そういえば、フィンランド行ってきました
行きたい行きたいと言ってやっとです ブレイブウィッチーズへ向けてのモチベーションも上がりましたね!
感想、アドバイス、ミスの指摘などよろしくお願いします
「ほら、まずは駆けつけ一杯だ」
「よくそんな扶桑語を知ってましたね・・・」
アウロラは自分の鞄から出した酒瓶を神崎に押し付け、それを神崎は受け取っていた。すでに列車は発進し、ラドガ湖方面とは逆方向に進んでしまっている。ここまで来てしまえばもう諦めて彼女に付き従う他無かった。
「それで・・・何処に向かっているんですか?」
神崎は質問しつつ押し付けられた酒瓶をしげしげと眺めた。出来れば飲みたくは無いが、彼女を相手にして出来そうにもない。喉も渇いていたのも否めないので、黙って飲むのが吉だろう。
神崎が栓を開けたのを満足そうに見たアウロラは、自身の酒瓶を揺らして答えた。
「とりあえずソルタヴァラに行く。復旧後の視察という名目だが、基地ではなく近隣の街に泊まる。雰囲気のいい所だ。景色もいいし、食事も美味い」
「とりあえずということは・・・本当の目的地は?」
「ベルツィレという所だ」
神崎の知識にソルタヴァラは知っていたが、ベルツィレという所は大して知らなかった。確か、そこにもスオムス空軍の基地があったはずだが・・・。
「そこにも視察ですか?」
「まぁ・・・そんな物だな。私の野暮用でもあるが・・・」
「はあ・・・」
神崎は曖昧に返事をしつつ酒瓶に口をつけようとして・・・直前でアウロラに止められた。何をするのかと視線を向ければ、アウロラはニヤリと笑って自分が持つ酒瓶を掲げた。
「旅の始まりを祝して、だ。乾杯もせずに飲むなんて味気ないだろう?」
「・・・確かに」
ガチンッと、瓶と瓶がぶつかる無骨な音が2人の間で鳴る。
2人を運ぶ列車は順調に旅路を進んでいった。
一方、その頃ラドガ湖では・・・。
隊長であるアウロラが休暇であっても、部隊は通常通りのシフトで動いている。現在、中尉であるマルユトが一時的に指揮を引き継いでいた。
しかし、神崎が休暇で抜けている扶桑皇国海軍スオムス派遣分隊は少し毛色が違った。
ソルタヴァラ基地の機能が回復したのに合わせて、再編成されていた12戦隊と14戦隊が戦線に復帰した。それにより、今まで担当していた広大な作戦空域が大幅に縮小されたのだ。というよりも、ようやく適切な作戦空域に戻ったと言った方が正しい。そもそも
そのような理由もあり、現在スオムス派遣分隊唯一の戦力となっている島岡は、激減した哨戒任務をこなしつつ慣れない机仕事に精を出していた。今まで神崎が片付けていた出撃に関する書類仕事を、彼が休暇中の間は自分でこなさなければならない。
格納庫に隣接されている大きめの事務室で、島岡はカリカリとペンを動かしている。時折止まってはまた鳴り出す、を何回か繰り返したところでカタリとペンを置く音が鳴った。
「あ゛あ゛あ゛~。書類書くの面倒くせ~」
島岡は凝り固まった背中の筋肉を伸ばして愚痴を零すと、苦りきった表情を一変させていそいそと一通の便箋を取り出した。つい先程アフリカから届いた加東からの手紙で以前と同様にそれなりの厚さがある。
「今回も写真が入っているかね~」
「どんな写真が入っているんですか?」
「そりゃあ、ケイさんとかマルセイユとかライーサの・・・って!?」
いつの間にか自然に会話していたが、島岡は慌てて背後を振り返り、何を驚いているんですかとばかりに不思議そうにしているシーナを見た。
「何時の間に入ってきたんだよ・・・」
「つい先程、余程集中して書いていたんじゃないですか?」
「本当かよ・・・?」
島岡は首を捻りつつも便箋を開こうとして・・・ふと思い立ち手を止めた。折角なら、こんな仕事の合間よりもゆっくりと腰を据えて読みたい。上手いことに明日は午後からは非番だ。
いきなり動きを止めた島岡を不思議に思ったのか、シーナは小首を傾げた。
「読まないんですか?」
「いや、明日釣りをしながら読むことにした。そうと決まれば、今日は緊急発進の待機だけだな」
便箋を上着の内ポケットにしまい、机の書類を片付け始める島岡だが、そこであることに気付いた。そういえば、シーナは何をしにここに来たのだろうか?
