ふぁ〜・・・」

 

サトゥー「おはよう。」

 

ルル「おはようございますご主人様。ライト様。セバフさんに朝食の準備をお願いしてきますね。」

 

アリサ「おはよ。随分眠そうじゃない。」

 

ミーア「むぅ。眠そう。」

 

サトゥー「ああ。前回の戦闘で残弾が無くなったからか、目立たない場所で追加の矢弾を作っていたんだよ。」

 

アリサ「え?綺麗なお姉さんのお店に行っていたんじゃなかったの?」

 

ライト「毎回俺らが低俗な人間だと思うなよ。」

 

昨晩はあの後、公都地下の迷宮遺跡へ向かい、魔王戦で撃ち尽くした聖矢や聖短槍の補充と魔王クラスと遭遇した時用の予備青液の製作行っていた。最も聖矢10本と聖短槍を2本。青液の小瓶を1本作っただけで、セーリュー市の迷宮で入手した竜鱗粉を使い切ってしまった。

 

サトゥー(竜の谷の遺体には手をつけたくないし、何処かで竜の鱗を手に入れないと・・・)

 

アリサ「変に勘繰っちゃってごめんなさい。」

 

ミーア「ごめん。」

 

サトゥー「別に良いさ。それよりリザ達は何処に?」

 

ライト(公都滞在中にトルマの案内に夜遊びに行くのはもう決まっちゃってるからな〜。)

 

そこにリザ達が帰って来た。タスクも一緒に。

 

サトゥー(朝一から庭で戦闘訓練をしていたようだ。)

 

ライト(タスクが教官役を買ったな?)

 

 

 

 

朝食中。セバフから。

 

セバフ「士爵様。お手紙が届いております。こちらはお嬢様に。」

 

2枚の手紙をライトとサトゥーとカリナに手渡した。

 

サトゥー(トルマからだ。)

 

ライト(えーっと、なになに?)

 

トルマの兄のシーメン子爵の期間が明日の朝になる事を報せる内容だった。面会可能な日程が書かれてあった。

 

サトゥー(最短になる明日の午後鐘2つ頃を選んで返事しよう。)

 

カリナ「まぁ!オリオンったら・・・」

 

サトゥー(あの手紙は、カリナ嬢の弟からだったはず。)

 

ライト「どうしたカリナ?」

 

カリナ「遥々訪ねて来た姉や家臣と会う事よりも、武術大会の見物の方が大事だと・・・」

 

ライト「面会より武術優先だと?」

 

ミーア「ナナ。」

 

タスク「メイリン。」

 

アリサ「カリナサマにハグを実行。」

 

タスク「カリナに優しい抱擁を。」

 

ナナ「戦術司令を受諾。」

 

メイリン「お任せ下さい!」

 

2人が泣いてるカリナをハグした。

 

ナナ「よしよし。」

 

メイリン「大丈夫ですよ。カリナ様。」

 

カリナ「・・・!?」

 

アリサ「大丈夫よカリナサマ。14歳位の男の子って、家族の愛情が恥ずかしい年頃なのよ。構うと余計に反発するから、少し距離を置いた方が良いわよ。」

 

ライト(クッ、アリサが言うと凄え説得力がある。)

 

サトゥー「お勧めの観光地は何かあるかい?」

 

セバフ「今の時期ですと・・・武術大会の二次予選が開催されている闘技場がお勧めでございます。大旦那様より『当家で確保している貴賓席を自由に使ってよい』とのお言葉をお預かりしております。」

 

ポチ・タマ・リザ「・・・!!」

 

セバフ「他には王祖ヤマト展が開かれている博物館で見聞を広げるも良し。音楽堂で歌姫シリルトーアの軌跡の歌声に癒されるも良し。平民達に忌避感がないのであれば、港区の大市場で珍しい品々を鑑賞するのも宜しいかと存じます。」

 

サトゥー(公都滞在中に全部回ろう。)

 

まず最初に行く場所は。

 

サトゥー「今日は馬術大会の見物にしようか?」

 

 

 

 

〜ツヅク〜




         キャスト

       ライト:山崎大輝

      サトゥー:堀江瞬
        ポチ:河野ひより
        タマ:奥野香耶
        リザ:津田美波
       アリサ:悠木碧
        ルル:早瀬莉花
       ミーア:永野愛理
        ナナ:安野希世乃
       ジーク:相葉裕樹
        サヤ:大野柚布子
       タスク:小林裕介
      ドロシー:山村響
       ローズ:藤田咲
      メイリン:佐藤亜美菜

   カリナ・ムーノ:川澄綾子
        ラカ:髙階俊嗣
       トルマ:狩野翔

      イバーサ:高橋伸也
       イーナ:衣川里佳
       ヒース:興津和幸

       添乗員:長野佑紀

   リーングランデ:Lynn
  オーユゴック公爵:津嘉山正種

DEATH MARCH73「武術」
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