『BGM:平穏』
トライチェイサー2000と馬車が道路を進む。
ポチ「う〜。」
タマ「にゃ〜。」
草陰に潜むうさぎを見てうずうずしてる。
サトゥー「ポチ、タマ。乗り出すと落ちるから、背中は御者台の背凭れにくっ付けておくんだよ。」
ポチ「はいなのです!」
タマ「あい〜!」
背凭れにくっ付く。
ヒカル「長閑だね〜。気持ちの良い風が当たる〜。」
しばらくして、凸凹の道を進む。
ヒカル「おっと。」
トライチェイサー2000がグラグラするが、バランスを保つ。
ヒカル「トライチェイサーはオフロードだから凸凹道でも問題無いな。(ビートチェイサーも同じく。)」
馬車はグラグラ揺れてる。
アリサ「もうちょっと丁寧に運転してよ〜。」
ポチの頭の上に顔を乗せるアリサ。
サトゥー「新米御者に無理言うな。」
ポチ「アリサ、重いのです。」
アリサ「ごめんごめん。」
するとサトゥーが、誰かのお腹の音を耳にした。
サトゥー「(ルルか。)・・・そろそろお昼時だね。この先に気持ち良い草原があるからそこで食べよう。」
奴隷達「は〜い!」
ヒカル「おいっす〜!」
緑が広がる草原。
サトゥー「よし到着!」
ポチとタマが馬車から降りる。
ヒカル「さてと、ここで飯の準備するか。」
リザ「では、私とナナは竃に出来そうな石を探して参ります。」
サトゥー「ああ頼むよ。」
ナナ「マスター。行って来るぞと勇ましく報告します。」
ヒカル「OK。」
ルル「ご主人様、鞄を持って来ました。」
サトゥー「ありがとうルル。」
ヒカル「ルル、降りれるか?」
両手を伸ばして、ルルをゆっくりと下ろす。
ルル「すみませんヒカル様。」
ヒカル「気にするな。」
アリサ「私も降りるの手伝ってぇ〜!」
サトゥー「はいはい。」
しばらくして、リザとナナが戻って来た。
ルル「リザさん、もう薪を準備して良いですか?」
リザ「お願いします。」
ナナ「マスター、作業の完遂を報告します。」
サトゥー「うん。よく頑張ったね。」
ヒカル「ご苦労さん。」
ルル「ご主人様、ヒカル様。もう火を点けても良いですか?」
ヒカル「待てルル。」
サトゥー「こっちを使いなよ。」
ティンダーロッドを渡した。
ヒカル「その突起を押せば火が点くぞ。」
突起を押すと、火が点いた。
ルル「わぁ!凄いです!」
ヒカル「サトゥー、薪が順調に燃えてるぜ。」
サトゥー「OK。ルルとナナはは料理した事あるかい?」
ルル「火の番や野菜の皮剥きくらいならありますが・・・ちゃんとした料理はありません。」
ヒカル「そうか。」
ナナ「料理当番はNo.3が独占していたので実地経験はありません。料理の基本動作、シーケンスは学習済みですが、料理レシピのライブラリーが未登録です。インストールを希望します。」
ヒカル「インストールとは、これまた便利だな。(335。あ、それメガレンジャーか。)」
サトゥー「なら2人にはリザの手伝いを任命する。リザの言う事を聞いて美味しい料理を作って欲しい。」
ルル「はい。頑張ります!」
ナナ「イエスマスター。」
ヒカル「期待してるぞ。」
サトゥー「リザ、後は宜しくね。」
リザ「はい!」
3人が料理を作ってる間に、サトゥー達が布を敷いて、食器などを準備する。
一方ヒカルは、トライチェイサー2000を赤い球に戻した。
ヒカル「これでOK。」
ルル「皆!ご飯が出来ましたよ!」
ヒカル「お!来た来た!」
出来上がった昼食を食べる。
アリサ「いただきます!」
全員「いただきます!」
ミーア「・・・いただきます。」
今日のメニューは、門前宿から貰ったキッシュと漬物とシチュー。
サトゥー「美味しいよリザ。」
ヒカル「シチュー美味え。ルルとナナもサンキューな。」
ルル「・・・」
リザ「恐縮です。」
尻尾は左右に振ってる。
サトゥー(全く、尻尾は正直だ。)
ポチ「リザの料理は何時だって美味しいのです!」
タマ「リザ最高〜!」
ミーア「ん。美味しい。」
アリサ「ちょっとしょっぱいけど美味しい!」
ナナ「マスター。麦粥も美味しいと報告します。」
ホムンクルスは生後半年程は胃腸が弱い。流動食を食べるか、魔力の直接供給を受ける必要がある。しばらくは流動食で様子を見て、問題が無い場合は固形物を少しずつ増やしていく予定。
ヒカル「麦粥で足りるのか?」
ナナ「マスター。問題ありませんと肯定します。」
ヒカル「そうか。ん?」
ミーアは肉を別の皿に移していた。
ヒカル「ミーア?」
サトゥー「ミーア、好き嫌いせずにちゃんと食べなさい。」
ミーア「エルフ、肉。」
指を口元に近付けて罰を作る。
ヒカル「肉食えないのか?」
ミーア「ん。」
ヒカル(口がミッフィーになってる。)
アリサ「へ〜!エルフは肉食べないんだ!やっぱり妖精族ってそうじゃないとね〜!」
ヒカル(いや多分、ミーアが肉食えないだけなのか?)
