コードギアスーシャーリーのギアス完結編ー   作:レイガース

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時は流れ続ける。その時の中で人や動植物は生き続け、その時の中でしか生きられない。時を生き死に超えた力は人を狂わせ、やがて世界も狂わせる。

巨大要塞同士の激突で、要塞同士は破壊され海に向かって沈んでいく。キャサリンはナイトスネイカーに乗り脱出。世界を賭けた最後の戦いが幕を開ける。


世界を賭けた戦いー後半ーエメラルダを捕らえろ

ダモクレスとグランド・ヴレイヴの巨大要塞同士はお互いを破壊し続け海に向かって沈んでいく。キャサリンはナイトスネイカーの攻撃で、用済みの巨大要塞を破壊して加速させていく。

 

『まさか妾の要塞を破壊するとはのう。まあ、半分は要塞に忍び込まれたことで自爆させようと思うて突っ込んだのは本当だかの』

 

ナイトスネイカーは周りの騎士団機を破壊し、ルルーシュ目掛けて攻撃してくる。カレンとスザクはエメラルダの前に立ち塞がり、蜃気楼を守る。

 

『お主たちが守っても時間の問題よのう』

 

「それでも、ゼロは私が守ってみせる!」

 

「ゼロはこの世界になくてはならない存在だ」

 

カレンとスザクは武器を構え、二対一で戦う。それでも、ナイトスネイカーが互角に戦う強さは恐るべきものだった。大きさもそうだが、起動力は素早く蛇のように回避してくる。九世代や防御力の高いナイトメアでなければ簡単に破壊されているところだ。

 

「くっ!」

 

「強い!」

 

まだまだエナジーフィラーに余裕はあるが、変則的な技ばかり使ってくるナイトスネイカーはカレンとスザクを圧倒していた。カレンはクロノースの盾を破壊することに専念し、スザクは変則的な攻撃をする尻尾を破壊しようと集中する。

 

『思ったより戦えるのう。しかし妾を倒せると思うのは傲慢じゃ』

 

ナイトスネイカーは蛇の尻尾を二つに分解し、スザクのランスロット・アルビオンの腕を掴み巻き上げる。カレンが応戦して一つの尻尾を破壊したおかげでランスロットは抜け出すことができたが強さが異常だった。尻尾の半分が消えたことで起動力が落ちた。ランスロットはもう一つの尻尾も破壊し、カレンは盾を手から切り離す。

 

『ええい、どいつもこいつもうっとうしい!』

 

起動力がほとんど無くなったナイトスネイカーは、ルルーシュの蜃気楼からの攻撃を受け、大きさが半分になって落ちていく。ここまでかとエメラルダは思考エレベータを稼働させ、時の流れを遅くする。エメラルダはナイトスネイカーから脱出し、近くの島へ落ちる。時の流れが戻り、ナイトスネイカーは完膚なきまでに破壊された。エメラルダが居ないことに気付いたのはその時だった。

 

「ここまで来れば、誰も追ってきはせんじゃろう」

 

エメラルダは疲れ果て、ギアスの紋章マークの近くへ座る。

 

「ここまでです。エメラルダさん!」

 

逃げ道に絶ったのはシャーリーだった。エメラルダは笑い、観念したように手を挙げる。

 

「負けを認めよう、シャーリー・フェネット。お主の力があれば、妾を消すことなど造作もない。もうじき、兵たちが妾を捕まえに来るじゃろう。少し話さんかえ、もう何もせん。ここに座ってくれ」

 

 

間も無く、エメラルダは兵たちが来て連れて行かれる。その直後、エメラルダは微笑み、シャーリーにこう言った。

 

「妾をこの世から消すことができるのは其方のみじゃ。其方がいつ妾を消しに来るか待っておる。その時まで大人しく捕まっておるわい。あの者に宜しくな」

 

エメラルダは死なない。クロノースの盾も未だに健在していた。シャーリーはエメラルダと先程話したことを誰にも言うつもりはなかった。再びエメラルダに会う時まで。

 

「契約は替わりました。私はC.C.を殺すことはできず、野放しにした。ですが、その代わり、貴女はエメラルダを消してください。彼女が望んだ未来を」

 

