消えた蛙は魔法の世界で…   作:五月雨☆。.:*・゜

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ミーは、妖精女王とジェラールを見つけましたー。

 

 

 

「っ、ジェラァァール!」

 

 

倒れるジェラールを追いかける様に走り出す妖精女王。

その瞳からは溜まった涙が零れ落ち空に消えましたー。

 

 

「く…っ」

 

 

駆け寄った妖精女王はジェラールの胸倉を掴み上げて揺さぶるが、ジェラールは瞳を閉じたまま反応を示しませんー。

ジェラールの胸元の自立崩壊魔法陣が徐々に喉元へと広がって行きましたー。

 

 

「自立崩壊魔法陣の解除コードを墓場に持って逝く気かよ…!!」

 

 

「っ、許さん…!!このまま死ぬことは私が許さん…ッ!!」

 

 

毒蛇使いの言葉を聞き、妖精女王は先程よりも強くジェラールを揺さぶりましたー。

 

 

「お前には罪がある!!思い出せ…!!何も知らぬまま楽になれると思うな…ッ!!伝えたいことがあるなら自分で伝えろッ!!」

 

 

「、ぅ…」

 

 

妖精女王の声と揺さぶりに、ジェラールの瞼が僅かに開かれましたー。

だが、瞼の隙間から覗く瞳には光がないですよー。

 

 

「生きて足掻け…ッ!!ジェラール!!」

 

 

「…っ」

 

 

力なく、再び閉じられようとした瞼は、妖精女王の悲痛な叫びに反応し大きく見開かれましたー。

ジェラールの瞳に光が戻り、妖精女王の姿を映しましたー。

 

 

「…、…」

 

 

歯を食いしばり、涙を流す妖精女王。

その姿をジェラールは茫と見つめ目を細めて微笑みましたー。

 

 

「エルザ…何故…君が、涙を?」

 

 

「、…ぁ…」

 

 

ジェラールにそう言われ、今初めて気が付いたように己の手を見つめましたー。

鎧で覆われた妖精女王の手には零れ落ちた涙の痕。

 

 

「優しい、んだな……、…」

 

 

「っ、ジェラール!」

 

 

嬉しそうに微笑み、ジェラールが再度目を伏せましたー。

ジェラールが身体から力を抜いたことで、ぐっと妖精女王の腕に重みが掛かりましたー。

 

 

「ジェラール!しっかりしないか!―――――っ!?」

 

 

必死にジェラールを起こそうとしている妖精女王の背後、突然杖が地に打ち付けられ、トンッという音が響来ましたー。

 

 

「―――――…これは一体何事か?」

 

 

「、お前は…!!」

 

 

腕で涙を拭い、音と声のした方に妖精女王が振り返るとそこには六魔将軍のブレインが立っていた。

 

 

「…自立崩壊魔法陣」

 

 

「っジェラールが組み込みやがった!!マズイぜ…このままじゃ、せっかくのニルヴァーナが消滅しちまう…ッ!!」

 

 

ニルヴァーナに広がる魔法陣を見上げ呟きを溢すブレイン。

そんなブレインを見、毒蛇使いは切羽詰まった声で状況を説明しましたー。

 

 

ニルヴァーナは間も無く崩壊する……

しかし、こんな状況だというのにブレインは口角を上げ面白おかしげに笑いましたー。

 

 

「クク…案ずるなコブラよ。私が何故、ブレインというコードネームで呼ばれているか知っておろう?」

 

 

「…、?」

 

 

笑みを浮かべたまま近づいてくるブレインに構えながら、妖精女王は話に耳を傾けましたー。

 

 

「私はかつて、魔法開発局にいた。その間に我が知識をもってして作り出した魔法は数百にも昇る」

 

 

「…」

 

 

「その一つがこれ……、自立崩壊魔法陣。――――――私がうぬに教えたのだ。忘れたか?…ジェラール」

 

 

「…!」

 

 

驚きに目を見開く妖精女王

その傍らに倒れているジェラールも、僅かに瞳を開けますー。

 

 

「フン…自らの身体にも自立崩壊魔法陣だと?解除コード共に死ぬ気だったというのか」

 

 

「エーテルナノの影響で記憶が不安定らしい。どうやら、自分が悪党だったってことも知らねぇみてぇだ」

 

