あ、どうも。憑依者です。
気づいたらPSO2のオラクルで自キャラになっていました。
武器とかそのままポーチに入ってたけど、倉庫の中身は消えてました。ああ、私の10Gメセタと迷彩コレクションが………。
取り敢えず手持ちの200kメセタで、素泊まり宿で過ごしながら転生した原因とか探ってみましたが、分かったのは働かないと飢え死にするってことだけでした。
何でかは知りませんがアークスシップの市民権はあったので、働けないことはないです。住所不定ですが。
じゃあどこで働くかって考えたのですが、アークスになるのが一番楽に稼げそうでした。
だって、その辺にいるアークスみたら武器がみんな✩1ばっかりなんですよ? ベテランでも✩3ですし。
ここで私のポーチに入っていた武器を見てみましょう。
ジャジャーン、最高レア!
攻撃力何倍ですか、10倍じゃきかないですよ。
防具も同じような状態ですし、楽勝?
そんなわけで、アークスになってニークスに進化するかとアークス養成学校の門を叩いたわけです。
いやー、参りました。
地獄でした。
自キャラになったって言いましたが、この子体力無い! 1km走ったらぶっ倒れました。
誰ですか、こんな貧弱設定にしたの!? あ、私か。
でも、フォトンを扱う才能が凄いってことで短期プログラムに変更されて、三年で卒業が三ヶ月になりました。
これぞ、レベルの暴力。サブキャラだけどカンストしておいて良かったです。
や、10年前の事件のせいでアークスが減って人材不足で、使えるやつは早く一人前にってのもあるらしいのですがね。
それで、今日は修了試験が惑星ナベリウスで行われるのです。
ナベリウスってのは新光歴40年に発見された惑星で、文明は存在しないとされています。
水源と緑に溢れる豊かな惑星だと思われがちですが、実際は風景や気候に至るまで全く異なる3つの地形が存在していますね。
ま、比較的安全なこの惑星が、アークスになるための最終試験場ってわけです。
試験内容はまだ言われてませんが、まあ、どうせウーダンの討伐とかでしょう。
そんな風に、気楽に行こうと思ってました。
けど、ナベリウスに向かう途中のキャンプシップで相乗りしたアークス候補生を見て、そんな気分は吹き飛びました。
「よっ、見ない顔だな。今日は頑張ろうぜ!」
アイエエエェェェ!!
相棒()、相棒()ナンデ!?
キャンプシップは他にもいっぱいあるじゃない! なんで同じなの!?
というか、今日何日!?
あ、A.P238/2/20ですか、どうも…………原作開始日じゃないですか、やだー!
何で別日程にしなかったのですか、私。や、今の今まで忘れたんですけどね。
というか、やめて下さい相棒()、私に親しげに話してこないで。私=安藤説が濃厚になるじゃないですか!
ん? 通信ですね。
『新たに誕生する「アークス」よ。今から諸君は広大な宇宙へと第一歩を踏み出す』
あ、ロボットじいちゃん。どうも、相変わらず渋い声ですね。
『アークスになるとは………』
大事な訓示なのでしょうけど、これ長くて眠くなるやつです。
ねむ、ねむ………ZZZ。
『覚悟は良いな、健闘を祈る』
はっ!
寝てませんよ? 話は覚えてないけど寝てませんよ?
『試験監督を務めるヒルダだ。これより各員には修了課程として、惑星ナベリウスの原生種ザウーダンの討伐をペアで行ってもらう。呼ばれた者から順にテレプールに飛び込め』
ここにいる試験生は10人。
ということは相棒()とペアになる確率は11%、逆に言えば相棒()とペアにならない確率は89%、いけます!
スバラシクウンガナ………うるさい、黙りなさいダークファルス[不運]、貴方の出番はありません!
『試験生番号8番、9番、テレプールへ』
私は10番だから違いますね、誰でしょう?
「あ、おれだ。またな、次会うときはお互いアークスだな!」
貴方でしたか相棒()!
