オリジナルイオン(?)がアリエッタと共に世界救世旅行へ   作:ヴィヴィオ

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 俺達はミクリオと別れてドラゴンが見つかったという霊峰レイフォルクへとやってきた。

「おかしいですね。ここにはエドナさんがいるはずですが……」
「というか、この破壊の跡って……」
「何か天族と慿魔の戦いがあったようですわね」
「警戒しながら進もう」
「ええ」

 ゆっくりと進んでいくと先に話し声が聞こえてきた。

「馬鹿じゃねえのっ!」
「黙れ。いいからこの枷を壊せ」
「いやいや、その枷って話を聞く限りじゃお前のための奴じゃねえか。これぶっ壊して追ったところでエドナちゃんにさらに嫌われんぞ。だいたいドラゴンモードで負けたんだろうが、その状態で勝てると思ってんのか?」
「ちっ」
「まあ、俺も気になるからいってみるわ。ドラゴンすら浄化できるってんなら、俺にとっても朗報だからな」
「エドナを守ってくれ」
「任せな」
「ザビーダさん!」

 ライラの知り合いみたいだ。彼等の一人は縛られたままだ。

「よう、ライラ。悪いがこいつのことを頼むぜ」
「ちょっと、ザビーダさん!?」
「逃げられちまうかもしれねえんでね!」
「だめです!」

 ザビーダといわれた人がライラに止められる。

「それで色々と教えてほしいんだけど」
「お前は……」
「俺は導師スレイ」
「導師だとアルトリウスか」
「いや、違うからな!」
「そうですよ。アルトリウスさんは……」
「しかし、あのくそ爺と同じ力を持った奴までいやがった。いや、あの導師のいやらしい手はくそ爺にも似ている」

 誰の事かはわからない。

「とりあえず、俺はたぶん違うよ。それで説明してほしい」
「だろうな。まあ、いい。お前が導師だというなら説明してやる」

 それからとんでもないことを聞いた。大切な妹さんが導師に誘拐されたらしい。これは協力して助けてあげないと。

「おい、絶対に勘違いしてやがるぞ」
「しらん。相手がどうとうとそれはそいつの勝手だ」
「まあ、そうだな」
「あははは」

 その後、すごいことが起きた。アイゼンさんが凄い力を手に入れてしまったのだ。




マーリンド、です

 

 

 

 外の声が聞こえて目覚める。昨日は寝るのが遅かったから、もう昼すぎだろう。隣をみれば一糸まとわぬアリエッタとサイモン、エドナがいる。昨日は楽しませてもらった。おかげでスッキリとしたし、集めた穢れを浄化できた。

 

「じゃあ、ちょっと散歩にでようかな」

 

 外にでると来たときにはいなかった人が街を歩いている。治療は終わったけれど、再発するだろうね。根源はまだ残っているから。

 

「イオン様」

「アリエッタ、起きたんだ」

「アリエッタもいくです」

「じゃあ、いこうか」

「はい、です」

 

 何時もの服装、フォンマスターガーディアンの服装になっている。そんなアリエッタと一緒に街を回っていく。奥にあったダムノニア美術館に入ってみる。

 

「ここも瘴気に満ちている、です」

「そうだね。美術品を鑑賞しにきたんだけど……やれやれ」

「イオン様、アリエッタが先行する、です」

「お願い」

 

 蜘蛛の巣をアリエッタが破壊し、進んでいく。一番奥の部屋に向かうとそこでは上半身が女性で下半身が蜘蛛になっている奴が待っていた。

 

「アリエッタ」

「イオン様は見学していてください、です」

 

 アリエッタが駆け抜けて圧倒する……と思っていた時がボクにもあったとさ。

 

「おいで」

 

 でてきた蜘蛛の慿魔はすぐに服従した。アリエッタの前には魔獣系など意味がないようだ。まあ、別にいいけれどね。さて、少し見て回ろうかな。

 

「アリエッタ、これってどうなんだろ?」

「アリエッタ、わからない、です」

「ん~これはひまわり? 前衛的なものもあるけれど、なんかいくつか消えてるね」

「別のところにいったみたい、です」

「だね~」

 