ポチ「食べてあげるのです!」
タマ「美味美味〜!」
サトゥー「好き嫌いじゃないなら仕方無いね。」
ヒカル「ポチ、タマ。肉を食う事を命ずる。」
その後も皆でわいわいとお喋りしながら昼食を堪能した。
昼食を食べ終えた後。
ポチ「お腹一杯なのです〜!」
タマ「満腹〜!」
一方リザはパンケーキを焼いていた。
サトゥー「リザ、流石に皆もう食べられないんじゃないかな・・・?」
ヒカル「パンケーキを皆に振る舞う気か・・・?」
リザ「いえ、移動中皆で摘めるようにと。」
ヒカル「おやつとして取っとくのか。」
サトゥー「そうだったのか。」
アリサ「じゃあこれに入れておくよ。」
右手から魔法陣を出した。
サトゥー「それは?」
アリサ「アイテムボックス。ゲームとかであるアイテム収納庫って奴ね。出し入れに魔力がいるから、使うのは最小限にしてるの。」
ヒカル「成る程。」
アリサ「これに入れておけば、何時でも食べられるでしょ?」
サトゥー(魔力が必要なのか。俺のストレージとは違うようだけど・・・)
リザ「出来ました。」
アリサ「そう?じゃあありがと〜!」
リザ「宜しくお願いします。」
アリサ「任せといて。」
サトゥー(大体俺のストレージも、何が出来て何が出来ないとか、よく分かってないんだよね。)
ヒカル「にしても、草原や山がこんなに多いとは長閑だね〜。」
サトゥー「(この異世界にも慣れてきたしな。)よし、時間がある時少しずつ調べてみるか。」
『BGM:安穏』
ヒカル「全員集合!」
全員を整列させる。
サトゥー「それじゃあ、出発の前にさっき与えた役割通りに準備してくれ。」
奴隷達「はーい!(はいなのです!)」
タマ「頑張るー!」
ポチ「頑張るのです!」
リザとルルとナナは、馬車に荷物を詰め込む。
アリサとミーアは、馬に昼ご飯を与える。
ポチとタマは馬の体を綺麗にする。
ヒカル「ミーア順調だな。」
サトゥー「うん。(ゼンに攫われた時に比べて、大分顔色も良くなったし、あの様子ならミーアの故郷までの長旅も耐えられそうだ。けど・・・)」
ミーア「・・・」
何処か不安そうなミーア。
アリサ「ねぇご主人様、ヒカル様。」
ヒカル「どうしたアリサ?」
アリサ「藁束のクッションを改良したいんだけど良いかしら?」
ヒカル「あのクッションをか?」
サトゥー「やっぱり、藁で作ったクッションじゃイマイチだったのか?」
アリサ「違うわよ。藁が飛び出してお尻がチクチク痛いのよ。」
ヒカル「あ〜そう言う事か。」
サトゥー「なら、皆でクッションの修理をしようか。」
ポチとタマとミーアを呼んで、クッションの改良を始める。
アリサ「じゃあポチとタマは、この藁束から布を外して。ここの紐を解いたら取れるから。」
ポチ「はいなのです!」
タマ「あいあい〜!」
アリサ「ミーアは解けた藁束の中から折れて突き出たのがあったら抜いておいて。」
ミーア「ん。」
ヒカル「サトゥー、なめし皮持って来たぞー。」
持って来たなめし皮をクッションに使う。
サトゥー「このなめし皮を、お尻に当てる部分に使ったら藁が飛び出さないだろ?」
アリサ「こんなに高い物を使っても良いの?」
サトゥー「ああ。節約したせいで、皆のお尻が傷だらけになったら嫌だからね。」
ヒカル「さよなら傷だらけの日々よ。ってな。」
アリサ「そうよね〜!触り心地が悪くなるもんね〜!」
ヒカル・サトゥー(そんな予定は無い!)
裁縫スキルと革細工スキルを発動したサトゥーが、いとも簡単にクッションを縫う。
アリサ「す、凄い・・・何よそのデタラメな運針の速さは・・・!」
ポチ「ご主人様凄いのです!」
タマ「凄く凄〜い!」
サトゥー「ふふふ。」
ヒカル「なんて自慢してる場合か。」
サトゥー「え?」
ヒカル「糸を見ろ。」
糸を見ると、糸がしゅるんと解けてしまった。
サトゥー「あれ?何故だ?」
アリサ「何故だ?じゃなーい!!」
ヒカル「玉結びを忘れんじゃねえよ!」
サトゥー「はい・・・」
その後もアリサに教えてもらいながらクッションを全部完成した。
ヒカル「これで全部完成だな。」
教えられた通りを活かし、サトゥーは小さいひよこのぬいぐるみを作った。
ヒカル「ひよこか。」
タマ「肉〜?」
ポチ「この鳥さんは丸々としているのです!」
ヒカル「ぬいぐるみは食いもんじゃねえよ。」
ミーア「ん。可愛い。」
ヒカル「触り心地良いな。」
ナナ「マスター!この幼生体は保護すべきだと進言します!」
走って来たナナがひよこのぬいぐるみを持った。
ヒカル「ぬいぐるみを保護?」
サトゥー「気に入ったのかい?」
ナナ「はい。ふわふわで丸くて、そう可愛いのです。」
ヒカル「そ、そうか。」
サトゥー「最初の1個はナナにあげるよ。」
ミーア「むぅ・・・」
サトゥー「ミーアの分もちゃんと作ってあげるから、怒らないで?」
ミーア「ん。」
うさぎのぬいぐるみ、ポチのぬいぐるみ、タマのぬいぐるみを作った。
ポチ「ちっちゃいタマなのです!」
タマ「こっちはちっちゃいポチ〜!」
ミーア「うさぎ。」
ヒカル「ぬいぐるみが流行しちゃったな。」
サトゥー「ん?」
後ろを見ると、アリサとルルとリザが興味津々でぬいぐるみを見ていた。
サトゥー(近日中に全員分を作る羽目になりそうだ・・・)
ヒカル(頑張れ。)
作業を終えて再び出発。ヒカルはトライチェイサー2000に乗って、馬車の前を走行する。
途中で休憩。
タマ「ポチの耳触る〜!」
ポチ「タマの耳はふわふわなのです!」
ヒカル「あの2人、和むな〜。」
リザ「ご主人様、ヒカル様。そろそろ出発の支度を致しますか?」
ヒカル「お。もう時間か。」
サトゥー「ああ、そうだね。(馬達はもう少し休ませてやった方が良いか。)
ポチとタマはお互いを抱き合ってる。
サトゥー(それにタマとポチを少し遊ばせてやりたいし。)
アリサとルルとミーアはぬいぐるみで遊んでる。ミーアは少し草臥れた顔をしてる。
サトゥー「(慣れない馬車の旅だから疲れてるのかな?)もう少し休憩してから行こう。」
ヒカル「出発時間は少し延期な。」
リザ「畏まりました。」
サトゥー(そうだなぁ・・・よし!)
