『BGM:激闘』
アリサが魔封じの鈴を鳴らす。魔族達が苦しみ、全員が魔族を討伐する。
ドロシー「ハァッ!!」
ローズ・メイリン「ーーーー!ファイヤ!」
ミーア「サトゥー!」
ルル「ご主人様!新手です!」
魔族を操る男が現れた。
アリサ(
精神を狂わせようとしたが、男がそれを防いだ。
アリサ「嘘!?効いてない!」
サトゥー「アリサ!ミーアと一緒にナナの後ろに隠れろ!」
ライト「奴は魔族だ。」
男が、レベル45の中級魔族に変貌した。
ライト・サトゥー「ッ。」
中級魔族「ーーーーーーー!!!!」
ライト「コイツを貰っとけ!」
マジックリボルバーのシリンダーを回して魔力を高め、中級魔族に向けて連射した。隙を見たサトゥーが聖剣で中級魔族を一刀両断した。
セーラ「え?魔族がそんなに簡単に?」
サトゥー「あの魔族は前にも戦った事がありますが、陽動用の雑魚です。」
ライト「雑魚中の雑魚って事だ。」
リザ「ご主人様。こちらは終了しました。」
ジーク「お2人さん、こっちも終えたぞ。」
カリナ「ドレスが少し切れてしまいましたわ。」
ラカ『すまぬカリナ殿。少々防御範囲を絞り過ぎたようだ。』
タマ「ポチ大丈夫?」
ポチ「この位へっちゃらなのです。」
ミーア「治す。」
右腕を怪我したポチ。ミーアが魔法で治した。
サトゥー「大丈夫かい?ポチ。」
ポチ「はいなのです。油断したポチが悪いのです。お屋敷に帰ったら、もっと修行するのです!」
タマ「タマも修行する〜!」
サトゥー「うん。偉いぞ。」
ライト「成長したな。ポチ。」
サトゥー(銀羽虫相手にポチが怪我したのは計算外だった。残りの敵は俺達が片付けよう。)
リザ「ご主人様。向こうの加勢に向かいますか?」
サトゥー「いや、ここに居よう。俺達が行っても足手纏いだ。」
ライト「皆はもう一方の出入り口を警戒してくれ。タスク、皆を頼む。」
タスク「油断するなよ。」
もう一方の出入り口を皆に任せ、2人はリーングランデ達の加勢に向かった。
ライト「早く行かねえとヤバそうか?」
サトゥー「リーングランデ嬢や王子達は未だに下級魔族と戦っているようだ。」
大広間へ行くと、リーングランデ達が下級魔族と戦っていた。
ライト「うっへ〜、もうパーティータイムやんけ。」
サトゥー「?」
天井からシャロリックを狙撃しようとする男達を発見した。
ライト・サトゥー「ッ!」
マジックリボルバーと弓矢で狙撃兵の腕を貫いた。狙撃兵が落ちた。
ライト「死なねえ程度に。」
マジックリボルバーを連射し、他の兵士達の腕と足を貫く。
ライト「ん?」
一方でシャロリックは中級魔族に苦戦している。
サトゥー(恩を着せたりしないから。さっさと魔族を倒して欲しい。)
ライト(手伝おうか?)
