『BGM:懊悩』
ウォルゴック前伯爵夫妻の馬車に続いてカリナと一緒に出掛ける。今日は公都の貴族達と一緒に、専用艇でやって来た国王のお出迎え。
カリナ「小さな飛行艇ですわね。」
サトゥー「そうですね。ですが動きが機敏ですし、装甲もミスリル合金製のようです。」
専用艇が着陸した。
ライト(国王専用の高速飛行艇か。)
カリナ「あれに陛下が乗っていらっしゃるのかしら?」
サトゥー「えぇ、そのはずです。」
国王が行幸して来るのは、公爵の孫で次々期公爵のティスラードと、国王西端に領地を持つエルエット侯爵の孫娘との結婚式に参加する為らしい。挙式は5日後の予定。ライトとサトゥーに料理のオファーが来てる。
カリナ「あの方が国王陛下なのかしら?」
専用艇から国王が降りて来た。
サトゥー(55歳と意外に若い・・・)
ライト(いや、本物の国王じゃない。アイツは影武者だ。)
影武者の国王陛下に全員が頭を下げる。上級貴族の当主達や、重職にある者達は公爵城へ向かったが、ライト達の役目はここで終わりなので屋敷へと帰還。
屋敷に戻ると。
ミーア「サトゥー。スクロール。」
サトゥー「ありがとうミーア。」
ミーアから手紙を受け取った。
サトゥー(スクロール工房からだ。発注したスクロールの一部が完成したらしい。)
ライト「アリサ。ちょいとサトゥーとシーメン子爵邸まで行って来るから留守番頼むわ。」
アリサ「ほーい。」
ミーア「早く帰って来て・・・」
サトゥー「勿論さ。」
工房で工房長のジャングから、最優先でお願いしたスクロールを受け取った。
対人制圧魔法『リモートスタン』
実験用『シューター』
『スタンダート・アウト』
『グラフィック・ビュー』
ナタリア「ジャングさんジャングさん!!士爵様が来てるって聞いたんだけどまだ居る!?」
バタバタとナタリアが駆け込んだ。
ジャング「静かにしろナタリア!」
ナタリア「良かった!徹夜で完成させた『ファイアワークス』と『ファイアワークス・イリュージョン』のスクロールだよ!」
サトゥー「ありがとうございます。」
ナタリア「だから、ね!この魔法を売ってくれると嬉しいな〜って!」
ジャング「止めろナタリア。ずん胴のお前がやっても逆効果だ。」
ナタリア「ジャングさんひっどーい!」
早速買い取り交渉を始めた。
ジャング「こちらが『ファイアワークス』と『ファイアワークス・イリュージョン』の買い取りに出せる金額になります。」
ライト「・・・桁を間違えてないか?」
サトゥー(たった2つの魔法に金貨100枚は多過ぎだろう。)
ナタリア「だから言ったじゃないですかジャングさん!この魔法の価値はもっと大きいって!誰でも使える下級魔法なんですよ?ティスラード様の結婚式に上手く間に合わせられたら注文が殺到しますって!」
サトゥー(あれ?もしかして、金貨100枚じゃ少ないから、もう一桁増やせって言ったと思われてるのか?)
ジャング「そうだな。確かに新魔法1つ購入するのに金貨500枚が相場とは言え、この魔法が貴族受けするのは間違いない。1つ金貨100枚まで出せないか、ホーサリス様に交渉してみよう。」
ナタリア「やったー!」
サトゥー「お待ち下さい。そこまでこの魔法の価値をお認め下さっているなら、最初の金額でお売り致しましょう。」
ナタリア「ほんとー?それなら早速ファイアワークスのスクロールを量産しなくtっや!ジャングさん、他の生産を止めて良いよね?」
ジャング「あぁ構わん。士爵様の注文分は止めるなよ。」
ナタリア「あったりまえじゃーん!それ以外は全部止めてファイアワークスだぁああ!!ありがとう士爵様!」
ライト「元気だな〜。」
『BGM:安穏』
用件を終えて、シーメン子爵邸の離れにあるトルマの屋敷へ向かった。
サトゥー(東屋に居るのか。)
ライト(リーングランデも居るな。)
サトゥー「ご無沙汰しておりますトルマ卿。」
トルマ「やぁサトゥー殿。ライト殿。こっちにおいでよ。リーンも良いだろ?」
リーングランデ「えぇ、構わないわよ。」
トルマ「社交の方は順調かい?」
ライト「ああ。トルマ卿に教えてくれたお陰でツツガなく交流出来ている。」
トルマ「それは重畳だね。それで演壇も来てるそうだけど、何人か婚約したりしたのかい?」
サトゥー「いえ、私達はまだまだ若輩者ですから、当分結婚をする気はありません。」
ライト「そうだな。俺でもこんな口調だから相手が嫌われたりしたら面倒だし。」
トルマ「そうなのかい?モテモテだろ?何せ、婚約者のカリナを正妻にするなら、ムーノ男爵領の太守の座は安泰だし。そうなったら、権勢も収入も上級貴族並みだろ?セーラを第二婦人にするにしても、もう2人か3人は婦人を娶れるだろうし、妾なら十人単位で囲えるんじゃないか?」
サトゥー(何そのハーレム?)