「そういや、ヘイヘさんはどうしてここに?」
「特に理由は無かったんですが、今出来ました」
「へ?」
書類を整理する手を止めた島岡に、シーナは表情を変えずに言った。
「明日、島岡さんの釣りに一緒に行ってもいいですか?」
ソルタヴァラ基地の正門。その警衛所近くにある待機室にアウロラと神崎はいた。アウロラは至極普通の表情だが、神崎は酷く疲れた顔をしていた。
「・・・大尉?」
「なんだ、どうした?」
アウロラの返事も至極普通だ。だが、質問した神崎が更に表情を険しくさせた。それもそのはずで・・・。
「なんで大尉はあんなに飲んでそんな平気そうなんですか・・・?」
「おいおい。今更だろう?私にとって酒なんぞ水だ。いや、むしろ私にとっての水が酒なんだ」
「・・・もう人間じゃないんじゃ?」
列車での移動中、神崎が最初の一瓶を開けてしまうとアウロラが次から次へと新しい酒を取り出し、持ち込んだ分が尽きれば(相当数入っていたはずなのだが・・・)停車駅で買い足していき、ソルタヴァラに付く頃には神崎は今までで一番酔っ払い、正常な意識やら、体の平衡感覚やら失いかけていた。
アウロラに引き摺られるようにして予定の宿に入り、気が付けば本日の朝。頭を割るような頭痛にまず驚き、近くに寝ていたアウロラ放っておいて視察のためにとりあえずシャワーで酒臭さを消すことにしたのが目覚めて3分後。
酒臭さは取れても頭痛は取れず、何時の間にやら吐き気も併発して、それらを我慢し諸々の準備をしているとアウロラが目覚めた。
『おはよう。いい朝だな』
神崎以上の酒量だったのも関わらず、むかつく位のさわやかさに神崎は溜息を吐くことを止められなかった。何故同じ部屋にしたのか聞きたかったが、話すたびに頭に声が響いて必要以上に声を出したくなかった。
『水を飲んでおいた方がいいぞ』
アウロラの助言に従うのは癪だったが、彼女の準備が終わるまでの間に水を飲み続けて吐き気は治めた。アウロラもしっかりと身なりを整え、宿を出発。
そして今に至る。
「お待たせしました」
アウロラに二日酔いをからかわれている間に、ソルタヴァラ基地視察の担当官がやって来た。気の良さそうな若い中尉である。スオムス空軍の士官服をきっちりと着こなしている辺り、真面目そうな性格が窺えた。
「ユーティライネン大尉と神崎少尉ですね。それではご案内します」
「ああ。よろしく頼む」
担当官を先頭にソルタヴァラ基地の中に入る神崎とアウロラ。周りを見れば、基地内は復旧後間もない為か所々で真新しさが目に付く。話を聞く限り、この基地はネウロイの爆撃で相当な被害を受けたはずである。それをこの短期間で復旧させたのは驚異的だった。
「基地機能はどのくらい復旧したんだ?」
隣のアウロラも神崎と同じように基地を見回していたようだ。彼女の質問に担当官は気持ちよく答えてくれた。
「航空
「数ヶ月でここまで復旧させるとは・・・。意外と空軍はいい仕事をする」
「ここが落とされたことで周辺部隊に多大な負担をかけることになりました。その為少しでも早く復旧すべく皆奮起したんです」
「確かに負担にはなったが・・・私達はまだまだネウロイを撃退できたがな。神崎もそう思うだろう?」
「・・・最大限努力するだけです」
さも当然だとばかりのアウロラの問いかけに神崎は静かに答えたが、心中勘弁してくれとばかりに溜息を吐いた。毎日怒涛のように押し寄せてくる緊急迎撃任務や哨戒任務、近接航空支援など休みもなしに誰が好き好んでやろうとするのか?
