最初は裏主人公視点。そろそろ爆ぜても良いと思う。
ではどうぞ。
再び紅魔館に文と二人で戻ってみると――美鈴が後頭部にナイフが刺さっていながら起きて門番をしていた。
……このナイフの結果からわかる事は……。
「美鈴……確かにオレがフォローしてやるって言ったけどよ……流石に寝る自己責任まではフォローできないわ……」
「あはは……ですよねー……」
「紅魔館の日常はいつも通りだとして……美鈴さん、紅魔館の入館許可をいただけるでしょうか?」
文からの願いに美鈴はやはり疑問符を浮かべたようで、美鈴は詳細を尋ねる。
「何故そのような事を?」
「紅魔館のお二方に取材したいと思い、静雅さん同行のもと来ました!」
「お二人というのは理解できましたが、誰を対象に――」
『美鈴。静雅は――あ、あら……帰ってきてたのね……』
「あ、咲夜さん。ご覧の通り静雅さんが帰って来ましたよ」
オレ達との会話に急に現れた人物――紅魔館のメイド長、十六夜咲夜が現れた。
どうやらオレを探していたみたいで……声が少しどもりながら、頬が心なしか少し赤い。
【あの時】の事をまだ気にしているみたいだ……。
オレが喋る前に咲夜は多分、【あの時】の事だろう。【あの時】にした行動を謝罪してきた。
「あの……静雅。【あの時】は……本当にごめんなさい。静雅は悪くないのに怒っちゃったりしちゃって……」
「……いや、フラン嬢の無邪気な誘導とはいえ……オレにも責任はある。それでもオレにとっては役得イベントだったが――」
「…………(チャキ)」
「OK。思い出させたオレが悪かった。だからそのナイフをしまってくれ」
余計な発言をした所為で、頬を少し赤くしながらナイフを取り出したのを見てすぐさまに謝罪した。流石に今のオレの発言に非があったな、うん。
美鈴は当事者でもあったので会話を聞き苦笑いを浮かべていた。その中で話に関係がなかった文は当然疑問に思っただろうな。【あの時】の詳細の事柄をオレに問いかけてくる。
「あの、静雅さん? 咲夜さんがこうなる状態になるまでの【あの時】というものは何でしょうか?」
「オレが話したらナイフで刺されるわ」
オレ自身は話せないと答えると――文は何か思いついたかのような反応をし、小声で話し掛けてきた。
「(静雅さん……それはあなた以外の人物なら大丈夫という事ですね!)」
「(? 確かにそう受け取る解釈も出来るが……咲夜達は話さないと思うぞ?)」
「(それは先ほど話した通り静雅さんの能力で【素直に喋る】という事でお願いします!)」
「(……そこまで気になる事か?)」
「(ネタの匂いがしますからね!)」
……マスコミは本当に敏感だな……。
「(じゃあ能力を発動させるが……記事にする際、咲夜達の名前を公表しないという事だ。それは守れよ?)」
「(はい! 静雅さんに誓って!)」
「(【神に誓って】を掛けたつもりか? まったく……)」
文に少し呆れながらも、【文の質問に喋りやすく】した。手でサインを送ると文はオレに頼むようにいう。
「静雅さん、実は紅魔館のある人物にも取材したいと考えているんですよ。なので入館許可をレミリアさんに貰っても良いですか? その間――咲夜さんに取材していますので!」
「……私に?」
会話に挙がった咲夜が疑問の声をあげたが、オレはお構いなく能力で移動する準備に入る。また男が野暮な話でもするんだろうな。
オレはレミリア嬢から文の入館許可を貰いに行くのと同時に、その場から消えた……。
~side out~
文は静雅が去るのを確認していると……咲夜が彼女に質問した。
「……取材といっても特に目立つような事はしていないわよ?」
「確かにしていないでしょうね……だがしかし! 私はあなたの秘密を知っているのです!」
「咲夜さんの秘密ですか!?」
「……とりあえず言ってみなさい」
文の言葉に美鈴が驚き、表面上冷静な咲夜が詳細を尋ねる。
そして文は――言う。
「咲夜さんが静雅さんに異性としての好意を持っているという事です!」