D.D.はニコリと笑う。

 

「今は貴女の成すべきことをしなさい。シャーリー・フェネット。エメラルダの心臓であるナイトスネイカーは破壊された。彼女には残っている力は不死の力だけ。その魂は貴女の…」

 

D.D.はシャーリーに語る。シャーリーも知っていた。

 

「彼女は裁判にも処刑にも使えない。肉体はキャサリンを得ても、魂は不死。キャサリンの肉体を集合無意識に消してもまた転生する。貴女だけなのです」

 

D.D.は手を振り、その時まで姿を去っていった。

 

 

D.D.はエメラルダの牢獄を訪ねる。エメラルダは来ることを知っていたかのように鉄格子の前に引き寄せる。

 

「ようやく夢が叶たわい。お主も大変よのう。あれから数百年も経つと云うのに」

 

「最後の仕上げです。昔話でもしませぬか?あの時から全てが始まったのですから」

 

エメラルダとD.D.は遠く彼方を見る。数百年前からあまり変わらぬ青空。それでも時は流れている。歴史を変えたところで歴史の時の流れは止められない。

 

 

ー数百年前ーブリタニア離宮ー

 

もうすぐ亡くなりそうな母親は、男に赤子の女を渡す。男の手には、ギアスの紋章らしきマークがあった。男は赤子を抱きかかえ、当時のブリタニア正規軍から逃げる。男は死なない。不死の力を得ていた。それでも赤子に当たれば赤子は死ぬ。必死になって赤子を守り、男はある町に着く。男は空腹で倒れ、通りかかった町人に救われ、赤子と共に民家に住む。赤子はみるみる成長し、絶世の美女へと変貌を遂げる。男は当時見習いの青年にギアスを与え、時を待つ。

 

「お迎えに参りました、エメラルダ様」

 

民家などを支配する領土の国の王は、町で働いているエメラルダを見初め、王子の嫁にと民家の主に告げる。家主は喜び、エメラルダも家主を幸せにできるならと嫁に行く覚悟をする。

 

「僕も必ず騎士になります、エメラルダ姐さん。この命にかえて守ります!」

 

デルタリスは頷く。この世界では初めてギアスを得た少年。それがデルタリスであった。少年デルタリスはギアスと体質を活かし、王女になったエメラルダの騎士になる。だが、世界は未だ多くの戦火があり、隣国であるガリア、ローラン、アメリカ州、イギリス領など敵国ばかりであった。

 

「ずっとこの調子ね、デルタ」

 

「戦の絶えない時代ですからね」

 

戦で王は死に、夫である王子が即位するには時間は掛からなかった。それでも戦に怯えるこの国カロンは弱小国の一つであった。

 

「彼はどうしてるの?」

 

「今も民家にいるようで、家主の後を継いで家主になったそうです」

 

あの家主も殺されてしまったか。戦の終わらぬ時代。各地で戦が起き、たくさんの遺体が安置される。多くの町や村が焼かれ、身元の分からない遺体も多い。カロンが滅亡するのはそのすぐだった。王に即位した王子は城に攻め込まれた敵国兵に刺され、そのまま帰らぬ人に。絶世の美女だったエメラルダは捕らえられ、敵国に渡り、数年もの間に各国を転々と戦で移動する。中でも、ブリタニアと云う国は弱小国でありながら、エメラルダの中で戦上手だった。

 

「男は亡くなりました。僕にこの力を与えて」

 

当時ブリタニア皇帝だった男の嫁になり、エメラルダはデルタリスを探す。見つけた時には男は亡くなり、デルタリスがそう語った。デルタがコードを手に入れ、エメラルダがギアスを手にしたのは早かった。皇帝は病に伏せ、実質政権を握ったエメラルダは、兵たちを招集。力の強い兵たちにデルタからギアスを与えて、この頃からブリタニアは勢いを付ける。

 

しかし、ブリタニア帝国はやがて危機に晒される。ギアスだけでは太刀打ちできず、領土に支配した国々は民の蜂起により支配から解かれ、ブリタニア帝国は領土を失い他国に攻められる。エメラルダとデルタは城から逃げ、遠い異国で過ごす。それでも、戦の終わらぬ時代。エメラルダは不死のデルタと違い、戦に巻き込まれ矢や鉄砲などの傷で病に侵される。

