『BGM:懊悩』
サトゥー「オークションのエスコートですか?」
メネア「えぇ。『神渡り』の向こうにある黒街で開かれるそうなのです。」
ハヤトが旅立った翌日。再びメネア王女一行の訪問を受けていた。ライトも同席。『神渡りの橋』とは、公都近くにある大河本流を跨ぐ大きな橋らしい。
セバフ「士爵様。」
サトゥー「どうかしましたか?セバフさん。」
セハブ「黒街ムラァスは些か治安の悪い場所でございます。殿下の仰るオークションも公式のものではなく、非合法な商品も取り扱われる闇オークションと呼ばれるものなのでございます。」
メネア「・・・!」
ライト「闇オークションねぇ。」
セバフ「士爵様の武勇なら悪漢など問題にはならないかと存じますが、黒街ムラァスには口の端に上らすのも憚るような店が建ち並んでおります故。もしお出掛けになるのであれば、認識阻害のマジック・アイテムをお持ちになる事をお奨め致します。」
サトゥー「ありがとうセバフさん。如何致しますか?殿下。」
ライト(闇オークション。どんな品が出るか不明だが、彼女がどうしても出向いたい治安最悪の場所なのか?)
ユイ「佐藤さんに買い取ってくれそうな人を紹介して貰えば良いじゃない?」
メネア「ユイ!・・・手元不如意と言う訳ではないのですが、大国であるシガ王国に留学ともなれば些か心許ないのも事実なのです・・・」
ライト(金策が目的か。)
彼女が売る予定なのは、先日黒竜退治で得た萎びた霊草。故郷から持ち込んだ大きめの闇石の塊と香木。茶器や美術品。そして2枚のメモ帳。
ライト「これは日本語か?」
メネア「はい。3人目に召喚された方が私に下さった物です。」
ライト「・・・ん?サトゥー、これ見ろ。何か気付かないか?」
サトゥー「何?」
2枚のメモ帳をサトゥーに見せた。
サトゥー「(これは・・・間違いない。俺が持ってる『陶器メモ』と一緒だ。)こちらをご覧下さい。」
以前に鼠人族から貰い受けたメモ用紙を見せた。
ユイ「同じ字じゃん?」
アオイ「うん。筆跡鑑定なんて出来ないけど同じ人の字だと思う。」
メネア「サトゥー様。このメモを何処で?」
サトゥー「鼠人族の友人に頂きました。メモを書いた方にはお会いしていませんが・・・」
メネア「・・・良かった・・・」
3人目の生存にメネアが涙を流す。ユイとアオイがメネアを慰める。
メネアが持ち込んだメモは、『貝の養殖と養殖真珠』が1枚。2枚目が『合金の名前と配合割合だけが羅列され表』。
サトゥー(相場スキルで見た価値は金貨1枚程度だが、どちらも為政者に見せたら高く売れそうな気がする。)
代わりにサトゥーかライトが買い取っても良かったのだが、闇オークションへの興味もあって同行する事にした。
早速、メネアと護衛騎士を連れて、貴族街のマジック・アイテムに認識阻害のマジック・アイテムを販売している店へ出向いた。
店主「認識阻害のマジック・アイテムは等級別に値段が違います。ウチで扱っているのは1級から6級までの品で等級が高い程阻害率が高まります。4級以上は公都の貴族にしか売れないのでご注意下さい。」
因みにユイとアオイは邸で留守番する事に。
サトゥー(1級のアイテムなら、人物鑑定スキルのレベルが1の人物による鑑定を防げるようだ。)
店主「3級程度でも人物鑑定スキルでも持たない人に誰か把握され難くなりますから、黒街に遊びに行く位なら十分ですよ。」
サトゥー「よく判りましたね。」
店主「ははは。武術大会見物に来た他国や他領の貴族が黒街に行くのはこの時期の風物詩みたいなものですから。」