「――っ!?」
「えっ!? 咲夜さんそうだったんですか!?」
文の言葉に声では反応しなかったが、一瞬体を震わせた。そしてすぐに否定しなかった彼女を見て美鈴は驚愕の声をあげる。
そんな反応をした咲夜に文は根拠を述べる。
「私の情報収集力を甘く見ない事ですね! 毎日ではないですがキッチンでお互いコーヒーを飲みながら雑談していたり、魔法の森で差し入れを持って行ったり、必ず買い出しの時は二人一緒! 他に例を挙げていたらきりがないですが、少なくとも静雅さんに好意を抱いている事は明白なのですよっ!!」
次々と知っているかのように言った文。咲夜は恥ずかしさを通り越して、ジト目で文に問いかけようとしたが――
「あなた……パパラッチを通り越してストーカ――」
「いいえ。私は時代の特ダネを追う者です」
「限度を知りなさい」
屁理屈を言った文に少し怒りを込めながら咲夜は言った。
文と咲夜の会話を聞いていた美鈴は思い出したかのように言う。
「じゃあもしかして咲夜さん……【あの時】で私の服を着てみたいと言ったのは静雅さんにアピール――」
「…………(チャキキ)」
「ごめんなさい咲夜さんナイフは勘弁してくださいっ!?」
うっかり口を滑らせた美鈴に頬を赤くして片手にいっぱいのナイフを持った咲夜を見て彼女はすぐさま謝罪した。
しかし時すでに遅かったようだ。文は彼女の失言を利用して癪に触るような声で問い掛けた。
「おやおやぁ? アピールという事は静雅さんに異性として見て欲しいという事ですよねぇ? しかし先ほどの静雅さんの反応を見た限りだと異性として意識はしていないと思われる。それは即ちアピール出来なかったという事。どんな事が起きたのか知りたいですねぇ? 正直あなたが静雅さんに好意を抱いているよりも、その事柄に興味がありますねぇ?(ニヤニヤ)」
癪に触るように言われた咲夜は文を睨んだ。しかし文は何ともない風に見える。
そして……咲夜は観念するように言った。
「…………はぁ。じゃあ【あの時】の事を話してあげる」
「咲夜さんっ!? 話しちゃうんですか!?」
美鈴は咲夜の言葉に驚愕したが、本人の言い分は――
「どこかの中華風居眠り門番が喋ったからね……」
「…………」
美鈴はその人物に心当たりがあったので、すぐさま気まずそうに顔を反らした。
――実はというと静雅の能力で言う状況にしたのだが。
咲夜の了承に感謝するように(確信犯)文はお礼を言った。
「これはありがとうございます! いや~その話題が気になっていてしょうがなかったんですよ!」
「……一応言っておくけど、もし新聞なんかに載せたりしたら――」
「大丈夫です。その時は名前だけ伏せて誰だかわからないようにしますから!」
「……珍しく謙虚ね? あなた?」
「(だって静雅さんとそういう約束事ですし)」
……なんだかんだ彼女は静雅の言う通りにしているのだ。
そして、咲夜は話し始める。
「……出来れば話したくなかったけど……さらに静雅との関係が気まずくなる方がもっと嫌だし――あれは私が紅魔館で彼を探していた時――」
『……静雅はどこにいるのかしら?』
紅魔館で咲夜は静雅を探し歩き回っていた。
探している理由は……主とその妹のおやつの試食をしてもらい――これを通じてお互いの距離を縮める為でもある。
「(……おかしくない理由よね……)」
彼女は彼がよくいる図書館、フランの部屋にはいなかった。外出する時はパチュリーか美鈴に伝言を残して出かける。二人に尋ねてみたが、そういう伝言は聞いていないという。そうすると消去法で――彼の自室にいるであろうと判断し、歩いて向かっていた。
「……自室にいるより、他の場所の方の頻度が高いというのはなんでしょうね……?」
独り言のように呟いたが、誰も聞く者はいなかった。
歩いて数分ほど経っただろうか……咲夜は彼の自室に着いた。彼女はノックをして返事を貰おうとしたが――