サトゥー(ちょっとだけなら。)
ライト(んじゃ。)
マジックリボルバーで銀羽虫の羽を全て撃ち抜いた。少年兵も下級魔族を全て討伐した。
シャロリック「良くやった!邪魔をする雑魚さえ居なくなればこちらの物だ!聖剣の力を見せてくれる!」
ライト・サトゥー(長口上はいいから早く倒して下さい。)
シャロリックが聖剣を振り下ろしたが、中級魔族が聖剣を防御した。
シャロリック「流石は魔族!聖剣の一撃を凌ぐか!」
ライト(聖剣クラウソラス。他と比べて貧弱みたいだな。)
サトゥー(もしかしたら、『勇者』の称号が無いと聖剣の力を十全に使えないのかも知れない。)
一方リーングランデも中級魔族を討伐した。
サトゥー「リーン!油断するな!まだだ!」
弓矢でリーングランデに迫る中級魔族の両足を貫いた。リーングランデが剣を振り下ろして討伐完了。
リーングランデ「ありがとうサトゥー。あちらも終わったようね。」
サトゥー「ええ。そのようですね・・・」
するとサトゥーが矢を放つ。
シャロリック「何をする下郎・・・」
矢がシャロリックの頬を掠め、その後ろの男のボウガンを砕いた。男は数人の兵士に拘束された。
サトゥー「申し訳ありません殿下。何分、急を要しましたので、お声を掛ける暇がございませんでした。」
シャロリック「リーンの弟子だけあって腕は立つようだ。この頬に傷を負わせた罰は、貴様への褒美と相殺してやる。」
サトゥー「寛大な殿下のご配慮に感謝致します。」
シャロリック「これをくれてやる。」
中級魔族が落としたアイテムをサトゥーに投げ渡した。
シャロリック「リーン。さっきの続きは公爵城でする。城に戻ったら私の部屋に来い。」
そう言って去って行った。
ライト(セーラの事はもう良いのか。)
リーングランデ「バカね。行く訳ないじゃない。」
中級魔族が落とした他のアイテムをサトゥーが拾い、リーングランデに渡した。
サトゥー「リーングランデ様。こちらは公爵閣下にお渡し下さい。」
リーングランデ「さっきみたいにリーンって呼んでくれないか?」
サトゥー「先程は失礼致しました。緊急時でしたのでご容赦下さい。」
リーングランデ「えぇ。助かったわ。そうね、恩人をからかってはダメよね。でも、あなたならリーンって呼んでも良いわ。勿論勇者ハヤトに勝てる位強くなったらね。」
サトゥー「それは随分先の事になりそうですね。」
丁度そこに、リザとタスクが来た。
ライト「お。タスク。リザ。」
サトゥー(もう安全だし、厄介な王子も消えた事だし、俺達も邪魔にならない内に帰ろう。出来れば『蘇生の秘宝』の使用条件を満たす為に、仲間達に『テニオン神殿の洗礼』を受けさせたかったのだが、この状況で話を切り出すのも不自然だから、次回に持ち越そう。)
とりあえず、面倒なトラブル・・・解決!!!
『BGM:世界』
先程の魔族騒動のせいか、大通りの露店の多くが早仕舞いするようで、ライト達も他の場所に移す事にした。
サトゥー「ナナと遊んでくれてありがとう。」
ナナと遊んであげた2人のイルカ族の2人に焼き菓子をあげた。
そしてライト達が、馬車で移動した先は大壁の内側。貴族区画と商業区画の中間にある博物館。ここも一応貴族区画なのだが、館内は身なりさえ良ければ、平民でも入館が可能。
『BGM:安穏』
メインホールに接続した3つのエリアで構成されている。
サトゥー(一番広いエリアで期間限定の『王祖ヤマト展』が開催されるらしい。)
タマ「ヤマト〜?」
ポチ「王なのです。」
アリサ「あっちは随分混んでるわね。」
王祖ヤマト展が凄く混んでる。
サトゥー「そうだな。」
ライト「ファストパスもないみたいだな。なら他の見て回るか。」
1番初めは、剥製や骨格標本のエリア。
ライト「うわっ、誰も居ねえ・・・」
ポチ「危ないのです!ここはポチが食い止めるから皆は先に行くのです!」
タマ「後はまたせた〜!」
アリサ「ポチ!先に魔王を倒して待ってるわよ!」
タスク「お前ら、普通に見学しろよ。」
ナナ「マスター。これは動かないのですか?」
サトゥー「うん。剥製だからね。」
ルル「ご主人様見て下さい!すっごく可愛いです!」
ペンギンの剥製を見付けた。
リザ「奇妙な生き物ですね?鳥にしては羽が小さいです。」
ミーア「ぺんぎん。」