ポチとタマを呼んだ。
サトゥー「タマ隊員!ポチ隊員!これより任務を与える!彼処にある巨石周辺を探索して来る事!」
タマ「あい!」
ポチ「なのです!」
ヒカル「ゴウラム!お前はポチとタマと一緒に巨石周辺の探索を命ずる!」
ゴウラムは頷いた。
ヒカル「よし。レッツゴー!」
タマ「ゴーゴー!」
ポチとタマとゴウラムが巨石周辺へ向かう。
アリサ「面白そう!私も行って来ようっと!」
ポチ達に続いてアリサも走り出す。
ヒカル「出発の時間になったら呼ぶからなー!遠くへ行くのは禁止なー!」
すると笛の音が聞こえた。
ヒカル・サトゥー「ん?」
『BGM:平穏』
木陰で草笛を吹いてるミーアが居た。彼女の傍にナナが居る。
ヒカル「草笛か。」
2人はミーアとナナの方へ歩く。
サトゥー「上手いなミーア。」
ヒカル「草笛出来るなんて凄えな。」
ミーア「そう?」
サトゥー「ああ。」
ミーアは少し笑った。
ヒカル「笑ってる。」
ナナ「ミーア姫。私も草笛をご教授いただきたいと嘆願します。」
ミーア「姫違う。」
ナナ「ですが・・・」
ミーアは首を左右に振る。
サトゥー「ナナ、ミーアが嫌がっているから姫って付けないであげて?」
ヒカル「これは命令だ。」
ナナ「イエスマスター。今後は呼称を「ミーア」に変更すると確約します。」
ヒカル・サトゥー(素直だ。)
巨石周辺を散歩する。
リザ「ここは山菜の群生地ですね。少し摘んで行きましょう。」
ヒカル「ルル、ちょっと来てくれ。」
ルル「はい。何でしょう?」
セーリュー市で買った花をルルの髪に飾った。
ヒカル「やっぱ黒髪にぴったりだな。可愛いぞルル。」
ルル「そ、そんな・・・私なんかに飾られたら花が可哀想です・・・」
ヒカル「俺の故郷だとルルみたいな子は可憐って評判高いんだぞ?俺から見たらルルは十分可憐だ。」
ルル「ヒカル様・・・」
各種山菜や香草の他にも、止血や頭痛に効果がある薬草が少量だが数種類発見出来た。
その後リザとルルとナナがミーアに教えてもらって草笛の練習をする。
ヒカル「皆上手いな。〜♪」
簡単に草笛が出来てるヒカル。そしてサトゥーもやってみるが。
サトゥー「〜・・・♪」
不協和音が響いた。
サトゥー「っ?」
もう1度やるが、不協和音だった。
ヒカル「ぷっ・・・!」
少し引いてるミーア達。ヒカルは笑い堪えてる。
ミーア「サトゥー・・・」
サトゥー(そんな目で俺を見ないでくれ・・・後ヒカル笑うな・・・ならば!演奏スキルレベル10の威力を味わうが良い!)
演奏スキルのレベルをMAXにして、再び草笛を吹く。
サトゥー「〜〜・・・♪」
しかしこれも不協和音。
ヒカル「何処まで不協和音なんだよ・・・」
アリサ「な、何この上手な人がワザと下手なフリをしているみたいな音色は・・・」
ヒカル「例えが絶妙・・・」
ミーア「禁止。」
草を取り上げる。
サトゥー「はぁ・・・」
ルル「ご、ご主人様なら、練習すればきっと上手くなりますよ!ご主人様ならきっと出来ます!」
サトゥー「あ、ありがとう・・・」
ヒカル「ルルちゃん、それフォローになってるのか?」
ミーア「代わり。」
ヒカル「音楽が欲しいならミーアが代わりに演奏してくれるってよ。」
サトゥー「ありがとうミーア。」
アリサ「それよりご主人様、ヒカル様、ちょっと来て。」
ヒカル「どうした?」
連れて来られたのは、巨石の上。
ヒカル「巨石の上?ここに何が?」
アリサ「見て。」
サトゥー「何を?」
前を見るとそこには・・・
サトゥー「石の鳥居・・・?」
巨大な石の鳥居が横たわっていた。
ヒカル「何だこの鳥居は?」
アリサ「倒れてるから分かりにくかったけど、3つの鳥居が並んでいたみたいね。神社でもあったのかしら?」
サトゥー(何だろう・・・この石鳥居に見覚えがある気がする・・・何だ・・・?)
すると彼の頭の中に声が聞こえた。
『BGM:意志』
謎の女性『イチロー君、忘れないで、私達何時も一緒よ。』
謎の女性『お主はどの世界でも、どの時代でも何時もイチローじゃな。』
幼いサトゥー『生まれ変わりなんてあるのかな?』
謎の少女『あるわよ。でもね、生まれ変わるだけじゃダメなの。』
謎の女性の声と、幼い頃のサトゥーと謎の少女の声が聞こえた。
サトゥー(思い出した。後ろに見えるのは祖父さんの家の近くの神社だ。なら、変な髪の色をしたこの子は、幼馴染みの彼奴か?)