そうですかそうですか、いってらっしゃい! 二度と会うことが無いことを祈ってます!
ん、そういや9番って誰…………アッシュですね。
あの髪型といい、服装といい、めっちゃアッシュですね。
ああ、良かった。
私=安藤説はこれで無くなった。
あとは、やばそうなイベントの時は出張任務にでも出てれば大丈夫でしょう。
がんばれ安藤。君の未来は戦いで溢れていますが、その分可愛い子とかともお友達になれますよ。
『3番、10番、テレプールへ』
あ、呼ばれました。って、私の組が最後ですね。
不合格は嫌ですし、ほどほどに頑張りますか。
ん、アナタが相方?
よろし…………黒人兄貴。
貴方生きてたんですか、てっきり髪に消されたかと。
「顔色悪いが、大丈夫か?」
仕方がないじゃないですか、角は最小だから隠れて見えないけど、デュマ子なんですから。
あ、デュマ子ってのは秘密です。だってこのEP1時代はデュマ子存在しませんから。バレたらきっと歯医者が飛んで来るでしょう。
「……オッドアイか、綺麗な瞳をしているな」
そうでしょ? 兄貴分かってますね。
やっぱりオッドアイって格好良いですよね! いつまでも子供の心を忘れない私にとっては、重要なポイントなわけです。
「…………飴いるか?」
いただきます!
ぺろ、これはスピリタアメ!
うそうそ、普通の飴ちゃんです………ね? 何でしょう、ちょっと力が強くなった気がします。
兄貴、これ、どこで買ったんですか?
「ナウラって店だ。たまたま、買う機会があってな」
へー、ナウラのお菓子……ブーストアイテムですね。
道理で力が湧くわけです、きっと打撃+30でしょう。
『3番、10番、出撃しろ』
あ、すみませんヒルダさん。
それじゃ、兄貴先どうぞ。
………行きましたね、普通に飛び込みました。
さーて、誰もいないならスカートも気にする必要ないですし、あのOPの再現と行きましょう。
Sジャーンプ(男)!!
Sジャーンプ(女)!!
ふ、決まりました。
「ず、随分と気合入ってるな」
あ、テレポート先には兄貴いるんでした。
パンツ見えませんでした? 見えてない?
よかったー、危うくパンチラスタイリッシュオンラインになるところでした。まあ、ゲームの時はパンモロスタイリッシュオンラインでしたが。
それじゃ、さくっとザウーダン狩りましょう。
「ところで、お前のクラスは何なんだ?」
クラス? そりゃ………まて、確かEP1時代って新人はハンター、レンジャー、フォースしかなかったはずです。
ブレイバーとかバウンサーとかゴニョゴニョとか明らかに変ですよね。
………よし、マヨッたらハンター、覚えておくといいです。
「ヴィタソード……良い武器だな」
そうでしょ? まあこれ迷彩だから中身は別物なのですが。
「ソード系ということはハンターか。オレはレンジャーだ、前衛は任せたぞ」
はい、任せて下さい。
正直、武器なんてなくてもレベルの暴力でやれますよ。
ジャブジャブジャブ、ストレート!
あ、飴ちゃんの効果切れました。けど関係ないです、すっごいパーンチ!
そんなこんなで、さくっとナベリウス森林エリアの奥地に到着です。
さーて、ザウーダンはどこでしょう?
んんん? あれあれ? あれは岩熊さん、画面越しに見るよりもずいぶんと大きく見えますね。
「あれは、ロックベア!? マズイ、逃げるぞ!」
え、何、ナンデ?
………あ、そっか、そうでした。
アークス試験生って、ウーダンとかにも苦戦するんでした。そりゃ、岩熊さん見たら撤退一択ですよね。
それじゃ空気読んで逃げましょう。
っと、岩熊さん、ゲームより足速いですね。このままじゃ追いつかれそう。
あ、違う。これ私の足が遅いんだ。
「っく、すまん!」
え、何? 何で謝って………うわわ!?