 まあ、盗まれたんだろうけれど純粋なアリエッタにはわからないだろう。色々と二人で鑑賞して戻ると宿からエドナの悲鳴が聞こえ、土でできた塊によってお兄さんが吹き飛んでいった。

 

「すごいね。もう追いついてきたんだ。それにこの街に巣くってたドラゴンパピーも浄化されたみたいだし……」

「イオン様、イオン様。そもそも相手にならない、です」

「まあそうか。でも、ばれたらエドナに怒られるかな?」

「大丈夫、です。たぶん」

 

 宿に近付くとサイモンがやれやれといった表情で佇んでいて、正座させられているお兄さんがエドナに踏まれていた。

 

「なに、妹が泊っている部屋に侵入して裸をみるなんて、馬鹿なの、死ぬの?」

「いや、あれは事故だ。それにそもそもお前のなんてみても……」

「へぇ、そう……人がどれだけ心配してお兄ちゃんを助けたか……」

「いや、それとこれとは……」

「あっ?」

「悪かった。俺が悪かったから」

「ふん。お兄ちゃんの馬鹿。それでもう大丈夫なの?」

「それなんですが……浄化した導師さんはどこにいらっしゃるのですか? 少し聞きたいことが……」

「そいつなら、そこよ」

「ただいま」

 

 近付くとお兄さんがいきなり飛びかかってきた。腕をドラゴン化させて。当然、アリエッタがボクの前に出て受け止める。そして、サイモンが杖をつきつける。

 

「ねえ、イオン。お兄ちゃんの腕はどうなってるの?」

「ああ、それなんだけどボクがサービスとして竜化もできるようにしておいてあげたよ」

「……聞いてないんだけど?」

「完全に浄化するより、こっちの方がいいかとおもってね。これなら瘴気も扱えるし撃ち出すこともできるから」

「なるほど。お兄ちゃんはどうせまた旅にでるでしょうし、そっちのほうがいいわね。ありがとう、馬鹿なお兄ちゃんのことまで考えてくれて」

 

 ボクがエドナと話している間も、二人が高速で殴り合っている。驚いたことにドラゴンの時より強くなっている。

 

「あの、あなたの力についてお聞かせください」

「いやだね。ボクに答えるメリットはないし」

「それは……」

「それにボクは貴方を信じられない」

「そういうことだ。貴様はお呼びではない」

 

 サイモンが後ろからボクに抱き着いて、肩の上から顔をだしていってくる。

 

「貴女は……」

「私はサイモン。我が主に仕える天族だ」

「そいつが幻術を使う天族だ」

「なるほど。あなたが……」

「我が主、朝食はどうなさいますか? なんでしたら今から作りますが……」

「いや、面倒だから逃げよう」

「かしこまりました」

「待ちなさいっ!」

「ちょっ、聞きたいことがっ!」

 

 煙を出してエドナを連れて逃げる。

 

「まちやがれっ! エドナを置いていけ!」

「断るよ」

「あ~れ~」

「くそっ!」

 

 棒読みでにやにやしつつ攫われていくエドナ。楽しんでるよね。

 

「お姫様は貰っていくのだ! アリエッタっ! サイモンっ!」

「はいです!」

 

 フレスベルグ達を呼び出して空へと飛ばしてもらう。当然、幻影を乗せて。ボク達は幻影で別のところに歩いて逃げる。

 

「甘いぞ。幻術使いには相当煮え湯を飲まされたから対策はできているっ!」

「ちっ、鬱陶しい。ならば……実態のある幻術ならばどうだ」

 

 指を鳴らすと無数のエドナが現れてエドナワールドが展開された。

 

「昨日、エドナの身体は散々確認した。再現率は完璧だ」

「なにしてくれてるの。だいたい私の胸はもう少しあるわよ……」

 

 しかし、お兄さんが執念なのか本物を狙ってくるので、サイモンがエドナ達を壁にして逃れて。流石のお兄さんもエドナの前でエドナを攻撃することはできなかったようだね。さて、マーリンドから逃げたボク達はそのまま次の目的地へと向かう。導師に追われたらまともに観光する時間がない。

