最近同じ名前のキャラをモンストで見つけた、なちょすです。
こっちで会うのは久しぶりな感じがしますね。
推しのファンミ落選して気を失ってました。そんな辛さをこのバカップルににぶつけてやります。
やるぞ⋯やってやるぞぉ⋯(血眼)
阿智村で過ごす事になった俺と千歌ねぇの、2泊3日の思い出旅行。
ちょっとしたトラブル(?)はあったものの、今日も清々しい朝に目を覚まして出かける予定⋯だった。
「⋯⋯。」
「ち、千歌ねぇ⋯?」
ムスッとした顔でそっぽを向いてる千歌ねぇ。そして頬から来るヒリヒリとした痛み。
恐らく俺の頬には綺麗な紅葉の柄がついてることだろう。
しかしあれだな。ほんのちょっぴり耳を赤くしてる顔がまた可愛いな⋯。
違う涼介、そんな事を考えてる場合では無い。
「あの⋯。」
「何ですか『エッチな』涼介さん。」
「すみませんでしたぁっ!!」
深々と土下座をする。
ははっ、見てくれよ⋯二日連続で正座して女の子に土下座をする男の醜態を⋯。
いや⋯うん。俺が悪いんだけどさ⋯。昨日一緒に寝たのは覚えてるんだけど、どうやら寝ぼけながら千歌ねぇがお持ちの『2つのみかん』をお触りしてしまったらしい。
それも成人向け雑誌の如く。
そうでなければ、朝起きた時に彼女の胸に顔をうずめてるわけが無いんだ。
感想は⋯うん。
「あの、寝ぼけてたってことで⋯事故扱いにはして頂けないでしょうか⋯。」
「寝ぼけてても限度があるよ!///ガッツリだったもん!!///その⋯ち、千歌の⋯胸⋯///」
あ、やっべ。
鼻血出そう。
「ち、ちなみにどんだけやらかしたのかな〜って⋯。」
「それ聞く!?///」
「嘘ですごめんなさい!!」
「もうっ!⋯寝ぼけてあれだったら起きてる時どんだけなのさ⋯///」
「え、何?」
「何でもないっ!!///」
「ポンキッキ!!」
反対側も思いっきりぶたれ、布団から吹っ飛ぶ。
なんてパワー⋯善子にグーパンされた時より飛んだぞ⋯。
朝からドタバタしたものの、今日1日何でも言うことを聞くという約束をして許してもらった。
みかん大名は慈悲深い⋯。
そろそろ朝食の時間なので食堂に向かっていると、女将さんと出会った。
「おはよう。」
「あ、おはようございます。」
「おはよーございます!」
「あら?ふふ、まさか旅館の中で紅葉が見られるなんて♪」
「あっはは⋯俺もですよ。」
「ツーン。」
「仲が良いのは素敵な事よ。」
「そう見えます?」
どっからどう見ても女の子を怒らせた図にしか見えないと思うんだけど⋯。
「勿論よ。だって彼女さん嬉し⋯」
「わー!わーー!///女将さんっ待って!!///」
「むぐっ。」
慌てて女将さんの口を抑える千歌ねぇ。
昨日知り合ったばかりの人の口を塞ぎに行くのかい姉さんや。
「ぷはぁっ。ふふ、ごめんなさいね?内緒にしてた方がいいかしら??」
「あ、いや、その⋯うぅ⋯///じ、自分で⋯!⋯いつか言います⋯///」
こうも簡単に千歌ねぇを真っ赤にするなんて⋯この女将さん、出来るっ!!
「よく分かんないけど千歌ねぇに何か期待してて良いの?」
「うぅ⋯///うーーーーっ!!!!///」
「ガチャピンっ!!」
今度はグーパンで殴られた。
何で⋯朝からこんな事に⋯痛みなのか嬉しさなのか分からない涙が、ほろりと頬を伝う。
「さ、先に食堂行くからね!///まったくもう!!///」
「あらあらまぁまぁ♪」
女将さんの優しい笑顔だけを受けて、俺も遅れて食堂へ行き、2人で朝食を食べる。
主に頬が大変な事になってるが、これで今日の予定がスタート出来そうだ。
「さぁ気を取り直して!!出掛けよう!!」
「どこに?」
「ふっふっふ⋯不肖滝沢 涼介、きちんと調べてます故。その名も朝市!」
「おお〜⋯!!」
昼神温泉朝市。老若男女問わず、阿智村の人達が利用する市場で、家族連れやカップルなんかのお散歩にもうってつけ!⋯まぁネットとか雑誌情報だけど。
「さぁ行こう千歌ねぇ!今日も美味しいもの食べるぞ〜!」
「お〜!!」
「坊主。」
突然女将さんの旦那さんに呼ばれビクッとする。何やら手招きされているが⋯俺何かやらかしてしまったか??
