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その頃、毒蛇使いを倒した火竜さんは氷魔法の変態さんやジュラたちと合流して今度は六魔将軍の司令塔である、ブレインと交戦していましたー。
交戦と言っても闘っているのは蛇姫の鱗(ラミアスケイル)のジュラであり乗り物に弱い火竜さんは動くニルヴァーナにただ苦しんでいましたー。
「常闇奇想曲(ダークカプリチオ)!」
「岩鉄壁!!」
目の前では、六魔と聖十の激しい攻防が繰り広げられていましたー。
氷魔法の変態さんと星霊女は唖然とその光景を見つめていましたー。
「これはリオンが"さん"付けで呼ぶわけだ…」
「こいつらと一人で闘ってたフランも凄かったけど、ジュラも凄い!!」
「あい!!」
「ふんっ!」
「ぐああぁぁ…ッ!」
幾度となく訪れるピンチをジュラは冷静に覆してブレインを追いこんでいましたー。
そして激闘の末、遂にジュラは六魔将軍のボスのブレインを倒しましたー。
「ま…まさかこの私が…やられる、とは…ッ…、ミッドナイトよ…あとは頼む…、六魔は…決して倒れてはならぬ…ッ」
「「「…」」」
最後の力を振り絞り、懇願するように呟くブレインを氷魔法の変態さん達は黙って見下ろしていましたー。
「六つの祈りが消えるとき…あの方が…ッ、」
「あの方…?」
ジュラの疑問に答える前に意識を失うブレイン。
その間際、ブレインの顔の模様がスッと消えたように氷魔法の変態さんの目に映りましたー。
「コイツの顔…模様が一個消えたように見えなかったか?」
「ぶ、不気味なこと言わないでよー!!夢に出ちゃうじゃない…!」
「うーむ…」
腑に落ちないがこれでほとんどの六魔は倒しましたー。
残るはブレインの言っていたミッドナイトという男のみらしいですー。
取り合えず、今はニルヴァーナを止めることが先決と、氷魔法の変態さん達がこれからどう動くべきか考えてますー。
すると……
「―――――皆さーん!!」
「、?ウェンディ!!」
遠くから聞き慣れた声が聞こえて来ましたー。
目を向ければ、一生懸命こちらに走ってくるウェンディとシャルルの姿が映りましたー。
「やっぱりこの騒ぎはアンタたちだったのね…」
「っこの都市!!私たちのギルドに向かっているかもしれません!」
「…らしいが、もう大丈夫だ」
「え?」
首を傾げるウェンディに氷魔法の変態さんが事の顛末を話すと、パァと顔をほころばせた。
ニルヴァーナを動かしていたのはブレイン。
そのブレインを倒したのだから、ニルヴァーナを止められるはずですー。
「気になることが多少あるが…これで終わるのだ」
「っ、まだ終わりじゃねぇーよ…ッ」
「ん?」
深刻そうな声を上げる火竜さんに、皆が不安げに目を向けましたー。
「…早く、…これ、とめてぇ…!おぶぉ…っ!」
「ナツさん!まさか…毒に…っ!?」
「「うーん…」」
ただの乗り物酔いを毒による影響かと心配するウェンディに、氷魔法の変態さんと星霊女が呆れながら首を横に振りましたー。
ジュラも珍しく苦笑いを浮かべている。
「もう、雄猫もよ!全くだらしないんだから!」
「あい…」
*
―――――…僕は、僕は夢を見る
「む!?」
脳内に響き渡る声にホットアイが目を見開く。
ニルヴァーナの影響で連合軍側についたホットアイは、六魔将軍のミッドナイトと交戦していた。
六魔同士の闘いは激しさを見せたが、それはホットアイの勝利ということで終結したかと思われた。
だがしかし、目の前には傷だらけだというのに、なお、立ち上がるミッドナイトの姿。
それに少し様子がおかしい。
「君も夢を見る…、……真夜中に」
不敵な笑みを見せるミッドナイト。
その体には先程まであった傷が跡形もなくなっている。
「…?、っああぁぁあ゛ぁぁあ…ッ!?」
そして突然悲鳴を上げるホットアイ。
その悲鳴はまるで体を引き絞るかのような声だ。
「僕に魔法は、あたらない」
「ああ゛ぁぁ…っ…ああぁあぁぁっっ…!?」
「僕は父上をも超える、最強の導士なんだ」
化粧の施された黒の唇が三日月の様に吊り上る。
それを境に、ホットアイの悲鳴が途絶えた。
―――――…ブレインの顔からまた一つ、謎の模様がスッと消えた。