前回の終わりから、いよいよ本編とは少しずつ違う展開が始まっていきます。キャサリンの目的、シャーリーやD.D.の謎も少しずつ明らかにしていく予定です!感想も随時お待ちしております。
ナナリーの総督赴任の挨拶は、日本人ならずブリタニア人にも驚きを見せていた。目の見えない幼い皇女。誰もが、ナイトオブラウンズが護衛に付く理由が分かった気がしていた。ルルーシュはナナリーを助け出せず、少し焦燥感があったものの、ゼロの仮面を被り続けることを決意する。
そのナナリーの挨拶に入っていたのは、最も誰もが目を疑った行政特区思想の再びの発案だったのである。さらに、副総督に就任したのは、ルルーシュの思惑をことごとく破ってきたキャサリン皇女であった。ユーフェミアの時は、コーネリアが総督の地位にいたため表立って動けなかったが、ナイトオブラウンズの護衛だけでは完全には護衛できない時間最もあるため、副総督に立候補したのである。その副総督が就いたと分かったことで、ブリタニア人はナナリーだけでは不安だったので、安堵したような顔を見せたのである。
「ナナリー、演説素晴らしかったわ。行政特区も成功させましょうね」
「はい、キャサリン姉様。ユフィ姉様の意志を継ぎたいんです!」
「うんうん。ナナリーは偉いわ」
ーさてと。EU方面から少し中華連邦に戦争仕掛けてもらいましょうかしら。本格的に世界が一つにまとまるなら、潰し合わせるのが最も目的に近づくのだからねー
キャサリンはナナリーの頭を撫でながら、そう考えていたのである。この計画の主な目的は、実際のところルルーシュとシュナイゼルの計略を潰すのが狙いであった。ルルーシュが黒の騎士団を率い、日本人を連れて中華連邦に逃げる計画と、シュナイゼルが打つ中華連邦の支配を潰すして引かせ、そのところでEUから戦争を仕掛ける不意打ち戦法であり、エリア11はその合間を利用して完全なるキャサリン専用の支配下に置く計画だった。
「恐ろしいお方だよ、キャサリン殿下は」
D.D.は、コーヒーを一口飲みながら、シャーリーにそう話すのであった。
「行政特区は、確か百万のゼロで逃げる計画でしたよね?キャサリン殿下はどうなさる予定なのでしょう?」
「さあ、私にも分かりませんよ。何か策があるのは見えますがね」
世界の歴史が大きくうねりを上げて変わろうとしていた。キャサリンことエメラルダの目的は何なのか。いつしかシャーリーの心にも異変が起きるのだった。
ゼロのルルーシュは、エリア11政庁に自ら連絡を取り、ゼロの自分だけを助けるよう話を出す。ゼロをエリア11追放とすれば、エリア11の脅威はなくなる。キャサリンも同意したことにより、行政特区でのゼロの追放を宣言した後、黒の騎士団を排除する計画を立てた。キャサリンは百万のゼロを使って逃げる計画を知っているので、何も言うことはなかった。
行政特区が建設され、大勢の日本人が集まり出した。中には黒の騎士団も混じっており、百万に達する程の規模だった。それでも、ナナリーやキャサリンが虐殺皇女の二の舞を演じるのではないか、と参加した日本人たちはそう思えてならなかった。
「ようこそ、日本の皆さん。私はあなた方と共にこの行政特区を形にしていきたいと思います」
ナナリーの呼びかけには誰も信じていなかった。それは、
「まず、エリア11行政特区の安全保証のため、黒の騎士団リーダーであるゼロを国外追放することが決定しています」
ナナリーの監視役兼事務官の女性アリシア・ローマイヤがそう告げる。その話が告げられた途端、
『ありがとう、ブリタニアの諸君!私は国外追放を受け入れよう!』
そう後ろの画面から写し出された映像からゼロが現れる。ゼロの言葉は、参加している日本人辺りからたくさんの煙幕が放出され、スザクたちはテロかと思ったが日本人には手を出していけないことから、煙幕が収まるのを待った。煙幕が収まると、辺りにいた日本人たちはゼロで埋め付くされていた。
『さあ、ゼロの皆さん!私たちは国外追放です!』
『俺がゼロだ〜!』
『私がゼロよ〜』
スザクたちはまんまと出し抜かれた。黒の騎士団ごと国外追放する気だと。
「ゼロ!お前はそれでいいのか?」
『なら、枢木スザク。お前も約束したらどうだ。残った日本人を必ず守ってみせると』
「約束しよう。だが、どうやってこのゼロたちを逃がす!」