そんな神崎の気持ちを察してか、担当官が苦笑混じりに言った。
「特に扶桑海軍からの増援には大きな負担をかけてしまいました」
「それが自分の任務でしたから」
「それでも我々は感謝しています」
「しかし・・・」
どうも感謝を受け取れない神崎の肩をアウロラが軽く叩いた。
「こういう時は素直に受け取っておくものだ。その方がお互いに気持ちがいいだろう?」
「・・・分かりました。ありがとうございます」
「いいえ。それでは、今回の視察ではこの基地の実力を見て下さい」
神崎は担当官に小さく頭を下げると、再びアウロラに肩を叩かれた。ニヤリと笑いながら先に歩いていくアウロラを、自身も笑みを浮かべて足早に追いかけるのだった。
ソルタヴァラ基地は非常に設備が整った基地だった。
綺麗に整備された滑走路に、前回の爆撃から学んだのか防御が強化された格納庫、そして周辺に接地されている対空兵器、事故や爆撃後の火災に備え隣接された消防小隊など今まで神埼がいたことのあるどの空軍基地よりも設備が整っている。
中でも目についたのは、レーダーだった。扶桑皇国海軍でも最近艦船に電波探針議として使用され始めているが、この基地には最新式のレーダーサイトが設置されて各種任務に役立てていた。正直、万年貧乏なスオムス軍には不釣り合いな代物であり、アウロラも驚きを隠せなかった。
「レーダーを導入する金なんてよくあったな?」
「これはブリタニアからの援助です」
「ブリタニア空軍が支援を?」
担当官曰く、ブリタニア空軍が試験運用を兼ねて開発したレーダーを提供してきたらしい。レーダー専門の技術者もブリタニアから出向してきており、今のところ十二分な性能を発揮しているらしい。ネウロイを早期発見でき、確実に迎撃できるようになったとのことだ。今後、神崎や島岡にも出撃時にレーダーの情報を伝達してくれるらしい。これで索敵が随分と楽になるはずだ。
その後は格納庫内に入り、実際の出撃に立ち会うことになった。ソルタヴァラ基地に所属する12、14戦隊は神崎がスオムスに来る以前からこの空域で戦い、周辺の陸軍部隊の支援に当たってきた。一度後方に下がり再編成されたとはいえ、熟練した航空
主力となっているのはネーデルランド製のユニット、フォルーカD21である。既に旧式に分類されるユニットではあるがスオムス空軍では長年使われており、確かな実績と信頼を置かれている。数にして10機。これなら、神崎がカバーしていた空域を含め十分な戦闘空域での作戦行動が可能だ。自分以外にこれだけの戦力が整ったことを実感し、神崎は心の片隅で安堵していた。
12,14戦隊の航空
ちなみに、基地の昼食は美味しかった。やはり、野外陣地に比べ人員が多い分、調理設備や補給される物資は優遇されているのだろう。
(そういえば、ラドガ湖の今日の昼食はなんだったのか・・・)
そんなことを考えながら、神崎は昼食で出たカレリアパイを齧るのだった。
いくらソルタヴァラ基地のお陰で非番になったとはいえ現在唯一の航空戦力が遠出する訳にはいかないので、島岡とシーナは釣り道具を橇で引っ張ってラドガ湖の畔にやって来た。
遠くに釣り針を投擲し、近くに転がっていた丸太に2人並んで座る。なんてことはない。だが、島岡はなぜシーナが自分の釣りに同行してきたのか分からなかった。
「私が一緒に釣りをしにきたのが意外ですか?」
「そりゃあ、まぁな」
顔の表情に出ていたのか。無表情に近いシーナに尋ねられて島岡は素直に認めるしかなかった。神崎は最近シーナの表情を読み取れるようになったらしいが、島岡には無理である。だが、こっちはシェルパ、リタとだいぶ仲良くなった。浮気ではない。絶対に。島岡はライーサ一筋だから。
「大した理由じゃありませんよ。暇だったってのもありますし」
そこでシーナの釣竿の浮きが沈んだので会話が途切れた。島岡から見てもよく慣れた手つきで釣竿を操って魚を釣り上げていた。正直、神崎よりも釣りの腕はいい。
「ま、時間はたっぷりある。俺は心置きなく釣りをするけど、話し相手くらいならなるさ」
「そうですね。色々と聞いてみたいこともあります」
シーナは新しい餌を準備して投げ入れている。島岡も少し対抗心が湧いたのか早速一匹吊り上げていた。
「お2人がここに来てからそれなりに経ちますけど、お2人について知らないことが多いですよね」
「まあな。戦闘ばっかで落ち着いて話す機会も無ぇし。ここってアフリカより激戦地なんだよなぁ」
「昨日言っていたアフリカの手紙ってその時の部隊の方からですか?」
「そうだよ。あ!そういや手紙読むの忘れてたな・・・」