………あー、まあそうですよね。私が走るより兄貴に抱えてもらった方が速いよね。
この体小さいから、簡単に脇に抱えられますし。
でも、普通は進行方向に顔を向けるように抱えませんか? 何で追ってくる岩熊さんを私は見続けてるんでしょう。
というか、こうして改めて見ると、岩熊さん、木をガンガンなぎ倒しながら追ってきていて怖いですね。
結構な身の危険を感じます。
強い防具を付けているといっても、「耐えれる」だけで痛いものは痛いですし。
そうなんですよ、例えるなら一般人が耐えられないパンチをボクサーなら耐えれるみたいな?
けど殴られた痛みは同じですよね。
このまま追いかけっこしてるのもアレですね。
今試験中だから、あんまり時間かけたくないし。
足を攻撃したら追ってこれなくなったりしないかな?
といってもハンターってことにしたから銃系を出すわけにはいかないし………あ、そうだ。ヒーローの気弾がありました。あれならソードのままで遠距離攻撃できます。
よーし、腕をぴんと伸ばして、チャージ!
一段階で良いかな、足を狙ってシュートって、あ、ちょ、揺らさないで!
あー、岩熊さんの顔に当たっちゃいました。
天を仰ぎ、崩れ落ちる岩熊さん。それに気づかず必死に走る兄貴。
見る見る岩熊さんが小さくなりました。
「はぁ、はぁ、追って、こない? 巻けたのか?」
巻けたというか、倒しましたよ。
ゲームと違って赤箱とかドロップとかないから、わざわざ戻る気はないですけど。
ところで、私はいつまで抱えられていればいいのでしょう?
「す、すまん、今降ろす」
いえいえ、謝ることじゃないですよ。走らなくてよくて楽でしたし。
何ならこのまま運んでくれてもいいのですよ? あ、でも向きは逆にして下さい。進行方向が見えないのは、ちょっと怖いです。
優しく降ろされました。
そうですよね、私抱えてると兄貴戦えないですし。
「しかし、参ったな。予定ルートからだいぶ外れてしまった」
マップを開いて現在地を確認……うーん、確かに。
討伐目的であるザウーダンの生息域からだいぶ離れてしまいました。
まあ、戻るしかないでしょう。
そうして、二人で改めて目的地までの進行ルートを決めていたときです。
緊急アラートが鳴りました。
『管制よりアークス各員へ緊急通信! 惑星ナベリウスにてコードD発令、フォトン係数が危険域に達しています!』
あー、やっぱり来ちゃいます?
原作通りですか。
ところでブリギッタさん、フォトン係数って何?
『空間侵食を確認、出現します!』
その言葉通り、何やら地面に黒いモヤモヤが現れたと思ったら、そこから這い出るようにダガンが出現しました。
って、気色悪! 巨大な虫って感じで生理的嫌悪感が。しかもわらわら沸いてくるし。
「だ、ダーカーだと!? ナベリウスにはいないはずだぞ!?」
え、そうでしたっけ?
でもナベリウスって闘争おじさんが封印されるんですよね? ダーカーの親玉というか四天王みたいな奴。
「管制室応答願う! ダーカー出現、救援を!」
『こちら管制室ヒルダ、ダーカーによる空間侵食でテレポーターを起動できない。テレポート可能な座標を送る、何とかそこまで移動してくれ』
「何だと!? っくそ、救援は期待できない。オレたちで何とかするしかないみたいだな」
でしょうね。
取り敢えず、目の前のダガン倒しませんか? 落ち着いて話もできないし。
「だが、やれるのか?」
できるできないじゃなくて、やるかやらないかです。
「そうだな……よし、援護する!」
そう言って、兄貴はアサルトライフルを構えます。
それじゃ、私もクラスをハンターに切り替えて、いっちょやりますか。
ギルティギルティギルティギルティギルティブレイク。
あ、もういない? よし、おわりです。
「な、何だ、その、見たことないフォトンアーツだな……」
え、そうですか? 敵との間合いを詰めるのに便利だから、みんなギルティしてる………ギルティブレイクが追加されたのいつでしたっけ?