サヤ「これがぺんぎんですか!とっても可愛いですね!」
ジーク「俺達の知らない動物を見れて勉強になるな。」
次に見付けたのは、
リザ「今にも齧り付いて来そうです。」
タマ「迫力〜!」
ポチ「これはハクセーだからポチは怖くないのです!」
サトゥー(そうだ。)
剥製にビビらないポチに、サトゥーが悪巧みを思い付いた。
サトゥー「ポチ、ちょっとおいで。」
ポチ「はいなのです。」
こっちに来たポチを持ち上げて、
ポチ「こんな事をしても、ポチは怖くないのです。」
自慢げな表情で
ポチ「だ、ダメなのです!ポチは美味しくないのです!!」
突然口を利いた
ポチ「ニクは美味しいけど、ポ、ポチは肉じゃないのです!だから食べちゃメッなのです!」
本気で怖がり始めたのでタネ明かしした。ポチは怖がり、ドロシーに抱き付く。
サトゥー「ごめんねポチ。」
ポチ「ご主人様酷いのです・・・ポチは怖かったのです・・・」
ドロシー「サトゥー、小さい子をイジメちゃダメよ。」
サトゥー「ごめんごめん。」
そこにアリサが駆け寄り、ポチに耳打ちした。
ポチ「しゃざいとばいしょーをよーきゅーするのです!」
サトゥー「じゃあ賠償はやっぱり肉料理かい?」
ポチ「嬉しいのです!ポチはハンバーグが良いのです!」
サトゥー「昨日食べたばかりだけど、同じで良いのかい?」
ポチ「ハンバーグは別腹だから大丈夫なのです!」
サトゥー「そうか・・・」
ライト「おいサトゥー!面白そうな物があるぜ!」
今度は民族衣装コーナーへと移動する。
ライト「何じゃこりゃ?ナース服にバニーガールだと?」
サトゥー「こちらに居そうを伝えた日本人は嗜好に偏りがあったようだ。」
ライト「もうちょいマシな嗜好を入れとけよって話。」
アリサ「ご主人様!こっち来て!」
ライト・サトゥー「?」
アリサ「どう?」
和服姿のアリサ達。
カリナ「サ・・・ペンドラゴン卿・・・に、似合うかしら?」
サトゥー「えぇ。とてもお似合いですよ。」
ドロシー「どうかしら?似合うかしら?」
ライト「ドロシー似合うな。ローズもメイリンも。」
ローズ「これ、とっても可愛いわね!」
メイリン「私も気に入りました!」
ジーク「うん。サヤ可愛いぞ。」
サヤ「えへへ〜。」
タマ「ござる〜!」
ポチ「ゴザルなのです!」
後ろでは、新撰組のポチとタマがはしゃいでる。
アリサ「あれじゃ新撰組って言うより鞍馬天狗みたいよね。」
サトゥー(ネタが古過ぎて分からない・・・)
ライト「何故鞍馬山僧正坊?」
ポチとタマが木刀でチャンバラごっこしてる。
ライト「あの木刀、展示物じゃないのか?」
アリサ「違うわ。あっちのお土産コーナーで買ったの。」
お土産コーナーを見る。
アリサ「見て見て!簪もある!・・・買っちゃおうかな〜?」
リザ「有紗。無駄遣いは感心しませんよ。」
アリサ「ニナさんから貰ったお給料が結構あるから大丈夫!」
リザ「奴隷の持ち物はご主人様の物です。勝手に散財してはいけません。」
サトゥー「リザ。お小遣いは各自の自由に使って良いんだよ。」
リザ「はい。ご主人様がそう仰るなら・・・」
自分の好きな物を買う事で、金銭感覚が育っていくものである。
ライト(日本刀の展示もあるとは・・・)
サトゥー(でも『昔の武器』扱いのようだ。)
???「美しい。」
ライト・サトゥー「?」
声が聞こえた方に目を向けた。そこには、2人の男女が日本刀の展示を見ていた。
サトゥー(あの2人は・・・)
ライト(武術大会予選に出場していたサガ帝国出身の侍だ。)
ポチ「あ!お侍様なのです!」
女侍「あら?小さな侍殿が2人も。」
カジロ「中々勇壮な姿だ。」
サトゥー「連れが失礼致しました。」
カジロ「いや構わぬよ。それにしても、刀を持たぬのによく侍と判ったものだ。」
タマ「試合見た〜!」
ポチ「すっごく強かったのです!」
カジロ「そうかそうか!」
ポチ「ポチもあんな風に強くなりたいのです!」
タマ「タマも〜!」
ピョンピョン跳ねる2人。するとタマの耳が出てしまった。
カジロ「猫耳?もしかして耳族なのか?」
タマ「・・・・・あい。」
カジロ「あぁ、すまぬ。責めているのではないのだ。サガ帝国のミミ族保護区以外で見掛ける事がないので驚いてな・・・」
サトゥー(ほぅ?)
