消えた蛙は魔法の世界で…   作:五月雨☆。.:*・゜

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ミー達は、総攻撃に掛かるそうですー。

 

 

 

「っ、!?」

 

 

星霊女さんの耳に草木を掻き分け風を切る音が聞こえた。

どうやらそれは、横の草むらの方から聞こえてきているようでその音はどんどん自分たちに近づいて来ている。

ヒビキも目つきを鋭くし黙って横の草むらを睨む。

現れるのは仲間か…

それとも敵か……

 

 

「――――…っと、つきましたー!!」

 

 

ガサッと草むらを揺らし、勢い良く飛び出してきたのは、火竜さんとウェンディとミー。

 

 

「着いたー!!」

 

 

「フランくん!!ナツー!!」

 

 

星霊女は安堵に声を上げ、笑顔を浮かべて駆け寄ってきますー。

ミーは皆をゆっくりとベスターから降ろし寝かされている妖精女王に目を向けましたー。

 

 

「何とか間に合いましたがー。」

 

 

妖精女王の腕は毒々しい色に変色してしまっておりその毒は今や全身にまで回ろうとしている。

あと少し遅ければ命はなかったでしょうー。

 

 

「ナツ君、早くウェンディちゃんを」

 

 

「お、おう…そうだった……!!」

 

 

キラキラの王子様風の人に促され、火竜さんはウェンディの意識を戻そうと肩をガクガクと揺さぶる。

少々荒っぽいが…今は一刻を争いますからねー。

 

 

「起きろウェンディ!!頼む!!エルザを助けてくれ!!」

 

 

「、ん…」

 

 

火竜さんの揺さぶりが効いたのかゆっくりと目を開くウェンディ。

意識が完全に戻りその目が火竜さんの姿を捉えましたー。

―――――だが、

 

 

「っ…、きゃあぁぁ…!!」

 

 

「!!!!」

 

 

ウェンディは何かに怯える様に火竜さんから離れ頭を抱えてしましたー。

その口からは誰に向けてのものか謝罪が何度も呟かましたー。

 

 

「ごめんなさい…っごめんなさいッ…私…」

 

 

 

カタカタと震えるウェンディにフランが近づく。

しかし、今のウェンディはそれにすらビクッと肩を震わせましたー。

 

 

「大丈夫ですよー。」

 

 

ミーはウェンディに視線を合わせる様に膝を折りそして安心させるように藍の髪にポンと手を乗せましたー。

その行動にウェンディは恐る恐る顔を上げ戸惑いながらも小さくコクッと頷きましたー。

 

 

火竜さんはウェンディが落ち着いたのを見計いガバッと地に手をつきウェンディへと土下座をした。

 

 

「エルザが毒蛇にやられたんだ…ッ…助けてくれ!!頼む!!」

 

 

「、毒…?」

 

 

「六魔将軍と闘うには…エルザさんの力が必要なんだ」

 

 

「お願い…!!エルザを助けて…!!」

 

 

いきなり皆に頭を下げられ戸惑いを隠せないウェンディはおろおろと視線を迷わせましたー。

――――と、その視線が横たわっている妖精女王を捉えましたー。

 

 

「頼む…ッ!!」

 

 

「っ、勿論です…!!はい…やります!!」

 

 

ぐっと手を握りやる気を見せるウェンディ。

 

 

「…」

 

 

ウェンディは顔を引き締め、妖精女王に手を翳す。

すると、淡く温かい光が変色した部分を包み混みましたー。

 

 

「毒が抜けていきますねー。」

 

 

初めて見る治癒魔法に思わず呆気にとられましたー。

禍々しい毒がまるでサラサラとした砂の様に消えて行きましたー。

 

 

「…ふぅ…終わりました…エルザさんの体から毒が抜けました…!!」

 

 

「「「おぉー!!」」」

 

 

汗を拭い笑みを浮かべるウェンディに釣られ皆さんの顔もパァと明るくなりましたー。

目を覚ました雄猫とシャルルと共に期待を込めて妖精女王を見ているとー。

 

 

「――――――ん…」

 

 

「「「うおっしゃー!!!」」」

 

 

苦しげな表情ではなく穏やかな表情を見せた妖精女王に皆さんが喜びの色を見せましたー。

 

 

「ルーシィ!!フラン!!ハイタッチだ!!」

 

「うん!!あー…よかったぁー…!!」

 

 

「嫌ですー。」

 

 

パンッと音を立て喜びに手を合わせる火竜さんと星霊女。

ミーはやりませんよー。

 

 

「シャルルー!!」

 

 

「…一回だけよ」

 

 

それを真似るように雄猫とシアンとシャルルも手を合わせましたー。

 

 

「ウェンディ!」

 

「あ…」

 

 

そして最後に、妖精女王を治した本人であるウェンディに火竜さんが人懐っこい笑みを浮かべ掌を向けましたー。

初めてのことにやや戸惑いながらウェンディは火竜さんの手に自分の手を当てましたー。

パシッといういい音が響きましたー。

 

 

「…えっと…しばらくは目を覚まさないかもですけど…もう大丈夫ですよ…」

 

 

「…凄いねー、本当に顔色が良くなってる…これが天空魔法…」

 

 

「…お取込み中悪いけど、これ以上天空魔法をウェンディに使わせないでちょうだい」

 

 

「ん?」

 

 

腕を組みそう言い放つシャルルに皆の視線が集まりましたー。

 

 

「見ての通り、この魔法はウェンディの魔力をたくさん使うの!!フランは別だけどそれに本気出してないでしょ?フラン」

 

 

「出すまでの相手じゃないので全然手応えないですよー。今の所はー。」

 

