コードギアスーシャーリーのギアス完結編ー   作:レイガース

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人は運命から逃げられない。避けようとすればするほど、その運命は近づく。多くを望み過ぎなければ、少しは自分の運命を変えられるかもしれない。

完結編からは3000文字以上を目指します。前作ストーリーは大目に見てもらえれば助かります。色々と指摘されたところは直したので、確認してもらえたら嬉しいです。この回のシャーリーは4話と5話を収録しています。


スザク歓迎会とナナリー奪還計画

スザクは皇帝シャルルの命令によって、エリア11に配属になることになった。ゼロが復活し、カラレスが亡くなったことにより事前にナナリーより先に、ゼロがルルーシュであるか確かめなければいけないのである。

シャーリーはスザクに呼び出されて、政庁近くまで来ていた。

 

「久しぶりだね、シャーリー。仮面を外してもらえたら嬉しいよ」

 

シャーリーはエデンとしての自分を脱ぎ、仮面を外して下に置く。

 

「君に尋ねたい。僕より優れ、ルルーシュより賢い君は何者なんだい?」

 

ヴィレッタと同じようなことを尋ねられたシャーリーは、今度はエデンとしての自分を重ねて、こう言った。

 

「私は私よ、スザクくん。でも、あなたと違うところ、それはいつでもルルを助けたいと思っていること。だから、例えあなたと敵対しようともルルを守るわ」

 

シャーリーの顔に嘘はない。シャーリーは恋や愛だけじゃルルーシュを守れないことを生き返って知った。ルルーシュを好きだった自分はロロに銃で撃たれ、その結果ルルーシュに辛い重荷を背負わせてしまった。ナナリーを守るために自分の身を犠牲にし、世界を一つにすることも背負って。

 

「アッシュフォードに復学する話は聞いたわ。ルルを監視するためでしょう?それは別にいいの。スザクくんの好きにしたらいいわ」

 

賛成とも否定とも取れない言葉。スザクはシャーリーの性格はこうだと思っているかもしれないが、シャーリーは少し変わった。もちろん、死を経験して、その記憶を持っていて、ルルーシュを守るため、エデンとなってナイトメアを乗り、ルルーシュの罪を少しでも軽くしようと頑張ってきたからである。

 

 

その頃、政庁のナイトメア広間では、ナイトオブスリーのジノ・ヴァインベルグとグラストンナイツが戦闘を始めようとしていた。そこに、エデンの騎士団ナンバーツーのゲイルが現れ、グラストンナイツのナイトメアを止め、自らジノのナイトメアと戦闘を開始した。ゲイルはエデンの騎士団が正式に本国で認められ、その中でもトップの数人に専用のナイトメアを持つよう取り図られた。ジノのナイトメア、トリスタンと戦っているゲイルのナイトメアはタナトス。死を司る神の名を持ったナイトメアだ。

さらに、戦闘が長いため駆け付けたナイトオブシックスのアーニャ・アールストレイムのモルドレッドは、エデンの騎士団ナンバースリーであり、ジノの従姉妹であるロメイン・ヴァインベルグのナイトメア、パンドラによって止められ、仕方なく機体を止める。

 

「そこまでだ、ジノ。彼は同じくらい強い。それと、僕のナイトメアを持ってくるよう頼んだはずだけど…」

 

「ゲイルもそうよ!ナイトオブラウンズの機体壊したら、何言われるか分からないでしょう?」

 

パンドラのハッチを開け、ロメインが手を振る。

 

「あー、エデンだ〜!久しぶり〜!」

 

ジノがスザクに飛びつくように、ロメインもシャーリーに飛びつく。ゲイルはアーニャの携帯に写真を撮られたり、アーニャの携帯の他の写真を見せて貰ったりして、なぜか仲良くなっている。ナイトオブラウンズ、エデンの騎士団の両メンバーの最強6人の騎士がここに集った。

 

ルルーシュは、影で機密情報局の監視体制に穴を空けつつ、黒の騎士団のカレンやC.C.に連絡を取っていた。無論、スザクが復学するなど思ってもいない。

 

シャーリーは設備の大きくなったナイトメア研究所に出向き、D.D.がアローン後継機である新型ナイトメアに着手しているのを見る。C.C.のガウェインと共に海に沈められ、引き分けたからいいものの、肝心なナイトメアを破壊されC.C.に逃げられたので、かなり痛手だったらしい。

 

「来ていたのですか、シャーリー。貴女のナイトメアは大丈夫なのですか?」

 

「ナナリー総督就任までには間に合う予定です。護衛できないのは、少し寂しいですけど」

 

「皇女殿下とは親しいのだったね。ナナリー殿下が本国に戻られて、キャサリン殿下も喜んでいたよ」

 

ー新しい餌が増えて良かった、とねー

 

シャーリーはキャサリンの喜ぶ顔が浮かぶが、D.D.が内心で思って先ほどのことなど知る由もない。

 

