呪われたユートピア~最強の能力で知らぬ間にハーレム出来た〜 作:天之夜
いつも森の中で寝ていたからなのか、すっかりベットの気持ち良さに誘惑されてしまい、いつもならば早起きするであろう自分の身体はなかなか目覚めてくれなかった。
というか、二度寝した。
一度目に起きた時はまだ外は暗く夜明け前だっただろうか、部屋の中は何も見えず、いっそまた寝てしまおうと思った結果、こんな事になるとは―――。
鳥の声、窓から差し込む光、そして十分温まった毛布。
何もかもが緩やかな朝を演出しているが、一つ特殊な事があるとすれば…アイラがくすぐってくる事だ。
「……硬い、ゴツゴツしてる……」
アイラは小声で囁きながら、僕の腹筋や胸筋を触っている。
何故こうなったのか知らないが、まずこんな大きなベットに居るのに密着する必要はあるのかと問いたい、しかし健全な男子にとってはご褒美も同然、だが知り合ったばかりの女の子という気まずさによる葛藤が生まれ、喜んでいいのかどうか分からない。
うぅ、くすぐったいんだけど…
何やらアイラは初めて男の人の身体を触ったようで、新感覚の弾力と触感の虜になっている。
ここは意を決して注意すべきか。
迷うこと一分。
その間にも笑いを必死に耐えているため腹筋がピクピクしている。
「わっ凄い……」
その細くしなやかな指で、傷つきやすい貴金属を磨くように撫で回す。腹の上を優雅に踊る指達はやがて敏感な部分へと到着する。
うっ!…もう無理。
「あっはっは!!!!くすぐったいって!!」
すぐさま腕を振り払い距離をとる。
「お、起きてたんですか!?」
「こんなに触られたら嫌でも起きるよ、で何してたの?」
「これはですね…昨日なんだか眠気が来なくてですね、それで起きたら隣にラルクが……ごにょごにょ」
あれだけ寝てたらそうなるよね。
頬を朱色に染め俯き出したアイラ、この様を見せられたらもう抗えるものはいない、普通は追求を止めるところなのだが、ラルクは甘くなかった。
「まあ、アイラも思春期の女の子だもんね、仕方ないよ、うん仕方ない、朝っぱらから数十分も出会ったばかりの男の身体をまさぐり、小声で感想を呟きながら呼吸を乱していたなんて事は仕方ないよね」
「死にたい!」
涙目になったのでここらで止めておく。
「冗談冗談、じゃあそろそろ出ようか」
「出るってどこにです?」
まだ少し赤い顔を必死に抑えようと振舞っている感が否めない。
「金稼ぎ」
「ストレートですね、ちなみに手段とか考えてるのですか?」
「んー、まあとりあえず商売だとか賭博は向いていないから、基本的には魔物狩りになるんだよね、それで冒険者ギルドって言うのが有るみたいだから、そこに行くつもり」
「冒険者ギルドですか、怖い人いっぱいいそうです」
「そんな、襲われるとか今時ないでしょ」
「なんだか最近、すごく最近このような会話が…」
「さあ準備して行こうー」
「は…はい!」
僕達は宿の朝食を済ませ、外に出る。賑わう程ではないが、人々は朝から一生懸命働いているようだった。 今日は快晴、雲1つない空は巨大な青色のドームのようで、明るくなってもある程度見える月はいくつか見えている。 どういう仕組みか、表に出てくる月はバラバラで全部揃う時は割と珍しい。 つい最近見たばかりなので、あと1ヶ月はその日は来ないだろう。
出る月によっては、魔物の活性化に繋がる。
紅月だったら炎系の魔物の力が上がる、と言ったところだ。
二人は見慣れない景色に度々目を輝かせ、それについて自分達なりに話していた、知らない人が見たら恋人同士にでも見えているのだろうか、或いはアイラの美貌に嫉妬しているのだろうか、道行く人は羨望の眼差しを向けたり、嫉妬や嫌悪の感情を顔に表している人もいた。
アイラを超える美人って居るんだろうか?
