呪われたユートピア~最強の能力で知らぬ間にハーレム出来た〜 作:天之夜
今回はいきなりと言えばいきなりですが、お風呂回です。
目が覚めると、見知らぬ天井が視界に入る。身体は暖かく、ふかふかのなにかに包まれ、身体のだるさが長時間寝ていた事を意味していた。身体を起こすとそこは少し広めの部屋だった。
「んっ……ここは?」
壁には窓があり、開けるとそこからは点々としたランタンの灯りが見えた。 漂ってくる食べ物の匂いが空腹感を刺激し、遠巻きに聞こえてくる人々の声がなんだかお祭りのように騒がしい。
部屋の中には時間石があり、見ると色は淡い青。 まだ日が沈んだばかりで夕食の時間といったところだろうか。
時間石は、その名の通り時間を表す石のことである。 簡単な造りの為広く使われているが、機能も簡易的な物である。 日が昇り始めると石は淡い黄色に変わっていき、太陽が真上になるにつれ、その黄色は濃くなり、日が沈むと緑を挟んで今度は淡い青にそこから深夜になると濃い青、赤を挟み夜明けまでには淡い黄色にまた変わる。
色でいうと 朝(赤) 昼(黄)夕(緑) 夜(青)の順である。
自分はベットの上に居て、その脇には荷物がまとめてあるのを見て気づく。
確か、ラルクと馬車に乗って…それからうとうとして。
私は寝てしまったのでしょうか? じゃあこの部屋まで運んできたのは、、。
そこまで考えて顔が熱くなる。 馬車からここまで自分を運んできたラルクと無防備に身を任せる自分を想像して酷く恥ずかしくなったからだ。
そう言えばラルクはどこ?
ベットから立ち上がり、部屋のドアを開けて外に出る。すると一風変わった廊下が左側に続いていた。どうやら端一番の部屋らしい、廊下の一番奥には下への階段がある。
階段を降りていくとカウンターらしき所にグラマラスなおばさんが立っていた。 緑色でウェーブがかった髪を長く伸ばし、大きめの服でそのふくよかな身体を覆っている。
「あら、起きたのね。 彼の方は…お風呂かしら?」
「お風呂ですか」
「あっちの方の通路を行くと着くから、入ってきたら?」
「そうですね、暫く水浴びしかして無かったので、使わせていただきます」
言われた場所へ歩いていくと、浴場があった。 二つの道があるが、一体どっちに行ったらいいのだろうか。
【こちら女湯>>>>】
あ、看板がありました、こっちの方ですか。
そう思い足を運んだ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
とある宿屋の会計カウンターにて。
「ふふふ…お楽しみ頑張るのよ?」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
そろそろお風呂上がるか……
のぼせてきた身体に気を配り上がろうとした時だった。
ガラガラガラ
誰かが浴場の中に入ってきた。この宿は高い分いつもは客が少なく、特別な日などにしか客が来ない、しかしいない訳では無いので、偶然遭遇することもあるだろう。
そんな事を考えていたラルクだが、実際出てきた者を見て、予想を大きく外す事となる。
なっ!?
出てきたのは紫紺の透き通るような瞳を持つ少女だった、容姿端麗、眉目秀麗、そんな言葉がよく合う容姿とスタイルの良い身体、持ち合わせた艶のある髪。欠落を見つける方がおかしいと思われる美少女が、そこには立っていた。
が、驚いたのは自分だけではないらしい。
「なんでラルクがここに!? 女性用浴場ですよここ?!」
「え、僕が入った時は確かに『男湯』って看板があったよ?」
もしや…マリーさん?
・・・ぐっじょぶだ。
よし面白そうだし煽ってみよう。
「まあ、いいじゃないか、僕の背中流してよ」
「は、恥ずかしくないんですか?」
「全然、多分と思うけどアイラって結構なお嬢様でしょ?」
「い、いえそんなことないですよ?」
必死な否定、怪しい。
「お嬢様じゃないなら、『混浴』は仲を深めるって事知ってるはずだよね!」
「もちろんですよ! アレですよねこんよくですよね!」
「そうそう、じゃあ取り敢えず背中流してあげるよ、そこに座って」
「そうですか?ありがとうございます」
体をタオルで隠しながらモジモジとシャワー前の椅子に座るアイラ、見事に引っかかる鈍感ぶりを発揮した。
「じゃあ洗うよ?」
「あ…やっぱりちょっとまっ ひゃっ!!」
アイラの背中に触れたそれは、ラルクの素手であった。
ゆっくり、時に早く、円を書いたり線をなぞったりするようにラルクの手はアイラの背中を行き来する。
うわ凄い、すべすべしてるのに何故か吸い付くようなそしてこの肌の綺麗さ。文句無しに100点満点付けたいよね。
「もう大丈夫だと思いますよ?」
「わ、分かった」
触り心地が良すぎて、夢中になってしまった。
それよりも僕はもっと凄いことを思いついたかもしれない。
このまま前も行けるのでは?と。
後から考えてみれば、なぜ行けると思ったのかよく分からないし、普通に考えて阿呆のする事だと思った。それが次のステップ、つまり前の洗浄に取り掛かれる可能性を秘めていると思うとそうせざる負えなかった、いや、もしも世の男性がラルクの立場ならあの肌に触れた時点でとうに判断など決めているだろう、決して形容などではなく。
『行ける』と。
「じゃあ今度は前を洗うよ?」
出来るだけ自然に切り出し、かつ下心を悟られないように言った。
日常会話の、それも挨拶にあたる、おはようを言うかのごとく。
「何言ってるんですか!ダメですよ!!!」
普通に駄目でした。
その後気まずくなった雰囲気に耐えられず、先に出て言ったのは言うまでもない。
先に部屋に戻って寝よう。
そうしてラルクという男の小さな挑戦は幕を閉じた。
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