「千歌ねぇ、ちょ、ちょっと待ってて!!」
「?いーよー!」
旦那さんに呼ばれた先は厨房。キョロキョロと周りを確認した後、旦那さんは俺にこそこそと話しかけてくる。
「坊主、すげぇ顔だけど怒らせたか?」
「え?あ、いやぁっはは⋯そんなとこです。」
「はっはっは、そうか。所で今日の夜は何か考えてたりするのか?」
「一応は⋯コショコショ⋯。」
「ん⋯ほぅ⋯そうか。なら取っておきの場所を教えてやる。」
今日の夜は、千歌ねぇに内緒でどうしても見せたい物があった。俺も見たかったっていうのもあるけど⋯こればっかりは、流石に地元の人になんとか聞こうと思ってた事。
場所。そして時間。旦那さんは俺に色々教えてくれた。というかめっちゃ笑顔で、一緒に行くとまで言ってくれた。この人本当に昨日と同じ人ですか??
「それじゃあ夜に旅館に戻ってくるので、お世話になります!」
「おう、いいってことよ。そこからどうするかはお前さん次第だな。」
「はは、なるべく頑張ります⋯。」
旦那さんからの用件を済ませ、千歌ねぇの元へ戻る。こっちはこっちで何やら女将さんと話してるけど、会話は聞こえない。俺の姿を見るなり女将さんが千歌ねぇを渡してきたけど、何やら顔が赤いんですが⋯。
「どうかした?」
「な、何でもないっ!!///」
「なら良いけど⋯じゃあのんびり行こ⋯う⋯。」
歩き出そうとした時、違和感に気づく。
⋯なんか、俺の袖重くありません?
チラッと横目で見ると、千歌ねぇが案の定俺の服の袖をきゅっと摘んでいた。
「あ⋯。」
殆ど無自覚だったようで、気付くなりすぐさま離してしまった。
もう可愛すぎて廊下で転げ回りたかったけどそれは後回し。十千万に帰ったら転がろう。
今はただ⋯。
「千歌ねぇ。行こ?」
「⋯うん///」
ほんのり熱を帯びたこの小さな手を離してしまわないように、しっかりと握る事にしよう。
それから俺達は朝市を巡り、おやきとかイナゴの佃煮を食べ⋯足湯に入ったり写真を撮ったりとエンジョイしまくった。明日にはこの素敵な村から帰らなければならない。
思い残す事は無いように⋯この一瞬一瞬を全力で過ごした。
そして⋯夜が来る。
旅館に戻った俺達を待っていたのは、女将さん夫婦の2人だった。用意してもらった車に乗り込み、深ち山道を走っていく。
「ねぇりょーくん。結構深い所まで来たけど、これからどこに行くの??」
「ん〜⋯ある意味旅のメインかな?」
「メイン??」
そう、これから行く場所はこの村のもう一つの呼び名を持つ場所。
数多くの人を魅了し、いつだってこの村の人達を見守ってきた場所。きっと願いだって叶うんじゃないかって⋯そう思ってしまう。だからこそ、人はこう呼ぶのかもしれない。
「『天空の楽園』、だよ。」
◇
女将さん夫婦に下ろしてもらった場所は山頂まで緩やかな上りが続く山道。懐中電灯で道を照らし、2人で一緒に登っていく。
俺達の間に会話は無い。千歌ねぇは、これから何が待ってるのかワクワクしてるから。
俺は⋯多分違う。
多分っていうのは、ハッキリと自分の中で確証がなかったからだ。懐中電灯を持つ手が無意識の内に震えてる。
「ははっ⋯参ったな⋯。」
「りょーくん?」
「どしたの?」
「ううん⋯何か難しい顔してたから⋯。」
「そっか⋯楽しみで緊張してきちゃったんだなきっと。」
「⋯うん、そうだね。」
何か言いたげな表情だったけど、その続きが出ることは無かった。
そうして少し歩き、開けた場所に出る。旦那さんに言われた通り、2人で懐中電灯を消してゆっくり歩を進める。
「千歌ねぇ、準備はいい?」
「うん、いいよ。いっせーのー⋯でっ!!」
上空を見た俺達の目の前に広がったのは⋯
星の海だった。
「わ〜〜〜!!♡」
「すっご⋯!!」
視界を埋め尽くすのは、濃紺の空に散らばる大小様々な宝石の様な星達。内浦で見た星空も凄かったけど、それ以上だ⋯。
「凄い!凄いよりょーくん!!♡」
「あぁ⋯本当だね⋯こんなの見た事ない⋯。」
「あーやっぱりカメラ持ってくれば良かったぁ〜⋯!果南ちゃん大喜びするだろうなぁ⋯♪」
星空を見上げて立ちすくむ俺の手を取り、千歌ねぇがクルクル回り出す。