ライト「随分と暇なんだな。」
2人と護衛騎士はペストマスク型の1級の仮面を選び、メネアはベール型のマスクを選んだ。
店主「3級は1つ金貨3枚だから3つで金貨7枚で良いですよ。」
ライト「マジック・アイテムとしては随分安いもんだな。」
店主「3級以下のは数年で効果が下がりますし、数刻おきに自分で魔力供給をしないといけませんからね。」
メネア「お待ち下さいサトゥー様、ライト様。私達はやはり1級の方を買う事に致します。」
店主「1級なら1つ金貨1枚ですね。」
サトゥー(それでもメネア王女は高いと感じているようだ。)
最終的にライトとサトゥーが3級を4つ買って2人に貸与する事で話が纏った。
その後一旦屋敷に戻り、老執事が用意してくれた地味な小型馬車で黒街へと出発した。
神渡りの橋を渡る。
メネア「思ったよりも高さがありますね。」
サトゥー「えぇ。船のマスト程の高さでしょうか?」
ライト「へぇ〜。マストの天辺だとこれ程の高さか。」
窓の外の景色に飽き始めた頃、ようやく橋を渡り切り、公都の対岸にある黒街ムラァスへと入った。
『BGM:懊悩』
黒街ムラァスの道を馬車が走る。
サトゥー(この街の住民は獣人が多いな。)
ライト(随分と穏やかな雰囲気には見えねぇな。)
魔物の部位を使った鎧や武器を装備した者をよく見掛ける。彼らは魔狩人と言う職業に就いている。マップで検索した限りでは数人単位で、東に広がる森や山に分布している。
ライト(見た限り魔物専門のハンターみたいだ。)
サトゥー(らしいな。)
メネア「ごみごみしていますね。」
馬車の窓から顔を出す。
護衛騎士「殿下。窓からお顔を出さないで下さい。」
オークション会場の倉庫前に到着し、仮面を着けて馬車から降りる。
サトゥー(どうやら目の前の倉庫がオークション会場らしい。)
ライト(ん?)
会場へ入ろうとする目の前の2人の男の顔が虎人族の顔に変貌して会場へ入って行った。
ライト(虎人族に変貌した?幻影の類か。)
サトゥー(でもスタッフも何も言わないな。)
ライト(成る程。幻影を利用して認識阻害のマジック・アイテムで誤魔化してるな。)
スタッフ「これはこれはお大尽様!貴賓席をご用意出来ますが、如何致しましょう?」
サトゥー「頼む。」
ライト「俺達このオークション初心者だ。出品や入札の説明も頼む。」
スタッフ「畏まりました。君、こちらの方々を貴賓席へご案内して説明も頼むよ。」
女性スタッフ「はーい!承知しましたー!」
オークション会場の貴賓席へ案内された。テーブルに白と銅鏡の2本の札が人数分置かれている。
女性スタッフ「では説明させて頂きます。オークションに入札する時はこちらの札を。彼処の舞台に居る司会に見えるように出して下さい。白の札が銀貨を銅鏡の札が金貨を示し、最後に司会が言った価格にどれだけ上乗せするかを伝える物です。」
ライト「ほうほう。」
メネア「出品はどうすれば良いのかしら?」
女性スタッフ「銀貨1枚の出品料を払えば誰でも出品可能です。落札価格の7分の1が手数料と公爵閣下への税として徴収されます。尚、銀貨1枚未満の貨幣については、恵まれない人達への寄付として処理させて頂きます。」
サトゥー(14%とは中々大きい。)
女性スタッフ「未鑑定品でも問題ありませんが、鑑定書がある品の方が高額で取引されます。」
メネア「鑑定書は国で発行して貰ってあるので結構です。こちらの品々を出したいのですけれど?」
女性スタッフ「承知致しました!」
