オリジナルイオン(?)がアリエッタと共に世界救世旅行へ   作:ヴィヴィオ

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ディストお兄ちゃんの科学は世界一、です!

 

 

 

 黒い通路を歩き、ペットを一人拾って案内させれば瘴気が漂う山の頂上なような場所にでた。雲の上にあるようで標高がかなり高い。落ちたらボクでもひとたまりもない、かもしれない。でも、まあ……先にやるのは身体の確認だね。一通り動かして調べる。

 

「うん。アリエッタ、組手をしよう」

「はい、です。今度はアリエッタが勝つ、です!」

 

 アリエッタが地面を陥没させながら突っ込んでくるので、逸らして投げ飛ばす。アリエッタの首にペンダントが見えた瞬間、ボクの足元から無数の手が現れてボクの足や身体を掴んでくる。

 

「ミスティシンボルか、いい物だね」

 

 錫杖で地面をつき、ネガティブゲイトを無効化して、超低温の塊を発生させるアブソリュートを無詠唱で放つ。

 

「魔狼の咆哮よ! ブラッディハウリング!!」

 

 アリエッタが叫び越えをあげてアブソリュートを破壊する。ブラッティハウリングを使ったのだろう。更に彼女は砕いた氷を足場にして三次元軌道でこちらに接近して杖をむけてくる。

 

「ビック、バ」

「待て」

「っ!?」

 

 命令するとすぐにアリエッタは停止して、そのままの勢いでボクにぽふっと抱き着いてくる。それで上目使いでこちらをみてくる。

 

「うん、戦闘力としては合格だけど場所も気を付けようか」

「?」

「ここ、山の上だからビックバンなんて放ったら崩落して大変なことになるからね」

 

 そもそもこれは新しい肉体がちゃんと動くかの確認作業だ。いくらなんでも近距離でビックバンなんて撃たれたら痛い。服も消し飛ぶだろうしね。

 

「ごめんなさい、です」

「よしよし」

 

 アリエッタの頭を撫でてあげると嬉しそうに頭を擦りつけてくる。

 

「主たちは化け物なのか……?」

「まあ、普通よりは強いだろうね」

 

 ハーブでかなり増強しているはずだしね。それよりも身体が動くことが判明したのだから、色々ときかないとね。

 

「さて、サイモン」

 

 彼女と契約する時、真名とやらを決めさせられたので面倒だから、そのままにさせてもらった。

 

「なんでしょうか?」

「色々と教えてほしい」

「イオン様、ごはん……?」

「ああ、それも必要だね」

「かしこまりました。食料はこの辺りでとるしかないかと」

「じゃあ、アリエッタ。とってきて」

「はい、です!」

 

 アリエッタが持っているぬいぐるみからライガがでてくる。アリエッタはそれに乗って走っていった。

 

「じゃあ、教えてもらおうかな」

 

 岩に座って景色をみながら聞こう。ああ、ついでサイモンで遊びつつでいいかな。

 

「それでは……」

「まずはこっちにおいで。ここに座って」

 

 ボクの近くに座らせて、彼女を抱きしめて身体に触れながら話を聞いていく。

 

「は、はい……ひゃうっ!?」

「ほらほら、話して」

「私はて、天族と呼ばれる種族で……」

 

 話を聞く限り、自然界の根源に由来する力を持ち、祈りを糧に人々に加護を返礼として与える精霊や天使、神に当たる存在みたいだ。

 ほとんどの人間にはその姿を視認することはできず、霊応力と呼ばれる能力を持つ人間には見ることができ、コミュニケーションをとることが可能。

 霊応力が無い人間でも、霊応力の強い人間を介し、その者の感覚を遮断することで声を聞くことができる場合もある。

 味覚はあるが食欲はなく、食べなくても生きていけるが、趣味娯楽として楽しむ者もいる。拠り所となる器のない天族は穢れの影響を受けやすく、穢れによる負担が限度を超えるとドラゴンに変貌して自我を失い、浄化も不可能となるために殺すほかに鎮める方法がなくなるらしい。

 

