いよいよ前書きのネタが無くなってきた、なちょすです。
1日2話とかいう頭のおかしい投稿ペース⋯。
この話は前後編2作ですよ。
気づいたら長くなってました。
あのライブから1週間。
休日の朝ほど気持ちのいいものは無い。
学校へ行くことも考えなくていいし今日は何して遊ぼうか、なーんてこともゆっくり考えられる。
そんな素晴らしい朝を俺はベッドの上で迎えている⋯筈だったんだけどなぁ⋯。
「⋯何で俺床で寝てんだろ。」
原因なんか一つしかない。昨日いきなり一緒に寝ようと言い出した美少女のせいだ。
2時間おきに俺を布団から叩き落とすとか、どんだけ寝相悪いんだ千歌ねぇ!!
取り敢えず起き上がり、布団の上で爆睡をかましてる千歌ねぇの様子を見る。
「すぴー⋯すぴー⋯んやはは⋯。」
「緩いなぁ⋯どんな夢見て笑ってんだろ。」
「りょーちゃあん⋯それは河童じゃなくてぇ⋯美渡ねぇだよぉ⋯Zzz」
「ホントにどんな夢見てんの!?」
相変わらず不思議な人だなこの人は。
ほっぺを人差し指でツンツンしてみる。
「⋯うにゃあ⋯ん〜⋯ふへへ⋯。」
「嫌がってるのか喜んでるのか⋯うりうり。」
「2人ともー!そろそろご飯よー!」
「はーい!今行くよ志満ねぇー!!」
「かぷ。」
まぁ何にせよ、今日は休日だ。今日のことは今日考えれば良いさ。はっはっは!
⋯かぷ?
さっきまでほっぺたをつついてた人差し指が暖かい。
心なしか湿っている気もしてきたぞ?
ゆっくり視線をベッドの上に戻し、すぐさま思考を停止した。
そこに人差し指は無かったんだ。
だって千歌ねぇが咥えてたから⋯!
「⋯ん?んんんんんっ!!??ちょ、千歌ねぇっ!?」
「ん〜⋯Zzz」
「起きて千歌ねぇ!せめて口開けてくれぇ!」
朝食の匂いにつられてかぶりつくとか、この人動物か!
それに変に動かれるとタンクトップから素敵なミカンが⋯って何考えてんだ俺!!
「ん〜⋯りょーちゃん何〜⋯?朝から元気だ⋯ね⋯。」
ようやく起きた彼女の口から人差し指が解放された。
指先と彼女の唇を結ぶ唾液の糸が、今起きたことを物語っている。
「お、おはよう⋯。」
「な⋯な、ななななな⋯!?///」
2人して固まってしまう。
これから俺の身に起こるであろう事は2つある。
真っ赤になった彼女に罵られるか、ビンタが飛んでくるかだ。
そして俯いた彼女が、静かに口を開く。
「りょーちゃん⋯。」
「は、はい⋯!」
「えっと⋯ご、ゴメン⋯私寝ぼけちゃってたみたいで⋯あ、でもでも全然美味しかったっていうか⋯あれ、違、何言ってんだろ私⋯!///か、顔洗ってくるから先にご飯食べてて!!///」
それだけ言い残して走り去っていった。
予想に反してアタフタした千歌ねぇだったけど、ちゃんと自分から指を食べたと分かってたんだなぁ。
そんな光景をさ⋯目の前で見せられて正気でいられる程俺は強くない。
もちろん美渡ねぇが来るまで気絶してたよ。
下に降りて行くと、丁度千歌ねぇと鉢合わせした。
「あ⋯。」
「⋯おはようりょーちゃん///」
「お、なんだこの空気?」
「あらあら〜、若いっていいわね〜♪」
何やら盛大に勘違いしていらっしゃる御二方に事情を説明する。
「あっはっはっは!バッカでぇ!!」
「笑い事じゃないよ!!本当に恥ずかしかったんだからね!?///」
「それより2時間おきに布団から落とす方が問題だと思うけど⋯。」
「ははは⋯。」
いつも通りの朝食を済ませ、部屋に戻ってくる。朝からハプニングがあったもののひとまず落ち着いた。
今日は予定も特に無いし完全にフリーな日だ。さてさて何をしようかな?
「りょーちゃん、入っていい?」
「あ、うん。どうぞー。」
「えへへ⋯お邪魔しまーす。」
私服に着替えた千歌ねぇがドアからひょっこり出てくる。
一々動きが可愛すぎる事案が発生している。そろそろ俺は死ぬんじゃないだろうか?