『――やっぱりさ、オレはギャップ萌えを求めたいワケなんだ。性格的、仕草や表情もだが……外界と違って独特な服装を着ている奴が多いんだからさ』
『ギャップ萌えはともかく……要約するとその人の意外性を見てみたいという事だよね?』
『ニュアンス的にはそうだな。外界では見ない服装だが違う服装になってもらいたい』
『外界だと【コスプレ】の分類だけど、幻想郷は日常であの服装だからね……』
咲夜はノックをやめ、彼の自室の会話に興味を持ち耳を澄ました。
「(……声で判断するなら静雅と……友人である侠ね。彼はお嬢様から入館許可を貰っているけど……外界の話かしら?)」
咲夜の推察通り、静雅の自室で話をしている人物は本人と、親友である侠だ。侠は【日食異変】以来、直々に入館許可を貰っている。もしかすると静雅に誘われて来たのかもしれない。
彼女は続けて耳を澄ましてみると、また会話が聞こえてきた。最初に発言したのは静雅だ。
『そもそもオレ達の服装に似た人物はウサ耳JKぐらいだからな。いるだけでも奇跡だが』
『【JK】を強調したいのはわかったから……』
『というかアレだ。いっそ幻想郷の人物の服装をミックスしたら面白くね?』
『場合よっては凄く無理そうな着こなしがあるような……』
『流石に外見は考慮するが。見た目に反してロリものだったら嫌悪感しかしないわ』
『相性が大事だからね。服のコーディネートって』
「(……服の話というのはわかるわね。それでミックス……服を入れ替えるという事かしら?)」
時折外来語を交えて話していた静雅達だが、文脈から意味を推察する咲夜。
まだ会話は止まる事はないようで、静雅は例えで侠に話を振る。
『例えばだが――小悪魔で例えてみよう』
『……何故こぁさん?』
『最近、よく侠は図書館に来るじゃないか。それで小悪魔との会話は日課。今日だって話をしてからオレの自室で話しているわけだしよ。毎回毎回イチャイチャしやがって。もう付き合えよ』
『はいはい。それで? こぁさんで例えて何?』
静雅のからかいにさっと受け流し、会話に戻す侠。
『解せないがおいておくとして……小悪魔の服装はスーツ。これは清潔感に溢れている服装であり、真面目な雰囲気を出せる服装でもある。そこは大丈夫か?』
『大丈夫、問題ないよ』
『では続けよう。性格までも真面目な小悪魔だが――和服を着せてみたらどうだ? 個人的な見解だが、和服にはおしとやかなイメージがある。真面目な雰囲気に清楚も加わって……どうだ?』
『…………惹かれるものは確かにあるね。こぁさんの和服』
『だろ!』
「(確かに似合っているかもしれないけど……緑茶系統のお茶を淹れている光景が浮かんだのだけど?)」
静雅達とは長く小悪魔と触れ合ってきた咲夜にとっては違和感を感じた。
そして――ここからが問題となった会話を静雅は言った。
『いっそ咲夜と美鈴の服装を入れ替えるのも面白そうだよな!』
『それって十六夜のメイド服と紅さんのチャイナドレスみたいな服を入れ替えてみるって事?』
『おうっ! それはそれでギャップ萌えだな! 美鈴の服装は足元が見えそうで見えないのは感じるものがある! 咲夜のメイド服は家事等任せろ的な良妻賢母のイメージがある! 二人とも違った魅力があり、それぞれ違う服装を着てくれたら新しい魅力を発見できると思わんかね!?』
『……流石にそこまで自分はついていけないよ……』
静雅の熱弁に呆れている侠だったが――話を聞いていた人物は有力な情報を手に入れた。
「(……つまり、私が美鈴みたいな服装を着たら静雅は喜ぶということよね……!)」
多少だが恥ずかしいという気持ちはあるが……咲夜は好機という気持ちが強かった。
そしてその行動をとる前に――本来の目的の為である間食の試食の為、彼女はドアをノックした。音に反応するようにして、部屋の中から静雅の返事が聞こえた。
『どちらさんだー?』
「私よ静雅。お嬢様と妹様の新作おやつを意見を聞きたいのよ。ちなみに誰かと話していているようだけど……誰?」
