オリジナルイオン(?)がアリエッタと共に世界救世旅行へ 作:ヴィヴィオ
ボクの名前はイオン。余命残り数年。12歳で死ぬことが確定している。つまり、楽しまないと損である。
「いおさま、いおさまっ」
ベッドの上に寝ている僕の上に乗っているのは可愛らしい小柄の少女で、服を着ておらず自分の頭を僕の胸板に擦りつけている。
彼女はピンク色のストレートロングで、前髪をセンターで分けて額を出している。瞳の色は同色で、首には首輪を嵌めてある。
彼女の名前はアリエッタ。魔物と会話する能力を持ち、ライガやフレスベルグなどの強力な魔物を使役して戦う魔物使いだ。
魔物のライガクイーンに育てられ、魔物と会話する能力はその過程で身につけた。
小柄な体格や乏しい語彙は満足な栄養を摂れず、十分な教育を受けられずに育ったためだ。
アリエッタは人ではなく魔物に育てられたので言葉もまともに話せなかった。だから、ヴァンが連れてきたので僕がもらって調教した。僕だけのペットとしてね。
「どうした?」
「ありえった、いおさますき」
「僕もだよ」
「ありえった、いおさまの番?」
「そうだね。アリエッタには僕の子供を生んでもらおうかな」
「はいです。ありえった、いおさまのこ、うみます」
まあ、まだ僕にはアレがきていないしまだ無理なんだけどね。今も普通に一緒に寝ているだけだ。死ぬまでもう少しあるし、それまでにやれることはやらせてもらおう。もっとも、簡単に死ぬつもりもない。
「っと、もう時間だね」
「起きる、です」
ベットからでるとアリエッタに着替えさせてもらい、逆にアリエッタの服を着せる。それから一緒に色とりどりのハーブのサラダを食べる。
その後、アリエッタと共に身体を動かしていく。対戦形式でアリエッタを殴り飛ばす。吹き飛ばしたアリエッタに近付くと譜術を放ってくるのでそれを錫杖で弾き飛ばし、アリエッタを踏みつけて押さえて首に錫杖を突きつける。
「はい、僕の勝ちだね」
「う~またまけた、です……ありえった、ごえいなのに……」
アリエッタは導師守護役であり
「動きが単純すぎる」
「ふじゅつといっしょ、むずかしい、です」
「格闘戦だけは獣の勘でいいんだけど、やっぱり譜術は難しいみたいだね」
「あう」
「勉強あるのみだね。まあ、普通より強いけれどね」
アリエッタは僕と同じようにドーピングアイテムである様々なハーブを食べているので、普通の奴よりは強いだろう。まあ、ヴァンよりはまだ弱いだろうけど。
「さて、少し休憩してから勉強しようか」
「はい、です」
「イオン様っ! イオン様は何処か!」
「ちっ、五月蠅いのが来たか」
やってきたのはローレライ教団の大詠師モース。このローレライ教団で導師であるボクの次に偉い奴だ。鬱陶しい存在だ。
「ここにいらしたのですが、イオン様。キムラスカより使者が参っております。スコアを読んでほしいそうです」
「却下。読んでほしければ金を寄越せと伝えるんだね。まあ、すでに君のことだからもらっているかもしれないけれど」
「そのようなことは……」
「お金が駄目ならハーブだ。ボクが求めているのはこれだから、どんどん持ってくるんだね。そしたら読んでやってもいい」
「これは導師の大切な役目なのですぞ!」
「ならやめる」
「それは困ります! スコアを読めるのは貴方しかいないのですぞ」
「しらな~い。ほらほら、読んでほしければお金とハーブを用意するんだね」
「わかりました! わかりましたから! 葉っぱなんていくらでも用意してあげます!」
「よろしい。アリエッタ、少しでてくるからディストのところにいっといて」
「はい、です」
さて、お仕事といこうか。キムラスカの奴から大量の金とハーブをふんだくった。ハーブに関しては人を動員させて用意させた。
面倒な仕事を終えて大量のお金を貰ってから、ディストの研究所に移動する。ディストはナルシストかつ非常に粘着質な性格で、復讐日記をつけている。譜業技術に長けた科学者だ。
「ディスト、アリエッタ」
「いおさま!」
アリエッタがすぐに抱き着いてくるので、抱きしめて頭を撫でる。ディストの方をみるとアリエッタが放りだした杖を拾っていた。
「ディスト、杖の状態はどうかな?」
「どうもこうも、たしかに導師イオンの思想と設計はすっばらしいのですが、加工機材がたりませんね。それとど動力部と制御プログラムもです」
「制御プログラムはボクがやるから、コアを頼むよ。アリエッタは作った物のテストだ。モースから追加資金もとってきたからさっさと完成させるよ」
「はい、です」
「そうですね。がんばりましょう」