ライト(興味ないシチュエーションだな。)
リーングランデ「サトゥー!ライト!あなた達やっぱりセーラを狙っていたのね?しかも第二婦人ですって?セーラを2番目にするつもりなの!?」
サトゥー「落ち着いて下さい。トルマ卿の勝手な妄想ですよ。」
ライト「それに神殿で言ったように、セーラは大切な友人だ。それにカリナは婚約者でも恋仲でもない。」
リーングランデ「・・・絶対?」
サトゥー「はい。天地神明と名誉士爵の爵位に懸けて。」
それを聞いたリーングランデが、2人を責めるのを止めた。
リーングランデ「ごめんなさい。ちょっと嫌な事があったから気が立っていたのよ。トルマ小父様、ちょっとお庭を借りるわね。サトゥー、ライト、ちょっと付き合いなさい。」
庭で剣術の修行。
トルマ「3人共喉が渇いただろう?修行はその位にしてワインでもどうだい?」
東屋に戻ってワインを頂く。
リーングランデ「・・・判る?公衆の面前でわざと負けないといけないのよ?しかもあのシャロリック王子相手に!全く陛下が隣席するからと言って、どうして私と殿下が模擬戦をしなくてはならないのよ?」
サトゥー(あ、3回目のループに入った。)
ライト(ベロベロに酔ってる。)
リーングランデ「しかも殿下が持つのは護国の聖剣クラウソラス。シガ王国を体現するとも言われている不敗の象徴なのよ?だから絶対に・・・」
愚痴言ってる途中でリーングランデが眠った。
サトゥー(愚痴のループは3回目で終了のようだ。)
『BGM:懊悩』
翌日。タマがポチに抱き付いてもぞもぞしている。
サトゥー(今日は朝からタマの様子が可笑しい。)
それからタマはリザ、ローズ、ドロシーに抱き付いた。
ローズ「タマ?」
ドロシー「あら?」
タスク「おいタマ、どうしたんだ?」
タマ「ん〜?何かムズムズする〜・・・」
ポチ「プンプンなのです!今日のタマは可笑しいのです!」
ライト(おやぁ?ポチも珍しく怒っておられますな。)
タマがミーアに抱き付こうとしたが、ミーアが拒否。拒否されたタマが、サトゥーの膝に寝る。
ミーア「むぅ?」
安心したのか、タマがぐっすり眠った。それと同時にポチも落ち着きを取り戻し寝転がる。
メイリン「あ、ポチちゃんの機嫌が直ったみたいです。」
アリサ「ねぇご主人様、ライト様。ムーノ城に初めて入った時の様子に似ていない?」
サトゥー「そうか?」
ライト「・・・あ、確かに。」
タマ『足元変〜・・・』
ライト「あの時のタマ、足元を異様に気にしてたな。」
サトゥー「ちょっと調べてみるよ。」
ライト「どれどれ?」
マップを表示した。
サトゥー(げっ、またアイツらか。)
ライト(自由の翼の残党が公都内に屯ってやがる。)
サトゥー(公都内に残っているのはこいつらで最後のようだ。)
一葉8名。レベルは最大で25と低い。彼らの現在地が闘技場の地下。今日の闘技場には、国王が行幸している為に、公都中の爵位持ちの貴族達が一堂に会している。実にテロの標的として狙われそうな場所だ。会場に公都で知り合った貴族達だけじゃなく、カリナとオリオンの2人も居る。
サトゥー「何やらきな臭い感じだ。」
アリサ「マジで?」
ライト「サトゥー。」
サトゥー「うん。皆、ちょっと始末しに行って来るよ。」
リザ「ご主人様、ライト様。私にも同行をお命じ下さい。」
ナナ「マスター、同行を希望します。」
ポチ「ポチも頑張るのです!」
ローズ「私達と一緒なら百人力よ!」
サヤ「私もお手伝いします!」
ライト「気持ちはありがたい。だが向かう場所は貴族じゃないと入れない場所なんだ。だから俺とサトゥーで行って来る。」
サトゥー「皆の修行の成果は、今度見せて貰うから。今日はルル達を守っていて欲しい。」
ライト「ジークも、皆を守ってやってくれ。」
ジーク「分かった。あんまり無理するなよ?」
ライト「タスク。皆を頼む。」
タスク「任せとけ。」
タマ「にゅ!」
闘技場から異常な力を感じた。
サトゥー(波紋状の魔力が通り過ぎた。ただ魔力が・・・)
アリサ「今の何?」
ドロシー「異常な魔力だわ!」
ポチ「何かゴーンって来たのです!」
ミーア「信号?」
ナナ「マスター、戦闘準備を。」
リザ達が新装備に着替え始めた。
サトゥー(やはり先程の異変の中心地は闘技場のようだ。)
ライト(自由の翼の残党共が居た場所で、下級の短角魔族の団体様がお出ましか。)
アリサ「何が起こったの!?」
ライト「魔族の団体様だ。」
アリサ「え〜また〜?」
闘技場には、リーングランデや王子、彼の随伴騎士達に加え、公爵直属のレベル50の武官を始めとしたレベル40超えの者達が20人近く居る。
サトゥー(俺達が介入しなくとも何とかなると思うが、備えはしておいた方が良いだろう。)
ライト「アリサ、ルル、ミーア。皆も新装備に着替えておけ。」
3人が新装備を装着する。
”ゴーンゴーン!”