「なるほど」

「ですが、主は穢れを消せるのですよね」

「消せるよ。散々苦しめられてきたからね。まあ、一番手っ取り早いのは人を滅亡させることだろうけど」

「やりますか?」

「いや、いいよ。それはアリエッタやボクも死ぬことになるしね」

「できればお願いが……」

「浄化してほしいんだよね。それはサイモンの働き次第だ」

「はい。頑張って……」

「そっちじゃないからね。ボクのものとしての働きだから」

「っ!?」

 

 意味がわかったのか、彼女は顔を真っ赤にしている。とりあえず、身体を撫でて感触を楽しみながらこれからのことを考える。

 導師をしていた時はあまり遊べなかったし、旅行もできなかった。やはり、旅行をしよう。この世界ならスコアにも縛られないし、旅のついでに穢れを浄化してやればいい。サイモンは観光案内のガイドにも使えるだろう。彼女次第ではアリエッタ同様に可愛がってやろう。

 

「あ、あの……」

「イオン様、とってきた」

「ああ、ありがとう」

 

 アリエッタがイノシシみたいなのをとってきた。それを捌いて焼いてから食べる。調味料もなにもない丸焼きだけれど仕方ないだろう。

 

「そういえばサイモンは料理はできるの? 食べる必要がないからやってない?」

「食べる必要はないのですが、興味があって覚えてはいます」

「じゃあ、食事当番は任せよう。ボクとアリエッタは人任せだったり、そのまま食べていたりするし」

「イオン様、アリエッタ、このごろ焼いてる、です」

「ちゃんと文明を覚えていて良い子だ」

「どんな生活をしているんですか……」

「まあ、それはいいから、サイモンも食べるといい。ほら、あ~ん」

「あ、あ~ん」

 

 照れながらもちゃんと食べる。アリエッタもものほしそうに口をあけているので食べさせてやる。

 

「イオン様、ハーブもあった」

「なんでそれを入れて焼かないんだ! 臭みがなくなるだろう!」

「あうっ」

「アリエッタは獣に育てられたから、基本的に獣の部分が抜けていないところもあるんだよ。だから、勘弁してあげてくれないかな」

「そういうことならわかりました。どちらにしろ、これからは私が料理を担当する。いいな?」

「はい、です」

 

 まあ、ボクも食べられたらいい派なんだけどね。いったら怒られそうだからいわないけれど。

 

「それで食事の後はどうする? できれば雨風が凌げる場所にいきたいけれど……」

「それなら近くに天族の里があったはずです。私は歓迎されないでしょうが……」

 

 自分のデメリットもちゃんと報告してくるのなら、良い感じかな。躾けはいまのところ必要ないか。

 

「じゃあ、そこによらずに下山するかな」

「いいのですか?」

「サイモンが不快な思いをするならいいよ。アリエッタもいいよね?」

「アリエッタはイオン様とならどこでもいい、です。イオン様のいくところなら、どこでもついていく、です」

「そうか。じゃあ、さっさと降りよう。アリエッタってあの子達も連れてきているんだよね?」

「ここにいる、です」

 

 アリエッタのぬいぐるみの口から巨大な鳥や狼達がでてくる。さっきも出してたけどなんだアレ。

 

「アリエッタ、そのぬいぐるみどうなってるの?」

「わからない、です。でぃすとお兄ちゃんから、もらって使ってるのです」

「ちょっとそれみせて」

「はい、です」

 

 アリエッタから渡されたぬいぐるみは様々な仕掛けがされていた。まずリュックにもできるように背中に埋没するように隠されている場所があった。口の中は亜空間が広がっているようで、森が入っていた。何を言っているかわからないけれど、ボクもわからない。とりあえず空気と森、光があって一種のドームが作られている。起動に必要な動力などは全部アリエッタから流れているのを増幅しているようで、アリエッタの力の凄さが伺える。ボクが死んでからもハーブを食べ続けていたようで、限界を軽く超えているようだ。いや、限界なんて存在しないのかもしれないが。

 ぬいぐるみのお腹にある下の口を確認してみると、そちらには様々な兵器や道具が入っていた。まるで作ったはいいが、欠陥があったり使う場所を限定するようなのから、調理器具やコテージなどさまざまだ。ディストの技術力は世界一になっていたのかもしれない。

 

「よし、みなかったことにしよう」

 