数ヵ月かけて完成させたのはどちらかというと機械式の魔杖で、名前はデモンズハート。響律符(キャパシティ・コア)を複数連結させて超振動を利用して瘴気と音素を取り込んで増幅と圧縮を繰り返して最終的にエネルギーに変換。そして放出する。アリエッタに使わせたところ、問題はない。何度か失敗して爆発したけれど、アリエッタは物理魔法ともに防御力が高いのでどうとでもなる。
「しかし、凄まじい技術力ですね。さすがは導師イオンともうしましょうか。もはやこのわた~しが、後れを取るとは信じられません」
「仕事はまだ終わっていない。ディスト、どんどんやるよ」
「ええ、もちろんです」
ボクの技術力なんてスコアに刻まれていた奴を読んで覚えて、それを応用した程度だ。ダアト式譜術を更なる高見に昇華させてやる。
12歳になった。ボクの余命は残されていないのだろう。アリエッタは完璧に仕上げたが、これからどうなるかはわからない。デモンズハートにメッセージを残しておいたから、アリエッタは大丈夫なはずだ。子供を抱けなかったのは残念だが、仕方ない。これから他の連中がどう動くか高見の見物とさせてらもおう。ガラクタ共がボクのかわりとなるだろうし、どうなるか楽しみだ。
「まあ、最後までアリエッタと過ごすか」
「イオン様?」
「でかけるよ、アリエッタ」
「はい、です。イオン様とおでかけ、楽しみ、です」
アリエッタと共にライガクイーンのもとへと出向いて事情を話してからもどる。限界がきたとき、ボクはアリエッタを抱きしめながら意識がなくなっていくまで……
次に気付いた時、アリエッタが泣きながら死を迎えようとしていた。ボクは彼女を迎え入れて抱きしめる。
「イオン様、アリエッタ、負けちゃった……」
「別にいいよ。頑張ってくれたようだからね」
確認するとヴァンも死んでいるし、相手側も何人も死んでいる。生き残ったのはほぼいない。レプリカが死に掛けでローレライを解放して助けたようだ。
「イオン様、イオン様」
「まあ、及第点かな。さて、アリエッタ。これからどうしようか」
「ふえ? アリエッタはイオン様に任せる、です」
「そっか。じゃあ、一緒にいこうか。まああてもないんだけどね」
「はい、です」
アリエッタの手を繋いで歩いていく。暗い道も二人で歩いていくと次第に泣いている女の子の声が聞こえてきた。さらに進むと紫色のような黒色のような髪の毛をした女の子が一人でうずくまっていた。
「ちょうどいい。そこのお前、ここはどこだ」
「なんだお前たちは……」
「イオン様、だれかいる、です?」
アリエッタをみて、もう一度彼女をみる。
「無駄だ。普通の人間には私達はみえない」
「そうか。アリエッタ、視覚と聴覚を共有する」
「はい、です」
「お、おい!」
譜術を使って視覚と聴覚を共有すれば相手の姿がアリエッタにもみえる。
「どうかな?」
「みえる、です」
「何をしたんだ……いや、それよりもなんでここにいる」
「知らない。こちらがききたい。ボク達は死んで歩いていたらここについた」
「死んだのか……」
「まあ、それはどうでもいいよ。君はここを知ってるのかな?」
「しっている。だが、私はすでに……穢れている。それに我が主にも捨てられて……」
この子は死にかけている。そういうのは雰囲気でわかる。
「イオン様、どうしますか?」
「どうするか……その言動からして飼い主に捨てられたのか」
「っ!?」
「図星のようだね。なら、ボクが拾ってあげよう。今日か君はボクのペットだ」
「アリエッタと同じだよ」
「何を言っている! 私の身体は穢れてドラゴンに……」
「くだらない。ペットは主人の言う通りに大人しく従えばいいんだよ」
「あっ……」
穢れというのは瘴気だ。なら、いやというほど理解している。ダアト式譜術で彼女から穢れを抜き取って、錫杖で音素に変換して放出する。これだけでいい。
「これは、浄化なのか? もしかして、導師……?」
「イオン様は導師、です」
「いや、そんなはずは……」
「どうでもいいよ。結果はかわらない。いいから、いくよ。こんなところにいてられない」
腕を掴んで立たせる。
「わかった。だが、私の加護は危険だ」
「くだらない。そんなものはどうとでもなる」
「はい、です。イオン様なら余裕、です」
「わかった。それじゃあ頼む」
教えられた方法で契約する。彼女の力は幻術のようで、かなり使えるね。ふふふ、これはいいのが手に入った。アリエッタ同様、可愛がってあげよう。
「それでは案内してよ」
「わかりました。といっても、私も道がわからないので、何処に繋がるかはわかりませんが……」
「構わない。アリエッタもいいよね?」
「はい、です。アリエッタはイオン様とならどこでもいく、です」
「では、こちらに」
案内に従って外にでるとそこはまるでクリフォトとまではいかないけれど、瘴気が漂っている世界だった。