天ぷらPSO2   作:シャケ@シャム猫亭

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前話があまりにも中途半端だったんで書きました。
こういう感じのPSO2小説が読みた(ry


情報屋レポート

 調査レポート

 

 

[ボブ]

 

 

 

 よう、久しぶり。

 相変わらず二人でいるんだな。

 

 ……ああ、確かに。

 こいつ一人するのは不安か。お前も大変だな。

 ところで、今日はどうしたんだ。わざわざアポイント何て取らなくても、時間ぐらい作ったぞ?

 

 ほう、ナナシとアッシュのことを知りたいと。

 アッシュはあまり付き合いが無いから大したことは話せないが、ナナシなら割とネタはあるぞ。

 何が知りたいんだ?

 ………おいおい、知りたいこと多すぎるだろ。

 そんなに一気に言われても困る。(いもうと)ちゃんよ、(あね)ちゃんが聞きたいこと、ちょっとまとめてくれ。

 

 ナナシの第一印象? そうだな………アイツと初めて会ったのはアークス修了試験の時でな、色白なアイツを見て体調悪いんじゃないかと心配した。

 ん、言ってなかったか? オレとナナシは同期、修了試験じゃバディだったぞ。アフィンやアッシュとも同期だ。

 同期に見えないって………ほっとけ、どうせオレはおっさんだよ。

 

 話が逸れたな。

 それで、ナナシの体調が悪いんじゃないか心配して声をかけたんだが、アイツは首を横に振ったよ。

 無表情で、しかも機械的に。

 こいつ、実はキャストなんじゃないかと疑ったね。実際はデューマンだったわけだが。

 しかも、知ってると思うが、ナナシは全然喋らないんだ。

 無口で無表情。バディとしてコミュニケーションを図ったが、全然場が持たなかったな。

 

 ………ああ、思い出した。

 その時、心底困って、ポケットに手を入れたら飴が入ってたんだ。前日、気まぐれでお菓子屋によって買ったやつだ。それをナナシにあげたら、しばらくコロコロと口の中で転がしていたんだが、不意にオレと飴の袋を交互に見だしてな。

 買った店の名前を教えたら、何か納得したのか何度も頷いていたよ。

 店の名前? ナウラだ。

 

 何だ、急に大声出して。

 え、限定? プレミア? そもそも会えない?

 そうか? 割とあの移動販売に会うぞ。つい昨日も…………おい、どうした、そんなに落ち込んで。

 ………いいのか、放っておいて? まあ、確かに、姉ちゃんが静かだと話は進むな。

 

 第一印象の話はもういいのか?

 ……わかった、試験の時の話を続けようか。

 

 オレとナナシはバディを組んで、惑星ナベリウスで修了試験を受けたんだ。たしか、ザウーダンの討伐だったか。

 先にオレがナベリウスに降り立って後からナナシが来たんだが、アイツ随分と気合が入っていてな。

 ポーズ決めて降り立って来たよ。

 

 どんなって、こんな感じだ。

 ………へえ、アッシュもやってんのか。流行ってるのか?

 まあいいや。ともかく、ナナシとバディを組んで試験を受けたわけだ。

 ナナシが前衛、オレが後衛。ザウーダンの生息域までは特に苦戦することなく進めたよ。ナナシが上手くヘイトを集めてたお陰で、オレの方に敵が来なかったのが大きいな。

 

 ……ああ、ナナシは試験生の頃から一流だったよ。

 聞いた話じゃ、訓練学校も三ヶ月でパスしたとか。オレなんて一年留年したってのに。

 留年の理由? あー、まあ、色々あったんだよ。言っておくが、別に成績が悪かったわけじゃねえぞ。

 おい、掘り下げようとするんじゃねえよ。というか、聞きたいのはオレのことじゃなくてナナシのことだろ。

 