警報の鐘の音が鳴り響いた。
メイド「士爵様!!緊急警報です!!近くの避難壕へご案内致しますので、私に付いて来て下さい!!」
『BGM:戦慄』
魔族や大型の魔物の奇襲に備えて、公都の貴族邸には、避難用の地下シェルターが設置されている。
サトゥー(これで3度目の魔力波・・・)
ライト(異変はそう収まってくれなさそうだ。)
サトゥー「俺達はちょっと偵察に行って来る。皆は地下シェルターに避難していてくれ。」
マップを見ると、闘技場の中心に新手の魔族が出現してる。レベルは71。スキルは『召喚魔法』、『精神魔法』、『炎魔法』を持っている。
サトゥー(ユニークスキルはないようだが、上級魔族だ。)
ライト(ちっと面倒だな。)
サトゥー「アリサ。」
アリサ「ほい?」
サトゥー「マジでヤバそうなら『テレフォン』の魔法で伝えるから、後先考えず地下迷宮に緊急転移して欲しい。」
アリサ「おっけー!」
ライト「俺達は闘技場までカリナの安否を確かめに向かったと、メイドに伝えておいてくれ。」
アリサ「ほーい。」
地下を出て外へ。
ライト・サトゥー「ッ!」
2人がラットとナナシに変身した。
ライト・サトゥー(クレアヒアリス。クレアボヤンス。)
闘技場。
シャロリック「魔族よ!いや、魔王よ!貴様の命運もこれまでだ!」
黄色い肌の上位魔族。
上位魔族「その剣はクラウソラスデェスね?ヤマトの子孫デシタか。」
すると上位魔族が召喚魔法を発動。次々に召喚された魔物が観客席に傾れ込んでいく。
リーングランデ「勇気ある戦士達よ!汝の隣人を守れ!武に身を捧げて来た成果を今こそ見せよ!」
騎士「市民を避難させろ!」
公爵「陛下こちらへ!」
影武者の国王を連れてテレポートした。
騎士「陛下は公爵閣下が城へお連れした!我らは公子様や重臣型を守るぞ!」
ライト「成る程。シティ・コアの力で公爵城の謁見の間に転移したようだな。」
サトゥー「でも転移出来る人数に制限があるらしく、次期公爵や上級貴族達は貴賓席に残されたままらしい。」
ライト「カリナとオリオンはどうだ?」
サトゥー「2人が怪我をした様子はない。ラカを身に着けているので大丈夫だろう。」
魔法使い「結界だ!防御結界を張れ!」
魔法使い「退路はどうだ!」
魔法使い「ダメだ!下級魔族の自爆で通路が崩落している!」
魔法使い「他の脱出路を確保しろ!」
闘技場でシャロリックと戦う上級貴族が、何かを探しているようにキョロキョロ周りを見る。
闘技場へ向かう2人だが、避難する人々で少々手こずってる。
サトゥー「闘技場からの人々が多くなって来た。天駆で!」
天駆で空を飛ぶ。
ライト「ゴウラム!」
ゴウラムを召喚し、ぶら下がって空を飛ぶ。
闘技場上空。
ライト「リーングランデとシャロリックが戦ってる。どうする?」
サトゥー「まずは黄肌魔族を光魔法『レーザー』で倒してしまおう。」
ライト「なら俺はペガサスで行こう。変身・・・」
だがその時、上空が割れ、巨大な物体が出現した。次元潜行船ジュールベルヌ。
サトゥー「おいおい、いきなりSFになるなよ。」
ライト「海底2万マイルの作者、ジュール・ヴェルヌを元にした名前か。って事は、元の世界の10人が絡んでいる可能性がありだな。」
ジュールベルヌの主砲を連射する。だが黄肌魔族には効かない。
サトゥー「肝心の黄肌魔族には効いていないようだが、中々の威力だ。」
ライト「あんなの喰らったら即死レベルだぞ。」