ライト(サガ帝国に保護区があるのか。)
カジロ「時に貴族の若君。ひとつ提案があるのだが・・・」
彼からサトゥーに提案を申した。
サトゥー「武術指南ですか?」
カジロ「あぁそうだ。あの様子からして、この子達は相応のレベルなのだろう?その割に足運びが正式な訓練を受けたものではないように見受けられる。戦闘民族とも呼ばれるミミ族になら、我が流派の指南をするのも吝かではない。路銀も稼がねばならぬしな。」
彼らは、迷宮都市セリビーラまで武者修行に行く途中らしい。しかも大会で損傷した武具の修理中なので、魔物退治や護衛任務で稼ぐ事が出来ないようである。
サトゥー(獣娘達の先生を探していたし、渡りに船だろう。)
提案を申されたサトゥーはカジロの提案に乗り、公都滞在中の雇用契約を結んだ。前伯爵の許可を貰うまでは通いで屋敷まで来て貰い、許可が出たら屋敷の空き部屋に住んで貰う事になった。
カジロ「大会本戦が始まるので、本日は失礼するよ。」
2人は大会本戦へ向かう。
『BGM:懊悩』
王祖ヤマト展に移った。
サトゥー(王祖ヤマト展の会場がガラガラに・・・)
ライト(どうやら大会までの時間潰しで行っただけかもな。)
年表を見る。
ルル「昔はここに王都があったんですね。」
タマ「せんと〜?」
ポチ「難しいのです。」
サトゥー「「遷都」って意味はね・・・」
シガ王国はこの公都で建国し、現在の王都の場所に遷都した後、2代目の仁王シャロリック一世に代替わりしたと書かれてあった。
サトゥー(あの第3王子と同じ名前なのに、随分違うようだ。)
ライト(もしやあの王子、偽物やも知れぬな。)
アリサ「あ!これ知ってる!」
タスク「どうしたアリサ?何か見付けたのか?」
アリサ「これ!狂王ガルタフトの亜人戦争の絵だわ!」
様々な姿をした亜人達と人族がお互いに殺し合う絵画があった。400年程前に、大規模な亜人の迫害が行われ、シガ王国の東や北北西にあった亜人の国々との間で大戦争が起こったらしい。魔王や魔族が関わらない戦争では、過去千年で最大に死傷者が出たそうで、最後にはサガ帝国の勇者やエルフ達まで事態の収拾に動いたようだ。この絵は狂王の次に王座に就いたシガ王国中興の祖賢王ザラの時代に描かれたもので、過剰な迫害が悲劇を生むと後世に伝える為のものだそうだ。
サトゥー(今でも迫害や差別は根強いようだが、当時のように『亜人である』と言うだけで殺されるような状況ではないだけマシなのかも知れない。)
ライト・サトゥー「?』
2人が不思議な絵を見付けた。
ライト(丘の上に、1枚の扉?)