「ね、りょーくん!」
「何?」
「踊ろう!!」
「へ?でも俺ダンスやったこと⋯。」
「こういうのは思うまま!ね?」
アイドルをやってるとか、自分の彼女だからってだけじゃない。俺には、楽しそうに踊るこの人がキラキラして見えた。この人が持っている輝き。
これが⋯好きだったのかもな。
彼女の手を取り、自分の元へ引き寄せる。
「わっとと⋯りょーくん??」
「⋯ねぇ、千歌。」
ピクリと彼女の体が反応する。普段なら暗くて見えないはずの顔が、今日は星の光に照らされて良く見える。未だに慣れてないのか、ちょっと照れを含んだ後に『えへへ⋯』なんて笑うこの人が愛おしい。
「好きだよ、千歌。」
「いきなりどうしたのさ〜///」
「⋯⋯。」
「⋯?りょーくん?」
『そこからどうするかはお前さん次第だな。』
旦那さんの言葉が頭をよぎる。
「俺、焦ってたのかもしれない。」
手の震えは最高潮だ。
「今の状況が楽しくて、幸せで⋯このまま変わらずに居られたらきっとそれだけで充分なんだろうなって⋯思ってた。」
「りょーくん⋯。」
「けど俺の本心は違った。変わることを望んでる⋯例えそれが俺の独りよがりで、我儘だったとしても⋯。」
こんな風にしか聞けない臆病な俺だけど。
胸を張って貴方の隣に居れるような男じゃないかもしれないけれど⋯。
それでも。
「千歌。俺はこれからどんな時だって千歌と一緒に居たい。喧嘩もしたり、悲しませることもあるかもしれない。でも⋯それでも、俺の側に居てくれますか?」
ちょっぴり驚いた様な顔をして、彼女は優しく微笑む。
「もう、告白した時も言ったよ?私は、りょーくんじゃなきゃ駄目なの。りょーくんの側に居させて欲しい⋯ずっと一緒に歩いて行きたい。卒業しても、大人になっても⋯それだけは、ぜーーーーーーったい!!変わらないよ♪」
⋯あぁ。やっぱり俺、この人の事が大好きだ。
こんな事言われて嬉しくないやつなんて居るもんか。気付いたら手の震えは止まっていた。
もう、大丈夫。
「千歌、愛してます。」
「うん。私も愛して⋯」
彼女が言い切る前に、引き寄せる。
そして⋯俺と彼女の唇の距離は、『0』になった。
「ん⋯!?んぅ⋯。」
一瞬ビクついたその小さな身体も、そのまま身を委ねてくれる彼女の気持ちも、今こうしてるキスの感触も⋯全てが愛おしかった。
そんなに深いキスをしたわけじゃないし、長いキスでもない。けど間違いなく今の5秒くらいは、今までの人生で一番長く感じた。
ゆっくり唇を離していくと、真っ赤になってぷるぷるしてる彼女の姿が。
「い、いいいいきなり⋯!///」
「あっはは、ごめんごめん。あんまりにも好きすぎて⋯。どうだった?」
「どうって言われても〜⋯///した事無いから分かんないよ⋯///」
「それもそうか。」
むしろ下手くそって言われたら泣いてたぞ。
「で、でも⋯。」
「ん?」
「何か、ポカポカして⋯幸せで⋯癖になっちゃいそう⋯かも///」
自分で言っておいて急に恥ずかしくなるのは反則じゃあないですか?何ですかその破壊力。
クッ⋯からかいたい⋯!俺の顔も熱いし余裕は無いけど⋯からかいたい⋯!!
「じゃあさ⋯もう1回、いっとく?」
「⋯自分だって余裕無いくせに///」
「ん、ん〜!?そそそそんなことないけどなぁ〜⋯!」
「良いよ、しよ?///」
「へ?」
煽りに乗っかってきた千歌に唇を奪われる。
馬鹿な⋯俺のさっきまでの緊張はなんだったんだ⋯!でも身体が小刻みに震えてるので、何も言わないことにしておこう。
変わることを望まなかったわけじゃない。変える勇気が無かった。
けど、もう大丈夫だな。
隣で手を繋いで一緒に星を見てるこの人が居れば、何だって出来そうな気がした。
明日、目一杯楽しもう。この旅を飾る素敵な最後にする為に。
俺達は女将さん夫婦が迎えに来るまで、ただただこの星空を見つめていた。
ふふふ⋯アッハッハッハッハッ!!
阿智村の夜景は半端じゃないです、マジで。
行けない人は検索推奨ですよ。
次回、旅の最終話。ごゆるりと⋯。
P.S.全ての千歌推しとこの地球上のバカップルに幸がありますように。