 

「主様、少し確認したいことがあるのですが……観光ではなく戦いの場に赴いてもよろしいでしょうか?」

「戦いの場?」

「戦場です」

「戦場って、大丈夫なの? まあ、イオンならどうとでもなりそうだけど……」

「アリエッタは反対、です」

「どうしてもいきたいの?」

「はい。グレイブガント盆地には私が滅ぼした村があります。そこにいきたいのが一つ。もう一つはこの時間軸と世界における私とあってみたいからです」

「それは気になるね。アリエッタ、無茶はしないからいいかな?」

 

 アリエッタが不安そうにしている。エドナの方をみると、少し考えてから答えてくれる。

 

「戦争に参加するわけではないのでしょう。だったらイオンなら大丈夫よ。まずはその村をみて、続いて戦場でもう一人のサイモンを探す。それだけでしょう。もしも心配ならイオンに私が入って神威化しておけばいいわ」

「神威ってなに?」

「なんなの、です?」

「教えてないの?」

「必要なかったから忘れていた」

「なるほど。たしかにイオン達の力なら必要ないでしょう。神威というのは私達天族を武器とし、導師が器となるの。失敗したら両方死ぬわ」

「イオン様が死ぬのはめっ!」

「大丈夫よ。試してみたらいいわ。どうせ簡単に成功するから」

「アリエッタ、やってみるよ」

「うぅ~」

 

 しぶるアリエッタを抱きしめながら、エドナの真名を告げて神威化する。服が白と黄色になり、周りに拳のような物が浮いている。

 

「サイモンとやればどうなるのかな」

「ちょっと待ちなさい」

 

 サイモンの真名も告げて取り込む。すると杖が変化した。ただの杖のようにみえるけれどサイモンの物はやばさの桁が違った。幻想世界(ファンタズマゴリア)。サイモンとボクが張った結界の中ではボク達が想像したものがあたかも現実世界に実態化するかのようにして現れたり、どんな不条理なことだってそれが事実だと思いこめば実行できるという力だった。

 

「なるほど、これは使えるね」

 

 ヴァン率いるオラクル騎士団を呼び出せるかもしれない。そうなれば楽しいことになるだろうね。

 

「使う必要があるのかはわからないわね」

「主様達には必要ないかもしれない。まあ、護衛としては使えるだろう」

「アリエッタもできる、ですか?」

「従士契約を行っていたらできるはずだけど……」

「アリエッタ、それならできるはず、です」

「こっちのはわからないけど、感覚共有とかもできるようにしているし、多分できるよ」

「では私が入ってみよう」

 

 アリエッタもちゃんとサイモンと神威化ができた。これでこちらでもアリエッタがボクの従士だと証明された訳だね。

 

「で、グレイブガント盆地が戦場になるのよね?」

「私の記憶ではそうなる」

「選択肢は何個かあるわ。邪魔をして戦争をなくすか、戦場を破壊して戦えなくするか、問答無用で第三戦力として殲滅するか、面倒だから放置するかね。私は覗くだけ覗いて放置がいいわ」

「今回はサイモンに任せるよ。好きにしていいよ。ボク達は付き合うし。思えば戦場にでたことなんてないしね。調停は何度かしたけれどね。だから、少し楽しみかな」

「イオン様の身の安全はアリエッタが全力で守る、です」

「ありがとう。エドナもそれでいい?」

「いいわよ。主神のサイモンに従ってあげる。感謝なさい」

「感謝する」

「素直ね」

「村のこととか色々と気になるんだろう」

「そうね。私もお兄ちゃんが助かる前はずっとお兄ちゃんのことを気になってたから、仕方ないわね」

 

 エドナも納得してくれているし、いいかな。問題は同一存在による共鳴がおき、オリジナル同士の超振動が起こるとどうなるかわからないことだね。まあ、そもそもオリジナルが二人もいることがおかしいんだけど。未来ともいえないから、並行世界の自分とあうわけだし……ひょっとしたら対消滅してしまう最悪の可能性だってある。接触は気を付けさせないといけない。けど、研究者としては興味深い。

 

 

 

 

 

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