泣き虫小僧はミカンがお好き   作:なちょす

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皆さん、こんにチカ。
妄想族で千歌っち大好き、なちょすです。
夢の中でいつもお告げをくれる全身タイツの友人に、マンネリでは無いか?と言われた為、今回はごめんなさい⋯。
結構ふざけました。
いつも通りですがこの作品に現実味を求めず、ただただ生暖かくバカップルを見てあげてください⋯。

どどどど、どうぞぉっっっ!!


初デートは突然に。

今日は久し振りの土曜日。こんな日はのんびりするに限るな〜⋯。

土曜日なんて毎週あるだろって思うかもしれないが、今日は本当に久し振りの土曜日なんだよ。

だって⋯。

 

「りょーくーん⋯みーかーんーーー⋯。」

「はいはい。さぁ、口を開けるのだ!」

「あーん。」

「ほいっ。」

「おいひ〜〜〜!!♡」

 

はい、可愛い。

じゃなくって!!千歌が休日に居るっていうのは最近だと結構久しぶりだ。今日はスクールアイドルの練習も休みみたいで、俺の部屋でゴロゴロしている。

そんな俺は餌付け中。

 

「おーい、バカップル。」

『何〜??』

「うおっ、遂に2人で認めやがった⋯。アンタ達休日なのに部屋でゴロゴロしてるわけ?」

「練習も無いしいいもーん。」

「まぁ⋯特に予定も無いしね⋯。」

「天気もいいしデートでもしてくれば?」

 

デート⋯デートかぁ⋯。

でも俺達結構2人で⋯2人⋯で??

あれ?付き合ってからデートした事⋯無くない?

 

「行こうっ、千歌!!」

「うわぁ!?何!?何!?」

「俺達⋯付き合ってから2人でデートした事⋯無い⋯。旅しかしてない⋯。」

「⋯⋯⋯確かに。四六時中一緒だから忘れてたよ。」

「さり気なくバカップルアピールすな。」

「行こうりょーくん!準備しよう!!」

「そうしよう!!」

 

そうと決まればさっさと着替えて⋯。

 

「あの⋯千歌?」

「なーに?」

「前もやったけど⋯着替えれないな〜って、思ったり⋯。」

「⋯⋯あ///ご、ごめん!今出るからっ!!///」

 

うん、久しぶりすぎて忘れてたんだなきっと。そういう事にしておこう。決してここで俺の着替えを見たいとかそういう事じゃないと思う。そんな事になったら俺が大変だ。

着替えを終えて千歌の部屋の前に行き、付き合う前の事を思い出す。確かあの時はパイスラが衝撃的過ぎたんだよなぁ⋯今回もそうだったらどうしようか。

幸せ。

 

「千歌〜、準備でき⋯」

「わーーーーーーー!!///」

「失礼しました〜⋯。」

 

ヤバイヤバイヤバイ。

パイスラの事で頭がいっぱいだった⋯!

何が幸せだバカ涼介!!

 

⋯今日は白だったなぁ。

 

「ねぇ。」

「ひぃっ!?」

「千歌この間旅館でなんて言ったっけ?」

「ノ、ノックをしろと⋯!」

「りょーくんなんて言った?」

「ノックをしますと言いましたっ!」

「だよね?自分でするって言ったよね??」

「はいっ!馬鹿な男でごめんなさいっ!!」

「3度目はさぁ⋯無いからね?」

「すみませんでしたぁっ!!」

 

後ろでドアが締まる音がする。

本当に怖いやつだった⋯。ラッキースケベなんてもうやらない。絶対やらない。

 

「⋯終わったよ///」

「は、はい⋯。」

 

さっきまでの冷たい声とは裏腹に、いつも通りの可愛らしい声。なんかもう⋯あの瞬間だけ別人みたいになってるよね⋯。

あ、パイスラ。

 

久し振りのお出かけと相まって、今日は沼津まで足を運ぶことにした。通学の時にも思ったけど、ここから沼津までバスでも結構時間がかかる。まぁ普段なら宗弥が途中で乗ってくるし暇はしないんだけど、今日は千歌がずっと居るんだ。暇になることは無いし、まさか休日で宗弥が乗るなんてことは───

 

「あれ?涼介じゃん。」

 

クソぉおおおおおおおっ!!!!

