オリジナルイオン(?)がアリエッタと共に世界救世旅行へ   作:ヴィヴィオ

10 / 10
エドナとサイモン、です

 

 

 

 

 サイモンの目的地はグレイブガント盆地にあるフォートン村。そこに向かうためにハイランド王国の検問を突破し、進んでいるのだけれどグレイブガント盆地は広くて止まらないといけない。

 私とサイモンは天族であるから平気だけれど、人外な強さを持つイオンとアリエッタの二人はあくまでも人であるから寝ないといけない。それに急いでいるわけではないということで、グレイブガント盆地の中にコテージを出して休んでいるのよ。私は屋根の上で必要かどうかもわからないけれどライガやフレスベルグ達と見張りをしているわ。

 一応、ここは戦場になるのだけれどイオン達は呑気に休んでいる。本当に大物よね。

 

「ああ、星が綺麗ね」

 

 ライガを枕にして、フレスベルグの大きな翼を布団にしてぼーと空をみる。屋根の下ではアリエッタとサイモンのくぐもった呻き声などが聞こえてくる。お猿さんのように盛っているのよね。あのくらいの年齢の子なら仕方ないのかもしれないけれど。イオンとアリエッタは本当に幸せそうだから問題ないのでしょう。サイモンは不安に思っていて、危なくなってきているからイオンが躾とかいろいろといってかまいたおしている。

 私は……お兄ちゃんの心配がなくなって今までお兄ちゃんが占めていた部分がぽっかりと開いた。その部分を埋めるようにイオンが入り込んできているけれど、これは契約なのだから別に問題ない。それに何の心配のない旅というのも楽しい。それにこっちから積極的に攻めたらイオンも可愛い反応してくるし。アリエッタとサイモンは従順でしょうが、私は違う。からかったりして遊んであげるの。その後、仕返しされるけれどそれも楽しんでしまえばこちらの勝ちは揺るがない。

 

「エドナ」

「どうしたのかしら?」

「主様達が眠ったからな」

「そう」

 

 サイモンが差し出してきたマグカップを受け取る。中身はココアのようなので、湯気をフーフーして冷やしながら飲んでいく。サイモンからは汗などの匂いが漂ってくる。火照った身体を冷やしているみたいね。

 

「相談事があるんでしょう?」

「わかるのか?」

「当り前よ。貴女よりも身長は低いけれど年上なのよ。たぶん」

「たぶんか。まあ、それなら聞いてもらおう。フォートン村のことなんだが……」

 

 隣に座ったサイモンの相談を聞いていくと、簡単に言えばメデューサ、ステンノー、エウリュアレ―についての相談だった。彼女達三姉妹はサイモンの加護を受けて死んでいった村人らしい。石化を使う慿魔になっているらしく、彼女達を救って過去を乗り越えたいみたいとのこと。

 

「それでイオンに頼んで浄化して生き残らせるか、殺すかで悩んでいるのよね?」

 

 普通の導師ならメデューサ種までいってしまえば助けることはできない。でも、イオンはドラゴンすら浄化して元に戻してみせた。なら、メデューサだって可能だと思われる。

 

「ああ。私個人のことに主様の手を煩わせるのも……」

「イオンは私達のことをペットとかいってるけれど、妻の扱いと同じなんだから言うだけいってみればあっさりと助けてくれると思うわよ」

 

 ココアをちびちびと飲みながら、教える。イオンは私はどうかはわからないけれど、アリエッタはかなり大切に扱っている。サイモンもアリエッタよりは違うけれど、こちらも大切に扱っているようにみえる。私は新参だけれど気を使われているのもわかる。イオンの線引きは敵か味方かに加えて自分のものかどうかで判断しているようだから、懐に入ってしまえば大概のことは聞いてくれる。サイモンのために国を敵に回すくらいは平気でやってのける。そもそもイオンにとって国とは自分に従うのが当然と思っているのかもしれないけれど。

 

「しかし、それは甘えになるのでは……」

「別に甘えたらいいのよ。面倒だし」

「それは……」

「頼られるのは嬉しいものよ。放っておかれて時折思い出したように手紙を送ってきたとしても……寂しいもの……」

「話がそれているが、確かにそうか」

「まあ、どうしても気になるのなら、イオンとアリエッタの手を煩わせずにサイモンが倒してから任せればいいんじゃないかしら」

「それなら確かに……最小限ですむか」

「どちらにしても私は手伝ってあげるわ」

「いいのか?」

「サイモンには借りがあるのよ」

「借り? あったか?」

「ええ。私をイオンに紹介してくれたじゃない。そのお蔭でお兄ちゃんは助かった。だから、借りよ」

「しかし、代価を払ったのはエドナ自身だ」

「それはそれ、これはこれよ。紹介してもらわなかったら、そもそも交渉すらできずにお兄ちゃんを助けることはできなかったのだし。それに陪神は主神に力を貸すものでしょう」

「わかった。力を借りる。恩にきる」

「恩にきるなら、美味しいお菓子でいいわ」

「なら、これが終わったら作ろう」

「そう、楽しみね」

 

 それにしても平和ね。外はゴースト共が飛び交っているけれど、結界に触れた瞬間に消滅していくからこっちはやることがないのよね。邪魔な連中は睨んだら何処かにいくし。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。