眠くて眠くてしょうがない、なちょすです。
今回のメインはリトルデーモン's。
気になるあの子へプレゼントを買いに行こうの巻。
そして遂に⋯堕天使が降臨します。
小鳥のさえずりが聞こえてくる清々しい朝。
俺が十千万に来てから早いもので1ヶ月が経とうとしている。ようやくここでの暮らしとか旅館の手伝いにも慣れてきた感じだ。あ、後千歌ねぇからの不意打ちにも。
正直この間の風呂事件があったから、ちょっとやそっとじゃ驚かない自信だってある。
「志満ねぇ、おはよう。」
「おはよう涼君。」
「美渡ねぇは今日も仕事?」
「ええ、会社の方が忙しいんですって。悲しい顔して出ていったわよ?」
「あはは、そうなんだ⋯。」
高校1年生にはまだ分からない気苦労ですなぁ。
「ん〜⋯おはよう〜⋯。」
「おはよう千歌ねぇ。まだ寝ぼけてる?」
「大丈夫⋯大丈夫⋯Zzz⋯。」
「立ちながら寝てるし⋯。」
「ごめんくださーい。」
裏口の方から声がする。
向こうからってことは宿泊客じゃ無いな⋯声からして千歌ねぇぐらいの女の子の声だけど、なんか聞いたことあるような⋯。
「あっ⋯善子ちゃんだ。」
「善⋯子⋯?」
「善子ちゃーん、入って来なよー!」
「だからヨハネだってば!あ⋯お邪魔します⋯。え?」
「は?」
部屋に入ってきたその子は⋯キリッとしたツリ目に黒髪ロングで、頭に特徴的なシニョンを携えていた。
俺はその子を知っている。
忘れるはずが無い⋯今の俺を作り上げた張本人なのだから。
「善子⋯津島善子か!?」
「な⋯何でアンタがここに居んのよ涼介⋯!」
「それはこちらの台詞だぞ堕天使ヨハネ!何故千歌ねぇの事を知っている!?」
「フフッ⋯私とこの者は同じ組織に属する同系等の存在なのよ。まぁ、下僕であるリトルデーモンの貴方には、難しい話でしょうけどね⋯。えっ、てかアンタ弟なの?」
相変わらずいきなり素に戻るんだな⋯。
俺もつい中学の頃のノリで話しちまったけど、高海家の皆さんがポカーンとしていらっしゃる。
「あなた達、それで会話成り立ってるのね⋯。」
「てか知り合いだったの!?」
「弟子よ。不本意ながら。」
「師匠だよ。こんなんでも。」
「何よこの泣き虫小僧!」
「んだとこの美少女!」
「悪口下手か!」
くっ⋯こんなんでも世話になってるから強く言えないんだよ⋯。
「まぁつまり⋯俺の一人称が変わったり色々と中学の頃世話になった奴って事で。それと善子。俺は本当の弟じゃなくって幼馴染みなんだ。今はこの家で居候させてもらってる。」
「へぇ〜⋯ラノベ主人公みたいな事やってんのね。」
「全くだよ⋯。」
あれ?でも待てよ?
