やっぱ昭和のマジンガーもいいけどカイザーのマジンガーもいいっすね〜…あのヌルヌル動く感じが…細身なのもいいし、登場シーンが少ないのが残念ですねー…
あ、あしゅらマジンガーみたいに改造されたのも邪道っぽいけどやっぱ好きです。
以上布教作業でした。
ズンッズンッズンッズンッ…
森の中を重苦しい音で突き進むマジンガーZ。
少女と出会ったことで、傷も完璧に修復され、森の木々の隙間から刺さる太陽の光で、その超合金の体に反射され、神々しささえ感じさせる。
しかし…実際マジンガー自身の心情は複雑なものであった。
(体が修復したのは良かったが…あの女の子から流れてきたエネルギー…不思議だ…この世界ではどの人間にもあるエネルギーなのだろうか…いや、その前にここは一体どこなんだ?あの女の子がいるということはこの近くに町が…この格好で町に入っていいものか…?)
そんな考えが彼の中で蠢く。変わらない超合金の顔の中で、彼の本当の顔はどれほどの困惑な顔なのか…
しばらく動いていると、彼の目の前から木々が消え、人々の文明。町灯りが見えてきた。
(出れた…ここが…)
マジンガーの中で、なにかが溶けていく…
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〜どこかの町〜
『助けてくれェッ!!奴らが壁を超えて…』
『まだか!!?まだ
『や、やめてくれ…!家は…家だけは…』
『いたいよぉ…助けてよぉ…あああああうううぐううううううぅ…』
——-響く人々の悲鳴。助けを乞う人々の叫び。
(決して見捨てない)
まだ彼が人の名を捨て、魔神になったばかりの頃。感情を失った彼には、これだけが使命だった。
やってくる敵を、あらゆる手段と武器を持って破壊する。
泣き叫ぶ人々を、あらゆる手段と武器を持って救い出す。
たとえこの身が腐ろうと、溶けおちようと、砕けようとも、彼はマジンガー。
『最強のスーパーロボット』『原初の魔神』
———マジンガーZなのだから。
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だからこそだろう。いくつもの戦いを乗り越え、それでも救えなかった彼に残されたのはあの最期の荒野だった。
それ故に、あの町、海鳴市の輝きが…彼には光子力よりも眩しかった。
(———懐かしい。あれはまだ人間だった…)
もう彼には人間だった記憶はない。それでも彼は自信の中にある人間としての魂はあるのだ。
町の光が、その魂を刺激する。
スーパーロボットは泣けない。
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(しかし…どうしたものか…)
マジンガーZは見た目どおり、大きさなど含めとても目立つ。いくら人間に近いサイズになっただろうと軽く3mはあるだろう。
そんなロボットが平然と町を歩くわけにはいかない。
(行動するとしたら…夜か…あと数時間と言ったとこr…!!!?!)
行動時間を決め、しばらくは森に潜もうとしようとした瞬間、
ゴオオオオオォォォォォッッッッッッ!!!!!!
(も、燃えている!!?)
夕焼けが海に沈んでいく。町を歩くさまざまな人が、足を止めた。
ある一軒家が燃えていたのだ。
炎は勢いを増していき、薄暗くなっていった町を紅く照らしていく。
「火事だ!!」
「燃えてるぞ!!」
「すげぇ!」
「おい!だれか消防車呼べ!!」
野次馬が集まっていく。それに合わせて炎は更に強くなり、消防車がきた時にはすでに手に負えないような状況だった。
(助けなければ…)
誰もが中にいる人々を諦めたその時、
(誰もやらないなら…俺が…俺がやるッ!!)
魔神は動き出す!!
(————マジィィィィィンッッゴオオオオオォォォォォウゥッッッ!!!!!)
掛け声に合わせ、マジンガーZの瞳が輝く。両腕を掲げ、足を地面に突き立てる!!
そのまま凄まじい大ジャンプで町までひとっ飛びで飛んでいく。
ズゴォォォンッッ!!
誰もが隕石でも降ってきたかのようなその音に驚いただろう。
なんだなんだ今度はなんだ、と人々が音の方向に目を向ける。
そこには一体の魔神。マジンガーZがいた!!
(こんなとこでは武装は使えない!中の人が燃える前に救い出すしかない!!)
マジンガーは消防の放水邪魔にならないように中へ侵入する。
中の燃える家具、発生する二酸化炭素。しかしそんなもの、超合金Zの彼の前では無力。どんどん潜っていき、リビングらしきところにたどり着く。
「う…うう…」
(子供!!)