ジュールベルヌに1人の人物が立っている。ハヤト・マサキ。職業勇者のレベル69。
ハヤト「俺様見参!」
仮面を被り、挑発魔法を発動。
ライト「何じゃ今の?モモタロスの真似っこか?」
サトゥー「あの言葉に挑発系のスキルが込められているのか。」
ライト「って事は、今魔族共はアイツに標的を定めたって訳か。」
黄肌魔族「勇者ハヤトデェスか?のこのこと現れるとは、死ぬ覚悟が出来たのデェスね?」
ハヤト「何時までも昔の俺様だと思うなよ!今日こそ雪辱を果たさせて貰うぜ!」
ライト「・・・どうする?この状況。」
サトゥー「今ならレーザーで一瞬で倒せそうなんだけど、そんな因縁話を聞かされた後だと撃ち難いな。」
ライト「んじゃ、あの魔族はハヤトに任せるか。」
シャロリック「控えろサガ帝国の狗め!勇者がサガ帝国の専売ではない事を証明してくれる!踊れ!クラウソラス!」
聖剣クラウソラスが黄肌魔族に向かって飛んだ。
サトゥー「前に博物館で見た絵は、誇張はあるものの嘘じゃなかったらしいな。」
ライト「迷信が本当になったな。」
だがクラウソラスは、黄肌魔族の体に当たって弾かれた。
ライト・サトゥー「弱いぞクラウソラス。」
ハヤト「聖剣が泣いてるぜ王子様。そいつは古の大魔王・・・黄金の猪王の筆頭幹部だ。数百年生き延びた最上級魔族なんだよ。死にたくなければ下がってな。歌え!!フロンダイト!!」
聖剣フロンダイトが巨大な雷を発生させた。
ライト「おぉ、痺れるね〜。」
サトゥー「俺の聖剣にもあぁ言う合言葉はあるんだろうか?」
ライト「それは知らん。ん?あれはハヤトの仲間達か?」
サトゥー「みたいだね。」
ジュールベルヌに4人の女性が現れた。
アーチャーが弓矢をで魔族達を撃ち落とす。
接近する魔族達を、ソードファイターと獣人が斬り裂いた。
そして、サガ帝国第21皇女のメリーエスト・サガが推参した。
ライト「何だと?パーティー全員ハヤト以外女かよ。」
サトゥー「リア充爆発しろと言いたくなるな。グラマラスな美女達ばかりだな。」
勇者パーティーは、黄肌魔族を相手に一歩も引かない布陣で挑むようだ。
サトゥー「レベル差も殆どないし、このまま黄肌魔族退治は彼らに任せておいても大丈夫だろう。」
ライト「そうだな。んじゃ俺達は素直に空気を読んで。、闘技場内の人命救助と雑魚共の掃除を担う事にするか。」
サトゥー「だね。やっぱり適材適所だよね。」
2人はその場を後にし、闘技場へ向かう。
『BGM:疾駆』
闘技場内。テロを行った『自由の翼』や、下級魔族達は始末出来ているようだが、瓦礫の撤去に手間取っている。
サトゥー(カリナ嬢達の脱出が出来ていない。)
少女「はっ!皆様!上から魔物です!」
上空から魔物が急接近して来る。
ライト(久し振りに使うか。)
マジック・リボルバーのシリンダーを回して魔力を高め、魔族に放って爆散した。カリナが少女を支えた。
ライト(っしゃ。)
少女「ありがとうございますお姉様・・・」
カリナ「き、気にしなくて構いませんわ。」
サトゥー(マジック・ハンドで障害物を取り除こう。)
瓦礫と化した障害物を取り除いて道を作った。
騎士「何だ?誰の魔法だ?」
騎士「兎に角・・・まずは脱出を!!」
急いで脱出を再開する。
サトゥー(次は格上と戦おう。戦士達の支援を。)
ライト(OK。)
ゴーラォ「うわああぁぁぁ!!父ちゃん!!」
ジラゥ「ゴーラォ!!」
魔族に襲われる親子を発見した。
ライト(あれ、闘技場の時の?)
サトゥー(トス・ストーン!!)