丘の上に1枚の扉だけが描かれてる絵だった。その絵の扉から、1人の少女が顔を出した。
サトゥー(ほう?)
ライト(油絵が動くとは、新たなトリックアートか。)
手を振るサトゥー。少女が笑顔になった。
サトゥー(喜ばれた。)
すると少女が、サトゥーに手招きした。サトゥーが引き寄せられるように少女に近付くと。
タマ「どーん!」
ポチ「なのです!」
後ろからポチとタマに抱かれた。
サトゥー「どうしたんだい?2人共。」
ライト「何か面白い物あったか?」
タマ「来て来て〜!」
ポチ「こっちに凄いのがあるのです!」
ライト「・・・あれ?」
サトゥー「?」
さっきそこにあった油絵が一瞬で無くなっていたのだ。
サトゥー(扉の絵、無くなってる・・・?運搬中だったのだろう。)
タマ「あれ見て〜!」
ポチ「凄く凄いのです!」
それは、高さ5メートル、幅50メートルの巨大タペストリーだった。
ライト「デケェタペストリーだな。」
タスク「これ、40年も費やして作られたらしいんだ。」
ライト「ほほう。」
ナナ「マスター。魔王が巨大で危険だと告げます。」
猪の顔を持った魔王の絵。
ライト「ここに解説が書かれてるな。えっと、なになに?」
王祖ヤマト様の前に現れたるは、城をも踏み台にする巨躯の魔王。
魔王の前座たる6色の古参魔族が、人族の連合軍を翻弄す。
緑色のヘビ、桃色の桃型スライム、見覚えのある青色と赤色の上級魔族の姿があり、最前列には、黄色い4本腕の魔族が描かれている。
サトゥー(6色って言う事は、黄色い魔族の影のように描かれた黒いのが、最後の1体なのかな?)
緑色は変幻自在。桃色は防御特化。黒色は神出鬼没。黄色はリーダー的な存在で、並の魔王より強かったらしい。
魔王に操られる豚人族の軍勢。望死盲兵となりて、騎士達と相争わん。
サトゥー(望死盲兵。こっちの単語を無理矢理漢字に当て嵌めたのかな?)
黄色い魔族の足元に居る小さな人影がオークなのだろう。
オークは公都の下町に2名程居る事が分かった。
サトゥー(魔物ではなく、妖精族らしい。)
グリフォンに騎乗せし、フルー帝国の幻獣騎士が参戦すれば、魔王は空中要塞たる大怪魚トヴケゼェーラを召喚し、空を怪魚達が舞い狂う。
サトゥー(トヴェゼェーラ?どれの事だろう。もしかして、あの飛行船がマッコウクジラみたいなものかな?)
国々が滅びに瀕した時、彼方より天龍の背に乗りて現れた救いの手こそ、我らが王祖ヤマト様なり。
ライト「・・・かぁ。」
サトゥー(この騎士が王祖ヤマトなのだろう。)
周囲には、青い光里に包まれた幾本もの剣が浮かんでいる。
サトゥー(絵師の創作かな?)
王子シャロリックが使っていた聖剣クラウソラスは空を飛んでいなかった。
カリナ「これが、王祖ヤマト様の勇姿なのですね。」
リザ「幾ら偉大な王でも、竜の頭に乗せて貰えるとは思えません。」
アリサ「竜騎士とか萌えるじゃない!」
ミーア「うんうん。」
ジーク「ん?おい、彼処に聖剣のレプリカがあるぞ。」
聖剣のレプリカと、巨大な鎧ををじっくり見る。
サトゥー(この巨体は、王祖ヤマトの偉大さを表現する為の誇張だろう。)
そうしていたら、業者が迎えにやって来た。そろそろトルマの実家である、シーメン子爵家へお邪魔する時間らしい。ライトとサトゥーは一旦帰宅して皆を降ろした後、同行を希望したアリサとナナだけを連れて子爵邸へと向かった。タスクとジークは子供達を守ると言って残る。
子爵邸・応接室。
???「トルマを救ってくれた事を感謝する。」
子爵のホーサリス・シーメン。年齢34歳。
サトゥー(彼がトルマの兄か。)
一方のナナはマユナを愛でている。
トルマ「悪いねサトゥー殿。ライト殿。兄はこう言う話し方しか出来ないんだよ。」
ホーサリス「失敬なトルマ。私の話し方の何処が可笑しいと言うのだ?」
ライト(トルマの父親に見えてしまうな。)
アリサ(ぐふふ♪)
ライト(BLの妄想してやがるな。程々にしろよな?)
