呪われたユートピア~最強の能力で知らぬ間にハーレム出来た〜   作:天之夜

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少し補足
※黒魔術の非物理的能力は 占い と 呪い です。
占い…先読み、その物、事についての未来をなんとなく予想。
そのものについて詳細を知る。
呪い…様々な状態異常をかける、逆も可。(使う時に込める魔力に左右される)
今のところ考えているものです。



#3美しい奴隷Ⅲ

緩やかな朝がやってきた。

 

宿で一泊していた僕は、微睡みの中ベットの脇に置かれた昨日購入したばかりの二着のローブを見て思った。

 

「……あいつ放置しちゃった」

 

宿で出される朝食を急いで食べると、勢いよく飛び出した。

行きよりは遥かに少ない荷物を背負い、草原を獣のように駆ける。

 

もしかして魔物に襲われちゃったりして…いや、変な考えは止めよう。 生きてる生きてる、多分。

 

数十分走ると森の中から流れ出る川が見えた、鳥たちが囀りながら戯れている光景が微笑ましい。あの川の少し上流に確か居るはずだ。

 

あたりを見回し彼女を探す。

「確かこの辺り…………あっ」

 

そこに着くと、彼女は居た、だがタイミングが悪過ぎた。

もう少し遅く走っていれば、という後悔が押し寄せてきたが後の祭り、そこでは彼女は用を足している最中だったのだ。

 

しかも目が合った。

 

「………」

 

沈黙が続く。

 

彼女の表情は驚きから羞恥に変わっていく。

顔が真っ赤なリンゴくらいになったところで、感情が爆発した。

 

「いや何見てるんですか!目を逸らして下さい!」

 

「あ、ごめんごめんそういうノリかと」

 

「どんなノリ!?」

 

「まあ、ゆっくり用を足しなよ」

 

「離れてくれないとゆっくりできないです!」

 

「はいはい」

 

口笛を吹きながら遠ざかる。

 

―――――――――――――――――――――

彼女はまだ顔を赤くして怒っていた、そんなに怒ると可愛い顔も可愛くなくなる…いやこっちもいいな。

 

「いい歳してお漏らしは無いんじゃない?」

 

「なんですか? 煽ってるんですか?!」

 

「違う違う、川のせせらぎに紛れて、違うせせらぎが聞こえなかったから分からなくて、ちょっとまって、僕が悪かった、だから川に突き落とそうとするのはやめてくれるかな」

 

「大体、どこに行ってたんですか! こんな森の中で一晩女性を待たせるなんて鬼畜ですよ!」

 

「悪かったって、ちょっと忘れてただけだから」

 

「その『ちょっと物忘れしたわ〜』みたいな雰囲気で言わないで下さい!普通にクマに襲われそうになったんですから!」

 

その時の事を思い出したのか彼女は肩を抱き青くなって少し震えている。本当によく表情が変わるな。

確かに真夜中に、月の明かりがあるといってもそこでクマに遭遇するのは年頃の女の子としては嫌な思い出になるだろう。

 

今にも泣き出しそうな彼女を抱き締める。

 

「もう大丈夫だよ」

 

そう言うと、緊張で固くなっていた彼女の身体が脱力したのを感じた。しばらくそのままにしていたが、彼女が『そろそろ恥ずかしくなって来ました』というので離してやった。

 

「そう言えば、名前聞いてなかった」

 

そう、今までお互いの名前を知らず会話していたのだ。

 

「私の名前は、アイラ=ルナルスク、アイラと呼んでください」

 

ルナルクス? なんか聞いたことあるような。

 

「アイラか、僕はラルク=アニマローゼって言うんだ、気軽にラルクって呼んでね」

 

そう言って手を差し出すと、彼女もそれに応じて握手を返して来た。

白くて小さくて柔らかい、強く握れば今にも潰れてしまいそうな、そんな手だった。

 

単刀直入に話を切り出す。

「これから、旅をしようと思うんだけど、ついてくる?」

 

「どうして旅なんかするんですか?」

 

僕は旅をする目的を簡潔に話した。

 

「なるほど、黒魔術の使い手を探すのですか、それなら一度家に…いや、大丈夫です、ラルクには借りもありますし、ついて行ける覚悟はあります」

 

「両親は心配しないのか?」

 

「大丈夫です、それにあの生活にも散々飽きていましたから」

 

「……そう言えばアイラってどうして奴隷商人に捕まったの?」

 

「ちょっと家から離れてみたくてですね家を抜け出して、遠くまで行ってみようと思ったんです……そしたら、落とし穴にかかりました、二日前くらいですね」

 

家から離れてみたい? 名前もそうだけど、超絶美少女だし多分どこかのお偉いさんの娘じゃ……。

 

「ま、まあ色々あったんだね」

 

「ちょっと察すのやめてください、ラルクに悲しい目を向けられるとすごく嫌な感じがします」

 

「それじゃあまずそのボロボロの服を着替えようか」

 

「無視!?」

 

いいからと言って服とローブをアイラに渡した。

 

「奴隷商人ってどこに向かうのか分かる?」

 

「おそらく、王国ですね、奴隷達を売りに行くと思います」

 

「王国か……じゃあ早速出発するか、取り敢えず村に向かってそこから馬車に乗っていこう」

 

「わかりました、その前にラルク」

 

「何?」

 

「着替えるので後ろを向いて下さい、絶対にこっちを見ないでください」

 

「ん、今度はそういうノリか」

 

「フリじゃないですからね!!」

 

 

穏やかな午前中の森にアイラの声が響き渡った。




漢数字とごちゃ混ぜになってますが気にしないで行きましょう(白目
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