学園の青春ものとバトルもの。この2つを合体させてみたいなと思って書いてみました。拙い文章ではありますが楽しんでいただけたら嬉しいです。
4月の朝。暖かい春の風とともに朝日が昇る。木造のアパートのような造りの学生寮、
「ふわぁ...今日から学校か。制服を着るのも久々だな」
欠伸をしながら久々に着る制服へと身を通す。
「2年生の世界は一体どんなものかな」
学年が変わり、新しい風が吹くであろう学校生活への期待を胸に抱きながら部屋の扉を開けると、
「うわっ!リン!朝っぱらから驚かすのはやめてくれ」
『おはようソーマ』と書かれたホワイトボードを持ちながら銀髪のストレートの少女、
「っていうかなんで今も筆談なんだ?ファミリーしかいない時は話すじゃないか」
蒼真の質問に少し困った顔をしながら凛華はホワイトボードに書き込む。
『久々の学校だから筆談が抜けちゃうかもしれない』
「相変わらず俺ら以外には距離を置いてんだな。まぁ、ここで話すのもなんだし、とりあえずご飯食べるか」
凛華は頷き、2人は一階へと降りる。
食堂となっている一階のリビングでは既に蒼真と凛華以外の寮生が集まっていた。
「あ、ソーマ!リン!おはよー!!」
明るい元気な声で2人に手を振りながら挨拶する少女は
「おはよう、モモ」
『グッモーニン』
「あらら、リンは朝から筆談?相変わらずだね〜」
黒にところどころ紫が混じった髪色の青年、
『うるさいハゲ』
「いや、ハゲてないから!!」
「やーい、ハゲハゲー!」
「モグモグモグモグ...」
突っ込んだ斬夜を茶化す緑髪の少女の名は
「しかしすごいよな俺たち。今までずっと一緒だったんだぜ?」
「そうだよね、しかも6人皆同じクラスだし!奇跡ってもんじゃない気がするなぁ」
蒼真の言葉に桃葉はうんうんと頷く。
「3年間クラス替えなしでよかったよ〜」
「ザンヤはS組でもよかったけどね〜?」
「ミドリ、なんか朝から酷くない?俺、なんかした?」
翠は斬夜を無視し、お魚美味しー!とニコニコしながら鮭の塩焼きを食べていた。
「リーダー、俺の扱い酷くないですかねぇ...?」
「ん?食欲ねーのか?じゃこの玉子焼きはいただきだぜ!」
リーダーと呼ばれた翔は斬夜の玉子焼きをサッと取り、口の中へと運ぶ。斬夜はモーやだこの人達...と涙を流しながらご飯を食べていた。いつも通りの虹友ファミリーの食卓だった。
朝食を食べ終え身だしなみを整えた後、6人は寮を出て学校へと向かう。歩いて20分の距離をくだらない雑談をしながら歩いていった。
教室にはクラス替えがなかったため、見知った顔の生徒ばかりいた。春休みの終わりを悔やむ者、春休み中にあった出来事を話す者...皆、様々な話をしていた。
「おっ蒼真!久しぶりだなぁ元気してたか?」
教室に入るなり、小柄の坊主頭が蒼真に声をかけてきた。この生徒の名は
「情報はクラスの男子の最近読んだエロ本から日本の反対側のブラジルで流行っている韓国料理についてまで知ってるぜ!」
とのこと。つまり、彼の情報量は圧倒的ということだ。
「なんか気になる情報はあるか?」
「そうだなぁ...今、特に面白いネタは持ってないぜ」
「そうか、いい情報仕入れたら教えてくれ」
「いいぜ!そん時はちゃんとお礼くれよな」
蒼真はおう、と返事をすると出席番号順に決められた自分の席、一番前の右端に座る。すると、
「あー、あー、ただいまマイクのテスト中じゃー」
教室に付けられたスピーカーからこの学校の生徒なら誰もが知っている声が聞こえる。
「皆、おはよう!今年も校長をやらされてしまった
「さすが校長だね〜生徒の心を完全に理解してるよ」
「下手な子供より全然子供だよねこの人」
桃葉の言う通り校長、もとい帝 王将は70歳にも関わらず心は普通の男子高校生な老人である。スマホゲームが大好きで全てのスマホゲーのデータをカンストさせたとか。これだけ聞くとただの元気有り余った老人かもしれないが実際はめちゃくちゃ強い。日本最強、とまで謳われる程の実力を持つ。それほどまでに強いが、生徒一人一人に優しく接する姿に生徒からの信頼は絶大であった。
「特に話すことなんて実はないんじゃが...ちゃんとやらんと流石に怒られるからの、何を話そうか...」
うむむ...と少し考えた後、王将は話を始める。
「今年も『
異形、その名を聞くとクラスの皆の顔は自然と強ばる。
この世界には魔法と科学が入り交じり、暮らしに様々な影響を及ぼしてきた。はじめは良い影響ばかりで素晴らしい成果だと賞賛された。しかし2年後、突如として見たことのない生物が世界に現れるようになった。それが『異形』である。研究によると人間の負の感情、憎悪や嫉妬心、それが魔力や科学力によって具現化されたものだという。ただ、魔力や科学力といっても誰かが異形を創り出している訳ではなく、それぞれの力、感情が勝手に融合することで生まれてしまうらしい。そのため、異形を止めるために魔力や科学力を止めてしまえばこの世界の生活の基盤が壊されてしまうためなかなかいい解決策が見いだせなかった。異形は人々の負の感情と取り込むことでより強くなっていく。そこで世界は異形を討伐するための部隊を作った。異形が出たらその部隊を出動させ、討伐する。そうすることで世界の平和を保ってきた。日本にも当然、その部隊は存在し、日々異形と闘っている。世界ではこの先の未来でも必ず現れる異形をいずれ根絶やしにするため、今では学生にも戦闘技術を授業の一環として行うようになった。勉強だけでなく、戦闘も出来てこそ成績優秀者として良い進路が期待される。神虎玉学園はその中でもトップレベルの学校で、異形討伐部隊、『異形対策センター』からのスカウトが認められていた。そのため、虹友ファミリーの6人を含め2ーEの生徒も、神虎玉学園の生徒も、それどころか日本の高校生は皆、何かしら戦う術を身につけているのだった。
「ーーー2年生は先輩として新入生の世話を、3年生はいよいよ受験期じゃ。それぞれ己の立ち位置をよく理解しながら新しい学園生活を楽しんでほしいのぅ。まぁ、これくらいでいいじゃろう。ワシからの話は以上じゃ」
校長の話が終わり、始業式が終了する。すると教室から銀髪の天然パーマの男性が気だるそうに教室に入ってきた。
「あー!またあっきーだー!!」
ミドリが思わず声を上げる。
「あー、またこいつらの相手すんのかァ。俺もツイてねーなァ。ってかあっきーって呼ぶな」
あっきーと呼ばれた男性はため息をつきながら教壇に立ち、話し始める。
「あーなんだ、わかってはいると思うが一応挨拶だけしとくわ。今年もお前らの担任を任された
「よろしくあっきー!早速だが橋本先生とはどうなった?」
翔が秋人に聞くと、秋人は、
「言うなぁバカヤロォ!この春休み、当たって砕けちったわボケェ!通算53戦中53敗だぁバカヤロォ!」
滝のような涙を流しながら秋人は言う。この男、武之内 秋人は2ーS担任の
「オメーらの好感度より橋本先生の好感度あげさしてくれよ...」
とのこと。秋人は新年度早々の涙を流し終えたあと唐突に話し始める。
「あ、そうそう、今日から転入生来るから」
「「「は???」」」
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