 話を戻すぞ。

 順調にザウーダンの生息域に来たオレたちだったが、そこでアクシデントが起きた。

 ロックベアに遭遇しちまったんだ。

 流石に今ならロックベアなんて何てことないが、当時はペーペーもいいとこだったからな。二人で一目散に逃げ出したよ。

 

 お、カンがいい。

 そう、ナナシの奴、足が遅くてな。追いつかれそうだったからオレが抱えて走ったんだ。お陰で、何とかロックベアを振り切ることが出来たよ。

 …………おい、何だその「ナナシ用ライドロイド」ってのは。

 オレのあだ名? そりゃ確かに、よくナナシを背負って移動してるが…………。

 まあ、あまり気にしないでおくか。

 とにかく、ロックベアを振り切ったオレたちだったが、アクシデントはそこで終わらない。

 何とナベリウスにコードDが発令されちまったんだ。

 

 知ってるなら話は早い。あの日だよ、オレたちが試験を受けてたのは。

 救援は来ないし、ダーカーは次々現れるし、正直ダメかと思ったよ。恐怖で腕が震えてたのを覚えてる。

 けど、ナナシは違った。

 オレの前にすっと出ると、ダーカーの群れにソードを向けたんだ。それから、オレの方をじっと見つめてきた。

 その目が言っていたよ、「覚悟を決めろ、生き残りたければ戦え」って。

 

 情けない話だが、その目を見るまでオレは、どうやってダーカーから逃げるかばっかり考えていた。

 戦うなんてこれっぽっちも考えてなかったんだ。どうせ勝てない、一撃で殺されるのがオチだってな。

 だが、ナナシの目を見て、何かが変わった。そう、確かに何かが変わったんだ。

 気づいたら腕の震えは治まっていて、恐怖は勇気になっていた。

 …………詩的って、茶化すな。

 お前らもナナシやアッシュと組んだことあるなら、あの感覚がわかるだろ。

 

 とは言っても、覚悟決めたはいいが、戦いはほとんどナナシの奴におんぶにだっこだったな。アイツの強さはお前らも知ってるだろ。オレが一体倒す間に、アイツは十体倒してる。

 優秀な奴だってことは原生生物との戦いで分かっちゃいたが、オレとアイツの間には何か決定的な差があるって気づいたよ。

 そのお陰でダーカーを殲滅出来て、オレもこうして無事生きてるんだから感謝しかないがな。

 

 それから先は、なんか記憶が曖昧なんだよな。

 いや、覚えてないわけじゃなくてな。全部覚えてるんだけど、どれが試験の日の出来事か分からないというか。多分別の日の記憶とごっちゃになってるんだな。

 

 取り敢えず全部聞かせろ?

 構わないが、全部はわりと長くなるから、掻い摘んで話すか。

 

 

 ダーカーを倒した後管制室に指示を仰いだら、他の試験生と合流してから帰還ポイントまで自力で行けって言われたんだ。

 合流した試験生がアッシュとアフィンで、援軍としてゼノ先輩もいたんだ。道中危なげなく進むことが出来たよ。

 オレとアフィンの自信は喪失したがな。

 何かあったのかだって?

 あったとも!

 ナナシのやつハンターなのに、オレたちレンジャーより早く遠距離攻撃でダーカーを倒しちまうんだぜ。ソニックアロウってフォトンアーツ知ってるよな。あれでダーカーが沸いたそばから輪切りにしちまうんだ。モグラ叩きかワニワニパニックでも見てるかのようだったよ。

 でも、取り敢えず全員無事に帰還できたんだ。万々歳ってやつだな。

 特にアクシデントもなく………そういや、自己紹介の時、ナナシが喋ったけ。

 

 わかるぜ、その驚き。

 オレもアイツとは長くバディを組んでいるが、アイツの声を聞いたのは数度しかないからな。

 わりと良い声してるぜ、何喋ってるか分かんなかったが。

 どういうことって、ナナシの奴、翻訳機が効かない言語使ったんだよ。すぐに通じてないって気づいて、アークスカードを差し出すことで自己紹介としたがな。

 どんな言語? 覚えちゃいねえよ。何年前のことだと思ってる。

 