謎の少女『神と人では寿命が違うわ。一緒に居る為には神格を得ないといけないのよ。』
今度は巫女姿の女性が踊り始めた。
サトゥー(神楽舞だ・・・人に恋した祭神に捧げる舞だ・・・)
巫女『あなたなら、きっと・・・』
アリサ「ちょっと!ご主人様ってば!!」
ヒカル「おいサトゥー!」
サトゥー「あれ?アリサ?ヒカル?」
ヒカル「お前いきなりどうした?」
アリサ「もう!こんな所で居眠りして落ちたらどうするのよ!」
ヒカル「ここ結構高いぞ!落ちたら重軽傷だけで済む問題じゃねえぞ!」
サトゥー(何者かの精神攻撃を受けた訳では無さそうだ。それに、田舎の神社の鳥居は赤かったはずだし、あの少女は全部違う姿だった。そう言えば、学生時代にあの神社を舞台にした同人ゲームを作ったっけ。リアルではあんな会話をした記憶が無いから、ゲームの中の台詞だったんだろう。)
アリサ「また何か考え込んでる。」
ヒカル「今日のお前はどうした?」
サトゥー「ごめんごめん。小さい頃に遊んだ神社を思い出していたんだよ。ん?」
鳥居を調べると、サトゥーが驚いた。
ヒカル「どうした?何の鳥居か分かったのか?」
サトゥー「遥か昔に壊れた・・・
ヒカル「
アリサ「
ヒカル「それってゲームとかにあるワープのギミックだろ!?」
アリサ「直せるの!?」
サトゥー「無理だよ。さぁ、ポチとタマを呼んで出発の支度をしよう。」
ヒカル「そうだった。ゴウラムも呼ばなきゃな。」
夕方。ポチが獲物を持って帰って来た。
ポチ「獲物ーなのですー!」
ヒカル「短耳兎!?」
リザ「ご主人様、ヒカル様。折角の肉ですし、出発前に解体しておきたいのですが、宜しいでしょうか?」
サトゥー「ああ。良いとも。」
ルル「リザさん、私にも解体の仕方を教えて下さい。」
リザ「では、私がやり方を教えますから、ルルが解体して下さい。」
ルル「はい!」
サトゥー「髪も砂でジャリジャリだな。」
ヒカル「結構砂が溜まってるな〜。」
サトゥー「ミーア、水魔法で生活魔法の
ミーア「無い。」
サトゥー「そうか・・・」
タマ「肉〜!獲って来た〜!」
ゴウラムに乗ったタマが帰って来た。手に獲物を持ってる。
ポチ「流石タマなのです!」
アリサ「何それ可愛い!」
サトゥー「魔物の子供・・・」
ヒカル「ゴウラム、お疲れさん。」
ゴウラムを黒い球に戻した。
アリサ「ちょっと抱かせて?」
タマ「あい〜!」
サトゥー「可愛くても魔物の子みたいだから注意しろよ?」
アリサ「オッケー。」
すると
アリサ「痛!」
脱出して一目散に逃げ出した。
タマ「獲物ーー!!」
ヒカル「野郎逃げる気か!!」
ジャンプして
ヒカル「グベア!?」
タマ「獲物逃げられた・・・」
アリサ「タマごめんね、私がちゃんと持ってなかったせいで・・・」
タマ「いい・・・」
サトゥー「ヒカル、大丈夫かい?」
ヒカル「顔中に仙人掌の針がぶっ刺さった感覚・・・」
アリサ「何その怖い例え・・・」
タマ「ご主人様、ヒカル様ごめんなさい・・・獲物・・・追い付けなかった・・・」
落ち込んだタマをサトゥーが優しく撫でた。
タマ「え?」
サトゥー「大丈夫だよ。タマが無事なら次がある。無理をして怪我をしない事。」
ヒカル「それに、1度獲物に逃げられたくらいの失敗で俺達は怒らねえよ。良いな?」
タマ「あい・・・タマ、今度はもっと大きい獲物を狩って来る・・・」
涙を流しながら言った。
サトゥー「期待しているよ。」
ヒカル「あの野郎・・・今度会ったら容赦しねえぞ・・・身体中に仙人掌ぶっ刺してやる・・・!」
ポチ「動いたからお腹が空いたのです・・・」
アリサ「じゃあさっき取っておいたパンケーキを食べようか。」
アイテムボックスからパンケーキを取り出した。
アリサ「これって便利だけど、保温までは出来ないのよね。」
『BGM:休息』
パンケーキをいただく。
アリサ「焼き立てに比べたら味落ちちゃってるかも。」
ポチ「でも美味しいのです!」
タマ「美味美味〜!」
しかしミーアは少し落ち込んだ顔でパンケーキを食べてる。
ヒカル「ミーア?」
翌日。馬車とトライチェイサー2000が道を進んでる。馬車の中ではアリサ達が歌を歌っていた。
ヒカル「何の曲だ?」
サトゥー(さて、この時間をどうするか。ん?影魔法の魔法書?何時の間に!そうか!ゼンの遺品がストレージに収まってるのか。)
あの時ゼンを倒した為、彼の遺品が何時の間にか収納している。
サトゥー(魔法の仕組みについて何か分かるかも知れないな。)
魔法書の解析を始める。
『BGM:安穏』
サトゥー(よし。初級魔法の解析終了。しかし、この世界の魔法はプログラム言語と親和性が驚く程長い。丸でこの世界の魔法を作った開祖がプログラマーだったかのようだ。取り敢えず、ポチを洗う為に欲しかった生活魔法「
生活魔法の解析を始める。
解析終了。
サトゥー(んん?この生活魔法ってのは厄介だな。他の魔法とは根本的に違う。水魔法への移植を無理そうだ。となると、ミーアがアリサの鼻歌を耳コピしたように、生活魔法の動作から必要な術式を考えて、既存の水魔法から使えそうな魔法をコピペして、新しい呪文を作ってみるか。こう言った解析や研究は堪らなく好きだ。このまま何時間でも・・・ん?手に何か・・・)
右手に柔らかい感触を感じた。
サトゥー(うわっ!?)