「私は今はやることがあまりないので、学園のほうに専念します。時々は様子見に来ますが、ゲイルとロメインの件はいいのですか?」

 

「彼らの要望だ。私が口を挟むことではないのでね」

 

むぅ〜、と諦めのシャーリーに、D.D.はコーヒーを一口飲み、微笑むのだった。ルルーシュが学園の監視体制を穴だらけにしても遅い。自分にとって、学園などほんの一部の範囲内でしかない。アーカーシャの剣など、自分の計画に比べたら容易い武器である。

 

「クロノースの盾。それさえ完成すれば、私の計画は進むのだから、貴女は貴女のしたいことをすればいいのです」

 

クロノースの盾。それは、時空を司る神を護る盾。アーカーシャの剣が神を滅ぼすのであれば、クロノースの盾は神を護る。皇帝やV.V.のやろうとしていることはお見通しなのだ。

 

そして、翌日の朝。

 

「本日付けを持ちまして、このアッシュフォード学園に復学することになりました、枢木スザクです」

 

「えー、あのナイトオブラウンズ様〜!」

 

「ゼロを捕まえた英雄⁉」

 

ナイトオブラウンズとなったスザクの人気は、ユーフェミアの騎士に選ばれてラウンズに入団してからうなぎ上りだった。

 

「久しぶりだな、スザク!」

 

「そうだね、ルルーシュ!」

 

ルルーシュとスザクの距離が近づく度、二人の中でブラックリベリオンまでの道のりを頭に思い浮かべる。それは真実の記憶であり、ルルーシュは皇帝にギアスをかけられ、忘れているように装う。

 

「スザクくんが帰って来たんだって?」

 

このアッシュフォード学園の理事長の孫娘で、生徒会長のミレイ・アッシュフォードは、ブラックリベリオンからスザクが学園に来なくなってから心配していた。そのため、

 

「会長、今は授業中ですよ!」

 

「何よ、ルルーシュと別にいいじゃない〜!」

 

と、理事長の孫娘の権限を利用したかのように、ドンドンとスザクに近寄っていく。

そして、スザクは生徒会のみんなから学園の事情を聞きながら、ルルーシュの行動を監視して確かめていた。

 

「どうでしたか、ご自分で確かめられて?」

 

「まだ分かりません。嘘で装っている場合も考えられますし、もう少し調べてみないと」

 

スザクは監視映像に映るルルーシュを見ながら、次の手を考えていた。ルルーシュの弱点を使えば、あるいは、と。

 

「今日は、それほど長い時間も話していませんし。以前の馴染みの友人や仲間も傍にいましたから。その後は他の生徒たちに囲まれたりして」

 

「では、はっきりと判断はされてないと?」

 

「いえ、演技は昔から得意でしたから。大勢の人達を欺いていた前科もあります」

 

ヴィレッタの表情が少し緊張を増す。

 

「記憶が戻っている可能性もあると?」

 

「それも、今の段階では判断ないと思います。やはりもう少し調査が必要かと」

 

スザクは学園で行われる自分の歓迎会を使い、ルルーシュの意図を確かめるつもりでいた。その歓迎会が3日後に行われ、

 

「本当にやるんですか?」

 

「諦めろ、スザク。ここでは、会長の命令は絶対だ」

 

スザクは息を大きく吸い込み、

 

『ニャー!』

 

とマイクで歓迎会の合図をするのであった。

 

合図とともに始まった歓迎会は、ナイトオブラウンズのジノとアーニャも参加し、エデンの騎士団からもゲイルとロメインが参加した。

歓迎会は文化祭のように、ミレイが失敗した一年前の学園祭を取り戻したいような感じで始まった。催し物といえば、バンジージャンプ体験や乗馬体験、研究部の試作発表、揚げ物などの販売などがメインだった。

 

その揚げ物に夢中になっていたのは、ジノとアーニャだった。

 

「アーニャ、これ面白いな!」

 

「記録…」

 

アーニャは携帯で写真をカシャリと撮り、自分のブログや記録に加えた。ジノは他の販売物や出し物を辺りを見ながら探していた。

シャーリーは参加しているゲイルとロメインを捜しに、校内を見回りながら、途中で揚げ物店から動いたジノとアーニャを見かけるも、その後ろで走っているロメインを見つけ、シャーリーは風のように駆けて追いかける。

「ロメイン待ってよ〜」

 

「ん?」

 

ロメインは口に加えたサンドイッチを飲み込み、

 

「シャーリーどうしたの?そんなに慌てて?」

 

「ハアハア〜。ロメイン、ゲイルと一緒じゃなかったの?」

 

ロメインは首を横に振り、

 

「あいつなら確か、私と昼食買ってから別れて、ここ一、二時間ほど会ってないよ。もしかして?」

 

「違う違う。私は2人に言いに来たのよ。あまり騒がないようにって!目立つと関係疑われるの困るもの。余計な仕事増やしたくないし」

 