 首輪だけ取り出して、仕込まれている譜術など仕掛けを確認してから、アリエッタとサイモンに改めてつけよう。

 

「アリエッタ、サイモン。首輪をこっちにかえるよ」

「やった、です! イオン様の首輪、嬉しい、です」

「これは……その……」

「駄目だよ。前の主の奴なんてポイだ。もう君はぼくのなんだから」

「はい……」

 

 サイモンのは全部、ボクが新しく与えたものに変えておく。ボクは独占欲が強いからその辺は諦めてもらおう。

 アリエッタははしゃぎまわっていて、サイモンは何度か新しい首輪を撫でている。あの首輪は詠唱の補助が入っているから便利なんだよね。

 

「フレスベルグにのってさっさと降りるよう」

「はい、です」

「山を下りて少し行ったところに首都があったはずです。モンスター達は慿魔になっているのでみつかることはないと思われますが、一応幻術はかけておきます」

「たのむ」

 

 フレスベルグで地上まで飛ぶ。サイモンには器となったボクの中に入ってもらって、アリエッタを抱きしめながら乗って進む。

 しばらく嬉しそうにしているアリエッタと共に進んでいると大きな街がみえてきた。それは確かに首都と呼ぶに相応しい場所に到着した。

 

「サイモン、ここでいいのか?」

『は、い……』

「どうした? 体調が悪そうだけど……」

『ひ、人の……身体に輿入れ……したばかりは……身体を器に作り替えて……いる間……体調が……』

「そういうことか。アリエッタ、すぐに降りて」

「はい、です!」

 

 フレスベルグを急降下させてくれた。道を突風が襲ったけれど我慢してもらおう。すぐにフレスベルグ達もしまって脇道に移動する。そこでサイモンの幻術をボクが解除して宿屋を探す。

 

「体調が悪い子がいるから、宿屋を教えてほしい」

「ああ、それなら……」

 

 教えてもらったところに入って、事情を説明して中にはいる。確か天族は見えないらしいから、アリエッタと出したサイモンを一緒に寝かせる。いや、これよりも幻術を使ったほうがいいか。幻術でサイモンの姿をみれるようにして寝かせて看病をする。

 

「アリエッタはサイモンをみておいて」

「イオン様はどうするのですか?」

「お金を作ってくる」

「それなら、これ……」

 

 道具入れの方になっている口からアリエッタが財布を渡してくれる。しかし、使えるかわからないけれど宿屋の人に確認しよう。それにディストが作ったガラクタを売ればお金にはなるだろう。

 

「使えるか確認にしてくる」

「はい、です」

 

 宿の女将に確認してみる。

 

「この金貨はどこの国のかわからないねえ……両替商か質屋で金として売ったほうがいいと思うよ」

「ありがとう。そちらにいってみるよ。支払いは少しまっていてほしい」

「もちろんだよ。ただ聖剣祭が近いから足元をみられるかもしれないから気を付けるようにね」

「ありがとうございます」

 

 街に出てから聞いておいた両替商にガルドを持ち込んで交換してもらった。こちらが子供だから、舐められたりしないようにそいつの目の前でガルドを一つ手で潰してあげたら直に交換してくれた。しかし、アリエッタはなんで6543万ガルドももっていたんだろうか。あ、これボクがディストに渡してた研究費の一部か。それかモースからふんだくったのかもしれない。どちらにしろ、でどころはキムラスカとマルクトだろうからありがたく使わせてもらおう。慿魔になったモンスターは死体が残らないらしいから、お金もなかなか手に入らないだろうし、稼ぐのも面倒だし。残ったとしてもボク達の攻撃に耐えきれるとも思わない。ああ、サイモン用のハーブ集めもしないと。そうか、雑魚は彼女に任せればいいんだ。

 よし、とりあえず滋養強壮にいい食材を買って帰ろう。女将に頼んで色々と作ってもらおう。

 戻ってから濡らしたタオルをサイモンの額に置いたりして看病をアリエッタと一緒に行う。本当はもっといろいろとしたかったkれど、こればかりは仕方ない。まあ、前よりは時間があるんだからゆっくりと楽しもう。あるよね? あったらいいなぁ……目安は12年だよね……やだなぁ。

 

 

 

 

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