 

「2人でデートですかい?」

「そうだよー!♪」

「あいや、それじゃああんまりお邪魔できませんなぁ。」

「何してんだよこんな休日に⋯。」

「いやいや、ちょっと沼津まで用事がな⋯?」

「ふ〜ん⋯。」

「本当だから、そんな目をするのを止めろ。後見せつけるんじゃない。」

 

ほぼ無意識で千歌の手を取っていた。

当然だろう⋯付き合う前に散々妬かせられたんだから⋯。

 

「買い物かなんかか?」

「ん〜⋯残念ながら⋯。この間善子に格ゲーでコテンパンにされたから、そのリベンジマッチ!」

「あぁ⋯成程。アイツ強いだろ?」

「正直舐めてた。ま、取り敢えず沼津まで行ったらバイバイだから、それまで辛抱してくれよ。」

「別にそんなんじゃねーし。」

「ならそろそろ手を離してやらないと、お前か千歌さんのどっちかキュン死するんじゃないか?」

「⋯⋯手?」

 

そういえば握りっぱなしだった。目線を上げて千歌の方を見ると、真っ赤になりながらプルプルしている。

この間キスまでしたのに、未だに手を繋ぐとガチ照れモードに入ってしまうのは、新鮮ですなぁ⋯。

本人曰く、体と体が接触するのはまだ恥ずかしいって言ってた。

なんかいやらしい。

 

「えっ⋯と。ごめん千歌、そろそろ離した方が良いよね?」

「ダメっ!///」

「え?」

「あっ、やっ、違くて⋯その⋯うぅ〜⋯///」

「分かってる。分かってます。何も言わなくて結構ですから⋯!」

 

思いっきりニヤけてるであろう顔は反対側の窓の方へ向ける。何も言ってないし何もしてないのに、さっきより握る力が強くなるってのは⋯そういう事ですよね??

 

「はいはい、ご馳走様でした。後はお2人でごゆっくり〜⋯。」

 

そんな言葉だけを投げかけ、宗弥は堕天して行った。

堕天して行くっていい言葉だよなぁ⋯。

 

「さてさて、これからどうしますか?姐さん。」

「ふっふっふ〜、実はもう決めてあるのです!!」

「な、何だって!?あの千歌が事前に予定を決めているだとっ!?」

「失礼な!私だってちゃんと考えるよ!⋯折角の、デ、デート⋯なんだし⋯///」

 

んんんんんんんっ!!

 

「じゃ、じゃあ行こっか!俺楽しみだなぁー!!」

「それじゃあしゅっぱーつ!!♪」

 

彼女に手を引かれてやって来たのは喫茶店。まずはお茶しようじゃないかという事ですね。

ん?ここって確か⋯あの時の⋯。

 

「みかんパフェが食べたくなったのだ♪」

「なるほど。」

「いらっしゃいませ!2名様ですね??」

 

あの時助けてくれた店員さん⋯やっぱりここは、前千歌と出かけた時に寄った喫茶店だ。

ふっ⋯まさかこんな形で再び訪れる事になろうはな⋯これもまた運命──

 

「りょーくん置いてくよ〜?」

「待って!!」

 

いつの間にか案内されていた。しかも同じ席に⋯今だから気付くけど、ここカウンターから丸見えじゃない?カップルさんが周りにいっぱいだけどそういう席なの?

