Fate / ゼロ   作:JALBAS

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ルルーシュとカレン。
性格も行動パターンも大きく異なる上に、かなりの自己中のこの二人。
果たして、うまくやっていけるのか?
そんな凸凹コンビが、冬木の聖杯戦争を掻き回します。




《 第二話 》

昨日は余程疲れたのか、私が目を覚ましたのは、もう昼過ぎだった。

着替えて、朝食(昼食?)でも作ろうとキッチンと共有の居間に来ると、テーブルの上にラップの掛かった皿が置いてあった。皿には、ひとり分の食事が盛り付けてある。その横に、書置きもあった。

“寝坊助のマスター殿、朝食は用意しておいた。あと、あまりにも汚かったので、掃除もしておいた……”

部屋の中を見渡すと、部屋が随分と片付いている。私は、最低限の片付けしかしなかったので、まだ周りは埃まみれだったが、今でも人が住んでいるかと思われるまで綺麗にされていた。

 

以外に、生活力が高いのね……あの英霊……

 

そんな事を考えながら、書置きの続きを読む。

“少し外出して来る。夜までには戻るので、迂闊に外を出歩かないように。”

 

何のために、外出するの?

もしかして、聖杯戦争の下調べなの?

 

どうも、どちらがマスターか分からなくなってくるが……

 

まあ、いいわ。

自分で動くのも、面倒くさいし……彼がやってくれるなら、私はここでのんびりしていましょ……

 

食事を終えた後、特にする事も無かったので、また寝室に戻って寝てしまった。

 

 

「おい!起きろ!」

乱暴な声で、目を覚ます。

気怠そうに起き上がると、随分と苛ついた様子のルルーシュの顔がそこにあった。

「……おはよう……」

「おはやく無い!今、何時だと思ってる?」

「今、何時?」

「もう、午後7時を過ぎている!」

「じゃあ、おそよう。」

「言い方を変えればいいという問題じゃ無いだろう!何時間寝れば、気が済むんだ?」

「可能なら、一生寝ていたいけど……」

「ええい、どこまでものぐさなマスターだ!もういいから、早く起きろ!」

急かされて、着替えて、彼に着いて行く。

昨夜、彼を召喚した部屋に連れて来られた。ここも、掃除をしたらしく、綺麗に片付いている。

私が敷いた魔方陣はそのままで、その中央に丸テーブルが置かれ、そこに水晶玉が置かれている。彼はそそくさと水晶玉の前まで行き、何やら呪文を唱える。そして、入り口で呆けている私を呼ぶ。

「何をしている?早く、こっちに来い。」

「はい、はい、」

また怒鳴られるのは嫌なので、言う通り水晶玉の前まで行き、彼の向かい側に立つ。

「今日、冬木市全域に監視網を敷いて来た。」

「あら?それはご苦労様……」

「しばらくは、ここで、他のマスターとサーヴァントの動きを監視する。」

「随分、消極的なのですね?」

「慎重だと言ってもらいたいな、お前は、私達の置かれた現状に対しての、危機感が無さすぎる。」

「現状?何か、問題でも有るのですか?」

「大有りだ!そもそも、お前は、昨日日本に着いたばかりと言っていただろう?」

「ええ、そうよ。」

「なら、この冬木市の事も、ここに住む住人の事も何も知らんのだろう?」

「ええ、知らないわ。」

そこでルルーシュは、また、軽蔑するような目を私に向けて、溜息をつく。

「まったく……更に、俺はこの世界の英霊では無い。この世界の事も、他の英霊の事も殆ど知らん。」

「うん、うん、」

相変わらず、私は他人事のように相槌をうつ。

「だから、こうして他のマスターや、サーヴァントの行動を監視するんだ。そうしなければ、戦略も立てられん。」

「つまり、相手の手の内が分からないと、勝てないって事ですね?」

「ああ言えば、こう言う奴だな?まあ、好きに考えればいい。まがりなりにもキャスターのサーヴァントが、行き当たりばったりの戦いをする訳にはいかないだろう?」

彼は、決して弱気になって、このような事をしているいのでは無いという事は分かった。

むしろ、こうやって相手を観察し、どう戦うか考えるのを楽しんでいるかのように見える。根っからの、策略家なのだろう。

「おっ、早速動きがあったぞ。」

「え?本当?」

私も、水晶玉を覗き込む。

ここは、学校だろうか?グラウンドと思われる場所で、二人の英霊が戦っている。

ひとりは青い軽装の鎧を纏い、赤い巨大な槍を駆使している。おそらく、ランサーのサーヴァントだ。もうひとりは、赤い戦闘服を纏い、両手に白と黒の2本の剣を持って戦っている。しかし、セイバーには見えない。後方で見守っている女のマスターが、“アーチャー”と叫んでいるから、アーチャーなのだろう。でも、全然弓を使わない。

そうしている内に、偶然通りかかった男子学生にその場を目撃され、ランサーがそれを追って行ってしまったため、戦闘はお開きになった。

「一応、ランサーとアーチャーのサーヴァントの確認はできたな。その力までは計りきれないが、戦闘スタイルは分かった。あと、アーチャーのマスターの顔も見れたな。」

「あれは……遠坂の娘ですね。」

「知っているのか?」

「遠坂の娘についてなら、聖堂教会にも情報は流れています。名前は、“遠坂凛”。もっとも、顔と名前を知っている程度ですけど……遠坂家は、代々続く魔術師の家系で、第一次の聖杯戦争からずっと参加しています。」