最大の懸念事項だった巻物の発注と倉庫にある巻物の購入は、トルマが事前に根回ししておいてくれたらしく、問題なく了承された。
ホーサリス「巻物の蒐集が趣味なら、工房の見学をしてみるかね?」
サトゥー「宜しいのですか?」
ホーサリス「あぁ。問題なかろう。」
ライト「・・・・」
紅茶を飲んでいると、2人の聞き耳スキルが外での会話をキャッチした。
???『ですから、蛍鈴蘭の露を使ったインクをですね〜。』
???『確かに、そのインクなら付与台での精密操作が可能だが、幾らすると思っている。』
???「そんなのジャングさんの言ってた竜鱗粉や捻角粉だって採算取れないじゃないですかぁ〜!」
サトゥー(ホーサリス氏が呼び出した巻物職人達だろう。)
???「失礼致します。」
ドアをノックした、巨漢の男と小柄の女の2人のノーム族が入って来た。
???「旦那様。お呼びにより参上致しました。」
???「ホーサリス様、どんな御用ですか?」
ホーサリス「そちらが工場長のジャング。そんな見た目だが、巻物に関してはシガ王国一の技術者だ。そちらの娘がナタリア。創意工夫にかけては工房一だ。必ずやペンドラゴン卿の期待に応えてくれるだろう。」
ホーサリスは2人を紹介した後にトルマと外出。サトゥーは希望する巻物のリストをジャングに見せて打ち合わせる。
サトゥー(上級魔法の巻物化は不可能か。)
また、犯罪や諜報に使える魔法も請け負えないと言う事だった。他にも巻物作製は、巻物の仕上げをする人間がその魔法のスキルを持っている必要があると言う。
サトゥー(重力、影、精神、死霊などの魔法は作製不能らしい。)
空間魔法の使い手は現在、王都まで出張中なので、一月程は巻物の注文は受けられないと言う事だったが、中級で唯一存在する敵兵士の『帰還転移』の巻物が在庫に存在していないので問題ない。金貨100枚で売って貰った。
ナタリア「ねぇ士爵様。蒐集家なのは判るけど、この表にある魔法は巻物で使っても大した効果のない物ばかりだよ?」
ジャング「ナタリア。もう少しちゃんとした敬語を使え。」
ナタリア「え〜!ちゃんと敬語になってますよね?士爵様!」
サトゥー「私達は成り上がり者なので、敬語が使い難かったら、普通に話して下さって構いませんよ。」
ライト「俺と話す時もタメ口でOKだ。」
ナタリア「ほんとー?」
在庫にある巻物の売買契約を済ませ、受注分の巻物に優先順位を付けて依頼を完了する。
ナタリア「変な呪文だね。見やすいけど、やけに効率が悪いな〜。下級で収まるとは思うけど、詠唱が長くて使い難いんじゃないかな?」
こう見えてサトゥーの呪文は、構造化プログラミングの考え方を導入してあるので、こちらの世界の標準的な呪文と大きく違う。
サトゥー「巻物化出来ませんか?」
ナタリア「あぁ。それはダイジョーブ。ちょっとヘンだけど、魔法の作法を逸脱してないみたいだから。何とかなりそー・・・です。」
横からジャングに睨まれ、敬語で話した。
ジャング「では士爵様。在庫を出すのに少々お時間頂きたいので、その間、工房の方を御覧になりますか?」
サトゥー「はい。是非に。」
『BGM:安穏』
工房は子爵家の敷地内の地下にあり、人と魔法装置による厳重な警備網が敷かれていた。また、この工房は幾つもの小部屋に分かれており、特定の工程だけをこなすようになっている。