 

 後は、途中でレダの奴と合流して人探しした気がするんだ。これは、多分別の日だと思うんだが。

 なんでもレダの奴がダーカーから逃げてる途中で、一般人らしき女の子と見たらしくてな。

 三人で必死に探したよ。帰還命令が出てもぎりぎりまで探してたんだが、帰ってきたらアッシュたちが保護したって話を聞いて、徒労だったのかとため息をついたぜ。

 レダの奴は、無事保護出来たことで胸をなで下ろしてたがな。アイツ、チャラそうに見えるが責任感強いんだ。結構誤解されがちなんだが、良いやつだよ。

 

 おいおい姉ちゃん、どうでもいいって、バッサリだな。

 まあ、確かに、今はナナシの話だったな。

 

 

 それと、帰還ポイントまで移動している途中で、変な仮面つけたアークスに襲われたんだ。ナナシがすぐに迎え撃って、激しい戦闘が始まったよ。オレは見てることしか出来なかったな。

 バカ、あんなに激しく互いの位置が入れ替わる状況で援護射撃なんて出来るか。ナナシを誤射しちまうのがオチだ。邪魔にならないよう離れてたよ。

 ただ、仮面の奴がナナシに向かって、「この世界にお前は不要……消えろ!イレギュラー!!」とか言ってたのは聞こえた。

 ………オレに聞くな。オレだって意味わかんねえよ。

 ただ、ナナシにはわかったらしい。仮面の奴が時間切れとか言って退いた後、ナナシにアイツの言ってたことを聞いたら、すぐに「AC3」って地面に書いたよ。

 AC3が何かは知らん。 

 

 その後は、ゲッテムハルトが「うまそうな匂いがする」とか言いながら現れたくらいか。

 ナナシと戦いたくてウズウズしてたが、ナナシが乗り気じゃないのと、「もっとうまそうな匂いがする」とかですぐに何処かに行ったよ。アイツ、前世は犬だったんじゃねえか?

 まあ、アークス同士の殺し合いは御法度だからな、戦わなくてほっとしたよ。

 もっとも、それからしばらくゲッテムハルトとよく遭遇することになったんだが。とはいえ、ナナシの感知能力の方が一枚上手で、アイツが来る気配を察するとすぐ隠れてたから、ゲッテムハルトは空振りくらってたがな。

 

 

 試験の時の話はこんなもんか。

 他にもナナシについて聞きたいことあったよな?

 強さの秘訣、私生活、好きな食べ物、趣味…………もう直接聞いてこい。

 大体、何でそんな情報集めてるんだよ? 

 

 ………需要がある? 誰に?

 ナナシちゃんを見守り隊……って、そんなのあったのか!?

 へー、これがメンバーカードとメンバーリスト……って、おいおい、意外と多いな。しかも、知ってる奴がちらほらと……。

 

 

 ………やめだ。

 あんま良くないことに使われそうだからな。悪いがナナシについては、これ以上話さないぜ。

 ……ダメだ。妹ちゃんならともかく、姉ちゃんは口軽いからな。

 

 ええい、離せ! 縋り付くな! 胸が当たってるんだよ!

 妹ちゃん、こいつ何とかしてくれ!

 こうなったら無理? ああ、もう、わかったよ。

 

 

 ナナシの好物は、ドーナッツだ。ついでに、強さの秘密もドーナッツだ。

 アイツ、大物との戦いの前は必ず腹ごしらえにドーナッツを食べる。場合によっちゃ、戦い中にも食べる。ナナシのアイテムポーチには必ずドーナッツが入ってる。

 

 ……満足したか?

 じゃあ、オレは行くぜ。

 

 

 




読んで、しまったのですね………。

もう「知らない」なんていう言い訳は出来なくなりました。

さあ、今こそ筆を取る時です!

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