「どうしたの?千歌ねぇ。」
「りょーちゃんって今日は予定とかある?」
「いや、何も考えてないから1日中空いてるよ。」
「じゃあ千歌とお出かけしようよ!再会してからバタバタしちゃってて一緒にお出かけもできなかったし⋯。」
「俺でよければいつでもお相手しましょう!」
「ほんと!?」
目を輝かせながらずいっ、と近づいてくる千歌ねぇ。
まるで犬が尻尾を振るみたいに、頭のアホ毛がぴょこぴょこと動いている。
⋯生きてるのか?このアホ毛。
「ほんとほんと。じゃあ俺も着替えちゃうから待ってて。」
「分かった!」
目をキラキラさせながら俺の部屋で座る千歌ねぇ。
⋯いや、あの⋯着替えたいんだけど⋯。
「ち、千歌ねぇ?」
「なにー??」
「そこに居られたら着替えられないなー⋯なんて。」
「あっ⋯ご、ごめん!部屋で待ってるね!!///」
朝と同じように、彼女は走り去っていった。
今日は⋯本当に死ぬかもしれないな。
ちゃちゃっと着替えて彼女の部屋に呼びに行くと、肩から鞄をかけていつでも行けるよ、という視線をこちらへ向けてくれた。しかしその⋯なんだ⋯ショルダーバッグな分彼女の胸がいつも以上に強調されているんだよ。
かつて宗弥から『パイスラッシュ』と呼ばれる女の子の最強武器について聞いたことがある。俺は今それを身をもって実感しているんだ⋯ありがとう。
「りょーちゃんどうしたの?」
「な、何でもない⋯!」
正面なんか向けるわけない。絶対ニヤけてる自信がある⋯。
彼女の頭を撫でながら必死にニヤケを悟られまいとそっぽを向く。
「えへへ⋯あ!子供扱いしてるでしょー!!」
「そんな事ないよ??」
「む〜⋯じゃあなんでそっぽ向いてるのー?」
「いや⋯その⋯千歌ねぇの私服が、可愛かったから⋯。」
「へ?」
なんとか顔を整えて彼女の方を見ると、何やらキョトンとしている⋯と思ったら何やら難しい顔をしだした。
こんな顔見たことないかも。あ⋯!
「千歌ねぇ、もしかしてトイレ行きたいの?」
「そんなわけないでしょ馬鹿りょーちゃん!!///」
「痛ったぁ!?」
結構な勢いで頭を叩かれた。
俺は学んだよ。女子にストレートに言うのはデリカシーが無いということを。
まぁ普通に考えたら分かるよな⋯。
「ところで今日はどこに行くの?」
「ん〜⋯何も考えてないよ!」
「すっごい良い笑顔⋯じゃあちょっと服とか見に行ってもいいかな?」
「良いよー!りょーちゃんもそういうお年頃だもんね〜♪女の子の目を気にしちゃうんでしょ?」
「いや⋯だって折角千歌ねぇと一緒に出掛けるんだから、負けないようにちょっとでもカッコよくいたいじゃん。」
何も間違ったことは言ってないよな⋯千歌ねぇの隣歩くんだもん、ある程度キリッとしてないとまた弟として見られちゃうかもだし!
「そっか⋯ん〜⋯?」
「ど、どうしたの?呻き出して⋯。」
「ううん、何でもないよ!さぁお出かけお出かけ〜♪」
今日も1日理性と戦う日が始まりそうだ⋯。
◆
今日はりょーちゃんとお出かけ。
今は沼津の町を歩いてりょーちゃんの洋服を見に行く所。
なんだけど⋯朝から私の調子がなんか狂ってるんだよね⋯。
そりゃあ寝惚けて指を食べちゃったのは私が悪いんだけどさ⋯///
「あ、千歌ねぇ。自転車来てるよ。」
「え?わっ!」
りょーちゃんに手を引っ張られて軽く抱き締められる。
まただ⋯来て初日に一緒に寝てから、たまに胸がきゅっと締め付けられる感じがして⋯。
こんな感じになったの、多分初めてだよ⋯。なんだろう、これ。
「千歌ねぇ、大丈夫?なんか元気無いけど⋯。」
「え?まっさか〜!元気有り余っちゃってるよ!!」
りょーちゃんに心配かけるわけにはいかないよね!後で曜ちゃんと梨子ちゃんに聞いてみよ!
それから私達は1件の服屋に来た。りょーちゃん慣れてないみたいで結構挙動不審になってる⋯そういう所は昔と同じで可愛いかも♪
「ねぇねぇりょーちゃん!これとかどう!?絶対似合うと思うよ!」
「ミカン柄のシャツ⋯あっはは!千歌ねぇ本当にミカンが好きだね?」
「だってミカンだよ!最早果物の王様と言っても過言ではないんだよ!」
「そこまでなの?じゃあちょっと着てみようかな!」
そう言って試着室に入ったりょーちゃん。
うん、こうしてると何とも無い。やっぱり気のせいなのかな?
「じゃっじゃーん!どう千歌ねぇ?似合ってる?」
「あっははは!似合ってる似合ってる!!じゃあ次はね〜⋯。」
2時間くらいいたのかな?
久しぶりに2人で出掛けたから、いっぱい時間過ごしちゃった!まだまだ楽しむぞ〜!!
◆
千歌ねぇの様子がおかしい。
楽しんでるように見えるけど、たまに考え込んだりボケーッとしてる事がある⋯だ、大丈夫かな?もしかして俺と一緒だとあんまり面白くないとかじゃないよね!?
やっば⋯いきなり自信なくなってきたぞ⋯。
「千歌ねぇ、そろそろお昼だけど何か食べたいのある?」
「うーん⋯あ、じゃあ駅前の喫茶店行こうよ!新しく出来たらしくてすっごいお洒落だって梨子ちゃんが言ってた!」
「了解!じゃあのんびり行こうか。」
何はともあれ、まずは昼飯を食べよう。
そしたら午後から頑張ればいいさ!
⋯けど俺はこの時知らなかった。
午後からの時間が、俺の心臓にも理性にも悪い半日になろうとは⋯!
前編、終わりました。
後編もイチャコラさせるぞぉ⋯もうそろそろ展開にスパイス加えてやるぞぉ⋯!
具体的にはあと3話くらいでスパイスぶちまけてやるぞぉ涼介ぇ⋯!