消えた蛙は魔法の世界で…   作:五月雨☆。.:*・゜

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ミー達は、まだまだ諦めませんー。

 

 

 

―――――…ニルヴァーナの発動は、光の柱をより太くしそして轟音と共に激しく地を揺らし始めましたー。

樹海に散らばっている連合軍は驚きに目を見開きただ揺れに耐えましたー。

すると、光の柱を中心に地面から何かが盛り上がり始めましたー。

それは、所々に苔や蔦が巻き付いた古い石で造られており何本もある"それ"は、何やら昆虫の足のようでしたよー。

 

 

「気持ち悪いですねー。」

 

 

視界を遮断していた砂煙が晴れ、徐々に"それ"の正体が明らかになって来ましたー。

地中から伸びた六本の足に支えられてその中心には巨大な古い都市の様なものが出てきましたー。

―――――これがニルヴァーナの最終形態なんですねー。化猫の宿のマスターー。

 

 

「光を崩す最終兵器、超反転魔法…ニルヴァーナ!!正規ギルド最大の武器である、結束や信頼は今この時をもって無力となる!!」

辺りに響き渡るブレインの勝ち誇った高らかな声を聞きましたー。

 

 

 

「…舞えムクロウ、形態変化!!」

 

ムクロウがVGになり武器も三叉の槍から、イヤリング同様の飾りを持った杖になりましたよー。

鷹に、乗ったエルザに手首を掴まれ同じくぶら下がっているジェラールの姿がありましたー。

 

 

「エルザ…」

 

 

「…っ自分にかけた自立崩壊魔法陣を解け!!お前には、生きる義務がある!!」

 

 

エルザの言葉に、ジェラールは悔しげにしていましたー。

 

 

「俺は…ッ…ニルヴァーナを止められなかった…っ!!」

 

 

「それは、ミーも同じですー。」

 

 

「、!」

 

 

吐き出すようなジェラールの言葉に、ミーは答えましたー。

ジェラールが顔を上げましたー。

 

 

「…きみ、は…」

 

 

「それより、早く行きますよー。」

 

 

ジェラールが何か言おうとするが…口を閉じましたー。

 

 

「っ、揺らしますよー。妖精女王ー。タイミングを見て飛んで下さいー!!」

 

 

「わかった!」

 

 

了承の声を合図に、ミーは妖精女王を前後に揺らすように幻覚を動かし始めましたー。

すると、ミーと妖精女王とジェラールの体は振り子のように揺れ始め、その揺れは徐々に大きなものとなって行きましたー。

 

 

「行きますよー。」

 

 

「っあぁ!」

 

 

後方に大きく揺れ、一度宙で停止するミー達。

そこから一気に幻覚の鷹は、前へと押されましたー。

そして、近づいた瞬間を見計らいミー達は飛びましたー。

 

 

「ふう…」

 

 

「っ、」

 

 

勢いよく飛ばされた妖精女王とジェラールは、ニルヴァーナの足の付け根部分のスペースに打ち付けられましたー。

背中の傷みに顔を歪めながら、妖精女王は端へと移動し下を見下ろしましたー。

 

 

「大丈夫かフラン!」

 

 

「大丈夫ですー。」

 

 

ミーはは妖精女王に手を振りましたー。

 

 

「大丈夫ですかー?」

 

 

「あぁ」

 

 

「…」

 

 

ミーは無事を確認する声に、妖精女王は頷いてくれたがその傍らのジェラールは暗い表情で俯いたままでしたよー。

 

 

「…ジェラール?」

 

 

「…もう…終わりなんだ……」

 

 

肩を震わせ、そう呟くジェラール。

ニルヴァーナを止められなかったことを悔やんでいるようですねー。

 

 

「何が終わるものなんですかー?見て下さいよー。」

 

 

「?」

 

 

「来ましたー。」

 

 

妖精女王が見ろと促す方へ、首を傾げながら視線を向けるジェラール。そしてやや驚きの声を上げましたー。

 

 

 

「―――――うおぉぉおおぉぁぁ!!」

 

 

 

ミー達の視線の先には、雄叫びを上げながら猛スピードでニルヴァーナの足を駆け上がる火竜さん。

その後ろに氷魔法の変態さんと星霊女と続き、他の足にも連合軍の面々の姿が確認できましたー。

まだ、誰も諦めていませんー。

 

 

「…私たちは決して諦めない。希望は常に繋がっている」

 

 

力強い妖精女王の言葉。

風に揺れる緋の髪が美しいですねー。

 

 

「生きて、この先の未来を確かめろ、ジェラール」

 

 

「……行くよ、一緒に」

 

 

ふっ、と微笑むジェラール。

その顔にはもう恐れの色はなかったですー。

 

 

ジェラールは、ゆっくりとした動作で差し出された妖精女王の手を握り向かい合う様に互いに立ち上がりましたー。

暖かな風がミー達の髪を撫でましたー。

 

 

あれからミー達は都市の様な古い遺跡を散策していましたー。

ここはかつて、古代人ニルビット族が住んでいた都市だそうですー。

 

 

今からおよそ四百年前のことでしたー。

世界中でたくさんの戦争があったそうですー。

中立を守っていたニルビット族はそんな世界を嘆き世界のバランスをとるための魔法を作り出しましたー。

 

それが、光と闇を入れ替える超魔法 ニルヴァーナ。

この名は、平和の国を意味して付けられたものだが、皮肉にも、今は邪悪な目的のために使われようとしていましたー。

 

 

ニルヴァーナについては、ジェラールの説明で大体理解しましたー。

あとは止め方だけだが、これに関してはジェラールもお手上げらしいですー。

 

 

取り合えず今は、ニルヴァーナを動かしているであろう。ブレインを目指していましたー。

 

 

「、まただ…」

 

 

「あっちからも闘いの音が聞こえる…」

 

 

「派手ですねー。」

 

 

途中、所々で上がる激しい戦闘の音がミー達の耳に届いていましたー。

誰が闘っているのかを知るべく耳を済ませるミー。

 

 

――――――空を羽ばたく音、威嚇の声、咆哮、酸素が燃える音…

そして感じる、二頭の竜の気配。

 

 

 

「…あれは火竜さんですねー。…、相手は毒蛇使いですねー。』

 

 

「ナツが…」

 

 

六魔将軍のコブラが滅竜魔導士だということは、確信はありましたー。

毒蛇使いは相手の心の声を聞く能力を持っているみたいですー。

 

 

「あっちは…知らない声ですー。…多分六魔将軍ですねー。」

 

 

火竜さんからやや離れたところから聞こえる闘いの音。

どういうことかはわからないがどうやら六魔同士で闘い合っているらしいですねー。

 

 

そして、大地を揺らす"何か"咆哮が辺りに木霊しましたー。

ミー達は声が聞こえてきたに方向に目を向け辺りを窺う。

その咆哮はまるで、本物の竜(ドラゴン)の声の様ですねー。

 

 

「、何だこの声は…?」

 

 

「火竜さんですねー。」

 

 

「…、ナツ……」

 

 

全くアイツは、と苦笑する妖精女王と、眉を寄せて考え込むジェラール。

そしてミーは怒気を含んだ火竜さんの咆哮に鳥肌を立たせいましたー。

これはきっと、ミーの内の竜が、火竜さんという竜を意識したからですかねー。

相変わらず、火竜さんは凄まじいですー。

 

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