消えた蛙は魔法の世界で…   作:五月雨☆。.:*・゜

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久しぶりの更新かな?


よろしくお願いしますm(*_ _)m


ミーは頑張りましたー。けどウェンディが連れ去られましたー。

*

 

 

 

ブレインがニヤリと笑みを浮かべ杖を空に翳すと同時に、フランの足元に魔法陣が広がる。

 

 

 

「くっ…(やられましたねー。この重力はシモンの彼以上ですかねー?)」

 

 

「くく、動けまい」

 

 

 

反応する前に発動した魔法陣の効果により、フランの体に大きな圧力がかかり耐えきれずに膝をつく。

魔法陣が広がる地面には亀裂が走ってフランの受けているその圧力の重さが測れる。

 

 

 

「非常におしいなフランとやらよ。我らの邪魔をするのならば貴様もゴミ共と共に消え去るがよい」

 

 

そう言うブレインの翳した杖からは緑を帯びた闇が現れる。

大地が震える程の禍々しく強大な魔力。

 

 

 

「(なんて魔力なんですかねー。ムクロウはウェンディの側にいますね。)」

 

 

「常闇回旋曲(ダークロンド)…──────!?」

 

 

 

自分たちの邪魔になる存在を消し去るためブレインが魔法を発動させようとした。

 

その時、その目に岩陰で震えるウェンディの姿が目に入った。

途端に汗を浮かべ魔法を停止させるブレイン。

 

 

 

「どうしたブレイン?」

 

 

「何故魔法を止める?」

 

 

 

訝しげに眉を寄せているコブラとレーサーの問いにブレインは答えずにただウェンディを見つめていた。

 

 

 

「…、ウェンディ…」

 

 

「、ぇ…え…?」

 

 

「知り合いか?」

 

 

 

目を見開き固まったままのブレインにコブラが首を傾げながら尋ねる。

そのコブラの問いにブレインは静かに頷き妖しい笑みを浮かべた。

 

 

 

「…間違いない。ウェンディ─────天空の巫女でエメラルドグリーンの男は『闇ギルド潰し藍霧の幻術師』だったかな?」

 

 

「「「!!」」」

 

 

 

ブレインの言葉に六魔将軍が目の色を変えた。

 

 

 

「な、に…それ…?」

 

 

「(なるほど、天空の滅竜魔道士からの異名ですねー。)」

 

 

 

六魔将軍の突き刺さる様な視線に耐えきれずに目に涙を浮かべて頭を抱えるウェンディ。

 

 

「こんな所で会えるとはな…これは良いものを拾ったな」

 

 

「…!っ逃げて下さいー!ウェンディー!!」

 

 

「、ぇ…?」

 

 

「─────来い!」

 

 

「きゃぁ…!!」

 

 

 

嫌な予感がしてフランがウェンディに逃げるように言った。

その時、ブレインの杖から実体を持った魔力が溢れ出した。

そしてその魔力は手へと姿を変えウェンディの体を掴み上げた。

 

 

「「ウェンディ!!」」

 

 

「っ何しやがる…この…、っ!?」

 

 

「金に上下の隔てなし!!」

 

 

「ぐ、ぁ…っ!」

 

 

 

助けに入るべく腕に力を込めて立ち上がろうとする火竜さんだが…それをホットアイが許さない。

 

 

 

「っきゃぁ!」

 

 

「待って…!うわぁぁ!」

 

 

「ウェンディ!!」

 

 

「ムクロウ!!頼みましたー!!」

 

 

「ハッピー!!」

 

 

 

ムクロウはウェンディはハッピーと共にブレインの杖に吸収されてしまった。

 

 

 

「…うぬらにもう用はない。…消えよ、常闇回旋曲(ダークロンド)!!」

 

 

 

ブレインの攻撃が放たれたとほぼ同時に動きを封じていた魔法を無理やり破ったフラン。

一瞬反応が遅れたがコブラがキュベリオスに止めるように指示をする。

しかし、キュベリオスの牙はフランの首を掠っただけで突き刺さることはなかった。

 

 

 

「伏せて下さいー!!」

 

 

 

皆が驚く中、フランは大声でそう叫び霧属性の膜を展開する。

間髪入れずブレインの攻撃が容赦なく霧属性で作った膜に降り注ぐ。

 

 

 

「っつ…」

 

 

強大な魔力の重圧で骨が軋む。

フランは歯をギリッと噛み締めブレインの攻撃を何とか耐えきった。

だが、思った以上に死ぬ気の炎を使ったのでフランの額から汗が垂れる。

 

 

「疲れましたー。」

 

 

「、おぉ…!」

 

 

「凄いや…フランくん!!」

 

 

「ありがとう、助かったよ!」

 

 

 

口々に礼を言ってくる人達の無事を確認し、フランはガクッと膝をつく。

 

 

「おい!大丈夫かよフラン?」

 

 

「大丈夫じゃないですねー。」

 

 

「うわ…!首から血が出てるじゃない!」

 

 

「さっき蛇に噛まれましたからねー。」

 

 

 

そう言ってビリビリ痛む首に手を持っていくとドロッとした生暖かいものが手に触れた。

 

 

 

「(この程度の毒は慣れてますしねー。)」

 

 

 

ふと思い出したようにフランはバッと勢いよくブレインたちの方向を向いた。

そこには既に六魔将軍たちの姿はなかった。

想像以上の強さに苦渋の表情を浮かべる仲間たち。

六魔将軍の魔力は集めていた情報を上回っており頼りのクリスティーナまで破壊されてしまった。

攫われたウェンディとムクロウと火竜の相棒ハッピーも救出しなければならないし再び作戦を練り直さなければならない。


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