もしかして、やっちゃった?
「まあいい、それよりお前のお陰でダーカーを殲滅できた。これからどうする?」
どうするも何も、ヒルダさんの指定したポイントへ行くんじゃないのですか?
どういうルートにするかは、兄貴に一存します。
「そうか……わかった。管制室へ、これより試験生2名、指定されたポイントへ移動する」
『了解……いや待て、ポイントB-3678-121へ寄り、他の試験生と合流してから迎え』
「だそうだ。行くぞ」
はい、行きましょう。
合流ごうりゅー………ごう……りゅー…………ちょ、ま……息が……もう、走れない………。
「お前、戦闘は凄いのに、体力無いな……」
もん………くは、この貧弱ボディに、言って、下さい……。
前の身体は、もっと走れましたよ。
「嫌じゃなきゃ、抱えて走るが?」
是非、お願いします。
あ、待って、おんぶにして下さい。そっちの方が兄貴楽です。
ヨイショっと、それじゃレッツ&ゴーです!
おー、私が走るよりずっと速い。
これならすぐに目的地に着きますね。欠点は兄貴がすぐ戦闘に移れないことですけど、私がその分警戒していれば良いかな。
「……お前は何でアークス目指したんだ?」
え、突然何でですか?
そりゃ楽にメセタ稼げそうだったからですけど。
「そうか………オレは鉱石コレクターなんだ。アークスになったのは、色んな惑星に行けるからコレクションが捗るなんて、そんな理由。ははっ、笑っちまうよな」
いえ、ちっとも。
私よりもずっとまともです。
ところで鉱石コレクターってどんな物集めるのですか?
ギャザリング宝石ならいくつか持ってますけど、いります? いらない……宝石じゃなくて鉱石、森林エメラルドじゃなくてナベルロックですか。
「よし、合流地点に着いたぞ」
あ、そうですね、降ろして下さい。
よいしょっと。
合流ってことは、向こうもこっちに向かっているんですよね。どのくらい待つんでしょう?
っと、噂をすれば、向こうから二人組が来ました。
おーい……って、あれは相棒()と安藤!?
ということは……マズイ!!
慌てて振り向けば、今まさに兄貴に奇襲をかけているダガンが。
兄貴しゃがんでっ! ソニックアロウ!!
……ふう、間一髪です。でも、まだ湧いてきますね。
「すまん助かった!」
兄貴はすぐに体勢を整え、私の後ろから援護する構えを見せますが、その間にもダガンがわらわらと現れ、こちらに向かってきます。
うーん、数が多いですね。ノヴァストライクでまとめてなぎ払いますか。
よいしょ、チャージ!
引きつけてー、って、あれ? こっち来る前に撃たれて倒されちゃいました。
「……いや、恐ろしいくらいドンピシャ。悠長なエコー置いてきて正解だったぜ」
パイセンのガンスラでしたか……ええ、今回はドンピシャと言っても良いですね。
でも、別の世界線の兄貴には謝って下さい。
相棒()が正規アークスの登場で、助かったと安堵していますが、違いますからね?
予想よりダーカーが多くて、パイセン一人じゃ手に負えない状況ですから。
「つーわけで、テレポート可能な座標まで突っ切るぞ。ダーカーとの交戦は避けられないと思え」
「ちょ、ちょっ! おれたちも戦うんですか!?」
「アークスなんだから当たり前だろ? 覚悟決まってないのはお前だけだぞ」
そうです、相棒()だけですよオタオタしているのは。
兄貴はアサルトライフルの手入れをしてますし、安藤は何もしてませんが、こう、覚悟を決めた感じがします。
私? 申し訳ないですが、覚悟の必要がありません。
「…………はぁ、わかったよ、わかりました。やるしかないんでしょ!」
「そうそう。それにしても、お前たち三人は、初陣なのになかなか肝が座ってるな」
「まあオレの方は、コイツが規格外みたいでしてね。正直、何とかなりそうな気がするんで」
ちょっと兄貴、私を指差さないで下さい。
私は普通のアークスですよ。持ってる武器が規格外なだけで。
規格外と言ったら、そこに安藤がいるじゃないですか。彼なら神すら屠りますよ。
「へえ、大型ルーキーってところか………って、んん? いや、ちょっと待て」
不意に安藤のことをじろじろと見るパイセン。
その流れで、私のことも見て………
「お前ら、どっかで会ったことあるような………何処だったかな?」
ありますよ。安藤が過去に飛んだ時パイセンと……え、お前「ら」?