何とアリサがサトゥーの右手を持って、マウスを操作してるようにナナの右胸に触らせていた。
アリサ「ちょっと!何時まで揉んでるのよ!」
ミーア「破廉恥。」
ヒカル(自分で押し付けた癖に何言ってんだよアリサ。お前の行動は察知スキルで全てお見通しだ。)
ミーア「サトゥー、エッチなのはダメなの。いけないのよ?結婚していない女の人の体に触るのはダメなの。だからサトゥーは触っちゃダメ。」
ヒカル(良いお説教だなミーア。)
アリサ「ご主人様ってば目を開けたまま何の反応もないんだもの。」
サトゥー「(メニューを全画面にして考察する時は、目を閉じるようにしよう。)悪い悪い。新しい呪文の設計に没頭し過ぎて・・・」
アリサ「新しい呪文!?ご主人様って呪文の研究者だったの?」
サトゥー「いや、さっき思い付いた呪文を作ってたんだよ。」
アリサ「・・・何の呪文のアレンジ?」
サトゥー「いや、だから新しい呪文だって。」
アリサ「・・・そんなに簡単に作れる物じゃないでしょ。大国の研究機関が優秀な人材や資金を投入して何十年も掛けて作るような物なのに。」
ヒカル(大袈裟な・・・)
サトゥー「それは大規模な戦術魔法とかの話じゃないのか?俺は生活魔法の
アリサ「だ、だけって・・・」
サトゥー「大体出来たから、次の休憩時にミーアに実験して欲しいんだけど、良いかな?」
ミーア「ん。やる。」
因みにアリサの用件は、馬車の中で遊べる道具が欲しいと言うもの。
アリサ「学習カードとか、トランプみたいなのとか〜。」
ミーア「楽器。」
サトゥー「(最寄りのカイノナは人口3000人程度の小さな街だが、楽器や板くらいなら手に入るだろう。序でに木製のテーブルセットや調理台なんかも欲しいね。)どうだい?操車は上手くなったかい?」
リザ「はい。ルルのお陰で道なりに走らせるのは問題なくなりましたが、人を追い越す時にフラフラと歩かれると焦ってしまいます。」
サトゥー「すぐに慣れるよ。」
ナナ「マスター、私も馬車の操縦がしたいと嘆願します。」
サトゥー「良いよ。次の小休憩の後にでもリザと交代して教えて貰いなさい。」
しばらくして。
サトゥー(現在の野営予定地と現在位置を確認するか。ん?)
メニューを見ると時間が表示された。時間は15時60分になってる。
サトゥー「・・・」
自分の携帯を見て時間を確認する。
サトゥー「アリサ。」
アリサ「ふっ、何?」
寝ていたアリサが起きた。
アリサ「まだ何もしてないわよ・・・」
ヒカル(まだって何だ?まだって。)
サトゥー「アリサ、質問がある。こっちの1日は何時間だ?」
アリサ「24時間じゃないの?王城の時計塔は立ち入り禁止だったから、こっちでは時報の鐘のおとが全てだったのよ。」
ヒカル(時間は全部鐘で鳴らしてたのか。)
サトゥー(そう言えばセーリュー市でも時計は見掛けなかったな。お城で滞在していた時も見た覚えは無い。)
嘗てジン・ベルトンの屋敷で充実した軟禁生活をしていた時にも時計は無かった。
サトゥー「そうか。なら1時間が何分か知らないんだよね?」
アリサ「うん。体感じゃ同じくらいだと思うけど・・・もしかして違うの?」
サトゥー「ああ。俺のユニークスキルに現在時刻が分かるのがあるんだが、向こうから持って来た携帯電話の時計をさっき比較してみたんだが、1分の長さは同じだったんだが・・・1時間が70分あるみたいだ。(因みに60分換算なら、1日28時間になる。)」
ヒカル(1時間が70分に増えてる?)
アリサ「へー。こっちは1年が300日だから、あっち換算だとかなり若くなると思ってたけど一緒くらいなのかな?」
サトゥー(1年が300日と言うのは新情報だな。1ヶ月が30日だから年10ヶ月だろう。1日24時間換算なら350日だ。4%くらいの誤差だな。100年で4年程ズレが出るくらいか。ふむふむ。)
暗算結果をアリサに教えてあげた。
アリサ「へー。ほー。」
サトゥー(それにしても1日の長さが4時間も違ったら体調が変になりそうなものだが、此方に来てから明確な体調不良を感じた事が無い。もっと15歳に若返った事に比べたら。こんな些細な事か・・・)
『BGM:閑寂』
御者をサトゥーが代わって、更にしばらく進む。
ヒカル「サトゥー、草叢から黒い影がチラチラ見えるぞ。」
サトゥー「黒い影?」
ヒカル「ああ。しかもあのフライング・アントと同じ巨大蟻の屍だ。」
サトゥー「前にリリオ達が遭遇戦をしたと言っていたあの蟻か?」
ヒカル「多分それだと思う。」
するとそこに。
ミーア「サトゥー。」
寝ていたミーアが起きた。
サトゥー「ん?何だいミーア?」
ミーア「止めて。」
馬車を止めた。
ミーア「肩車。」
サトゥー「ここでかい?」
ミーア「そう。」
肩車でミーアを乗せた。
ミーア「彼処、連れて行って。」
ヒカル「何かあるのか?」
トライチェイサー2000を停めて2人に付いて行く。
3人は草原の真ん中に来た。
ミーア「ミゼが言ってた。私を守って・・・」
ヒカル「ミゼって確か、あの赤兜の鼠族か。」
サトゥー(そうか。ここで魔物達とミーアが守った鼠人族の戦士達との戦いがあったのか。)
ミーア「ゼゼ・・・ポロ・・・ジュネ・・・ミトロ・・・ホゼ・・・ラダ・・・キュゼ・・・」
サトゥー「ミーア・・・」
泣きじゃくるミーアの涙をサトゥーがハンカチで拭き、ヒカルがミーアを撫でる。
サトゥー(遺体が野晒しだったら埋葬してやろう・・・)
ヒカル「ん?」
左膝を付いて地面に右手を置いて目を瞑る。
サトゥー「ヒカル?どうしたんだ?」
ヒカル「・・・」
ミーア「ヒカル・・・?」
ヒカル「・・・ミーア、お前を守った鼠人族の数は?」
ミーア「・・・12人。」
ヒカル「ミゼを除いた11人の内、6人はこの先の木陰で埋葬されている。残りの5人は何処かで生きている。」
ミーア「本当・・・?」
サトゥー「分かるのかい?」
ヒカル「ああ、気配察知のスキルで分かったんだ。ミーア、生き残りがこの先に居るかも知れない。一緒に探そう。」
ミーア「ん・・・分かった。」
しばらく進んでマップを見ると、馬車が表示されていた。
サトゥー(ん?この表示は、鼠人族?)
