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仲間達が火竜さん達が立ちあがることを願い信じて呼びかけ続けていますねー。
「聞こえるだろ。ナツ…さっさと返事をしろ」
妖精女王の言葉が響いた瞬間でしたねー。
『…オウ!』
威勢のいい返事がミーに聞こえて来ましたー。
火竜さん達はフラフラになりながらも必死に身を起こしていますー。
「6個の魔水晶を、同時に壊す…!」
「運が良い奴は、ついでにゼロも殴れる…でしょ」
「あと18分。急がなきゃ…シャルルとウェンディとシアンとフランのギルドを守るんだ!」
『もうすぐ…念話が切れる…頭の中に、僕が送った地図がある…各ラクリマに番号を付けた。全員がバラけるように…決めてくれ…』
「1だ!」
火竜さんは1番を選択したそうですー。
「2!」
「3に行く! ゼロが居ませんように…」
裸の変態さんは2番で星霊女は3番のようですねー。
『私は4に行こう…ここから一番近いと香りパルファムが教えている』
『教えているのは地図だ』
『地図ですよー。馬鹿なんですかー?』
『2人共、そんなマジでツッコまなくても…』
『私は5に行く』
「エルザ、元気になったのか!」
『ああ、お陰さまでな…』
パルファムさんが4番、妖精女王は5番ならミーは…。
「ミーは、6番に向かいますー。」
とにかく、全部の魔水晶に人が割り振られたたようですー。
ちょうど念話も切れてクリスティーナが落下してしまった。
おそらくは火竜さんの所に六魔将軍のマスターがいるのは確かでしょうねー。
まぁ、ミーには関係ないことなので火竜さんが倒してくれることを願いましょうかー。
*
ルーシィはふらつきながら魔水晶に向かっていた。
しかし、その息は荒い。
「ルーシィ、急ごうよ。もう残り時間が10分切っちゃったよ」
「う、うん…分かってる…うっ」
ハッピーが励ますがルーシィはふらついて壁に手をついた。
「ルーシィ!」
そのままルーシィは膝をついてしまう。
「ルーシィ大丈夫?」
「うん、大丈夫…みんなも頑張ってるんだ。アタシも頑張らなくちゃ…!」
ルーシィは気合を入れて立ちあがった。
残り五分。
ルーシィはなんとか3番の魔水晶ラクリマに辿り着いた。
しかし、彼女の顔は俯いたままだ。
「…ルーシィ?」
ハッピーが疑問の声を上げるとルーシィは震える声で悔し涙を流した。
「見栄とか張ってる場合じゃないのに…『できない』って言えなかった」
座り込んで泣くルーシィ。
ハッピーは掛ける言葉が見つからなかった。
「もう…魔力がまったくないの…」
エンジェル戦の時、大量に魔力を消費してしまってそれがまだ回復していないのだ。
「だ、だったら!ナツに任せればよかったんじゃ…!」
「ナツは鼻がいいんでしょ?」
ルーシィの言葉にハッピーは言葉を止めた。
「ナツは匂いでゼロがどこにいるか分かってたんだと思う」
しかし、そこでルーシィはキッと顔を上げた。
「それでもウェンディとフラン達のギルドを守りたい、俯いていたくない。だからあたしは最後まで諦めない」
自分は妖精の尻尾の魔導士だから。
絶対に諦めたりしない。
その覚悟でルーシィは立ちあがり素手ででも壊そうと考えていた時…。
「「時にはその想いが力になるんだよ」」
後ろから声が聞こえた。
ルーシィたちがそちらを向くとそこには……。
「「君の想いは僕たちを動かした」」
「ジェミニ!?」
エンジェルの星霊であったジェミニだった。
「「ピーリッピーリッ」」
ジェミニはルーシィに変身すると鍵を取り出した。
「僕たちが君の意志になる。5分後にこれを壊せばいいんだね?タウロスでいい?」
星霊の中でも怪力であるタウロスが妥当だと踏んだのだろう。
「…お願いっ!」
「あい!!壊せるよ!!」
ハッピーは思わぬ助っ人に喜んだ。
*
ジェラールの魔法によってドラゴンフォースを解放したナツ。
ドラゴンの力が発揮されようとしていた。
「ドラゴンフォース…粉々にするには惜しい男だが…」
滅竜魔法というのがどれほど貴重なのかはゼロでも分かる。
その使い手を潰すのはちょっともったいない。
「もうよい。楽しかったよ…」
十分楽しめた。
ゼロは手に魔力を纏わせゆっくり回転させた。
「貴様らに最高の『無』をくれてやろう。我が最大魔法をな!」
ゼロの魔力も高まった。
宣言通り大技を放つつもりらしい。
「『滅竜奥義』!!」
ナツは同時に構えた。
「『紅蓮爆炎刃』!!」
残り1分。
*
ジェミニはタウロスを召喚した。
気分的にルーシィも一緒に唱える。
「「開け!!金牛宮の扉…タウロス!!!」」
「よーし!!」
「MOOOOOOO!!!」
雄叫びを上げながらタウロスが召喚された。
「「頼んだからね!!タウロス!!」」
「MOOOO!お任せあれ!二人のナイスバディ!!」
タウロスは斧を構えた。
*
「我が前にて歴史は終わる…。無の創世記が幕を開ける」
ゼロは突っ込んでくるナツを見据えた。
そして、カッと目を見開く。
「『ジェネシス・ゼロ』!!」
そう叫んだ瞬間、ゼロから怨霊のようなものが溢れだした。
「開け、鬼哭の門!」
怨霊がゼロの背後から前から横から下から、大量発生する。
人のなれの果てのようなその姿。
表情は苦痛しかなく、全身が禍々しい紫色に包まれている。
見ただけで感じる、おぞましい感覚に総毛立つ。
その者たちがナツ達に向かって手を伸ばしてきた。
「無の旅人よ。その者たちの魂を、記憶を、存在を喰い尽せぇ!!」
限りのない怨霊たちがナツ達をあっという間に覆い尽した。
「消えろ!!『無』の名の元に!無の彼方へ!!」
「あああああああああああっ!!!」
ナツの雄叫びが響くと、同時に…。
ゼロの視界にははっきりと、ナツの後ろで咆哮するドラゴンが見えた気がした。
ドラゴンを倒すために、ドラゴンと同じ力を身に付けた魔導士!