………………え゛っ!?
「ま、考えるのは後でいいか。それじゃ行くぜルーキーども、きちんと付いて来いよ!」
「うぅ……何で初陣がこんなことに」
「そう悲観すんなってルーキー。こんだけ人数いれば雑魚なら何とでもなるし、ヤバそうなのが出ても俺が守ってやるからよ」
そう言って安藤たちを先導するパイセン。
「行くぞ?」
…………え、うわわっ!
兄貴、小脇に抱えるなら言ってください。驚くじゃなくですか。
え、ぼーっとしてた私が悪い?
仕方がないじゃないですか、パイセンがあまりにも不穏な言葉を言うんですから。
そのまま兄貴が走って安藤たちに追いつくと、パイセンが少し心配そうな顔で近づいて来ました。
「お前、足でも怪我してんのか?」
「いや、コイツ足遅い上にすぐバテるんで」
「何だそりゃ、強いんじゃなかったのか?」
私の強さはレベルと武器に依存するものですからね。
技量は高くても、戦闘技術はほぼゼロですよ。ついでに体力もゼロです。
「まあいいや。それよりも注意しろよ、敵さん来るぜ?」
あ、ホントですね。
ひーふーみーよーいーむーなーやーここ、とお。
10体のダガン、一人2体……いえ、私とパイセンが3体、安藤2体、他1体ですね。
それじゃ、ライジングエッジ、着地、ライジングエッジ! む、ちょっと遠いですね、ソニックアロウ!
「へえ、一撃か。強いってのはホントみたいだな」
だから、私が強いのではなくて……もういいです。
それより終わったなら進みましょう。
……なんだか、小脇に抱えられるのも慣れて来ました。
そんなこんなで、指定されたポイントまで来たわけですが……帰還用のテレポータがありませんね。
代わりにダーカーがいっぱいです。
「いやぁ、すまんなルーキー。ここから帰還する手筈になってたんだが、どうやらまだ準備が終わってないらしい」
『……ノ、ゼノ、聞こえる?』
「お、噂をすれば通信が。エコー、状況はどうなってる?」
『……まだダメ。ダーカーの数が多すぎて撹乱されてる。本格的な帰還転送ができないみたい』
あの、ダーカーに何が撹乱されてるんですか? フォトン係数?
まさか人員ではないですよね?
「なるほどな。要するに、このあたりのダーカーをやっちまえば、脱出できるってわけか」
『私も行こうか?』
「大丈夫だ。このルーキー達、結構なウデだぜ。お前より強そうなのもいるしな」
パイセン、何でそこで私を見るんですか。そこは安藤を見るところでしょう。
『……わかったわ、なら私はいつでも帰還転送できるよう準備する』
「おう、よろしく…………さてルーキー、最後の仕上げだ。ここいらの奴らをブチ倒しておしまいにするぞ」
やっと帰れるんですね。
そういえば、試験の結果はどうなるんでしょう。再試験の描写はありませんでしたし、合格になるのでしょうか?
ところでパイセンは先頭に出て何を………
「奥の手行くぜ!」
フォトンブラストでしたか。そういえば、そんな必殺技()ありましたね。サブパレットの余裕なくて外してたので自分じゃ発動しないし、他人のPBは見ない設定だったのですっかり忘れてました。
パイセンのPBはユニコーンみたいなやつなので、ヘリクスですね。
タイプは………え、突進攻撃してからの雷撃? プロイ? イメラ?