「OK。分かった。ゲイルに会ったら伝えとく。恋人ルルちんによろしくね〜」

 

シャーリーはロメインの冷やかしに顔を真っ赤にして、ロメインはシャーリーから逃げた。

ロメインと別れた後も、ゲイルとはなぜか会えず、ジノとアーニャばかり目にする。アナウンスの鐘が鳴り、ミレイが巨大ピザのイベントの時間を知らせる。シャーリーは仕方なく、リヴァルたちのいる巨大ピザ作りのイベント会場へ戻っていくことになった。

 

その日の夜、スザクに呼ばれて屋上で待っていたルルーシュは、スザクから携帯である人物に出て話すように言われる。

 

「来週、赴任する新しいエリア11の総督だよ」

 

「総督?そんな偉い方と話していいのかい?俺はただの学生に…」

 

『あの、お兄様ですか?』

 

ルルーシュは受話器の中から聞こえる、妹のナナリーの声に、スザクのルルーシュに対する裏を知る。だが、ナナリーに嘘は付けない。そんな時、ロロがスザクにギアスをかけて、体感を止める。その短時間でナナリーと話し、話しの裏を合わせるように説得する。スザクを欺き、内心ホッとするルルーシュは屋上から去るのだった。

 

「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。やはり、ゼロの記憶が戻っているようですね」

 

隠し盗聴器を仕掛けていたD.D.は、シャーリーに微笑む。この盗聴器は雑音を作らず、仕掛けていても分からない形のステルス盗聴器。シャーリーに歓迎会の際に、ルルーシュの目を盗んで仕掛けておいた盗聴器だった。

 

「ルルーシュは、必ず妹のナナリーを助けに向かう。キャサリン殿下にお話してもいいかな、シャーリー?」

 

「あなたの契約に背かないなら、お話しても構いません」

 

D.D.は携帯の電源を切り、盗聴器の電波を遮断した。D.D.は別の携帯を取り、キャサリンに連絡を取る。

 

「ええ、そうです。なるほど。面白いことが起きようですね」

 

D.Dは携帯の電源を切った。

 

「まもなく、近い日に面白いことをキャサリン殿下がやるそうです。何、心配いりませんよ。起きてからのお楽しみです」

 

そして、そのナナリーが総督として赴任するため、本国から護衛艦に乗って向かっている頃、スザクたちナイトオブラウンズを欺き、先にナナリーを強奪せんと黒の騎士団が先手を打って攻撃を仕掛けてきた。ゼロはギアスを使い、艦内の入り口近くの護衛隊を始末し、ナナリーの下へ向かう。

 

『大した腕前だこと、ルルーシュ』

 

ゼロは足を止め、目の前にいる女に驚く。

 

『なぜ、お前がいる。お前は十数年前に病で亡くなっているはず!』

 

キャサリンは笑う。ゼロのルルーシュは持っていた銃でキャサリンを撃つが弾が体をすり抜ける。

 

『無駄よ、ルルーシュ!』

 

キャサリンの放つ衝撃波でルルーシュは飛ばされ、銃を破壊される。ルルーシュは立ち上がり、近くの物をキャサリンに投げる。キャサリンはそれを衝撃波で別の場所へ飛ばし、

 

『無駄って言ってるのに、分からずやね〜』

 

仕方なく、ルルーシュは抵抗せずキャサリンの前に立つ。

 

『一つ聞く。お前は誰だ?キャサリンの遺体は俺も火葬されるのを見た。お前はキャサリンじゃないないな?』

 

キャサリンは溜息をつき、恐ろしい顔付きになる。その顔は、ユーフェミアを仮死させた時と同じ顔だった。

 

『確かに私はキャサリンじゃないわ。強いていえば、数百年前のブリタニアの女帝。私の知っている子もね、今のブリタニア帝国皇族の分家や親戚に当たるの』

 

キャサリンの名を語る女は、外の様子が騒がしくなってきたのを知り、姿を消そうとしていた。その前に女は言うベキことを言った。

 

『私はブリタニア帝国第66代女帝エメラルダ・ユン・ブリタニア。私は生まれ変わった時はもちろん、ルルーシュあなたの知るキャサリンだったわ。でもね、病で亡くなって力を得たの。私の目的はね…』

 

ルルーシュは目を疑う。ルルーシュにとって今は関係ないが、ルルーシュの未来を変えるとんでもない言葉の目的だった。護衛艦が崩れ始め、ナナリーどころではなくなったルルーシュは、脱出経路から飛び降りてカレンの紅蓮可翔式に助け出される。ナナリーを助けたのは駆け付けたナイトオブラウンズたちで、スザクがエナジーを大量に消費する全方位シールドを展開し、助け出すのだった。崩れていく護衛艦の中でキャサリンは消え、正体不明のまま強奪作戦は終わりを迎えた。

 

次回、第3話に続く…

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