オリジナルイオン(?)がアリエッタと共に世界救世旅行へ 作:ヴィヴィオ
アリエッタのトラウマは解決した。これで少しは落ち着くかと思ったけれど変わらず甘えてくるので、もっと甘やかすことにした。サイモンのことをちゃんと受け入れているから、完全に無駄というわけではない。
「さて、これからどうしようか」
「アリエッタ、イオン様と一緒ならなんでもいい、です」
「らしいから、観光案内を頼むよ」
「私もそういことは得意ではないのですが……ここはレディレイクですよね」
「多分、そうだね」
「でしたら、レディレイクはレイクピロー高地から流れる豊富な水源を様々に利用した水の都ですので観光する場所はそれなりにあるかと」
「例えば?」
「滝と湖ですね。後は湖の乙女の伝説や教会にあった聖剣といった導師に関する伝承も多く残っています」
「あった、ってことはもうない、です?」
「そうです。導師スレイが持っていきましたから」
「ふ~ん、聖剣ないのに聖剣祭なんてやってるんだ」
聖剣祭なのに聖剣がないとか、メインがない意味の分からないものなんだけど。
「いえ、やっていないはずですが……」
「今やってるよ」
「やってるのにやってない、です? あれ?」
「あれ?」
アリエッタとサイモンの二人が小首を傾げて唸っている。不思議なこともあるもんだね。まあ、ボク達がいる時点で摩訶不思議なんだけど。
「まあ、確認すればいい。外に出ようか」
「わかりました。しかし、静かすぎませんか?」
「結界を張ってるからね。うるさくて読書もできなかったから」
「なるほど」
「イオン様、イオン様」
「なんだい?」
「美味しいもの食べたい、です!」
「そうだね。じゃあ、とりあえず買い食いに行こうか」
二人と一緒に部屋から出て出掛けることを伝えておく。今は祭りの最中だから混むだろうしね。
「本当に五月蠅い。それに穢れがきつい。ガンダルフは倒されたはずなのに……」
外に出るとアリエッタが走りだそうとしたが、すぐに止まってボクの許に来て警戒しだした。フォンマスターガーディアンとして仕事をしっかりとするつもりのようだ。
「お祭り、やってるです」
「そうだね」
「もしかして……主様、急ぎ確認したいことがあります。そちらを優先していいですか」
「いいよ。案内はサイモンに任せる」
「ありがとうございます。ではこちらに」
サイモンの案内に従っていくと、大きな神殿についた。そこは沢山の人が中にいるようだ。中から瘴気が溢れてきている。
「中に入りたい?」
「はい。できれば……」
「なら、行こうか」
「イオン様、危ないです」
「平気だよ。それに危なかったらアリエッタが守ってくれるだろう」
「はい、です。イオン様には指一本触れさせません」
「なら問題ないね」
中に入ると儀式をやっているようで、ボク達は二階に移動して見学することにする。どうやら儀式は台座にささった剣を引き抜くようだね。剣の前にいる女の子は本当にみえていないようだ。
「やはり、そういうことか」
「サイモンの知っている時間軸じゃないってことかな」
「はい。私がいた場所ではすでに彼女は導師スレイと契約していました」
「過去にきたってことです?」
「そういうことだな。少なくとも私の記憶では過去の場所になる。そして、おそらくこれから事件が起きて導師が誕生するだろう」
「イオン様を守る、です」
「ああ、事件が起きる前に出よう。主様、行きましょう」
「やだね。どうせならこちらの世界の導師の誕生を見学させてもらおうかな。祝福してあげてもいいし」
「わざわざ危険な目に合わなくても……」
「二人がいれば大丈夫だよ。ね、アリエッタ」
「はい、です。いざとなれば纏めて吹き飛ばす……」
「……まあ、主様達の実力なら傷一つ負われなさそうですし、大丈夫でしょう。私としてはここで抹殺してイオン様が代わりになって頂ける方が助かるのですが……」
「考えてること黒いね」
「あそこにいる女には負けます」
「あれも腹黒いのか」
「無垢な導師を誘導していきますから」
「ボクも人のことは言えないんだけどね」
アリエッタとサイモンの頭を撫でながら、見学しているとスライムみたいなのがでてきて空飛ぶトカゲが現れた。トカゲが暴れだしてこちらに向かってくる。
「こっちに来るな、です。殺すぞ、です」
「っ!?」
トカゲはアリエッタの言葉を聞いて急いで方向転換し、別のところに向かっていった。
「テイムしないの?」
「いらない、です」
「そっか」
「あの、追い払ったことについては放置ですか」
「あの程度のガラクタなんて、敵じゃないからね」
「餌にしかならない、です」
「なるほど。なら他の人はどうされますか? 扉や壁を破壊して外に出してあげますか?」
「そこはほら、新任導師に頑張ってもらうからいいよ。ボクは演出して楽しませてあげるんだ」
お姫様達をみていると、そこに一人の少年が走ってきた。そして剣の近くにいる腹黒女に話しかけていった。その間に姫様に暗殺者が近付いて、貴族が助けを妨害する。
「駄目だね、この国」
「上層部は真っ黒ですから」
「あの人、結構強そう」
「確かに強そうだね」
「あれは慿魔のはず……」
「普通の人間みたいだね」
「そこも違う、です?」
「確かに元いた世界とは違うようだが……どうなるかわからない」
「それが普通なんだけどね。スコアも未来知識も人には必要ない。もちろん、サイモンにもね」
「はい。ですが、一つだけお願いがあります」
「まあ、一つぐらい良いけどね」
見学していると、少年が剣を抜いて契約を行った。そして、髪の毛の色が変化して伸び、服装も白色と金色に変化した。
「おめでとう。これで君もこの世界の導師になったようだ。だから、これは僕からのプレゼントだ。君の雄姿は皆に見えるようにしてあげよう」
この場にいる全員に幻術を発動し、少年の姿とその動きを合わせる。トカゲもちゃんとみせる。場は騒然とする。結界を展開して被害を防ぎ、怪我人をまとめて治療する。
「主様、何をやっているんですか」
「楽しまないと損だからね」
「こっちに気付いた」
「これはいけない。もう結果は見えたから、行くよ」
「はい、です。こっちに道を作るです」
「いや、表から堂々と……って、遅かった」
アリエッタがサイモンの言葉の前に壁に穴を空けてしまったのでそこから外に出た。二階だったけれど、ボク達にはなんの問題もないからね。
「それでどこ行くの?」
「少し遠いですが、主様にもう一人の天族を献上しようと思います。私一人よりももう一人、最低でも天族が居た方がいいですから」
「なるほど。それなら、いいか。じゃあ、よろしく。旅に必要な物を用意しないとね。アリエッタ、なにかいる?」
「食料だけで問題ない、です。全部、ある、です」
「うん、ならサイモン、よろしく!」
「食材と調味料、調理器具を買いましょう」
「よーし、食べ歩きして買うよ。前はモース達がうるさくてできなかったし、毒見で冷えた奴ばっかりだったしね」
「わくわく、です」
「……よくよく考えたら、このメンバーの中に常識人が私ぐらいしかいない……」
いっぱい買い物をした。調味料とか食材を樽や箱で買ったら、サイモンに怒られた。買ったものは大型の冷蔵庫と冷凍庫に保存できたからよしとする。この摩訶不思議なぬいぐるみは一家に一台、欲しいレベルだね。
イオンとアリエッタはアビスから、サイモンはゲームでの最終戦後からです。それが、アニメの世界にイン。ゲーム基準でやるにはちょっと微妙なのでアニメにしております。