いやーー寝た!すっげー寝た!マジで寝た!
そんでもってネタであって欲しい……ネタじゃないんか……そうだよねこの
びっくりする程美味しい空気、鼻をくすぐる微かな獣臭。
現実だ……だってすげーリアルだもん……。
布団の中で、自分の身体を探る。
まだ理解が追いついていないけど、前世の言葉を借りるなら、わたしは転生者だ。
前世のわたしは、何処にでもいそうな、ゲームが好きな普通の男だったと思う。
日本の、ごくごく普通の一般家庭に産まれ、普通に育ち、普通に進学をして。
大学生という最後のモラトリアムを
現世のわたしは、四人家族の末っ子。5歳の女の子である。
女の子である。
えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…………。
股間にアレがないのにもビックリだけど、それ以上に肌がぷにぷにすべすべ……何これ……。
こりゃ世のロリコンも性犯罪を犯してしまうのも頷けるヤバさしてますわ…………。
というかね、前世の20年余りの記憶や人格は確かに受け継いでいるんだけど、それよりもこの世界で女の子として生まれ育った5年間の方が記憶に新しいんだ。
色々と混同してしまうけど、今のわたしは自然と家族が大好きな、
精神年齢がカオス。
つまり……どういうことだってばよ……いやまぁ考えてみたら25~30歳くらいの継続した記憶が突然5歳の頭の中に詰め込まれたんだもんな……そりゃもう大変なことになるよね。
少しずつ整理のついた思考を片隅に追いやり、身体を起こしてみることにする。
伸びをして、窓から入る陽の光を浴びる。
今が何時で、ここが何処なのか。
色々知りたいことは山積みだけど、何よりも今の自分を知りたくて鏡を探す。
思えば、各地を転々とする狩猟ライフの中で、自分の身なりなんて気にしたこともなかった。
5歳なんてそんなもんだと思うんだけどね。
布団から出ると、身につけた衣服が自分のものではないのを知る。
サイズは合ってるけど、この家の子供のものだろうか。
シンプルに可愛いな。
でもって色白いなー自分。
鏡はどこかなーっと……あったあった。
顔は……かお!?何この美少女!すっげー顔!えっ顔だよね?マジか!うわーマジか!可愛いー!わたし可愛いー!!顔がいい!!あまりの顔の良さに語彙力が遠く彼方へいってしまうくらいには可愛い!
お腹が鳴る。
そりゃそうか、どれくらい寝てたかは解らないけど、きっと長い時間眠っていたんだと思う。
なんとなく、鼻血が出て、頭が痛くて、とにかく一瞬にして具合が悪くなったところまでは覚えているんだけど。
とにかく情報収集をしなければならないな。
寝室(?)を出ると、すぐに迎えたのは生活感のある大きな部屋だった。
中央には丸い食卓があり、エスニックなテーブルクロス、似た模様の絨毯に、古くもしっかりした作りの木製椅子が並ぶ。
壁際には立派な食器棚と本棚があり、自分の拙い記憶の中と照らし合わせても、村でも権力のある家の作りだということが理解出来た。
「誰かいますかー……」
うっわ声も可愛いわたしロリコンだったのかな?
この5年間気にすることなく毎日を過ごしていたけど、男としての記憶を思い出した今、信じられないほどキメラな思考の自分がいて。
あーもう迷子。
人生って迷路。
人間難しすぎる(?)
「シャル!目を覚ましたのね。よかった……。」
「エマ!」
わたしを抱きしめるのは、母親のエマである。
30代半ばではあるが、流石わたしのお母さん、とっても美人。
いやーよく考えたら家族みんな美男美女かようち。
人生イージーモードかよ。
……いやそんなことなかったわ大型モンスター何頭か遠くから見たことあるけどあんなのと共存しなきゃいけないこの世界マジハードモード。
前世に帰りたくなってきた。
でもお母さんのおっきいおっぱいに幸せ感じてるから今は大丈夫。
そろそろ呼吸も辛くなってきた。
わたし病み上がりだよ?
最初は酷く
暖かいスープを入れてもらいながら、ここはベルナ村というところの村長さんの持ち家で、わたしが回復するまで貸してもらっているのだということを喋ってくれる。
わたしが起きたのが余程嬉しいのか、エマはとても上機嫌だ。
そうそう、わたしの家族は、続柄ではなく名前で呼び合う家族なんだよな。
前世では珍しかったと思うけど、現世だとどうなんだろう?