出品する物を別のスタッフに渡した。
オークション開始まで1時間近く待たされたが、舞台の上でダンスやアクロバティックなショーが繰り広げられていたので飽きずに過ごせた。
遂にオークション開始の時間が来た。
司会者「お待たせ致しました!紳士淑女の皆様!ただ今よりオークションを開催します!」
出品される物はポーションや妖しげな古文書。美術品武具や布など。物品だけでなく希少な小鳥や家畜などの生き物。ワイバーン、ナーガ、ラミアと言った
古文書は面白タイトルだったので金貨7枚で落札。タイトルは『海底都市ネネリエの秘密』。
サトゥー(全く読めない文字で書かれていたから、トルマに学者を紹介して貰おう。)
他にも死霊魔法の魔法書や、ポーションを水増しして作る悪徳錬金術師の手引書なんかも入手した。
ライト(鑑定書のない偽物が非常に多いな。)
スケルトン・タートルやスケイル・シャークやナーガなどの鱗を竜の鱗と偽っていた。この偽物ラッシュは普段よりも多い。聞き耳スキルが拾って来た会話から、メネアが言っていた黒竜の噂が東方諸国から流れて来た影響らしい。
司会者「お次は勇者様の国、神秘のニパン語で書かれた2枚の紙片です!金貨1枚から参りましょう!とある王族の宝物殿に眠っていた品の登場です!」
ようやくメネアの持ち込んだ品々の入札が始まった。
司会者「15番城本!金貨1枚銀貨2枚!43番白1本!金貨1枚銀貨3枚!」
残念ながら札の上がりが少ない。そこでサトゥーが札を上げた。
司会者「3番鏡1本!金貨3枚!他にはいないか〜?」
他に札を上げる者はおらず、サトゥーが落札した。
司会者「3番落札です!」
サトゥー(オークションを盛り上げるつもりだったのだが、値を上げ過ぎたか。)
メネア「サトゥー様、私の為に?」
サトゥー「いえいえ。元から興味があったのですよ。」
そこに女性スタッフが駆け寄り、1枚の札をサトゥーに手渡した。これは落札品の引き替え札。因みに現金との引き替えは二刻毎にある休憩時間に行うと言う。
その後、メネアが出品した残りの品は。
闇石の塊はサトゥーが落札。
高木と茶器は高値で取引。
萎びた霊草の束や美術品は二足三文で買い叩かれていた。
最終的に金貨102枚になったが、ここから手数料が引かれるのでメネアに手に渡るのは金貨87枚と銀貨2枚と言う好調を記録した。
全ての品が高値で落札され、メネアがほくほくと喜んでいる。オークションはまだまだ続く。
司会者「続きまして、迷宮都市セリビーラの職人が作った魔剣『蟻翅の銀剣』です!なんと金貨10枚からです
!」
サトゥー(銀剣とは名ばかりの灰色の剣だ。)
魔剣と言っていたが、サーキットを組み込んだサトゥーの鋳造魔剣とは違い、魔物の部位を錬成加工した品らしい。
サトゥー(トラザユーヤ著・・・『揺り籠』事件で入手した本か。)
ストレージ内に同名の剣の作り方が載ってる本を発見。作るには大掛かりな設備が必要らしい。
サトゥー(魔狩人達が必死に入札しているし、邪魔をするのは止めておこう。)
他にも魔物素材を使った蟷螂の大剣や、鋼エイの斧が出品されて同じように魔狩人達が先に競って落札していた。
サトゥー(迷宮都市セリビーラで作られた魔物素材の武器は魔狩人達に大人気らしい。)
司会者「さて!休憩時間前の最後の出品はこちら!」
休憩時間前の最後の出品は、なんと白虎人族の姫だった。
司会者「出品者によると、鼬人族の帝国に滅ぼされた白虎王国の元王女様との事です!」
客達が一斉にざわつき始めた。