「そういや2人の接点って何かあったっけ?全然思い浮かばないんだけど⋯。」
「善子ちゃんがAqoursの1人だからだよ♪」
「Aqours⋯?善子が?じ、じゃあ最近ホームページに上がってた新メンバーって⋯!」
「私。」
「ジーザス⋯。」
「⋯何よ?」
「いや、千歌ねぇなら想像つくんだけど善子がやるなんて意外だったなぁって⋯。」
「い、色々あったの!///」
「私達も部員が増えて、今6人でやってるんだよ!今度は東京でライブなの!!」
「え、マジで!?」
聞くところによると、6人まで部員の増えたAqoursは、東京で行われるスクールアイドルの大会に招待されたらしい。あのファーストライブから本当に大きくなってきたんだな⋯。
「でも平日だから、りょーちゃん呼べないんだよね⋯。」
「マジか〜⋯じゃあまた次の機会に呼んでくれないかな?」
「もっちろん!ぜーったい来てね!♪」
「ああ。善子のことも見に行くぞ☆」
「うっわ気持ち悪⋯。」
「んだとこのアイドル!!」
「悪口下手か!」
「じゃあ千歌はこれから2度寝するから後は2人でよろしくね〜⋯Zzz」
「え、よろしくって何を⋯寝るの早っ!?」
「アンタの幼馴染みも変わった人よね⋯。」
否定出来ないのが何とも⋯。
とにかく今日は千歌ねぇも行動不能っぽいし、久しぶりにあいつを呼んで3人で過ごすか。
「じゃあ志満ねぇ、ちょっと出かけてくるよ。」
「はーい。遅くなる前に帰ってきてね〜。」
こうして十千万を後にした俺たち2人は、宗弥との待ち合わせ場所に向かった。
沼津港大型水門びゅうお。夜には綺麗なイルミネーションが彩られ、時期によってはカップルも訪れたりするリア充スポットの一つだぞ☆
「よ、宗弥。」
「やっと到着かよ涼介⋯って、え?」
「⋯久しぶりね、リトルデーモン2号。」
「よ、よよよ善子!?え、なんで!?俺何も聞いてないけど!?」
「言ってなかったしな。」
前回敗北感を味わったからちょっとした仕返しの意味を込めたドッキリだ。ふっ、今回は俺の勝ちだろう⋯。
「そんなに驚くこと?」
「いやビックリするだろうさ⋯なんで涼介と??」
「よく聞け宗弥⋯善子、Aqoursなんだ。」
「ほ?」
なんだその素っ頓狂な声。
「え、じゃあ最近Aqoursに入った新メンバーの1年生3人って⋯。」
「私がその1人。」
「ジーザス⋯。」
「朝全く同じリアクション見たわよ⋯。」
「いや、うん。ありだと思うよ全然。」
「せめて目を見て言いなさいよ!!」
「はっはっは!それじゃあリトルデーモン失格だぞ宗弥?」
「アンタ人の事言えないからね泣き虫小僧。」
「んだとこのシニョン!!」
「悪口下手か!」
久しぶりの中学時代のノリが炸裂しまくる。
クソ⋯楽しいじゃないか⋯!
元々気弱だった俺達がこんな性格になったのは確かにこいつの影響だけど、それに関しては別に嫌ってるわけじゃないしむしろ感謝してるくらいだ。宗弥も俺も。
そんな小っ恥ずかしいこと口が裂けても言わないけどな。
「そっかぁ⋯善子がAqoursの一員か⋯。」
「何よ?」
「よし、俺今日から善子神推しになるわ!」
「⋯べ、別に好きにすればいいんじゃない?」
「顔、ニヤけてるぞヨハネ様?」
「うっさい泣き虫リトルデーモン!!」
ふっ、いつまでもやられっぱなしの俺と思うなよ?
「まぁ涼介は千歌さんが大好きだからな。」
「おまっ!?」
「へ〜⋯千歌さんの事がねぇ⋯?」
宗弥のヤツ一言多いんだっつの!!
見ろこの堕天使の微笑みを。絶対よからぬ事を企んでる顔だぞあれ!
「⋯手伝ってあげよっか?」
「何が見返りだ⋯?」
「そんなもんないわよ。可愛いリトルデーモンの面倒を見るのも、主たる私の役目⋯まぁ強いて言うなら駅前のストロベリーチョコカップケーキね。」
「見返りあるじゃねぇか!!」
しかも駅前のってことは、朝から並ぶハメになるんだな⋯くっ⋯受けるべきか?
「いい話じゃん。乗っとけよ涼介。」
「⋯不本意ながらご教授願いますヨハネ様。」
「ふっ、宜しい⋯。じゃあ千歌さんに渡すプレゼント買いに行くわよ。」
「くっそ〜⋯後で覚えてろよ!!」
再びリトルデーモンと化して歩き出した俺はこの屈辱を忘れないだろう⋯いつかリトルデーモンの反逆を見せてやるぞ堕天使ヨハネ!!