地面から石の槍を発生させ、魔族達を串刺しした。
ジラゥ「どなたか存ぜぬが助力感謝致す!」
残った魔族を槍でひと刺し。ジラゥが苦しんで座り込んだ。
ゴーラゥ「父ちゃん!!」
サトゥー(治癒魔法で癒しつつ、マジック・ハンドで。)
治癒魔法でジラゥの傷を癒し、マジック・ハンドで2人を脱出させる。
ジラゥ「うわああっ!?」
ライト「ちょっと強引過ぎやしないか?」
サトゥー「止むを得ない状況だ。言ってる場合じゃない。」
ライト「まぁ良いけど。」
他の逃げ遅れた非戦闘員達をマジック・ハンドで場外に脱出させて行く。
ライト「何だろう・・・台風で吹き飛ばされてるように見える。」
サトゥー「もうちょっとマシな例えない?それと魔物の分布を調整して、戦士達がお互い傷付け合わないように・・・よし、戦場調整完了。フリーの魔物に・・・」
フリーの魔族達にリモート・アローの雨を降らした。魔族達がリモート・アローの餌食となった。
ライト「うっひょ〜、気持ちの良い光景だ事。」
サトゥー「さて、闘技場のグラウンドは・・・」
ライト「思ったより手こずっているみたいだな。」
闘技場。
シャロリック「おのれ!我が聖剣の一撃を弾き返しただと!?」
少年兵「殿下後ろ!」
シャロリック・少年兵「うおぉおおおおお!!」
だがもう遅かった。他の魔族の尻尾で何処かへ吹き飛ばされた。
ライト「あはははは!滑稽なぶっ飛び事!」
サトゥー「邪魔者は吹き飛ばされて行ったな・・・」
一方勇者パーティーは、クワガタ魔族に苦戦している。
ソードファイター「ウィー!あの双角甲虫何とかしてぇええ!!」
獣人「これじゃムカデに集中出来ないよ。」
アーチャー「無理だ。あの速さで飛ぶ双角甲虫に矢が当たるものか。」
闘技場の塔の上。
サトゥー「そんなに難しいだろうか?」
ライト「こんなのお子ちゃまレベルだぞ?」
マジック・リボルバーと聖矢で他の2匹のクワガタ魔族を撃ち落とした。
ライト「当たるじゃねぇか。まだまだ鍛え方がなってないだけか。」
サトゥー「ライト。後は勇者パーティーの女の子達に任せるとしよう。」
ライト「そうだな。他にやる事をやるか。現状はどうだ?」
サトゥー「人々は最寄りのシェルターか、公爵城内へと避難したようだ。勇者達も王子と言う邪魔者が居なくなった事で、さっきよりも有利に戦いを進めている。」
ライト「OK。それに、漏れ聞こえる勇者と黄肌野郎の会話から推察すると、黄肌野郎は魔王戦の前に戦ったオジャル野郎とナリ野郎の仲間っぽい。そして黄肌野郎の頭上に浮かんでいるあの3つの球体。勇者達が大ダメージを与えても、瞬く間に回復している。」
サトゥー「あの球体はキュアボールと言う名前の魔物らしいよ。」
ライト「成る程。魔法の一種かと思いきや、まさかの魔物の類だとは。勇者パーティーが破壊する度に再召喚して補充してやがる。何とかしねぇとな。」
サトゥー「でも勝手な横槍は、勇者パーティーに恨まれそうだ。」
ライト「新展開が訪れるまで、ここで待機して見守るとするか。」
すると、2人の危機感知スキルが発動された。
サトゥー「おや?頭上に何か・・・」
頭上に巨大な黒い魔法陣が出現した。
ライト「黄肌野郎の召喚陣か!?」
目まぐるしい事態が変わっていく。その魔法陣から、巨大なクジラのような魔物が無数召喚された。
サトゥー「クジラ?」
ライト「空飛ぶクジラだが、全長凡そ300メートル超えてるな。東京タワー以上かも知れねえ。」
大怪魚トヴゲセェーラの大群。
サトゥー「そしてクジラは美味い。」
ライト「そうそうクジラは美味い。・・・へ?」
サトゥー「勇者達が戦闘そっちのけで驚いている。」
ライト「そりゃあこんな予想外の事態が起こってんだから驚くのも無理はない。」
サトゥー「肉を確保したら、彼にもお裾分けしよう。」
ライト「あれ食えるの?」
サトゥー「あれだけのサイズがあったら、何食分になるのか想像も出来ない。大和煮はガチとして、他には何を作ろうかな?」
ライト「お前やっぱ花より団子だな。」
サトゥー「クジラを解体するのに肉を傷めたらダメだから、光魔法の『レーザー』で頭を落としてすぐにストレージに収納しよう。威力が弱いが、複数本撃てるから光魔法『コンデンス』で1つに纏めよう。」
ライト「見る限りアイツら美味そうには見えねえけどな。」
サトゥー「方針が決まったら素早く実行!ライト!」
ライト「まぁ、付き合ってやりますか。」
無数のレーザーとマジック・リボルバー最大出力連射でトヴゲセェーラの大群を焼き払った。
サトゥー「よし、一撃クリア!」
ライト「けどあの大質量が落下したら大惨事になるな。」
サトゥー「マジック・ハンドを伸ばしてストレージ回収しよう。」
トヴゲセェーラの肉を全て回収。
ライト「にしても、レーザーとマジック・リボルバーで焼き切ったってのに結構な量の体液が流れてるなぁ。」
サトゥー「ああ。放置するのは地上の人々が危険だ。」
ライト「こっちも焼却しとくか。」
そう言いながら体液をマジック・リボルバーで全て除去した。
ライト「お?体液から寄生虫みたいな生き物が出て来た。」
寄生虫のような生き物を除去した。
ライト「射角の関係で間に合わなかった奴も居たな。」
サトゥー「でも直下付近に王子が居るし倒してくれるだろう。」
ライト「お掃除宜しくな〜。」
サトゥー「ん?」
下を見ると、勇者一行がこちらを見て呆然と立ち尽くしている。
サトゥー(え〜っと・・・)
ライト(クジラが美味しいのがいけないと思いまーす!なんて言うべきか?)