 

「フ、クハハハ…!何と…滑稽な」

 

 

「…ッ」

 

 

自立崩壊魔法陣の影響で苦しむジェラールを見下したように笑うブレイン。

妖精女王がキッと睨み付けるが、ブレインはそれを躱し自立崩壊魔法陣が組み込まれているニルヴァーナへと近づ来ましたー。

 

 

「クク、解除コードなどなくとも…魔法陣そのものを無効化できるのだよ。…私は!!」

 

 

そう言ってブレインは自立崩壊魔法陣に手を翳し、スッと手を振り上げましたー。

すると、広がっていた魔法陣がまるで逆再生されるかのように砕け消えて行きましたー。

 

 

「、…そんなッ…」

 

 

絶望的な表情をするジェラールをブレインが嘲笑いましたー。

 

 

「哀れだなジェラール。――――ニルヴァーナは私が頂いた!!」

 

 

両腕を広げ、そう高らかにブレインが告げた。

…だが…

 

 

「っ!?」

 

 

突如悪寒が背筋を走り、バッと上を仰ぎ見ましたー。

何事だ?と、妖精女王たちもつられる様に上を向く。

すると…―――――

 

 

「気づくの遅いですねー。」

 

 

「な…、貴様…『闇ギルド潰し藍霧の幻術師』ッ!?」

 

 

「てめぇ…!」

 

 

「フラン…!」

 

 

「…、」

 

 

そこには、巨大な魔法陣を展開しているミーの姿。

魔法陣の向く先にはニルヴァーナ。

ミーは、形態変化したままのD・スペードの魔レンズを使いニルヴァーナの弱点を探しそこに嵐属性の"分解"と雲属性の"増殖"を使い大量の魔法陣を作り上げましたー。

 

 

「あれは…なんだ」

 

 

「ニルヴァーナを破壊する気かよ…!?」

 

 

ミーの行動に焦りを見せるブレインと毒蛇使い。

妖精女王とジェラールはただ唖然としていましたー。

 

 

「っさせるか!!キュベリオス!!」

 

 

「、っ待て…!」

 

 

妖精女王が反応するよりも早く、毒蛇使いの声にキュベリオスはシャーッと鳴き体を地に叩きつけてぐんっと宙へと飛びましたー。

毒牙を剥く先には、魔法陣を展開していて身動きが取れないミー。

 

 

 

「ッ…!」

 

 

「フラン!!」

 

 

「何てこと、を…」

 

 

キュベリオスの牙がミーの肩に突き刺さる。

ミーはキュベリオスが喰らい付いてそのまま真下に落ちて行きますー。

しかし、それが本物でしたらねー。

その直後に幻覚のミーはそのまま粉砕しましたー。

 

 

「なっ!!なんだと!!!」

 

 

「ミーは、ここですよー。」

 

 

ミーはすぐに解け掛けた魔法陣を再度発動させようとしましたが…時既に遅しでしたよー。

 

 

「フハハハハッ!!残念だったな!!ニルヴァーナは私のものだ!!」

 

 

一瞬の間に発動してしまうニルヴァーナ。

これではもう破壊のしようがないですねー。

 

 

「ちえ……」

 

 

ミーが舌打ちを付く間もなく、ニルヴァーナの周りが下から順に崩壊し始めましたー。

 

 

「フラン…!ジェラール!、…ッあ…っ」

 

 

二人に駆け寄ろうとする妖精女王だが、崩れる瓦礫に足を取られそのまま崩壊に巻き込まれてしまいましたー。

 

 

「エルザ!…っ!?」

 

 

落下するエルザの手を掴もうと腕を伸ばすジェラールだが自身の下の地も崩壊し始めバランスを崩してしまいましたー。

そんな二人を見てため息をするミーは空を蹴ると幻覚で出来た鷹に乗り2人の元へ向かいますー。

 

 

「妖精女王!!ジェラール!!捕まれ…ッ!!」

 

 

「フラン…!」

 

 

「、…!」

 

 

自分たちを追いかける様に崩壊の中に飛び込んできたミーに、妖精女王とジェラールも腕を伸ばしましたー。

幻覚で出来た鷹は爪で2人を掴みミーは2人を背に乗せましたー。

 

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