ゼロは画面から消え、迎えの中華連邦生きの艦隊を引き連れて来た。すでに、中華連邦の星刻の要請で作戦は整っていたのだ。ゼロにとっても、中華連邦を後略することは必要であったため、黒の騎士団が必須だったのである。
同じ頃、分裂したEUの半分はキャサリンの企みにより、中華連邦の領土を手に入れるべくナイトメアを多数導入して陣取っていた。キャサリンは隙を見て空間を移動し、EUの戦闘本部に現れていた。
「黒の騎士団は日本の領土を出ました。天子の取り合いが終わった後、私の指示で戦闘開始してくださいね」
EUの幹部たちは目が赤く光っていた。心まで操られていた。キャサリンのギアスではなかった。
「来ておりましたか、エメラルダ殿下」
EUの幹部たちを操ったギアスの持ち主、EUを変えるべく立ち上がったが仲間やナイトメアを上手く集められず惨殺された運命を救われた存在で、ギアスを得てルルーシュとようにゼロの行動に近い指揮の下、下克上を果たした。名を、アルテス・ミストという。
「シュナイゼルには手こずりましたが、半分は残りました。あなたのいう通り、軍を配しましたので指示があれば即動きます!」
「上出来よ、アルテス。まずは、あのシュナイゼルよね〜。手配したナイトメア届いた?」
アルテスは書類を見て、
「届きました。ナイトメア・ガイア、かなり使いやすいですね。操縦技術が新型なので慣れる少々かかりましたが」
「ブリタニアのナイトメアを応用したものだからね〜。大丈夫、あなたなら英雄になれるわ〜」
英雄という言葉に、アルテスはあまりピンとは来なかったが英雄になれる力を持っているのなら自分は英雄になりたいと思った。
中華連邦政府に着いた黒の騎士団は、日本人たちを人工島「蓬莱島」に自分たちの拠点にして移動させる。中華連邦政府のところには、シュナイゼルが手を回したブリタニア第一皇子オデュッセウス・ウ・ブリタニアと中華連邦の天子・麗華(リーファ)の婚姻の儀があることを知らされる。
エリア11では、思わぬ戦闘が各地で始まっていた。ナナリーを捕らえ、エリア11を己のものとせんと、キャサリンが動いたためクーデターも勃発した。ナイトオブラウンズもいない今、シュナイゼルの思惑も中華連邦に向いているため、もう行く手を阻む力はなくなった。日本人を全員捕らえんとするキャサリンは、シャーリーのいないエデンの騎士団を使って制裁を行っている。エデンの騎士団が出るところは、クーデターを起こして武器を持っている日本人だけである。
「やっと三分の一ね〜。ナナリーあなたのおかげで楽に進んでいるわ〜!」
「どうしてこんなことをするのですか、キャサリン姉様!お父様が黙っていませんよ!」
「シャルルに守らせないわ。そろそろ他のエリアも蜂起させないとね〜」
フフフ、とキャサリンは嬉しそうに笑う。ナナリーを監視役兼事務官を担当していたアリシアは別の監獄に捕まっている。計画の邪魔されては困るのだ。
「お父様を呼び捨てにするなんて。あなた何様です!」
フン、とキャサリンは口を曲げ、声を変えていく。
『妾はブリタニア第66代女皇帝エメラルダ・ユン・ブリタニアじゃ。故あってお主の姉様と生まれ変わって存在しておるが、シャルルの小童の計画など妾の足元に及ばん」
「エメラルダって、今のブリタニアと同じ世界を三分の一まで支配下に置いた最初の女帝だって…。嘘、お姉様がどうして…」
体を震わせるナナリーを見て、エメラルダはしゃがんでナナリーを見つめる。
『可愛いの〜、マリアンヌの亡眼の愛娘ナナリーよ』
エメラルダに頭を撫でられ、ビクビクと恐怖に怯えるナナリー。クロヴィスやユーフェミアの義母と違い、エメラルダには威厳と貫禄が殺気を増して恐怖を演出している。
『そろそろかの〜。ゼロとシュナイゼルが勝負を終わらせた頃は』
エメラルダは離れた中華連邦がある夜空を窓から見上げる。
ゼロとシュナイゼルのチェス勝負は引き分けで終わった。この勝負でシュナイゼルは、ゼロの正体をある程度見抜いた感覚でいた。ゼロはシュナイゼルより先に、天子の強奪を計画していて、その強奪計画は翌日の婚姻式でゼロが現れたことで真実のものとなった。星刻とゼロの天子をめぐる攻防の始まりである。その裏で、スパイがキャサリンに情報を送り、戦争への流れを運ばせるのだった。3勢力の思惑が交差する中での、キャサリンことエメラルダの不意打ち戦争への流れだった。
ー第4話に続くー