称号・『整理人』、『姿なき支援者』、『戦場の支配者』、『大怪魚殺し』、『光術師』、『天空の料理人』を得た。
サトゥー「しまった、クジラ肉確保に全力を出し過ぎた。」
ライト「おーお。下が更に賑やかになってるな。」
サトゥー「今更隠れても手遅れだし、勇者ナナシとラットの姿だから、見られても別に良いだろう。」
ライト「このまま続行しますか。」
サトゥー「あの時アリサと考えた勇者ナナシ・バージョン3が日の目を見る時が来たようだ。」
ライト「アリサの趣味全開のじゃなきゃ良いけどな。」
サトゥー「さて、これまで黄色魔族への手出しは控えていたが、バージョン3の性格設定ならば空気を読む事はしないはずだ。積極的に手を出すスタイルで行こう。」
ライト「おい抜け駆けズリィぞ!」
急降下する2人。
サトゥー(リモート・アロー!)
ライト(あらよっと!)
リモート・アローとマジック・リボルバーで下級魔族と黄肌魔族に直撃した。
『BGM:激闘』
ハヤト「誰だ!」
黄肌魔族「何者デェスか?」
サトゥー「僕はナナシって言うんだ。宜しくね。」
ライト「ラットだ。通りすがりの旅人だ。」
”キケン・・・”
サトゥー(!!)
勇者一行の後ろでは、リーングランデと2人の聖女が詠唱を唱えている。
サトゥー(彼女達が詠唱を初めて2・3分経っている。何かの上級魔法なんだろうけど、『危機感知』の反応からして市内で使えるレベルの魔法じゃなさそうだ。)
”アレハ・・・トメナイト・・・イケナイ・・・”
ライト(ヤベェ・・・これだけ焦燥感に駆られるのは猪野郎以来だ。勇者を説得して中断させるのがベストなんだろうが、問答している時間はなさそうだ。)
サトゥー(なら、少し強引に行く!ブレイク・マジック!)
3人の詠唱を強引に破壊した。ブレイク・マジックで彼女達の呪文詠唱を強制中断。魔法の構成を破壊されて指向性を失った魔力が周囲に溢れた。
サトゥー(彼女達が危ない!マナ・セクション!)
リーングランデ達に痺れを起こさせ気絶させた。
ハヤト「何をする!」
サトゥー「ごめんね。その魔法はちょっと危な過ぎるんだ。悪いけど中断させて貰ったよ。」
黄肌魔族「これは失笑なのデェス。仲間割れデスか?恐らく幻術を使って大怪魚を召喚ゲートに引き換えさせたのデェスね!中々知恵の回る卵がいたものなのデス。」
左手に黒い球体を生成した。
サトゥー(あれ?そう言う解釈なのか?それに卵って何だろう?)
ライト(どうやら黄肌の坊ちゃんにとって大怪魚をレーダーの一撃で倒したのは、幻覚と切って捨てられる程非常識な景色だったみたいだ。)
サトゥー(何とまあ回りくどい解釈だな。)
ライト(それともう1つ。トラブルが起こった。)
サトゥー(え?)
危機感知スキルが働いた。勇者の銀船の主砲がライトとサトゥーに照準を合わせた。
サトゥー(どうも勇者が抗議していた姿を見て俺達を敵と判断したみたいだな。)
ライト(なんとまあ短気な奴らだ。牛乳でカルシウム摂取しとけよな。)
銀船が主砲を発射した。
サトゥー(コンデンス!)