司会者「白虎姫。何か一言!」
白虎姫「ーーーーーーー。」
ライト(お。翻訳出来る。)
白虎人族語スキルを得た。
サトゥー(取り敢えずヒアリング出来るスキルレベル3まで上げてアクティベート。)
ライト(ん?レーダーに映ってる輩の動きに違和感が。)
オークション会場の近くに虎人を始めとした獣人達が集結している。メンバーの中に白虎姫と同じ種族の若者がいる所を見ると、救出部隊かも知れない。最初に見掛けた数人の白虎人の他にも何人か会場に潜伏している。
司会者「金貨29枚!」
白虎姫の入札は白熱している。入札しているのはどっちも人間。片方は公都の貴族のようだが、もう1人はマキワ王国と言う聞いた事のない国の貴族だった。
ライト「メネア。マキワ王国と言う国は知っているのか?」
メネア「え、えぇ。東方諸国の中では比較的大きな国で・・・先頃、国王がお亡くなりになって王太子が継がれたはずです。獣人に寛容な国でしたけど、新しい国王になってからは少し方針が変わったそうです。」
サトゥー(代替わりして獣人に厳しい国に変わったのだろう。)
ライト「じゃああの姫さんの祖国について知ってる事があったら教えてくれるか?」
メネア「白虎王国とは国交が無かったので、あまり詳しくは知りませんが・・・」
話によると、鼬人族の帝国が台頭するまで火狩りの紅獅子王国、北の鱗族首長国連邦、南の白虎王国の三大亜人国家が大陸の東端を治めていたらしい。
獅子人族至上主義で人族も獣人も平等に奴隷並みの扱いをしていた紅獅子王国。
緑蜥蜴人を主体にリザの橙隣族を含む雑多な鱗族の集まりである鱗族首長国連邦。
白虎人族を頂点に配下の獣人達に仁政を行っていた白虎王国。
と、それぞれ違いがあったようだ。
メネア「白虎人達は苛烈にして勇猛果敢で敵に回してはいけないと言われていたそうです。ただ、義に厚く一度身内と定めた者には血族と同等の庇護を与え、恩を受けた相手には必ず報いる律儀な者達だと伝わっています。」
ライト「成る程。白虎王国とマキワ王国の間でいざこざがあったと見える。」
サトゥー(それにしても・・・何かトラブルがあったのかも知れないが、大の大人が小さな女の子で憂さを晴らそうと言うのが気に食わない。いっそ俺が落札して身柄を渡そうかとも思うが・・・)
しかしその時、事件が起きた。
男性スタッフ「火事だ!!!」
司会者「うわぁっ!?」
白虎人族の1人がオークション会場の灯りを消した。その隙に白虎人族3人がオークション会場に現れた。
マキワ王国貴族「やはり現れたか!ガルガオロン!!」
ガルガオロン「けっ。公爵様自らこんな場所まで出向くなんざ、逆恨みにも程があるぜ。」
サトゥー(どうやらマキワ王国の貴族と白虎剣士は知り合いらしい。)
公爵の男が剣士2人をガルガオロンと戦わせる。
ガルガオロン「イタチ共に踊らされやがって!」
大剣を振り下ろし、1人の剣士を滅多斬りにした。
ライト「うっへぇ〜グロ・・・」
メネア「サトゥー様!」
恐ろしい光景にメネアがサトゥーに抱き付いた。会場に来ていた他の客達がパニックになって逃げ惑う。
ライト「あの剣士、血だけが遺ったか。」
護衛騎士「殿下!ここは危険です!」
メネア「サ、サトゥー様!ライト様!私達も早く逃げましょう!」
サトゥー「お待ち下さい。階段からも足音がします。」
ライト「今階段に行ったら、地上の援軍と賊共の間に挟まれて危険だ。」
八方塞がりの危機的状況を脱するには・・・だがその時、公爵の男が紅蓮色の杖を発動させた。