以前揺り籠から脱出した後。
ミゼ『ありがとうサトゥー殿。ヒカル殿。』
ヒカル『良いって事よ。』
サトゥー『これからどうするんだい?』
ミゼ『俺はこれから、仲間を探しに行く。姫様を守る為に散り散りになった。』
サトゥー「リザ!馬車を停めてくれ!」
ヒカル「どうしたんだサトゥー?」
サトゥー「あの馬車に生き残りの鼠人族が奴隷にされてる!」
ヒカル「あの馬車か。OK!」
馬車とトライチェイサー2000を停めた。
『BGM:閑寂』
鼠人族の乗ってる馬車の奴隷商人と話した。
商人「1匹あたり金貨10枚になります。」
ヒカル「金貨10枚?1匹だけで?」
サトゥー「ほう、随分吹っ掛けて来たな。」
ヒカル「ぼったくりしてる詐欺師みたいなツラしやがって。」
商人「心外でございます。これでも正直者で通っておりますです。はい。」
サトゥー「正直者が聞いて呆れる。相場なら金貨3枚にもいかないだろ?」
ヒカル「そうだぞ。鼠人族の奴隷達は安いはずだろ?安くしろ。」
商人「そうは言われましても・・・もう数日すれば鉱山都市の奴隷商人が買い付けに来ますので、少々高くなっております。」
ヒカル「・・・どうするサトゥー?このぼったくり商人を叩きのめすか?」
サトゥー「・・・いや、その必要は無いよ。」
懐から金貨15枚が入った袋を出して、威圧スキルを発動する。
サトゥー「5人で金貨15枚だ。」
商人「っ!?」
威圧発動のまま商人へ近寄る。商人は恐怖した。
商人「ひっ・・・!は、はいそのき、金額でお売り致しますです!はい!!」
ペコペコ頭を下げながら鼠人族の奴隷をサトゥーとヒカルに売った。
ヒカル「OKOK。早く鼠人族を寄越してくれ。」
商人はすぐに鼠人族を馬車から降ろした。
ミーア「ゼゼ!ジュネ!ミトロ!ホゼ!ラダ!」
鼠人族とミーアが再会を果たした。
アリサ「ミーアの家来?」
サトゥー「揺り籠からミーアを逃がす為に囮になったらしいよ。」
ヒカル「奴隷にされてたから、俺達が買ってやった。」
サトゥー「よし!今日はここで野営をしよう!」
ミーア「サトゥー、ヒカル。」
サトゥー「どうした?」
ヒカル「ミーア?」
ミーア「サトゥー、ヒカル、話。」
サトゥー「俺達に?」
鼠人族「サトゥー殿、ヒカル殿、助けてもらって感謝する。だが、俺達はやらねばならない事があるので先に行っても良いか?」
サトゥー「ああ分かった。明日追い掛けるからその時にでも会おう。」
ヒカル「また明日バッタリ再会しようぜ。」
その後鼠人族と別れて旅を続ける。午後の旅路の間に水魔法版の洗浄魔法が形になった。2時間ごとの小休止の度にミーアに頼んで新呪文の動作検証を行い、2回目の小休止から1時間程で新呪文の調整を一通り終えた。
サトゥー(さて、このままだと今日の野営予定地に着く前に日が落ちそうだ。初めての野営準備を暗い中で行うのは危ないな。)
予定地の変更をリザに告げる。
サトゥー「あの丘の向こうの林の近くで。(俺のユニークスキルの事を教えていれば指示がしやすいんだが・・・)」
これまで明かしているのは、「本当は高レベル」、「索敵能力が高い」、「色々と器用」くらい。理由は皆の安全の為である。知らなければ何気ない会話から他者に推測されて厄介な事に巻き込まれずに済むからである。
サトゥー(皆が自衛出来るくらい強くなるか、強力な後ろ盾でも出来たら色々話そう。)
丘の向こうの林付近で野営の準備を始める。
アリサ「本当に村に寄らないんだ。」
ヒカル「さっきサトゥーに言われただろ?」
サトゥー「大丈夫だよ。野営用に魔物避けの粉を買ってるから。」
ヒカル「これで安心だな。」
アリサ「いや、そんな高価な薬を普段使いにしてたら破産しちゃうわよ!人里がない時の非常手段よ?」
サトゥー(銀貨1枚で皆が不快な思いをしなくて済むから安いものなのに。資金についてもアリサと年長者には折を見て話しておこう。)
野営準備完了後。
サトゥー「よし、少し時間も早いし狩りに行こう!」
ヒカル「よっしゃハンティングだ!」
ポチ「ポチは頑張るのです!」
リザ「ご主人様、私もお供します。」
タマ「タマも頑張る。今度は大きい獲物狩る。」
アリサ「ミーアは、私と魔法の練習でもしましょ?」
ミーア「ん。」
ルルとナナは夕飯の下拵え。
狩り班。
ポチ「あ!兎なのです!」
リザ「待ちなさいポチ!」
兎を見付けてポチが走り出し、リザがポチを追う。
ヒカル「行っちゃったな。」
サトゥー「タマも追わないのかい?」
タマ「タマ、もっと大きな獲物狙う。」
ヒカル「あの時のリベンジか。」
サトゥー(赤鹿の群れがこの近くに居るのは確認済みだ。早く獲物を仕留めさせて何時もの調子に戻してあげたい。)
しばらく進むと。
タマ「獲物見付けた。」
サトゥー「鹿だね。」
ヒカル「赤鹿の群れか。」
タマ「っ!」
走り出して赤鹿を狩る。
ヒカル「おいタマ!?」
しかし赤鹿の群れが逃げてしまった。
作戦を練って役割を決める。
ヒカル「良いか?サトゥーが赤鹿をお前の方に追いやる。俺が合図を出す。タマは俺の合図通りに行動してくれ。」
タマ「あい。」
赤鹿の群れの後ろに回り込んでタマの方に追いやり、タマが透投石で遠距離から仕留める役割に決定した。
後ろに回り込んだ2人。ヒカルが待ての手信号を出す。サトゥーが音を出して赤鹿の群れを追いやる。
ヒカル「"ピィ!"」
指笛の合図でタマに指示を出す。タマが赤鹿の群れの前に立ったが、赤鹿の群れが左右に別れて逃げようとした。
サトゥー(逃がすか!)