コンデンスで主砲の光線を逸らさせた。
サトゥー(ただ逸らすのもエネルギーが無駄だから・・・再召喚していたキュアボールに。)
光線を黄肌魔族が召喚したキュアボールに逸らせて破壊した。
黄肌魔族「光船の光線を曲げるデェスか?ただの卵かと思ったデェスが孵化してるようデース。」
ハヤト「お、おい!ちょっと待て・・・」
シャロリック「不甲斐ないぞ勇者!踊れクラウソラス!」
クラウソラスをサトゥーに向けて投げた。
サトゥー(王子まで俺達を敵認定してきた。)
飛んで来たクラウソラスをキャッチした。
ライト(そいつ暴れてるぞ。)
サトゥー(なら魔力を吸い上げて・・・)
クラウソラスの魔力を吸収して静止させた。
ライト(あの坊ちゃん、さっきよりも随分草臥れた姿に変わってるな。)
サトゥー(恐らく、王子の近くに落ちた寄生虫との死闘の痕だろう。)
ライト(それと側近の坊ちゃん、何やら錯乱状態に陥ってるな。)
シャロリック側近の少年兵は嗤いながら剣を魔族に何度もブッ刺している。
ライト(ん?)
黄肌魔族が魔法陣を展開した。
サトゥー(送還陣か。逃さないよ?ブレイク・マジック!マナドレイン!)
ブレイク・マジックで送還陣を破壊し、マナドレインで黄肌魔族の魔力を強奪しようとしたが、吸い切れない。
サトゥー(一度に全魔力を奪うのは無理みたいだ。ライト、そろそろ本気で行こうか?)
ライト(おう。丁度やろうと思った所だ。)
『BGM:戦士』
両手を腰に翳してアークルを出現させた。
ライト「変身!」
アークルのボタンを押して、仮面ライダークウガ・マイティフォームに変身した。
ライト「おららららら!」
ゴウラムからジャンプして、黄肌魔族に連続攻撃を叩き込む。その隙にサトゥーが黄肌魔族から少しずつ魔力を強奪する。
黄肌魔族「グヌヌ!たかが雛相手にこうまで容易く魔力を奪われるなんてありえないデース!」
10回以上繰り返すとマナドレインが出来なくなった。
サトゥー(聖剣クラウソラスにチャージしよう。)
クラウソラスにチャージすると、クラウソラスが膨脹を始めた。
サトゥー(あれ?魔力を注ぐ度に大きくなっていく・・・)
しばらくすると膨張が収まった。
サトゥー(膨張が止まった・・・)
黄肌魔族「ぐぬぬ。どうやら雛の出自はバンパイアの真祖の類だったのですね。」
サトゥー(今度はバンパイア扱いか・・・取り敢えず魔力を奪い切ったし防御魔法を破壊しよう。)
ライト「超変身!」
ドラゴンフォームへ超変身し、サトゥーが投げた槍を受け取ってドラゴンロッドへ変形させた。
サトゥー(ブレイク・マジック!)
ライト「おりゃあああああ!!」
ブレイク・マジックとスプラッシュドラゴンで黄肌魔族の防御魔法を破壊する。
サトゥー(よし、防御魔法をあらかた剥いだな。)
ライト(んじゃ、後は頼んだぜ勇者さん。)
黄肌魔族をキックで押して、黄肌魔族の後ろに立ってるハヤトに渡した。
ハヤト「チィッ!」
聖剣フロンダイトを振り下ろして黄肌魔族を一刀両断。
黄肌魔族「やり直しを要求するのデース・・・・・・」
その言葉を最期に、黄肌魔族が跡形もなく消滅した。
ハヤト「どう言うつもりだ?」
サトゥー「因縁のある相手だったんでしょ?」
ハヤト「ふん。礼は言わんぞ。」
ライト「別にいいぞ。禁呪が発動していたら倒せていた相手だろ?」
戦いが終わり、ハヤトが仮面を外して素顔を見せた。
ハヤト「所で、あのアホ王子が死に掛けているが助けなくていいのか?」
ライト「ん?」
下の方では、シャロリックがレベル50の魔族達に襲われていた。その魔族にはライフドレインと言うスキルを持っており、他の魔物達やシャロリック達からレベルや生命力を奪って急成長している。
サトゥー(成る程それで・・・王子も俺にクラウソラスを投げ付けなければもうちょっとマシだったろうに。)
ライト「気に食わない相手だが、まぁ死なせるのは困る。超変身!」
ドラゴンフォームからペガサスフォームへ超変した。マジックリボルバーを握りペガサスボウガンに変形させた。
ライト「ッ!」
そのままライジングペガサスフォームへ強化し、ライジングペガサスボウガンの照準を下の魔族達に向ける。クウガがサトゥーに頷き、サトゥーも頷く。