断言しよう、いない。 しかも美貌だけでなくスタイルも抜群だ、すらっとした体型に長い足、小顔でその上魅力的な胸、どれをとっても非の打ち所が無い。 ちょっとだけ天然そうなのが唯一の欠点と言ってもいいくらいだ。
人に道を尋ねながらもようやく冒険者ギルドにつくことが出来た。
少し大きめの扉を押すと、古風な音と鈴の音がして扉が開いた。
内装はシンプルで、入って右手側に受付があり、左側に食事用のテーブルと軽い店が二店舗ほどあった。おそらくここで食事を済ませる人や飲み明かす人がいるのだろう。
シンプルな割には広く、天井も高い、ランプの中には黄色い石が光を輝きながらじっと座っている。
僕達が入るが、ギルドに居た者達は見向きもしない。
確かにいちいち反応していたら意味無いのだが。
受付に行くと、耳のとがった美人のお姉さんが笑顔で対応してくれた。
「冒険者登録というのをしたいんだけどここで出来るかな?」
「はい、ここにお名前とその他情報を記入来てください」
渡されたのは少し魔力を帯びた紙だった。
情報はある程度偽装して書いた。
アイラにはフードを被って貰っている、もしこれを取ったらそのあとがめんどくさい事になる。 主に男達が。
「はい」
記入後の紙を2枚とも渡すと、彼女はそれを何か魔道具に入れた、程なくして、中から2枚の銅色の金属板が出てきた。
「これが冒険者カードで、同時にあらゆる場合の身分証明書にもなります、念じると消えたり、逆に出したり出来るので、無くさないように気をつけてください。冒険者カードは倒した魔物の数×等級によってポイントが加算されていき、100ポイントで銅級から銀級に1000ポイントで金級に、そして10000ポイントで黒級になり、階級に応じたサービスや依頼を受けれるようになります。 他にもステータス機能や、預金機能がありますが、1万スピカは冒険者カード代として請求致しますのでご注意ください」
「多機能なだけあって値段も相当だね」
「この銅板1枚で1万スピカですか、高いですね」
「それじゃあ早速狩りにいこうか」
「はい」
適当な魔物狩りにギルドを出ようとした瞬間、案の定問題が起きた。
「ようよう、兄ちゃん達新入りかい??」
話しかけてきたのはムキムキの大男、ヒゲも不衛生に生やし、顔はまるで野生生物。
「そうだけど、何?」
「おいおい、先輩には敬語使えよ敬語、それはそうと知らねえのか?新入りは先輩に酒奢んねえと駄目なんだぜ?」
男の後の方にある席に何人か男達が集まって笑っている。
「ハッハッハッハやめとけって!お前何人目だよ新人から金搾り取るのはよぉ!!」
「いいじゃねえか、いい酒のツマミになるってもんだ」
「だな、俺もさんせーい」
「金持ってないから、じゃあね」
そう言いアイラの手を引いた時だった。
大男がアイラのフードを引っ張った。当然その拍子にフードは脱げる。
艶のある髪が宙に一瞬広がった。
瞬間、男達が雷に打たれたように固まった。
僕はそのフードを握った手を払った、触るなと言わんばかりに。
一拍遅れて男達は動き出した。
「ヘッヘヘ、兄ちゃんイイもん連れてんじゃねぇか」
「ちょっと裏行こうぜ俺達と遊ぼうか?」
「今日は運が良かっなあ、お嬢ちゃん?俺らのがそこらの猿共よりうめえぜハハッハ!!」
額に手を当てながらめんどくさいという意思表示をしてみせた。
そして思ったのだった、もう2度とフラグなんか立てるものかと。
久しぶりに投稿しました、引越ししてました。
また頑張っていきます!