石を豪速球で地面に投げて赤鹿達を停止させた。その隙にタマが投石で2頭の赤鹿の顔に命中させた。そして。
タマ「えーい!」
剣で1頭の鹿を刺した。
タマ「っ!!」
顔に投石が当たった赤鹿が逃げるが。
ヒカル「おりゃあああああ!!!」
彼の飛び蹴りで倒れた。
タマ「おっきな獲物〜!」
サトゥー「おめでとうタマ!」
ヒカル「上出来だぜ!」
赤鹿を仕留めたタマを撫でる。
木に赤鹿を吊るして血抜きをする。
サトゥー「すまん。」
ヒカル「南無。」
赤鹿を運ぶ為の棒を制作。
捕らえた2頭の赤鹿を持って帰った。
ポチ「わあー!凄いのです!リザ、肉なのです!タマとご主人様とヒカル様が大きな肉を獲って来たのです!!」
リザ「おかえりなさいませご主人様、ヒカル様。素晴らしい獲物です。タマもよく頑張りましたね!」
タマ「あい!」
ヒカル「もう1頭は俺からのプレゼントだ。」
リザ「では、早速料理を致しましょう。」
サトゥー「そうだね。」
ヒカル「頼んだぜリザ。」
ルル「タマちゃん、お手伝い頑張ったのね。」
ナナ「マスターとタマの戦果を称賛します。」
タマ「えへへ。」
アリサ「やるじゃない〜!」
ポチ「肉肉肉肉なのです〜♪」
タマ「肉なの〜♪」
アリサ「随分大きなモノが獲れたのね。」
ヒカル「帰ったぜ。」
帰って来たサトゥーにミーアが抱き付いた。
アリサ「ちょっとミーアずるい!」
ミーア「ずるくない。」
サトゥー「ミーア、さっき言ってた呪文手伝って貰えるか?」
ミーア「ん。」
実験開始。
ミーア「
泡がヒカル達の服を一瞬にして綺麗に洗浄した。
ポチ「綺麗になったのです!」
タマ「さっぱり〜!」
ヒカル「ピカピカの新品になったぜ!」
サトゥー「成功だ。ありがとうミーア。」
ミーア「ん。」
アリサ「凄いわね!次私ね!」
ミーア「無理。」
アリサ「えっ!?どうしてよ!・・・って魔力切れか。」
ミーア「そう。」
今日の夕飯は、ポチがこの前獲ったうさぎのステーキ。鹿とモツと山菜を使った炒め物。野菜のシチューのフルコース。皆が美味しそうに食べる。
ミーア「肉・・・」
だがミーアは肉を嫌がってる。
サトゥー(野菜系の料理や流動食のバリエーションも何か考えないとね・・・)
夜番は交代制。1組目はポチとミーア。2組目はヒカルとルルとサトゥー。3組目はナナとタマ。4組目はアリサとリザ。
最初はポチとミーアが夜番。
サトゥー(今日は2人に付き合って起きるか。)
ポチとミーアが遊んでる。するとポチが気配を感じて、森の方を向いた。
サトゥー(大鼠が寄って来ていたが・・・獣が襲って来た時はちゃんと対処してくれそうだ。)
2番目はヒカルとルルとサトゥーの3人。ルルは寝てしまった。
ヒカル「ルル、寝てるのか。」
サトゥー「昼間は御者や料理をしていた上に、鹿の解体まで手伝っていたし、疲れたんだろう。」
ヒカル「色々お疲れさん、ルル。」
ルルをテントの中へ運んで寝かせた。
奴隷達は寝静まり、ヒカルとサトゥーは夜番。
ヒカル「星空が綺麗だな〜。」
サトゥー「こんな星空、今まで無かったもんね。」
ヒカル「魔物が居るかも知れないな。」
黒い球を投げて、ゴウラムを召喚した。
ヒカル「ゴウラム、周辺の警備を頼むぜ。」
ゴウラムが周辺をグルグル回って警備する。
ヒカル「・・・暇だ。」
サトゥー「さて、新呪文の開発は・・・夜番中は自重するとして、よし。そろそろストレージの実験でもしてみようか。」
ヒカル「お、ストレージの実験か。」
『BGM:安穏』
コップを数メートルの距離に置いて、右手を伸ばすとコップがストレージに収納出来た。
サトゥー「この距離なら収納出来るのか。じゃあ。」
更に距離を離して、右手を伸ばす。
ヒカル「収納出来てないな。」
サトゥー「流石に無理か。でも、3メートルくらいまでなら離れた所でも収納出来そうだ。」
次は混合物の実験。土を収納出来た。
サトゥー「混合物はお手軽に分離出来るのか。それなら。」
今度はヒカルがコップに入ってる水に塩を入れて混ぜる。
ヒカル「これで良いか?」
サトゥー「うん。塩分が分離出来れば海水から水が取れる。海の近くで有効だ。」
収納してみると。
ヒカル「どうだ?」
サトゥー「塩水の分離は無理なのか。残念。それじゃあ、揺り籠で回収してた虫の屍は解体出来るだろうか。もし出来ればタマやポチが獲った獲物をリザ達がわざわざ解体しないで済むな。」
虫の屍を出した。
ヒカル「何時見てもグロイな。」
解体を試してみるが。
サトゥー「ダメだ。そう都合良くは行かないか・・・でも、魔力は減っていない。アリサが言っていたアイテムボックスとは違うな。」
ヒカル「だったらアイテムボックスも実験してみたらどうだ?」
サトゥー「やってみよう。」
実験終了。
サトゥー「色々やってみたけど、アイテムボックスは完全にストレージの下位互換だな。これじゃあ使えない。」
ヒカル「じゃあ今日の実験は終了だな。」