ナツはグーをゼロの顔面にめり込ませた。
これが本物の、滅竜魔導士!!
ぶっ飛んだゼロに向けて、ナツは構える。
「全魔力解放…!」
ボゥ、と炎が燃え広がった。
「『滅竜奥義「不知火型」』!」
そして、思いっきり突っ込んでいった。
「『紅蓮鳳凰劍』!!!」
炎を纏ったナツがゼロに直撃しそのまま天井を突き破り、上へ上へと進んでいく。
その姿はまるで本物の鳳凰のようで。
残り10秒。
「うごあああああああああ!!!」
「うおおおおおおおおおお!!!」
ナツ一緒に燃えているゼロは既に白目だ。
しかし、ナツはそのまま突き進んで―――――魔水晶のある場所まで到達した。
飛びあがって、ゼロをぶっ飛ばす。
「ナツ…!」
ジェラールはそれを見て喜色を浮かべた。
これが、滅竜魔導士の真の力
「があああああああああああああっ!!!!」
大きく斬り裂かれたゼロ。
彼は血を撒き散らしながら落下して動かなくなった。
残り3秒。
そのまま魔水晶まで向かう。
スパッ、と斬撃が魔水晶を通っていった。
直後、魔水晶ラクリマが罅割れ、粉々に砕けた。
ナツ、1番の魔水晶、破壊!
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「頼んでぞ!みんな!!『氷雪砲』!!」
グレイ、2番の魔水晶、破壊!
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『いっけえええええええええ!!!』
「MOOOO裂――――!!!」
ルーシィ、ハッピー、3番の魔水晶、破壊!
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「キラメキ無限ダーイ!!!」
一夜、4番の魔水晶、破壊!
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「この一撃に、残された魔力を全て込める!おおおおおおおおおっ!!!」
エルザ、5番の魔水晶、破壊!
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「ミーの力はこれだけじゃないんですよ!!幻術と滅竜魔法を組み合わせた魔法を喰らうといいですよー。『幻竜の咆哮!!』!!!」
「『天竜の咆哮!!』!!」
フラン、ウェンディ6番の魔水晶、破壊!
その途端。
ニルヴァーナの6つの足の根元付近から爆発が起きた。
その時、天井が崩れ落ちた。
「嘘、どうしよう!!フランくん」
「ウェンディ、捕まって下さい。外に出ますので…」
「とうやって?」
「此処に来る前に少しだけ仕掛けて置いたんですよー。」
「(初めて使うので失敗しなければ良いんですけどねー。)幻竜の羽衣!!」
フランの幻竜の羽衣は背中に天使の羽根を生やして移動することが出来るらしい。
フランとウェンディとシアンとシャルルは幻竜の羽衣で無事に脱出した。
崩壊していくニルヴァーナの外にて。
ルーシィたちはホロロギウムのお陰で無事脱出できた。
他の人たちもうまく脱出できたらしい。
ナツ、そしてジェラールを除いてだ。
「ナツさんは!?ジェラールも!」
「見当たらないな…」
「何してやがんだ…クソ炎!!」
いつまで経っても現れない二人にみんな不安になった。
その時……。
「ニルヴァーナが!!」
ニルヴァーナが音を立てて完全に崩壊した。
「そんな…!」
遅かったかと絶望した時のことだった。
急に地面が盛り上がり、人が現れる。
「愛は仲間を救う…デスネ」
ナツ、そしてジェラールを抱えたリチャードだった。
「ナツ!!」
シャルルが警戒したように叫んだ。
「六魔将軍がなんで!?」
「色々あってな…大丈夫…味方だ」
ウェンディたちを助けて、外まで連れ出してくれたジュラが宥める。
そして、ナツが下された途端。
ウェンディはナツに抱きついた。
「ナツさん!本当にありがとう!ギルドを…守ってくれて…!」
見るとうっすらと涙が浮かんでいる。
うれし涙らしい。
こうして、ミー達、連合軍と六魔将軍との戦いはミー達の勝利で終わったのでしたー。
「めでたしめでたしでは無いですよー。此処だけの話、あと一話あるんですよ。見てくださいねー。」