サトゥー「踊れクラウソラス。」
するとクラウソラスが光を無数に生み出した。
サトゥー(おお!照準マークが・・・軌道も同様に設定出来るようだ。)
ライト「ッ!」
ライジングブラストペガサスの連射とクラウソラスの雨が魔族達を一瞬で殲滅させた。
サトゥー(瀕死の王子達の怪我を治しておこう。)
倒れて瀕死状態のシャロリックと少年兵に回復を与えた。
サトゥー(老化は治らなかったが、大国の王子なら何がしかの回復手段があるだろう。)
『BGM:世界』
するとそこに、鳥人族がやって来た。
ライト(鳥人族の偵察隊か。やっと領軍が来たか。)
ハヤト「ちっ。今頃来やがったぜ。」
サトゥー「勇者。僕達はそろそろお暇させて貰うよ。あまり権力者の近くには行きたくないんだ。」
ライト(既に俺らそっちサイドの人間なんだが。)
ハヤト「その気持ち判るぜ。見えているだろうけど、俺様は勇者ハヤト・マサキ。紛らわしいがマサキが苗字だ。アンタらも日本人・・・いや、その髪とその鎧は転生者だな・元日本人なんだろう?」
ライト(ほう、この男俺達と違う世界からの転生者っぽいな。)
サトゥー「日本人かどうかなんて言わなくても判るんじゃない?僕は勇者ナナシ。」
ライト「俺はラット。またの名をクウガだ。」
サトゥー「いつか戦場で会う事もあるかもね。」
ライト「じゃあまたな。」
ゴウラムに乗って、サトゥーと一緒に去ろうとしたが。
ハヤト「待ってくれ!」
サトゥー「何だい?」
ハヤト「さっきは仲間が砲撃して悪かった。それと・・・魔族退治の協力に感謝する。」
サトゥー(あれ?謝罪は兎も角、さっき『礼は言わんぞ』って発言していなかったっけ?)
ライト(随分な手のひら返しだな。)
ハヤト「・・・魔族退治の功績を恵んで貰う気はない。お節介に礼を言う気はないが、君達の助力のお陰で仲間を誰1人欠けさせる事なく上級魔族を退治出来た。だから、その事には素直に感謝したい。」
サトゥー(成る程。)
ライト(俺達がラストアタックだけを譲ったのは、勇者のプライドを傷付ける行動だったって訳か。今度から気を付けようか。)
サトゥー「そっか。君の謝罪と感謝を受け入れるよ。」
再び去ろうとしたが、また呼び止められる。
ハヤト「待ってくれ!俺様と一緒に戦ってくれないか?魔王との戦いで君達が欲しいんだ!」
サトゥー(うげ。せめて『君達の力が欲しい』と言って欲しい。)
ライト(なんというBLな言葉だな。)
サトゥー「それはプロポーズ?折角の誘いだけど遠慮しておくよ。」
ライト「気持ちだけは受け取ってやるよ。」
ハヤト「ち、違う!」
するとそこに領軍が到着した。
サトゥー「じゃまたね。」
ライト「あばよ。」
ハヤト「あぁ!今度は魔王との戦場で会おう!」
ライト(お、そうだ忘れてた。)
サトゥー「公爵領に出た魔王なら、もう倒したよ。」
称号:真の勇者。
ハヤト「・・・え?どう言う事だ!」
兵士「王祖様だ!」
ライト・サトゥー(王祖様?)
クラウソラスの幻影に囲まれてるクウガとサトゥー。13枚に分割した聖剣クラウソラスが2人の周りに浮遊している姿が、博物館にあった王祖の絵画にそっくりだそうだ。どうやら彼らは、2人を王祖ヤマトの再来とでも誤解しているらしい。
ライト(居た堪れないな。)
サトゥー(さっさと退場しよう。)
エア・カノンを発動し、2人が空の彼方へ飛んで行った。ハヤトは呆然と立ち尽くし、兵士達が歓声を上げた。
サトゥー(空の彼方へ消えるなんて昭和のヒーローみたいな気分だ。)
ライト(ウルトラマンになった気分だ。)
勢いもバッチリ!カッコよく、飛び去る・・・
『ツヅク』
キャスト
ライト:山崎大輝
サトゥー:堀江瞬
ポチ:河野ひより
タマ:奥野香耶
リザ:津田美波
アリサ:悠木碧
ルル:早瀬莉花
ミーア:永野愛理
ナナ:安野希世乃
ジーク:相葉裕樹
サヤ:大野柚布子
タスク:小林裕介
ドロシー:山村響
ローズ:藤田咲
メイリン:佐藤亜美菜
リーングランデ:Lynn
カリナ・ムーノ:川澄綾子
トルマ:狩野翔
ジャング:高橋伸也
ナタリア:長野佑紀
シャロリック:松風雅也
ハヤト・マサキ:熊谷健太郎
DEATH MARCH78「訪問」