サトゥー「うん。」
するとサトゥーが、近くにある鍋に目を向けた。
サトゥー「いや、もしかしたら・・・」
ヒカル「どうした?」
2枚の紙を焚き火に燃やして、1枚をストレージに収納して、もう1枚をアイテムボックスに収納した。しばらく経って、アイテムボックスから1枚の紙を取り出すと。
サトゥー「やっぱり消えてる。アイテムボックスだと時間で状態が変化するんだ。」
ストレージからもう1枚の紙を取り出すと、まだ燃えてる。
サトゥー「それに比べてストレージは違う。ストレージ内では、時間による状態の変化が無い。時間そのものが止まってるかどうかは分からない。もしかしたら、ゲームみたいにデータが保管されてるかも知れない。」
ヒカル「それってあれか?パソコンのスリープ状態と同じか?」
サトゥー「同じだね。よし。これを使えば。」
そこにゴウラムが戻って来た。
ヒカル「ゴウラムどうだ?魔物は居たか?」
ゴウラムは横に振った。
ヒカル「そうか、お疲れさん。休んで良いぞ。」
ゴウラムを黒い球に戻した。
翌朝。起きたサトゥーが服を着る。
ヒカル「今日も気持ちの良い朝だな〜。」
ミーア「サトゥー、ヒカル。」
サトゥー「何だい?ミーア。」
するとミーアが服を脱いだ。
ヒカル「ミ、ミーア?」
ミーア「拭いて。寝汗。」
ヒカル「寝汗かよ。」
サトゥー「ミーア、無闇に異性の前で裸になっちゃダメだよ。」
そう言いながらミーアの背中をタオルで拭いてあげる。
ミーア「ん。」
サトゥー「はい。綺麗になった。」
ミーア「ありがと。こっちも。」
前の寝汗も拭いて欲しいらしい。
ヒカル「・・・前もかよ。」
サトゥー「・・・ミーア、前は自分で拭きなさい。」
ミーア「・・・サトゥー。」
サトゥー「甘えてもダメ。」
ミーア「むぅ・・・ヒカル。」
ヒカル「俺に甘えてもアカン。自分で拭いてくれ。」
ミーアは渋々自分で寝汗を拭いた。
朝食。残ったシチューとキッシュをいただく。
ポチ「温かくて美味しいのですー!」
タマ「ぽかぽか〜!」
リザ「昨日のシチューを温め直しておいて下さったのですね?ありがとうございますご主人様。ヒカル様。」
サトゥー「いやいや。」
ヒカル「ミーアどうだ?シチュー美味いか?」
ミーア「ん。美味しい。」
彼女は2人に笑顔を見せた。
アリサ「・・・・・・」
うとうとしてるアリサ。
サトゥー「アリサ、眠るなら朝食食べてからにしろ。」
アリサ「うい・・・」
ヒカル「夜番の順番は最後だったもんな。眠いのは当たり前か。」
サトゥー(今晩からのアリサの夜番は最初の方にしてやろう。)
食べ終えて再び出発。ヒカルはトライチェイサー2000に乗って、馬車の前を走行する。
タマ「きらきらー。」
ヒカル「あれは・・・赤兜、どうやらミゼと仲間達が来たようだな。」
サトゥー「出迎えみたいだ。」
『BGM:世界』
木の下。鼠人族のミゼと昨日出会った鼠人族達と合流した。
サトゥー「ここは・・・」
木の下に、鼠人族の墓があった。
ヒカル「この墓は、ミーアを守る為に犠牲になった鼠人族の墓か。」
ミゼ「サトゥー殿、ヒカル殿。仲間を救ってくれた事を感謝する。」
サトゥー「気にするな。」
ヒカル「仲間と再会出来て良かったな。」
墓の前に立ったミーアが、ヒカル達の方を向く。
ミーア「皆、ありがとう。」
そして墓の方に向いた。
ミーア「ボルエナンのミサナリーアが、シガ王国の木々に願う。我を守り、勇敢に敵に立ち向かい散っていった鼠人族の勇者達に、安らかな眠りを与えん事を。」
周囲に光が舞い、墓に眠る鼠人族に安らか眠りを捧げた。
眠りを捧げた後。
ミゼ「貴殿にこの鈴を譲りたい。エルフ様方の作られた品だ。ミサナリーア様の信頼を得たサトゥー殿とヒカル殿には所持する資格があるだろう。」
ヒカル「サトゥー、お前が受け取ってくれ。」
サトゥー「うん。」
ボルエナンの静鈴をサトゥーが受け取った。
その後彼らは鼠人族達と別れた。
ヒカル「あばよ。また何処かで会おうぜ。」
〜ツヅク〜
キャスト
ヒカル:山崎大輝
サトゥー:堀江瞬
ポチ:河野ひより
タマ:奥野香耶
リザ:津田美波
アリサ:悠木碧
ルル:早瀬莉花
ミーア:永野愛理
ナナ:安野希世乃
謎の声:伊瀬茉莉也
ミゼ:高橋伸也
商人:浜添伸也
鼠人族:浜田洋平
『BGM:緊迫』
次回予告
男「邪魔だ愚民共!道を開けろ!」
ヒカル「何だあんた?俺達の顔に何か付いてるのか?」
アリサ「太っ腹ね〜。」
サトゥー「流石に放って置けないだろ?」
アリサ「今度は何作ってるの?」
ヒカル「ようアリサ。夜でも絶賛実験中だぜ。」
サトゥー「マジックアイテム1号だ。」
???「謎の戦士の噂は本当のようね。」
ヒカル「俺の噂が出回ってるとは。」
少女「ふぇぇ・・・壊した・・・トス・ストーンを壊すなんて・・・非常識!」
???(それで首尾は?)
???(まだ現れん。)
DEATH MARCH9「陰謀」