 

「千歌、何食べる?」

「みかんパフェ!」

「そうでした。」

「りょーくんは良いの?」

「千歌の貰うから珈琲で。」

「そういう事サラッと言うんだもんなぁ⋯変わっちゃったなぁりょーくん⋯およよ⋯。」

「その泣き方初めて聞いたよ。それに、関係が変わっただけで俺は変わってないよ?なんなら好きだった人とここに来れて嬉しさのあまりいつでも泣ける。」

「ここで泣くのは勘弁だよ?」

 

そう⋯人の本質は変わらないんだ。だったら素直な泣き虫小僧のままいた方がいいじゃないか。だってそれが⋯俺っていう人間で───

 

「お待たせしました〜♪」

「待ってましたっ!!」

「⋯うん。知ってたよ。」

 

あの時助けてくれた店員さんはニコニコしながらパフェを持ってきてくれる。

どうやら今日は深く考えたらいけない日みたいだ⋯だってタイミングが⋯うっ⋯。

 

「はい、りょーくん!」

「へ?な、何が⋯?」

「何って⋯食べないの?」

「食べます。」

「じゃあはい!あ〜ん?♡」

 

やっぱりそういう事ですよねっ!!でもさ⋯未だに恥ずかしいんです⋯なんかこう、『食べさせてあげる♪』っていう感じが!とっても!恥ずかしいんですっ!!

前回もやったから大丈夫だと思ってた。けど今回は明らかに違う事が一つある⋯。

 

『⋯⋯⋯⋯⋯♪』

 

周りの暖かい視線が、痛い。暖かいのに痛い。

店員さんもカップルさん達も揃いも揃ってどうしたんですか!?何でそんなにキラキラした目で見つめてくるんですか!?

こんなに見られてたら流石の千歌も⋯。

 

「⋯⋯⋯///」

 

にこやかに笑いながら耳は真っ赤。絶対気付いてる。

 

「ち、千歌⋯?気付いてるなら⋯止めた方が⋯。」

「そうしたいけど⋯ここまで来ちゃったから戻るに戻れない⋯///」

 

四面楚歌。発進したのはいいものの、ブレーキが付いていなかった特急高海号沼津行き。

ならその電車は誰が止める?俺が止めるしかないじゃないか!

 

「あ〜ん!⋯⋯美味しいでふ。」

 

 

噛んだ。

 

 

『わぁ⋯⋯⋯♪』

 

クソッ!クソぅッ!!顔が熱い!俺に食べさせた方も顔が真っ赤じゃないか!

しかし如何せん俺だけ食べるのもアレだよな、うん。

こうなったらサービスゲームだよ。

ごめん、千歌。後でなんか奢るから。

真っ赤になって俯く彼女からスプーンを受け取り、パフェを一口掬う。勿論フレッシュなミカンを添えて。

 

「ほい!」

「えっ!?ま、まさか⋯ほんとに?///」

「本当に。」

「で、でもこんなに見られてたら恥ずかしいよ⋯///」

「『ここまで来ちゃったから戻るに戻れない』⋯だっけ?」

「ぐぬぬぬぬ⋯⋯!///い⋯頂きますっ!!///」

 

千歌が半ばヤケクソでスプーンに食らいついた瞬間、店内には歓声と感嘆の声が響き渡り、俺達は2人同時に机に突っ伏した。何なんだこの店⋯いや⋯悪い気はしないけどさ⋯。

何にせよ、満足しましたか皆様⋯。

いい笑顔ですねお姉さん⋯鼻血は拭いてください?

この盛大なドッキリ番組じゃないかって思える程の、『非日常』。

 

千歌はさっきから『ううっ、ううっ⋯///』と呟きながら頭にアホ毛をプスプスと刺してくる。

人のこと言えないけど、こんなに照れてるの久し振りに見たかも。

⋯確証はないけど、今日1日身が持たない気がするな。

 

「⋯⋯ま、いっか。」

 




あ、これ続きます!
いつもと違う、周りに振り回されるバカップルをお楽しみにぃっ!!



そろそろぶっこむ準備しましょ。
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