 

「妾はもう駄目じゃ、デルタ。お主は生き延び、お主を終わらせる存在を見つけるのじゃ」

 

「お気を確かに」

 

その後、エメラルダは死ぬ。長いエメラルダの人生は終わった。デルタは一人になり、クロノースの盾の存在を知ったのは数十年経った後だった。それから数百年が経ち、あんなに緊迫していたブリタニア帝国は皇帝シャルルの存在が世界を圧倒する。ギアスを使い、ナイトメアを生み出し、世界に恐怖を与えていく。そんな時、運命のいたずらか、デルタを知るはずのないブリタニア皇女が名を呼ぶ。

 

「久しぶりじゃのう、デルタ」

 

前世の記憶を持った皇女キャサリンはエメラルダそのものであった。彼女はギアスを再びデルタから授かり、ブリタニア皇帝から皇族全てを継承権剥奪、抹殺の計画を図る。クロノースの盾の力を使い、空間移動をできるようになったエメラルダは凄まじかった。そのある日、マリアンヌが何者かに殺害されたと聞く。けれど、エメラルダは動じず、デルタから貰った書物を見て、ブリタニア帝国に殺意を覚える。それは、自分がブリタニアの元子孫であり皮肉にも知らぬままブリタニアに嫁ぎ、女帝となったと知ると表情が変わる。今となってはもう遅い。しかし未来は変えられる。けれど、遅かった。ルルーシュが生きていてゼロになり、ブリタニア皇帝シャルルを殺害。ルルーシュが皇帝に就き、世界を救う戦いを始めエメラルダは身を隠す。幼女のまま死んだ歴史を残してブリタニアから去った。

 

「でも、お主がギアスを使えるとは思わなかったぞ?」

 

「あなたが転々と渡り歩いている頃、男が残した手紙にもう一つの力について書いてありましてね。この力で遠い未来を見ることしか出来なかった私は、クロノースの元の封印を解き、このギアスを強化し具現化しました」

 

「妾はすでに何回か死んでおる。妾もクロノースの盾の力を使った時、感じたのじゃ」

 

あるはずのないブリタニアの失われた一族の歴史を。

 

「私も驚きました。皇帝シャルルも、妾の夫も気付かなんだ。無論、妾も知らなかった。デルタ、お主が時空と並行の世界を行き来できると知った時までは」

 

青空はとても澄み切り、美しかった。こんなに平和な青空は見たことがない。何度目かの歴史改変と失った多くの世界。

 

「ルルーシュは満足だろうて。ゼロとして生きていけるのだからのう」

 

「この歴史改変はシャーリーの功績です。あなたでも成し得なかった」

 

そうさのう。とエメラルダは笑う。そろそろ時間が来た。エメラルダはデルタの持つ鍵で牢獄から出て、歩いてくるエデンとしてのシャーリーを見る。

 

「お待たせしました、エメラルダさん。そして、D.D.さん!」

 

エメラルダとD.D.は微笑み、シャーリーと共にクロノースの盾の遺跡へ向かう。

 

 

ーここからは二通りの未来がありますー

ー【最終話シャーリーのギアス】ー

とー【歴史を変えた者シャーリー・ネイ・ブリタニア】の二つです。どちらも最初は同じですが、途中からは二通りのまるで違うエンディングがあります。

ネタバレになりますが、読みやすいようにお教えした方がいいと思いますので、終わり方だけお教えします。

ー【最終話シャーリーのギアス】では、シャーリーはルルーシュと結ばれるでしょうが、ー【歴史を変えた者シャーリー・ネイ・ブリタニア】はシャーリーはブリタニアの血筋を示し、この世から消える流れを示します。ですが、シャーリーの知る全ての真実はエンディングを迎えるにあたり変わるので、どちらを先に読みたいのかは読者の方にお任せ致します。ー最終話に続くー





ここからは二通りのエンディングがあります。どちらをお読みになるかは読者様の自由です。お疲れ様でした。感想お待ちしております。
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