メネア「あれは紅蓮杖・・・炎の魔物を引き寄せる呪われた杖・・・」
公爵「ガルガオロンよ!ここで果てよ!」
ガルガオロン「ちぃ!こんな場所で!」
サトゥー(アイツは地下で範囲火炎攻撃をする気か。)
ライト(非常識な坊ちゃんにはお灸を吸えないとな。)
マジック・リボルバーの弾丸で紅蓮杖を弾き飛ばした。
ガルガオロン「誰か知らんが感謝する!」
剣を振り下ろして公爵を倒した。倒された公爵は倒れ込んで気絶した。
サトゥー(レベル差もある程度あるし、これ位なら大丈夫だろう。)
ガルガオロン「ルーニャ姫。お迎えに参上しました。」
ルーニャ「ガルガオロン様・・・きっと私を助けに来てくれると信じておりました。」
白虎人族A「ガルの兄貴!早く逃げないと!」
白虎人族B「そうですよ。警備員位なら兎も角、公都の正規兵が来たら絶対逃げられませんぜ。」
急いでルーニャの手枷を破壊して救出した。
ガルガオロン「よし!引き上げるぞ!」
白虎人族3人「おう!」
彼らは無事に街の外に脱出成功した。気絶から回復した放火魔貴族一行もポーションで傷を治して追跡している。
その後少しゴタゴタしたものの、無事に落札物を買い取る事が出来た。
サトゥー(闇オークションは少々バイオレンスだったが、中々面白そうな場所だったな。開催中に暇を見付けて1人んで見物に来よう。)
『BGM:安隠』
闇オークションの翌日。王都に向かうカリナの送別会にメネア王女一行を招待した。
ユイ「うわあ!日本食じゃん!」
アオイ「豆腐のお味噌汁に納豆まである!」
久し振りに見る日本食にユイとアオイが感動した。
影武者とは言え、国王が公都にいるのだからこの地で謁見したら終了だと思うのだが、領主の名代が王都に出向いて報告する事に意味があるらしく、カリナが王都に行くのは動かせないと言う。
サトゥー(王都へは公都からある大型飛空艇で行くらしいので道中の安全は心配ないだろう。)
メネア「私達もカリナお姉様と一緒に明後日の飛空挺に乗るのご存知だったのですね!」
ライト(それは知らぬ。)
アリサ「はいはい離れて〜。」
ミーア「ん。近い。」
サトゥーに近付くメネアをグイグイと離す。
オリオン「ペンドラゴン卿。アイラ卿。まさか王女殿下と獣人風情を同席させるのか?」
ライト「ああ。メネア王女から許可を得ている。(まぁ、カリナがそう主張してくれたお陰でもあるがな。)」
送別会の前にサトゥーのスピーチから。
サトゥー「本日はカリナ様とメネア殿下の送別会にお集まり頂きありがとうございます。ゆっくり話して飲んで食べて楽しんで行って下さい。」
今日は堅苦しいのは抜きで料理と会話を楽しんで貰うべく、中庭を使ったビュッフェ形式の送別会になっている。ライト達も6日後に最期のスクロールを受け取ったら公都を出発するのだが、その時はロイド侯爵とホーエン伯爵2人が合同で送別会を開いてくれると言ってくれていた。
アオイ「この昆布巻き美味しい!」
アリサ「うちのご主人様の料理は絶品なのよ!」
ユイ「2人共年寄り臭いなぁ。こっちのチキンとかポテトのが美味いじゃん!」
アリサ「ジャンク好きね〜。それなら彼処にポテチとソーダ水もあるけど?」
アオイ「ほ、本当?」
ポテチとソーダ水を堪能する。
タスク「こう言う料理は初めて食べた時は感動したなぁ。」
ドロシー「私達の知らない料理をライトとサトゥーが作れるなんてね。」
ジーク「サヤ。この味噌汁って言うスープ美味いな。」
サヤ「はい!飲んでるとほっこりしますね〜。」