 

「っ私のことはいいの…!!」

 

 

シャルルの言葉に首を振るウェンディ。

その時……

 

 

「ッ…!!」

 

 

「何…!?」

 

 

 

突如樹海の奥で目も開けられぬ程の光が上がりましたー。

と同時に轟音が地を揺らし辺りから禍々しい魔力が溢れ出しましたー。

ミーは、ムクロウを出して形態変化をしましたー。

 

 

「ムクロウ、形態変化!!」

 

 

『D・スペードの魔レンズ!!』

 

 

「(これが、霧のボンゴレ匣。魔レンズ越しに睨まれた者は呪われると言われていた。D・スペードの魔レンズ!!)さて、あの光の正体を見破れ!!(これは!?)」

 

 

ミーが形態変化をして分析している時、光は太い柱となり天を裂く様に立ち上がりましたー。

その周りに生き物のような黒い光が柱に巻きつくように蠢きだしましたー。

 

 

「黒い光の柱…」

 

「っまさか…!?」

 

「あれは…ニルヴァーナ…ッ!?」

 

 

感じたことのない悍ましい魔力に冷や汗が流れる。

 

 

「あれがニルヴァーナですかー。それに…この感じは嫌な感じですー。」

 

 

「まさかあの光の柱は、六魔将軍の仕業…!?」

 

 

「、…あの光……―――――っジェラールがいる…ッ!」

 

 

「ジェラール…?」

 

 

確信したように、火竜さんは憎々しげな表情を浮かべぐっと拳を握りましたー。

そして血相を変えてそのまま光の柱へと走り出しましたー。

 

 

「、ナツ!?ジェラールって、どういうこと…!?」

 

 

星霊女が声を上げるがその声は既に火竜さんには届きませんー。

 

 

「ぁ…あぁ…私の…私のせいだ…っ」

 

 

口元を押さえ、目を潤ませるウェンディの姿が霞んで見える。

 

 

「不味いですねー。」

 

 

涙を溜めて震えるウェンディをミーは黙って見つめましたー。

 

 

「私がジェラールを治したせいで…ニルヴァーナが見つかっちゃって…エルザさんやナツさん…ッ」

 

 

許してくださいねー。ウェンディ。

ミーは幻覚でウェンディを気絶させましたー。

 

 

「っはぁ!!」

 

 

「、きゃぁ…!!」

 

 

そこで、ミーはウェンディに攻撃を放ちましたー。

皆さんが唖然とする中、宙を舞ったウェンディの体をベスターが拾いましたー。

 

 

「ち、ちょっと…っ!」

 

「フラン!!アンタ!!いきなり何すんのよ…ッ!!」

 

 

「話はあとですー。急いで下さいー。」

 

 

「え、えぇ!?」

 

 

そう言ってミーは、気絶したウェンディをベスターから受け取り抱え上げて走り出しましたー。

ムクロウはまだ形態変化のままですよー。

 

 

「わ、待ってよー!」

 

「っもう…!」

 

 

ミーに置いて行かれまいと、雄猫とシアンとシャルルも翼を広げ後を追ってきましたー。

 

 

「っ驚かしてごめんなさいー。でも、気絶させただけなのでー。」

 

 

「どうして!?」

 

 

「ったく、もう…。…それで?何で走ってんの!?」

 

 

「火竜さんと妖精女王を追うんですよー。ミーたちも光に向かうんですー。」

 

 

「…でも納得できないわね。同じギルドなのに、確かにウェンディはすぐグズるけどあんな荒っぽいやり方…」

 

 

「そうだよー!」

 

 

「…」

 

 

腕を組みムスッとしているシャルルの言葉にミーは一度黙り混みましたー。

そしてミーは、その場に立ち止まり意を決したように口を開きましたー。

 

 

「…仕方、なかったんですよー。……本当のことを言うと、ミーはニルヴァーナという魔法を知っていますー。噂程度ですけどねー。」

 

「「、!」」

 

 

「え、本当に!?」

 

 

驚きをみせる皆さんに、ミー頷く。

 

 

「ただ、その性質上…誰にも言えなかったんですよー。この魔法は意識してしまうと危険なものですー。ですがこの魔レンズで確信しましたー。」

 

 

「…どういうこと?」

 

 

「その魔レンズは『D・スペードの魔レンズ』といいましてこの魔レンズで睨まれた人は翌日には海で死んでいたって伝説があるんですよー。ホントか嘘かわかんないですけどー。」

 

 

「怖いわ!!」

 

 

「それに、とても恐ろしい魔法なんですよー。…光と闇を入れ替える……――――それが、ニルヴァーナなんですからー。」

 

 

「光と…」

 

 

「闇を…」

 

 

「入れ替える…?」

 

 

キラキラの王子様風の人たちは理解できない、という表情を見せるが、ミーは構わず続けましたー。

 

 

「ですが、それは最終段階ですー。まずは封印が解かれると黒い光が上がりますー。まさにあの光ですー。」

 

 

そう言って空を見上げるミー。

その空には、黒い光の柱が天高く上がっていますー。

 

 

「黒い光は手始めに光と闇の狭間にいる者を逆の属性にするんですー。」

 

 

「逆の属性…」

 

 

「…強烈な負の感情を持った者は…―――――闇に落ちますー。」

 

 

ミーの言葉を聞き、そこでシャルルはハッとしましたー。

 

 

「それじゃぁ…ウェンディを気絶させたのは…!!」

 

 

「自責の念は負の感情なので、あのままじゃウェンディは闇に落ちていたかもしれないですよー。間一髪でしたよー。」




評価こ、来ない…。
まぁ、人気ないんだろうな…。
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