「うむ……要注意マスターというところか……あのアーチャーも、何か得体の知れないものを感じる……」

 

更に、観察を続ける。

結局、戦闘を目撃した男子生徒が7人目のマスターで、セイバーのサーヴァントを召喚したようだ。今度は、セイバーとランサーの戦いになる。

これも結局痛み分けで、ランサーはその場から逃走した。そこにまた、アーチャーと遠坂凛が現れ、戦闘になる。しかし、セイバーのマスターの男の子が、この戦いを制止した。

「ん?……」

急にルルーシュは、水晶玉に映る画面を変える。水晶玉には、屋根づたいに飛び回る、ランサーの姿が映し出される。

「……まずいな……」

水晶玉をずっと凝視していたルルーシュが、顔を顰めながら言う。

「どうかしましたか?」

「このサーヴァント、ここに向かっているぞ。」

「え?」

「俺達の魔力を、こんな遠距離で感知できる訳が無い……カレン、お前誰かに、ここを拠点にしている事を教えたか?」

「いいえ……来たのは昨日だし、今日は、あなたの指示通り外出していません。あなたが、つけられたんじゃないんですか?」

「いや、そんな筈は無い。霊体化していたし、サーヴァントが後をつけて来れば、必ず魔力を感じる筈……」

ルルーシュは、“ゼロ”の仮面を取り出して被る。そして、部屋を出て行こうとする。

「戦うつもりなの?」

「仕方あるまい。まだ、我らの拠点を、他のマスターに知られる訳にはいかん。」

「でも、あのサーヴァントのマスターは?」

「おそらく、あれは単独行動だ。さっきセイバーと戦っていた時に、“様子見”と言っていた。サーヴァントは、倒せば消滅して痕跡は残らない。他のマスターに、この場所を知られる心配は無い。もし、奴のマスターがこの場所を知っていたとしても、サーヴァントを失えば手出しもできんだろう。」

「そう……でも、勝てるのですか?」

すると、ゼロはこちらを向いて、笑みを浮かべる……いや、仮面を着けているので顔は見えないが、私にはそう感じられた。

「愚問だな……俺の力、その水晶玉で、良く見ていろ。」

 

私を部屋に残し、ゼロは屋外に出て行った。

ひとり屋敷の前に立つゼロの前に、ランサーのサーヴァントが現れる。

「ほう?俺が来る事を、事前に知ってたってか?」

「一応聞いておこう、何故、ここにサーヴァントが居る事を知っていた?」

「答える義理はねえな。」

「まあ、そうだろうな?」

「こっちも質問だ、お前、キャスターか?」

「そうだ……だが、私をキャスターと呼ぶな。」

「何だと?」

「“ゼロ”だ!私の事は、“ゼロ”と呼べ!」

「ふん、ふざけた野郎だ!まずは、その変てこな仮面を剥いでやるよ!」

そう言って、ランサーは赤い槍を取り出し、両手で持って構える。

「仮面を剥ぐだと?そんなに私の顔を見たいのなら、見せてやる。」

ルルーシュは、仮面を外して、ランサーに素顔を晒した。

 

「な……何考えてるの、あの人?顔を見せて、もし取り逃がしたら……」

私は、水晶玉の前で、思わず叫んでいた。

 

「な……何のつもりだ?命乞いか?」

「いいや……その逆だ。これで、もうお前の勝機は無い!ゼロの名において命じる、お前は死ね!!」

ルルーシュの目が赤く輝き、その目から、折鶴のような紋章が放たれる。それは、ランサーの目に吸い込まれるように消えていき、ランサーの目が赤く染まる。

「わ……分かったぜ……」

ランサーは、手に持った槍を、自分の心臓に突き刺した。

「ぐはああああああっ!」

激しい血しぶきが上がり、口からも血を吐き、ランサーはその場に蹲る。

 

「な……何なの?ど……どうして?」

私は、何が起こったのか、理解できなかった。

 

「ば……ばかな……」

そう呟いて、ランサーは倒れ、消滅していった……

その様子を、冷ややかな目で見詰め、ルルーシュも呟く。

「まず、ひとり……」

 

ランサーを始末したルルーシュは、得意げに部屋に戻って来た。

「どうだ?俺の力が分かっただろう?」

「何だったの?さっきのは……ランサーに、いったい何をしたのですか?」

「あれが、俺の宝具のひとつ、“ギアス”(絶対遵守の力)だ!」

「ギアス??」

私は、ただ首を捻るだけだった……

 





遂に、ギアスが炸裂!
まず、ランサーが、ゼロの餌食になりました。
ランサーが自害に追い込まれるのは、もう宿命ですね。

何で、ランサーがルルーシュ達の隠れ家を知っていたか?
それはもちろん……綺礼がランサーに、カレンをつけさせたからです。
まあ、そこに顔を出したのは、ランサーの気まぐれです。本人は、ほんの顔見せのつもりだったんですが……
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