「ぼーとすんな、まだまだ来るぞ」
あ、はい、すみません。
取り敢えずちょっと遠めなので、ソニックアロウソニックアロウソニックブームソニックアロウ、あ、ガイルさん混じっちゃいました。
「おーい、そこのチビルーキー」
………え、私?
「そう、お前。ダーカーに寄られる前に倒すのは正しいし、試験生がソニックアロウを使えるのも感心する。それに何より一撃でダーカーを倒せるのは正直スゲーと思うわ」
わ、パイセンに褒められました。
「けど、程々にしといてやれよ。見ろ、そこのレンジャー二人を。近距離のハンターに遠距離攻撃でばんばんダーカー倒されるせいでお株奪われて、すっかり自信喪失してるじゃねえか」
え? あ……。
「おれ、レンジャー辞めてハンターになろうかな………」
「お前は第三世代なのか、羨ましいな。オレは第二世代だからレンジャー以外に向かないんだ。どうしてハンターじゃなかったんだろうな…………」
えーと、その、ごめんなさい。
でも、レンジャーにだって良い所いっぱいありますよ。
ウィークバレットとかウィークバレットとかウィークバレットとか。
「ったく……おい、そこの二人。特に黒い奴。変にクラス変えたって苦労するだけだ、止めとけ」
おお、パイセンが言うと説得力あります。
経験者は語るってやつですね。
「それと、もう十分ダーカーを倒したお陰でテレポーターが起動したぞ。落ち込むのはアークスシップに帰ってからにしておけ」
あ、ホントです。
テレポーターが起動してますよ。これでやっと帰れます。
それじゃ、一番乗りです。
………助けて。
あーあー、聞こえない聞こえない。
安藤の嫁の声なんてこれっぽっちも聞こえません。
「はい、お帰りなさ………だ、大丈夫!? 耳押さえて……怪我でもした?」
大丈夫です、森林100周さん。
ただ、ちょっと嫌な予感がしたといいますか、聞いてはいけない声を聞いてしまったといいますか。
いえ、認めません。あれは空耳です。
「……大丈夫ならいいのだけど」
「おいおい、俺が付いていたんだぜ? そんなヘマさせっかっての」
あ、パイセンと皆さん。
これで全員、無事にキャンプシップに帰還できましたね。
ところで、早々に夫婦喧嘩するの止めてもらえません? 相棒()がパイセンの名前知らないって言ったのが発端ですけど、ナベリウスで通信した時に名前言ってますから。
自己紹介はされてませんが、名前は把握してますから。
「まあ、改めて、俺はゼノっていうんだ。こっちのうるさいのがエコー」
「よろしくね。後、うるさくないからね」
ついでに、臭くもないですね。
「あ、おれ、アフィンっていいます。よろしくお願いします」
「アッシュです」
「ボブだ、よろしく頼む」
兄貴、ボブって名前だったんですか。黒いからって、安直すぎません?
そして、アッシュ、貴方喋れたんですね。
「……お前は?」
?
