オリジナルイオン(?)がアリエッタと共に世界救世旅行へ   作:ヴィヴィオ

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イオン様の邪魔はめ、です

 

 

 エドナ

 

 

 

 お兄ちゃん達から逃げた私達はマーリンドからグレイブガント盆地へと向かっていく。歩きづらい状態で傘を杖がわりにして坂道を登って進んでいく。というのも空を飛んだらお兄ちゃん達に見付かってしまうから仕方ないわ。ちなみにこんな状態になっているのも全てイオンが悪いのよ。

 私の前にはイオンと手を繋いだアリエッタが嬉しそうに進んでいる。聞いた話では死に別れたらしいから、嬉しくてたまらないのね。

 

「エドナ、サイモン、大丈夫? 辛いならボクの中に入っていたらいいよ」

「私は大丈夫です」

「私も遠慮するわ」

 

 さっさとイオンの中に入ってごろごろしたいけれどできないわ。昨日、坊やに好き勝手に全身を撫でまわされ、かき回されたせいで違和感があるのよね。アリエッタは向こうの世界でもしていたから平気みたいだけれど、同じようにされたサイモンが歩いているから私も歩くことにするわ。流石にくやしいのよね。

 

「まあ、何時でもいいよ」

 

 私とサイモンは後ろからゆっくりと進んでいく。

 

「イオン様、検問がある、です」

「検問か。まあ、知ったことじゃないけれどね」

 

 視線の先では確かにハイランド王国の兵士達が道を塞いでいるわね。面倒なことを嫌うならこのまま引き返して空からいくか、幻術で通るのがベストでしょうね。

 

「我が主、どうしますか?」

「当然、このまま進むよ」

「ちょっ」

 

 止める間もなくイオンが先にいってしまって、兵士が止めに入った。どうやら友好的に話してはいるようね。

 

「なんだお前達は……」

「ボク達はここを通りたいんだけど」

「通すわけにはいかないな。これからローランス帝国との戦争が始まるんだ」

「戦争?」

「そうだ。だから子供はさっさと帰れ。さもないと捕えるぞ」

「そちらの理由はわかったけれど、それでどうしたの?」

「なに? だから戦争だと……」

「ボク等が従う理由はないよね?」

 

 兵士が剣に手をかけたけれど、それって逆効果よ。護衛であるアリエッタが反応して、そのアリエッタの意思に反応した慿魔達が襲い掛かる。

 そもそもイオンには交渉する気もないみたいだし、本人は気にせず通っていっている。

 

「ハイランド王国と戦うの?」

「振りかかる火の粉は払うけれど、国につく気はないよ。ああ、アリエッタ、殺さないように手足を噛むだけにしてあげるといいよ」

「殺さないなんて優しいですね」

「サイモン、イオンはその方が被害が出るとわかっているのよ」

「……どういうことだ?」

「怪我をした味方は治療しないと士気にかかわるし、やらないわけにはいかない。治療に大量の物資と人手を使うから、動けない兵士はただのお荷物でしかないのよね」

 

 相手を効率良く消耗させるのなら、殺すよりも殺さないほうが消耗を強いることができる。仮に怪我人を殺して食い扶持や使う物資などを減らそうとすると、次は我が身と思う兵士達はろくに戦わずに逃げたり反乱を起こしたりする可能性が高くなるわ。国のために死を覚悟している精鋭部隊ならそんなことはないのでしょうが、兵士のほとんどは家庭があり家族を支えるために働いているのだしね。

 

「えげつないものね」

「殺してないだけ慈悲深いよね」

 

 恨みつらみで穢れがたまりそうなんだけど、イオンの場合は自力で浄化しちゃうから問題ないのでしょうね。

 

「そもそもイオン様の邪魔をするのがめ、です」

「我が主の邪魔をするのなら、相応の被害を覚悟してもらおう」

「馬鹿ばっかね」

 

 私は傘をさしてクルクルと回しながら進んでいく。するとイオンが隣にやってきた。

 

「エドナ、大丈夫?」

「平気よ」

「ならよかった。気分が悪くなったら言ってね。サイモンもだよ」

「はい」

 

 アリエッタが前に出て、サイモンが後ろに移動して、私達二人を守る感じで進んでくれている。その周りには護衛の狼の慿魔、ライガ達がいる。まあ、彼等の役目はほぼないのよね。その前にサイモンによって同士討ちが行われているから。

 

「なっ、なぜローランスの兵がここに!」

「くそがっ、裏切りやがってっ!」

「たっ、たすけっ……」

 

 災禍の顕主まっしぐらなんだけど、大丈夫かしら?

 

「ねえ、この人達は助けないのかしら?」

「助けないよ。自ら武器を取って戦うことを選択しているんだから、彼等は戦士だよね。だったら、死ぬ覚悟だって当然できているはずだよ。ボクは導師だから、彼等の意思を尊重する。ボクが助けるのは理不尽な被害にあっている無辜の民など力なき者達やボクが気に入った人だけだよ。ただ、決して祈るだけでなにもしないような奴や困った時だけ頼りにくるような奴は逆に罰をくれてやるけどね」

「同感ね。困った時だけ神頼みをしてくるような奴なんて私も嫌いよ。でも、それなら大丈夫そうね」

「どうしたのかな?」

「なんでもないわ。それよりもサイモンの目的地は遠いのかしら?」

「さあ?」

 

 まあ、ゆっくりといきましょう。ただ、穢れが大分増えてきたから、お兄ちゃんたちが心配ね。あちらにはライラもいたから、必ずここにくるでしょうし。私達はイオンのそばにいるから大丈夫だけれど、あちらの導師の実力次第じゃ大変なことになるかもしれない。でもお兄ちゃん達がいるし、最悪なことは起こらないでしょう。ライラなら導師の予備がいるって思って無茶するかもしれないけれど。

 

 

 

 

 

 

 




スレイ達は戦場に向かうのが楽になりました。アリーシャさんは戦争を止めるのが楽になりました。被害が結構でているでしょうが
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