サトゥー(その為、全体の工程を知る者は極少数らしい。)
巻物の髪は別の場所で作っているらしく、『巻物用紙・乙』みたいな鑑定結果だった。
サトゥー(技術者同士の会話で、インクに魔核の粉末が必要らしい事が判った位だ。)
ジャング「この部屋ではインクを作っています。」
ライト「ほほう。」
サトゥー(室内には入れて貰えないか。)
巻物作りと言っても、専用の紙とインクで呪文を書くだけではないようで、幾つもの工程を必要とするみたいだ。その為に既製品でも2日から4日。オーダーメイドの場合は更に数日見ておく必要があるようだ。
工房見学を終えて、先程の応接室に戻ると、巻物の小山が積み上げられていた。
ライト「ふむふむ。どれも面白くて興味深いな。」
サトゥー(これらを使いこなせば、今後の旅がかなり楽になるだろう。)
そして発注したのは次の通り。
既存の魔法書から選んだのは、生活魔法の『柔洗浄』『乾燥』『止血』。
治療用の『解毒』『病気治癒』。
精錬用の『金属抽出』『金属融解』。
オリジナル魔法は、対人制圧用の『軽気絶弾』『誘導気絶弾』。
魔法道具作製に使う『液体操作』『気体操作』『電気操作』。
遊び用に、火魔法の『花火』。光魔法の『幻花火』。
そして実験用の『弾体射出』『標準出力』『映像出力』。
この『標準出力』は、メニューのログに『Hello world』と表示するだけの魔法。『映像出力』は、メニュー画面に矩形を表示し、同様の文章を描画する魔法。
サトゥー(この実験が上手く行ったら、『録音』『撮影』と言った魔法の開発に取り掛かりたい。)
そして『弾体射出』は爆裂魔法の複合呪文。主な目的は対魔王戦などで魔力過剰充填済みの聖矢を打ち出す為に開発した。
サトゥー(弓だと両手を使用するので、剣との武器換装が必要になって面倒だったからね。)
契約が終わった後、ジャング立ち会いの下、中庭でオリジナル魔法の試射実験をする。試射の際にいくつかのオリジナル魔法にケアレスミスが見付かったので、その場で修正させて貰った。
実験開始。花火魔法を試射。夜空に花火が咲き誇った。
ナタリア「凄い!これ凄いですよ!」
アリサ「綺麗ね!トーキョー湾大ハナビ祭を思い出すわ〜!」
ライト(東京の花火大会が恋しいわ〜。)
ナタリア「士爵様!この魔法売って下さい!」
ジャング「おいナタリア!旦那様に無断で何を言っているんだ!」
サトゥー「タダでも良いけど・・・」
アリサが上手く交渉してくれて、サトゥーの発注した巻物に人員を多めに割り当ててくれたら、販売を考えると言う線で纏めてくれた。
ライト「おいナナ。帰るぞ。」
そして帰宅。
『BGM:懊悩』
食後にアリサを連れて、魔法の試射実験の為、公都地下の迷宮遺跡に訪れた。
アリサ「ふう・・・折角の夕飯がリバースするかと思ったわ。」
サトゥー「夕飯をあんなに食べるからだ。」
アリサ「だって美味しかったんだもーん!」
ライト「あんなに食べると、いずれ太るぞ?」
アリサ「まぁ!成長期の女の子に対してデリカシーの無い事を言うのね!ライト様は!」
ライト「中身大人だけどな。お前。」
サトゥー「それで何の為に迷宮に来たかったんだ?」