何でしょうかパイセン。
「お前の番だぞ、自己紹介」
……ああ、なるほど。
それじゃ………コホン。
わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で産湯を使い、性は……あ、これ分かってませんね。
そもそも日本語が通じてないですし。
ちょっと相棒()、何でそんなに引いてるんですか。アークスになったなら異星人とのコンタクトは日常茶飯事ですよ。言葉が分からないくらいで、そんなに引いてはいけません。
まったく……あ、名前でしたね。
はい、アークスカードです。
「お、おう………って、名前空白じゃねえか!」
空白じゃないですよパイセン。
ちゃんと全角スペース三つ入ってるじゃないですか。
「………おいエコー、これってアリなのか?」
「あたしに聞かれても………でも、アークスカードの名前だし、総務部とかがオーケーしたんだからアリなんじゃない?」
「つってもな、これじゃ何て呼べばいいか…………よし決めた。今日からお前は「ナナシ」だ」
「ちょっとゼノ、そんな勝手に……」
いいですよ。
「え、いいの!?」
別にこだわりありませんし。
名前が全角スペース三つって、割と不便でしたし。
「あ、あの、先輩! おれたちアークスになったばっかりで、何が何だか分からなくて………」
相棒()、わたし達はまだアークス試験生なので、正式にはアークスではないのですが。
いつ合格になったんでしょう………あ、特例合格の通知メール来てました。
「ダーカーって何なんですか? アイツ等の目的って何なんですか?」
「あー……いーんだよ、細かいことは考えなくて。そういうのは上の仕事だ。どうしても知りたきゃ自分で調べろ」
そうです、気にしても仕方がないです。宇宙の敵としか説明されてないんですから。
「いきなりダーカーとの戦闘に巻き込まれたのは災難だったとは思うが、早いうちに現実を知れたのはよかったと思うぜ」
「ゼノ! ちょっとは考えなさいよ。この子達、いきなりの戦闘でショック受けてるのよ?」
「そんなん
そうそう。
だから諦めましょう、相棒()。貴方は否が応でもダーカーと関わることになるんですから。
「それに、今回は死者がゼロ。友が明日には墓になってるのが常のアークスで、これは最高の結果じゃねえか。胸を張れ!」
「………はい」
「そう、それでいいぜ、アフィン。今は納得できなくても、そうやって頷いておけ。それに、ちょっとのお金と明日のパンツさえあれば、割と大抵のことはなんとかなるもんだ」
………はい?
今、なんて?
「……気にしないでね。ゼノ、この受け売りの言葉を使いたいだけだから」
「おいこらエコー、ばらすな! いいんだよ、師匠たちの言葉は俺の言葉だ」
師匠「たち」ですか……何だか嫌な予感がしてきました。
「さ、もうすぐアークスシップに着くぞ。無事帰還だ、喜べ!」
というわけで、とーちゃくです。
おおー、内装が古い! 懐かしいですね。
「さて、無事帰ってきたことだし、ロビーでのんびりするか!」
「だめ。報告が先!」
「はいはい、わーってるよ………つーわけでルーキーたち、ここでお別れだ。まあ、こうやって知り合ったのも何かの縁だ。何かあったら声かけてくれ、大抵ショップエリアで暇つぶしてるからよ」
「あ、はい。ありがとうございました」
安藤の言葉ともに、私たちルーキーズはそろって頭を下げます。
二人は軽く手を振ると、クエストカウンター方へと向かって行きました。
「……はぁ、何というか……疲れた」
「同感だ。アッシュやナナシと比べれたら戦ってないはずなんだがな。お前らは大丈夫なのか?」
「ボクは、まあ割と平気かな」
私? 歩き疲れました。
「おれ、ちょっとロビーを回って頭冷やしてくるよ。戦闘の熱っていうのかな、そんなのがモヤモヤしてて何か落ち着かないからさ」
「そうか。なら報告は俺がまとめてしておこう。アッシュとナナシもぶらついて来るといい」
「いいんですか、ボブさん?」
「ま、最年長だしな」
おおー、頼りになりますね。
それじゃ、私はエステにでも行くとしましょう。一体あの中はどうなってるのか、とっても興味深いです。
「それじゃ、またな相棒、ボブさんにナナシ」
「ああ、またな」
「はい、また」
またお会いしましょう、兄貴。
他二人は結構です。
さーて、エステはショップエリアの二階でしたね。
近場のエレベーターに乗って、ポチッと。
特に何もなくショップエリアに到ちゃ―――
「来たか、それじゃザウーダンを倒しに行くぞ」
……はい?
「おい、どうした、目を丸くして」
え、兄貴? 何で?
さっき別れたばっかり………あれ、森林? ショップエリアは?
「……大丈夫か?」
………………はっ!
時間遡行!?
くそっ! やられた!! 安藤め……薄々気づいていたけど見事に厄介事に巻き込んでくれましたね。
あーあ、どうしましょう………試験リタイヤしてアークス辞めようかな。
最後まで読みましたね?
私が読みたい物を理解しましたね?
どうぞ、書いてください。