呪われたユートピア~最強の能力で知らぬ間にハーレム出来た〜 作:天之夜
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自分が思う最高のファンタジーを書いていきます。
見上げると、そこに広がる無数の星々にただ見蕩れた。
それは、有名な画家が深黒のキャンパスに絵の具を飛び散らせたような絵にも見えた。
そしてそこには5つの月が光り輝いている。 紅星、蒼星、翠星、琥珀星、聖星、どれも宝石のように輝き、僅かに視界を明るくさせている、そんな当たり前の光景がどんな特別なものより感動を与えてくれるものなのかもしれない。
だが、暗く美しい夜はいつか明けてしまう。
やがて太陽は登り、大地を包み込むように温かな命の光が、この星を照らし、あらゆる生物達は活動を始めるのだ。
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ピィー!
ピィピィー!
途切れ途切れの笛のように鳴きはじめた動物達の声で、僕は目を覚ました。
「ふぁぁ……もうこんな時間だっけ…うおっ!!?」
ドサッ!
鈍い音をたて少年は木から落ちた。
そこはジャングルと言うには涼しい、森の中、辺り1面植物に囲まれ
た所にその少年は住んでいた。
「いってて…昨日木の上で寝たの忘れてた」
身長は170と少し、グラデーションのかかったパールピンクの髪はボサボサで、僅かにくすんでいる。 身なりは悪く、なにかの植物を身体に巻き、皮袋を背負っている。 整った容貌で、その目は自身の髪と同じ色を持ち、透き通っている。
「やばっ早く行かないと!」
今日は西の方に商人さんたちが来る日だ、僕はこれから森の獣や魔物の素材と珍しい植物などを運ばないといけない。
なのにこんな日に限って寝過ごした。
その体躯には似合わない大きすぎる荷物を背負うと、少年は森の中を走り出した。
昨日あんなに早めに眠ったのになんで寝過ごしたんだよ僕は ……まあ確かに寝る前ちょっと星見てたけど。
頭の中で自分に怒りながらも、恐ろしく早いスピードで木々の間を疾走する。
途中何度も荷物が解けかけるがギリギリセーフ、何とか縛り直した。
走り続けること数時間。
「やっと草原が見えてきた」
一陣の風は植物たちを揺らし、草原を駆け抜ける。
草原には道があり、どこかへと続いている、この道をまっすぐ行ったら右手側に村が見えてくるはずだ。
「ん?」
ふと上を見ると、なにか紙のようなものが木に引っかかっていた。
取って見ると、『奴隷契約証』という文字と一緒に拇印が押してあった。
なんでこんなところに奴隷契約証が…?
これ無くしならヤバいやつじゃないか。
奴隷契約というのはその名の通り、主人となるものの血で、奴隷となるものが拇印を押すと、主人の命令に絶対服従しなくてはならない、一種の呪い状態になってしまうことだ。
奴隷には左手の甲に奴隷印と呼ばれるものがあらわれる。
ちなみに奴隷契約証を紛失もしくは損傷した場合、奴隷契約の解除は普通できなくなってしまう。 つまりこの契約証を無くしてる人は、もう二度と奴隷契約を解除できないかもしれないということになる。
取り敢えず荷物に入れておくか。
僕は契約証を荷物に入れ目的地へ向かった。
っとその前に、ここで身体を洗わなきゃ、最近行水してないしね。
僕は森の端あたりにある小さな川で身体を洗うことにした、ここの水はとても綺麗だけど、流れが早いから足を取られないようにしないといけない、でもそれを差し引いてもここの有用性はとても高い。
身体は入念に洗う方だ、特に人と会う前には。
人と会うのに、汚いままでは失礼だ。信頼性が低くなるかもしれない。
大体身体を洗い終えたくらいだろうか、後ろからなにかの気配を感じた、それは獣や幽霊なんてものでなく、人の視線である。でも殺意や悪意ではないみたいだ。
何より僕の『占い』がそうだと言っている。
僕は肩から下を川に浸かって隠すと後ろを振り向いた。
「誰?」
そこに居たのは10代半ばの少女、肩まで伸びた紫がかった艶のある髪、紫紺の双眼はアメジストのようだ。
身長は150後半、整形を疑われてもおかしくないレベルで顔が整っている。誰もが振り向くような美少女だった。 ボロボロの服を着ていてとても貧しそうではあるが、その程度では損なわれないほどの気品もある。
少女は両手で顔を隠しながら、顔を真っ赤に染めていた。
「ち、違います! 覗いたわけじゃないですよ!?」
両手で顔を覆ってるが、指の間からはその瞳がしっかり見えている。
「何が違うのさ、取り敢えず落ち着いて。僕は覗かれたなんて思ってないし」
「ほ、本当に?」
「まあ、理由については後で聞くから、着替えさせてよ」
「は、はい! 後ろを向いておきます!」
僕は手際良く着替えた…といっても体にカルの木の葉を巻き付けるだけだけど。着替えてる間もなんとなく落ち着かない彼女の後ろ姿は、正直見てて面白かった。
「はい、もういいよ」
彼女はまだ遠慮がちにゆっくり振り向いた。
「その…ですね」
「はい、じゃあなんで覗いてたか教えてくれる?」
「だから覗いてないです!」
彼女は再び赤面する。
僕は思わず吹き出した。
「ちょっと、何笑ってるんですか?!」
「あはは、ごめんね君の反応が面白くてさ」
「もう…遊ばないでくださいよ。あの、本当に着替えたんですか?それただ植物を身体に巻いただけ……」
「失礼な、僕はこれしか持ってないんだ。そういう君こそ随分ボロボロじゃないか」
彼女は自分の身体を見下ろした後にちょっと気まずそうな顔をして言った。
「私、探し物をしててですね…」
「それってこの奴隷契約証?」
「はい、私が持っていたのですが風に飛ばされてしまい、奴隷商人の方に取ってこいと言われたので…ってなんで持ってるんですか!?」
彼女の顔が青くなる。
「いや、さっき丁度ここらへんで奴隷契約証を拾ったから」
「あの…それを返してください!私に出来ることなら何でもしますから!」
彼女は頭を深く下げ僕に頼み込む。
……だが断る!
「てい」
ビリビリビリ!!!
「 ……顔を上げたくないのですが、どうしたらいいんでしょうか?!」
「安心してこの通りしっかり真っ二つだからさ」
僕は彼女の足元にビリビリに破れた契約証を落とした、すると彼女は膝から崩れ落ちた。
「なんてことをするんですかー!!」
「落ち着いてって」
「落ち着いていられますか!? これが破れたら普通もう奴隷契約は解除出来ないんですよ!?」
涙目になり、僕の胸のあたりに突進してくる、しかし、僕は普段から森暮らしの為、細く見えても実は筋肉質なので効かない。
「そうだよ、普通はね」
そう言って僕は彼女の左手をとって手の甲を彼女自身に見せた。
すると彼女は目を大きく見開いた。
「奴隷印が……ない?」
そう、そこにあるはずのものがないという事は彼女の思考をしばらく停止させるのに十分な衝撃だった。
主人公の一人称を「俺」か「僕」で迷ったのですが、ちょっと中性的な感じで行こうと思います。