「今アルマとアルトは村の周りで採集しててね。もうすぐ帰ってくると思うから、そしたらごはんにしよっか。ちょうどお昼だしね!」
「はーい」
エマに水汲み場を教えてもらい、顔を洗う。
この世界、ゲームのイメージでは身なりが綺麗な人が多いけど、上下水の処理がしっかりしてるのかなぁ。
井戸から汲んだ水をうまいこと逃がしてるんだろうな。
なんて考えたりしてるけど、多分その辺はご都合主義ってやつなのだろう。
食卓に戻り、エマと談笑しているとアルマとアルトが帰ってきて、アルマがわたしを抱き締めた。
ゴツゴツした身体に父親を感じる。
あー、この家族好きだなぁ。
当たり前ってすごいことなんだなぁ。
横目に見たアルトも嬉しそうだ。
エマとアルマが近況を話し合う。
わたしの快復を待つまでこの家を借りたいとエマは言うが、アルマは渋い顔をする。
聞くと、この辺りはかなり近くまで大型モンスターがいて、採集が捗らないようなのだ。
アルマも元ハンターだし装備も整っているが、アルトにはまだ早いということなのだろう。
であれば、いつも通りの生活に戻り、
この家、いくらで借りてるんだろうと疑問に思うけど、きっと教えてくれないから考えないことにする。
ん?ここ、ベルナ村って言ってたよな……。
そんなに近くにモンスターきてるって、あんまり良くないことなんじゃないの?
昼食を食べながら方針を決めたわたしたち家族は、あと3日ベルナ村に滞在する事にした。
エマは村で少しの内職とわたしの看病(といってもほぼ快復してるんだけど)、アルトは午前中だけアルマについて採集の手伝い、午後は家でわたしと調合の勉強をし、アルマは午後から大型モンスターの狩猟をするといった具合だ。
「ちぇっ、おれも狩りにいきたかったなーーランポスくらいだったらぶっ飛ばせるのに!」
「エマきいてくれよ、アルトのやつ、遠目に見たドスランポスにちびってやがったんだぞ。面白いだろ」
「あー!!アルマそれ内緒って約束したじゃん!!」
「あらあら」
楽しく会話をするが、改めてここはモンスターハンターの世界なんだなと実感する。
アルトも、父の英才教育があるとは言えまだ7歳だ。
自分の身体よりも大きいランポスを倒せるだけ凄いことだと思う。
わたし?わたしは絶対やりたくないよ!怖いもん!
しかし、調合か。───覚えてるかなぁ。
あの知識通りなんだとしたら、わたしこの世界で伝説の
村クエなんかの依頼文章から推察されるハンター業界の常識、きっと遅れてるし、モンスターに対する知識なんかも考えると、ゲームを攻略してたわたしは将来リアルハンター目指すべきかなぁ。
やだなぁ、狩猟ライフ……わたしはスローライフが送りたいんだけど。
ゲームならいいよ?でも、現実で狩りなんて想像つかないもん。
何よりモンスターの攻撃痛そうだし。命懸けだろうしなぁ……。
家族は、酷くわたしの心配をしてくれていた。
わたしは原因不明の病にと思っていたが、今の快復具合を見て、胸をなでおろしたのだろう、自然に笑顔が見受けられる。
そんな家族を見て悩んだ結果、前世の記憶は秘密にしておくことにした。
色々と面倒だろうし、何よりも好奇心が勝ってしまった!
将来有望なこの容姿、活かさない手はないでしょ……ふふふ……楽しむぞ人生!ひゃっほー!!
と、顔に出ていたのか、アルトが不思議そうにわたしを見る。
危ない危ない、変な妹と思われないように、いつも通り過ごさなきゃな。
ボソッと「お漏らし」と呟くと、アルトが怒って追いかけてくる。
ふふ、楽しいなあ兄妹。
と、走り回って気付くが、この身体スペックが高い。
この世界の補正なのかな?頭で思う以上に動くし、動いている時、視野も広い。
なるほど楽しいこの世界。
前世の記憶がなけりゃこれも当たり前だと思ってたのかなぁ。
文字数が迷子。ふえたりへったり。しょうせつむずかしい。
iPhoneのメモに書き溜めて、メールでpcに送って、それを推敲して、という流れで書いているのですが、なかなか勝手がわかりません。
ルビも試しに振ってみているのですが、鬱陶しいでしょうか?
「こう読んでほしい」「誤読がないように」と、常用されていない言葉はなるべく振ってみています。何か意見等ありましたら忌憚なくお聞かせください。