カリナ「このハンバーグで食べ納めなのですね・・・」
タマ「カリナも来る〜?」
ポチ「そうなのです!王都はメイドの人に任せてカリナはご主人様と一緒に旅をすると良いのです!」
カリナ「良いんですの?」
チラッとメイドを見る。メイドはフルフルと首を横に振る。
ライト(おいおい了承なんてある訳ねぇだろ。)
サトゥー(オリオン君が成人したら彼に王都行きを押し付けられたのだろうけど・・・)
カリナ「・・・・・食べ納めですわ!タマもポチも今日は全力ですわよ?」
タマ「あいあいさ〜!」
ポチ「ポチはいつだって全力なのです!」
ナナ「豆腐ハンバーグも美味しいと首肯します。」
ミーア「ん。美味。」
サトゥー「楽しんでいるかい?」
ルル「はい。餡掛けって美味しいんですね。」
リザ「流石はご主人様です。」
ローズ「このお饅頭って甘くて美味しいね!」
メイリン「お豆腐も美味しいです!」
クジラ唐揚げばかりだと飽きそうだったので、今日は甘辛い餡掛けも作ってみたのだ。
オリオン「ペンドラゴン卿。アイラ卿。少し良いか?」
サトゥー「はい勿論です。」
ライト「話すならあっちの東屋で話そう。」
東屋へ移動した。
オリオン「ペンドラゴン卿。アイラ卿。2人の真意を知りたい。」
サトゥー「真意ですか?」
ライト「俺達の?」
オリオン「そうだ。卿の武勇と功績なら太守の座を目指すのは判る。口さがない友人達は卿がそれ以上の地位を狙っていると言っていたが、先日の洗礼の件で卿にその意志がないのを確認させて貰った。だが、カリナ姉様を太守になる為の道具にするなら、私は君達を許さない。」
サトゥー(成る程。オリオン君はシスコンらしい。)
こちらの貴族なら政略結婚が普通のはず。現代日本のような恋愛結婚はこちらの貴族にとって夢物語でしかない。
ライト「カリナはとても大切な存在なんんだな。」
オリオン「当たり前だ。家族が大切でない者などいない。」
ライト「心配夢ようだ。俺達に栄達の野心は毛頭ない。」
サトゥー「はい。男爵様やニナ執政官からカリナ様との演壇話がありましたが、既にお断りしております。」
オリオン「何だと!カリナ姉様の何が不満なのだ!」
ライト(その反射で文句を言うの止めなさい。)
サトゥー「不満があるのではなく、家柄の良いカリナ様のお相手に私達のような平民上がりの最下級貴族では釣り合いが取れません。」
オリオン「う、うむ確かに。」
ライト「だから俺達がカリナに言い寄るような事は決してないから安心してくれ。」
オリオン「そうか・・・お2人のような弁えた家臣を持って父上も心強いだろう。」
サトゥー「恐縮です。」
どうやらオリオンの疑いは晴れたようだ。
『BGM:未来』
翌日はカリナの旅立ちの準備で忙殺され、瞬く間に出発当日となった。
タマ「カリナ〜・・・」
ポチ「ポチは寂しいのです・・・」
カリナ「2人共!」
別れが寂しいのか、3人が抱き合う。今生の別れ・・・ではないので!
『ツヅク』
キャスト
ライト:山崎大輝
ポチ:河野ひより
タマ:奥野香耶
リザ:津田美波
アリサ:悠木碧
ルル:早瀬莉花
ミーア:永野愛理
ナナ:安野希世乃
ジーク:相葉裕樹
サヤ:大野柚布子
タスク:小林裕介
ドロシー:山村響
ローズ:藤田咲
メイリン:佐藤亜美菜
ガイド:浜田洋平
女性画家:衣川里佳
アトリエオーナー:高橋伸也
カリナ・ムーノ:川澄綾子
オリオン・ムーノ:広瀬裕也
メネア・ルモォーク:楠木ともり
ユイ・アカサキ:稲垣好
アオイ・ハルカ:田中美海