「⋯⋯。」
「どした?善子。」
「ん?何が??」
「⋯いや、何でもない。」
「ふふっ、宗弥も変なやつね。」
◇
やって来たのはおしゃれな雑貨屋さん。
正直善子がこの手の店を知ってるのは意外だった。てっきり黒魔術ショップとか厨二グッズの店へ連れていかれるものばかりだと⋯。
「アンタ失礼な事考えてない?」
「⋯まさか。」
「まぁいいけど。千歌さんなんか欲しいものとか口にしてた?」
「ん〜⋯何も言ってなかったな。」
「シンプルに身近に持ち歩けるのでいいんじゃないか?ストラップとか!」
「それも考えたけど、昔もらってるからな〜⋯。」
流石に同じ物をまた渡しても使い道に困るだろうし⋯。
「あ⋯あれとか。」
「ん?テディベアか?」
目に入ったのはオレンジ色のテディベア。あまり大きすぎず値段もそんなにかからないやつだ。
これだったら部屋に飾れるんじゃないだろうか。
「お前変なとこで乙女だな。」
「可愛いものには目が無いんだ。」
「アンタはまるで可愛くないけどね。」
「んだとこの善子!」
「悪口下手か!」
「漫才してる場合かよ⋯お、じゃあこっちの青いやつお前のでいいんじゃないか?」
「しかし⋯恥ずかしながら俺の財産じゃ⋯。」
「ばーか、そんぐらい出してやるよ!」
「私も割り勘してあげるわ。リトルデーモンへの労いよ。」
「そんなの悪いって!!」
「今更気にする間柄かよ。」
「そうそう。逆にこういう時は素直に従っておくもんよ。」
なんて奴らだ⋯散々色んなこと言ってたのに俺の為にこんな⋯。
「ふだりども〜⋯。」
「おわぁっ!?待て待て待て、店の中で泣き出すんじゃねぇ!!」
「私達まで変な目で見られるじゃない!」
「元々変だろ〜!!」
『言ったな泣き虫小僧!!』
2人の好意を受け無事プレゼントを購入。死ぬほど嬉しい⋯持つべきものは友だなぁ⋯!!
それから夕方までゲーセンなりカラオケなり遊びまくった俺達は、いい時間ということで解散することに。
「本当にありがとな、2人とも⋯。」
「はは、良いってことよ!」
「渡す時に泣きじゃくるんじゃないわよ?」
「流石にそんなヘマはしないさ⋯多分。」
「おい。」
「善子、明日東京行くんだよな?」
「えぇ⋯。」
「その⋯頑張れよ。行けなくたって、こっちから応援してっから。」
「もちろん俺もな!」
「⋯任せなさい!東京の人間達もこのヨハネのリトルデーモンにしてあげるんだから!」
そうして俺達は笑いながら解散した。またこうやって集まる事を約束して。
◇
「き、緊張してきた⋯。」
今俺がいるのは千歌ねぇの部屋の前。
明日東京に行く準備をしてるとのことで何故か俺も緊張している⋯。
大丈夫だよな⋯迷惑がられたりしないよな?
「ええい考えても無駄だ!男は度胸、いざ!」
部屋をノックすると返事がする。千歌ねぇの了承を得て部屋に入ると、キャリーバッグだったり制服だったり衣装だったり⋯普段のゆるゆる系女子からは考えられない荷物がまとめられていた。
「りょーちゃん、どうしたの?」
「その⋯さ。明日東京行くんでしょ?」
「うん⋯ちょっと緊張するけど、皆と精一杯やってくるよ!」
「俺も応援してるよ。それで⋯これ、あげる。」
「⋯?わぁっ!可愛い〜♡」
「今日、宗弥と善子に選ぶの手伝ってもらったんだ。いつも貰ってばっかりだったから、たまにはなんかプレゼントしようと思って⋯。」
「ありがとうりょーちゃん!!大事にするね!」
「ちなみに⋯俺とお揃い⋯だったりして。」
自分からお揃いって言うの、結構恥ずかしいな⋯。
「ホントだ!えへへ⋯りょーちゃんとお揃いだぁ♪」
「可愛すぎる。」
「へ?何か言った?」
「いいえ、気のせいでございます。明日頑張ってね、千歌ねぇ!」
「うん!」
ちょっとだけ⋯彼女に近づけたかな?
確証はないけど、目の前ではしゃぐ彼女を見てそう思ってしまう自分が居た。
書いててすっごい楽しかった。
こんな青春まじ憧れです。
次回はTOKYO回!が終わった後の話。
ええ、頭から最後までシリアスですよ⋯。
ここでこの話は一つの展開を迎えます。
どうなるかは⋯まぁ分かりますよね?