ライト「ここは遺跡だからレベルアップは不可能。それともあれか?俺達だけしか話せない前世の話とか。」
アリサ「やーね。違うわよ。ってか前世の話なんてこの前やったじゃない。」
サトゥー「空間魔法を覚える為にレベルを上げようとしてたんじゃなかったのか?」
アリサ「おふこーす!勿論覚える為よ!」
サトゥー「判るように言ってくれないか?」
アリサ「ふはははは!何時からスキルポイントが固定だと勘違いしていた!」
ライト「勘違い?」
サトゥー「どう言う事だ?まさか一度割り当てたスキルポイントを振り直せるのか?」
アリサ「出来るわよ?言ってなかった?」
ライト「いや初耳だ。」
サトゥー「どうやるんだ?」
アリサ「スキルリストにある『リセット』を取得して実行するのよ。ユニークやギフト以外のスキルを全てポイントに戻してくれるの。」
ライト「なんて便利なんだ。それに理不尽でもあるな。」
サトゥー(リストから選べない俺には縁のないスキルな訳だ。)
アリサ「最も、リセットって言っても万能じゃないのよね〜。」
ライト「デメリットがあるのか?」
アリサ「そっ。1回使うと、5%から20%のスキルポイントがロストするの。それも回復手段なしで。後ね、コレを使いたくない理由があるんだ〜。」
サトゥー「何だ?」
アリサ「超痛い!」
サトゥー(成る程。こんな場所まで来たのは、痛みで悲鳴を上げて、他の子達に心配させるのを防ぐ為だったのか。)
アリサ「そろそろ始めるわね。」
ライト「待てアリサ。始める前に鎮痛剤飲め。」
アリサ「ゴメン。薬を使うとロストするポイントが増えた記録があるらしいのよ。」
ライト「そうか。」
激痛の話も含めて、リセットについては故郷に居る時にサガ帝国の勇者ハヤトから教えて貰った話らしい。
サトゥー(つまり勇者ハヤトは、アリサが転生者と知っている訳か・・・)
アリサ「女は度胸!リセットォ!!」
リセットを発動してサトゥーに抱いた。周囲に電撃が走る。
サトゥー(イテテッ。)
『苦痛耐性』スキル有効化され、電撃が収まった。サトゥーが座り込み、アリサがサトゥーの胸に倒れる。
ライト「・・・凄い電撃だったな。」
サトゥー「・・・・アリサ、セクハラするなら膝枕止めるぞ?」
アリサ「・・・!」
ライト「んで、上手く出来たのか?」
アリサ「ま〜ね。ちょいポイントが足りなかったけど、精神魔法の代わりに空間魔法スキルレベル6をゲットしたわよ♪」
そのままサトゥーの膝枕で寝込もうとするが。
サトゥー「アリサ命令だ。緊急時以外の風呂場への乱入や着替えを覗くのは禁止する。」
アリサ「ぐはっ!せ、せめて!せめて現行犯で捕まえてからにしてよ!乙女のちょっとしたご褒美がぁ〜〜〜!!」
ライト「あ〜あ。折角のいい雰囲気が、台無し・・・だな。」
〜ツヅク〜
キャスト
ライト:山崎大輝
サトゥー:堀江瞬
ポチ:河野ひより
タマ:奥野香耶
リザ:津田美波
アリサ:悠木碧
ルル:早瀬莉花
ミーア:永野愛理
ジーク:相葉裕樹
タスク:小林裕介
ドロシー:山村響
ローズ:藤田咲
メイリン:佐藤亜美菜
女性:衣川里佳
カジロ:田中進太郎
セーラ:前川涼子
リーングランデ:Lynn
トルマ:狩野翔
ホーサリス:上田燿司
ジャング:高橋伸也
ナタリア:長野佑紀
シャロリック:松風雅也
DEATH MARCH76「舞踏」