そんな会話している間に段々と調子が出てきたのか島岡は次々と魚を釣り上げ、シーナは神崎が呆れた時と同じような目でその様子を眺めていた。
「神崎少尉も言ってましたけど、本当に釣りの腕がいいんですね。笑いも通り越してしまいました」
「まぁ、釣りは扶桑にいた時からずっとやってきたことだしな。特にゲンと初めて会った舞鶴の基地じゃあ、海も近ぇし、釣ったらゲンがその場で捌いて焼いてですぐに食えたし。面白かったな」
「そうですか・・・。島岡さん」
「ん?」
シーナは釣りをする手を止めて島岡の顔を見据えた。
「神崎少尉と初めて会った時の事、聞いてもいいですか?」
「そりゃいいけど・・・なんでまた?」
「お2人は戦友です。戦友のことは知っておきたい。それに・・・」
何か言おうとしたが言葉に出来なかったのか、結局シーナの言葉はそこで止まってしまった。しばらく2人の間に沈黙が流れ、湖畔の小さな波音が辺りを満たす。もう何度目か分からないが、再び島岡が魚を釣り上げて口を開いた。
「ま、いいか。俺とゲンが会ったのは・・・」
そう言って島岡が話し始めたのは、およそ数年前。島岡がパイロットとして扶桑皇国、舞鶴基地に赴任した時の話だった。
基地の主要な設備を見て周り、基地司令官を始めとした何人かと面会した後に今回の視察は終了した。担当官に正門まで見送られ、ソルタヴァラの街に戻り、途中で夕食をとってから宿に帰った。帰ってすぐにシャワーも浴びており、今はリビングにて寛いでいる
「そういえば、重要なことを聞くのを忘れていました」
「ん?何かあったのか?」
ゆったりとした部屋着に着替え、ワインが注がれたグラスを片手にだらしなくソファに背中を預けるアウロラ。そんな彼女を対面のソファに座って見ていた部屋着姿の神崎は、頭痛に耐えるように目元を押さえて搾り出すように言った。
「なんで部屋が一緒なんですか・・・!?」
「1人1部屋なんて出来るわけないだろう。
「だとしても・・・これは・・・」
「お前が私を襲うとも思えん。まぁ、襲ってきても返り討ちにするが」
ビキリッと音が鳴るほどに力を込めたアウロラの右手を見て、神崎はもう何も言わなかった。諦めてアウロラとの間にあるテーブルに置かれた沢山の酒瓶の1つを取り上げ、自分のグラスに注ぐ。アウロラは満足そうに頷き、ゆっくりと足を組んだ。
「視察はどうだった?色々と勉強になっただろう?」
「確かに。あそこまで設備が整った基地を見たのは初めてでした」
「スオムスの前はアフリカだったな。どんな所だった?」
「砂漠の真ん中。昼は暑くて夜は寒い。風で砂が舞い、水が貴重で常に乾燥していた」
「こことは殆ど真反対だな」
アウロラは話をしながら、グラスをあっという間に空にしていた。それに気付いた神崎が彼女が飲んでいたワインの瓶を持ち上げると、嬉しそうにグラスを差し出してきた。ゆっくりとグラスにワインを注いだ後、神崎自身も自分のグラスを仰ぐ。強いアルコールが軽く喉を焼くが、その痛みよりもそれ以上に美味いという感情が勝った。
(酒を飲みなれたものだ・・・。アフリカでは酒を飲まないせいでハンナを泣かせたというのに・・・)
アフリカのことを話した為か、神崎は久しぶりにアフリカのことを思い出していた。こんなに酒を飲んでいる自分を見たら、マルセイユや加東はどんな顔をするだろうか?
「考えに耽るのは、1人で飲んでいる時にしたらどうだ?」
「・・・すみません」
アウロラの声により物思いから脱した神崎が、彼女に向き合うと若干不満げな色が表情に出ていた。どうしたものかと迷っていると・・・。
「肴が欲しくなった。神崎、何か面白い話はないか?」
「・・・残念ながら自分にそんな技能はありません」
アウロラの無茶ぶりに神崎は力なく首を横に振った。そもそも神崎は今までこうやって誰かと2人で過ごすこと自体無かったのだ。そういうことはもっぱら島岡の担当である。
「シンなら面白い話ができるんでしょうが・・・」
「ならお前と島岡の出会いの話を聞きたい。それなら話せるだろう?」
「まぁ・・・それなら・・・。ですが、あまりいい話ではないかもしれないです」
「構わないさ。ああ、長くなってもいいぞ。どうせ明日は殆ど移動だ」
「分かりました」
神崎はそう呟くと少しグラスを傾け、舌を湿らせた。これから話そうとしているのは、扶桑皇国、舞鶴基地で本土防衛の航空
フィンランドでは美味しいもの食べたり、戦車見たり、飛行機見たり、要塞みたりしてました
なんか、歴史の勉強していた感じw
あと、サルミアッキのアイスは不味い
でも普通のサルミアッキの方が不味い