ミーが転生するまで…
*
沢田綱吉が白蘭を倒した。
大空のアルコバレーノユニの力もあり…死んだ人たちも死んだという事実が消え今を生きている。
そしてそれはミーのタイムリミットが迫っているということでもあった。
ヴァリアー前任であるマーモン先輩が帰って来た今、ミーはお役御免だ。
それについさっき沢田綱吉がししょーにお礼を言いに来ていた。
殺されそうになったというか、乗っ取られそうになった相手に礼を言いに来るなんて、ほんと、甘い人ですよねー。
ししょーも不気味な程笑ってましたしー。
えっ?ミーは全然楽しそうに見えないって?
…………………気のせいですよー。
「フラン?どうしました?」
「なんでもないですー。ししょーは相変わらずパイナップルですねー。」
「フラン(怒り…待ちなさいー!」
「嫌ですー!」
でもこれで独りでゆっくりと消える事が出来ますねー。それにミーが消える事は世界の理。
所詮、ミーは代わりに過ぎないのだから。タイムリミットは…沢田綱吉達が過去に帰るまで。それまでしかミーは此処にはいられない。
皆さんの記憶からミーは消える。
ミー自体も消えてしまう。
ミーがこの世界に生まれた記憶
これまでに起こったことが走馬灯のように思い浮かんでは消えていく。
師匠に拾われ、スパルタ教育で幻術を教わったこと。
クローム姉さんや犬兄さん、千種兄さんと過ごした穏やかな記憶。
ヴァリアーに入り、任務をした記憶。
幹部になって、スク隊長や、ベル先輩、レヴィ先輩をからかった記憶。
こうしている内にミーの身体は消えて行く…
もっと此処で過ごしたかったし居たかった。
楽しかったですー。ヴァリアーの皆と。ししょー達と一緒にいるのは……。
ミーは…もっと…
「生きたかった……師匠とクローム姉さんと犬兄さんと千種兄さんとM・M姉さんとボスとスクアーロ隊長とレヴィ先輩とルッス先輩とそしてベル先輩と……!!もっと、もっと過ごしたかった……!!!」
目頭が熱くなり、涙がとめどなく流れていく。ミーのキャラじゃないんですけどねー。
でも、もう、お別れの時間ですー。
「師匠ー。ボス、ヴァリアーの幹部の皆さん。ミーは皆さんと出会えて本当によかったですー。今までありがとうございましたー。Ti voglio bene」
世界から1人の少年が消えた。
その少年と関わりのあった者は、その彼との記憶を次々と失っていく…
「さよならですー。」
*
「っ…此処は...いったい何処…ですかー?」
フランが目を覚まし周りを見渡したが…そこは辺り一面に広がっている何もない白い空間にミーはいた。
「それにしてもこの展開は死んだ後の展開ですねー。」
「へぇ、物分りいいんだね君は」
「ん?誰ですかー?あんたはー?」
そこに立っていたのは、いかにも天使だぜーって格好を主張している自称天使さん。
「ちょっと、自称天使とか言わないでよ!本当に天使だから!」
「てか、ミーに何の用ですかー?ミー死んだんですからー地獄でも何処でもいいので早く連れてって下さいー。」
もうどうでもいいんでー。ししょーやヴァリアーの皆さんの所にはもう二度と戻れないのでー。とか思っていると自称天使さんから衝撃的な言葉が出てきたんですよー。
「いいえ、フランさん。貴方には二つの権利があります。1つは生まれ変わって新たな人生を歩む。もう1つは天国のようなところでおじいちゃんのような暮らしをするかです」
「何ですかーその選択肢?なんか嫌ですねー。マーモン先輩のように赤ん坊からやり直すなんて絶対に嫌ですよー。ちなみに聞きますけどー天国はどんな所ですかー?」
「何もないところですよ。ずっと日向ぼっこか他の方とのおしゃべりを楽しむかくらいです。もちろん…幻術も使えませんよ?」
えぇ…幻術が使えるなら行こうと思ったんですけどー。それなら行きたく無いですねー。
「絶対嫌ですねー。幻術を使って色々しようと思ったんですけどねー。そんな天国は行きたくありませんー。」
そこでですね、と自称天使はある提案をフランに持ち掛けてきた。それは肉体と記憶はそのままに、魔法が盛んな異世界に転生するというものだった。
もちろんそのまま行けば無駄死にしてしまうので、特典として何か2っ好きな物を持っていく事が出来ると言う。
「おお、凄いじゃないですかー。じゃあ早速ミーの特典は……"コレ"でお願いしますねー。」
フランが選んだ特典については意外な物を選んだ。それは自分が生前に使っていた武器。つまり幻術やリング、ボックスなど。リングはの霧の幹部の証のヴァリアーリングと師匠から貰ったヘルリング。天使も多少驚いたがすぐに了承してくれた。
「以上ですかねー?あとは転生とかしちゃって下さいー。」
「えっ、ちょ.ちょっと待って下さい!もう1つの特典は?」
*
あぁ…なんかありましたねー。
めんどくさいですねー。あっ、そうですよー。
「自称天使さんが付けて下さいー。」
「えっ?」
色々決めるのがめんどくさくなって来たので自称天使さんに丸投げしましたー。だってほんとにめんどいんでー。
「私ですか?もしかしたら嫌な特典付けてしまうかも知れませんよ?それでもいいんですか?フランさん?」
「それはその時ですからねー。我慢しますよー。てか、まだですかねー?」
もうそろそろ限界ですー。眠いですー。
早くしてくださいよー。自称天使ー。
「わかりました!ではそろそろお別れの時間です。それとフランさん。貴方が転生する世界ですが魔法の世界なので貴方にも魔法を授けます。」
へぇ、魔法の世界ですかー。面白そうですねー。ベル先輩が居たら「絶対に行く」とかいいそうですねー。
「ミーにも魔法ですかー?どんな魔法ですかー?幻術はダメ何ですかー?」
「そうですね。幻術では違和感があるので…そしてフランさんの魔法は幻の滅竜魔法です。この魔法は竜を滅する魔法です。幻の魔法なので幻術を使っても問題ありません」
そうなんですかー。
「ん?竜なんて居るんですねー。いまから行く世界にはー。」
「はい。あと、おまけとしてこの子もプレゼントします」
自称天使さんから受け取った物は小さい羽が生えた猫でしたー。
「何ですかー?これは?」
「その子はエクシードと呼ばれる猫です。言葉も喋れますのでご安心を…では名残惜しいけどお別れですね。フランさん。あちらの世界でもお元気で…」
「色々めんどくさいですけど頑張って来ますよー。(師匠、ヴァリアーの皆さん、沢田綱吉達10代目ファミリー、お元気でー。さよならですー。)」
こうしてボンゴレ最強と謳われた独立暗殺部隊ヴァリアーの元霧の幹部、沢田綱吉の霧の守護者六道骸の弟子の異世界での物語が幕を開ける。
「(師匠達やヴァリアーに幸あれ…)」
ご視聴ありがとうございましたm(*_ _)m