大きな棚の下敷きなってしまい身動きが取れない少年を彼は発見した。すぐさま家具をどかし、少年を抱えようとするが、
(…この体では熱くて掴めない)
金属は熱伝導がすごい。それは超合金も例外ではなく、今のマジンガーの表面は、凄まじく熱いのだ。
(くっ…あ)
放水。あれに当たれば手だけでも表面温度を下げられる。
そう思いついたマジンガーはすぐさま周りを消化している放水に手を突っ込む。
「な!なんだぁ!!?デケェ腕が」
何か消防士が言ってるようだが、マジンガーはそれを無視。少年を腕に抱え、家から出ようとするが…
「ろ、ロボット?」
(じっとしてろよ。今たすけt)
「い、妹が…いるんだ…」
魔神は窓を突き破り、その際目の目にいた…この家の持ち主だろうか、涙で顔をグシャグシャにした男性に少年を渡す。
「ゔぁ…!!?…だ、たけるッ!!生きてた…生きてた…」
「たけるッ!!ああ…」
「お母さん…お父さん…マキがまだ…」
「そ、そんな…」
マジンガーは少年を渡すとすぐさま再び家に飛び込む…
「ロボット…さん…マキを…」
(…)
それは幻覚だろうか…
そう少年は、見ていた人々は思っただろう。無言の彼の背中に光が集まり…
『マカセロ』
そんな言葉を形作っていた。
隅々まで探していく。家具を押し壊し、ドアをけやぶり、崩れたところは瓦礫をかき分ける。
(いた…!!)
奥に少女いるのを確認する。しかし…小さいその少女では壊れたドアを開けられなかったのか、ドアの前で倒れていた。
(二酸化炭素が蓄積している…このままでは中毒で死んでしまう)
なおさら急ぐ。一応ここが最後なため、もう人間がいないことを確認していた。
(家が壊れるが…この子のためだ。致し方ない)
手加減に手加減を重ねる。顔を…正確に言えばどの口部分を天井に向ける。
(突き破れ、炎をかき消せ…!!ルストハリケェェェェンッッ!!!!!)
その時、海鳴市の空に、超巨大竜巻が発生した…
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「ああ!!マキ!マキ!!…ありがとうございますありがとうございます!!!!」
「ありがとう!!あんたは恩人だ…(人かどうかわかんないけど)」
炎が消え、もう朝日が見えてるこの時間。朝日に照らされたマジンガーZが、人々の前に立っていた。
(意図せず、Zを認知してもらえたのは嬉しいが…人々に受け入れてもらえるだろうか…)
内心不安でいっぱいだったマジンガーだったが、そんな思うを覆す声が聞こえ始めた。
パチパチパチ…
それは拍手だった。歓声だった。マジンガーZを褒め称える人々の声だった。
いつだったか否定された事があった。
いつだったか拒絶された事があった。
いつだったか…必要とされない事があった。
こんな光景は…荒野なんかでは見れない輝きだった。
(ああ…なんて…いい事だろう)
マジンガーZは、一躍有名となった。
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マジンガーは走る。なぜなら目の前の男を追いかけているからだ。
なぜ追いかけるのか…それは…
「ひったくりよぉ!!だれか捕まえてぇ!!」
「あのババア!!ロボットに頼むのは卑怯だろぉぉぉぉ…ああ降参!降参するから追いかけてこないでくれェェェェ!!!」
ひったくりを追いかけていたのだ。
…なんとも言えないこんな状況だが、戦いに明け暮れることよりもこの環境は彼は彼なりに幸せだった。
(戦いが起こらないということは、だれも死なずに済む。俺はそういう世界にいるってことだ…それはなんていいことだろう)
戦い、勝つために生み出された彼にとって、戦いのない世界とはお役御免といっても過言ではなかった。
それでも、誰かが傷つくことない世界は、彼の望んだ世界だ。不満に思うことはない。
———なのでこのように少し手を貸す程度がちょうどいいのだ。
「おお!今度はひったくりか!今回も協力感謝するよ」
(ああ。お勤めご苦労さん)
交番の警官に習ってマジンガー自身も敬礼してみる(凄まじくシュールだが)
ひったくり犯を交番に届けた後、そのまま彼は街へ駆けていった。
ある時はエンストした車ごと人を運んだり、
ある時は落石した岩を退けたり、
ある時は海で溺れた人々を助けたり、
ある時は子供達を肩に乗せて走り回って見たり、
ボランティアもいいとこ、人々の陰にひっそり生きていた。
そんな彼は誓ったことがる。
———魔神は自らの武器を封印した。
(平和な世界に、魔神の力は必要ない…)
マジンガーZはいいぞ(布教)
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