敢えて彼女は知らない事を装った。今来たという認識をさせる為である。
ドア越しから静雅の返事が彼女の耳に届く。
『あぁ。侠がいるんだ。それで適当に雑談していたところなんだ』
「そうなの。じゃあ侠にも試食して貰っても良いかしら?」
『ゑ? 本当に? それはありがとう十六夜』
「一応、多めに作っているから大丈夫よ。それじゃあ少し待ってて」
咲夜は能力を発動し、彼女以外の時を止めた。その間にキッチンへ移動。作っておいたおやつと、口直しにコーヒーを持って行く。侠はどうかわからないが、静雅がいつも入れる砂糖とミルクを持って行くのを忘れない。
すぐさまお盆に一式を乗せ、彼の自室に来たところで――止まっていた時間が動き出す。
そして彼女は部屋に入った。静雅はベッドに腰をかけて座っており、侠は机の傍にある椅子に座っていた。部屋の中は案外綺麗に片付けられている。
予想に反したのか咲夜は静雅に話しかけた。
「……イメージと違って綺麗ね。少し小汚いと思ってたわ」
「オレは綺麗好きだからなー。このくらい当然だ」
そう胸を張っていた彼を見て、呆れるように親友である侠は言う。
「来た時は汚くて、ほぼ9割自分がしたのによく言うよ……」
「おっと侠? そこはオレの成果にして、咲夜の好感度を上げるのに協力すべきだろう?」
「正直の方が上がると思うよ?」
「自分の物ぐらい自分で片付けなさいよ……」
咲夜は呆れながらも備え付けのテーブルにコーヒーと【おやつ】を乗せたお盆をおいた。
そして侠に咲夜は話しかけた後――
「侠、あなたの飲み物の好みはわからないから静雅と同じコーヒーにしたけど……苦手だったりする?」
「大丈夫。コーヒーで問題ないよ」
「なら良かったわ。じゃ、私はこれで失礼するわね」
――そう告げると咲夜はその場から消える。能力で咲夜はある人物へのところに向かった……。
『おろ? そうそう咲夜が帰ってしまった』
『まぁ、忙しいんじゃない? 基本的に家事は十六夜がやっているようだし』
『そういうもんか……で、やっぱりお前さんはブラックで飲むのか?』
『間食の口直しにもなるからね……それに、どこかの誰かさんが自分の紅茶に砂糖を多量に入れたのを飲んで以来、紅茶が物凄く甘く感じるんだよね……』
『おのれ魔理沙! なんて事をしたんだ!』
『君は霧雨に謝ってこい』
「――私の服を、ですか?」
「え、えぇ……お願いできるかしら?」
咲夜は門番をしている美鈴の所へと行き、服の交渉をしていたが、咲夜は美鈴の役割を思い出して悩むように言う。
「……門番が空けるワケにいかないわ」
「あ、咲夜さん。少しの間なら外しても大丈夫ですよ?」
「え? 何でかしら?」
咲夜の疑問に美鈴は答える。
「【私が私用で門から一定距離離れていると、紅魔館関係者以外は入れない】事になっているようですよ? 静雅さんの能力で」
「(……それって門番はいらないっていうことじゃ……?)」
彼の能力の利便性はともかく、ある意味本当の事に気付いていない美鈴。咲夜はその事を胸の内に閉まっておいた。
しかし、何がともあれ問題事は片付くとわかった咲夜は改めて美鈴に頼む。
「じゃあ……悪いけどお願いしても良い?」
「はいっ! では早速行きましょうかっ!」
美鈴は嬉しそうな声をあげながら、咲夜と一緒に自室へ向かった……。
「咲夜さんの合いそうな色合いの服は……この色ですかね?」
美鈴の自室に二人はおり、彼女は自身のクローゼットから見合う服を探し出し――青いチャイナドレスを咲夜に手渡した。
受け取った咲夜は広げて確認し、恥ずかしそうに美鈴に問いかけた。
「……少し太もも……露出が多すぎない?」
「元々機動性重視ですからね。意外かもしれませんが、足技を繰り出す際にスカートよりは下着が見えずらいんですよ? 正面と背面の長い布のおかげで」
「そ、そうなの……じゃ、じゃあ着替えてみるわね……」
咲夜は自身が付けているカチューシャ、着ているメイド服を脱いでいく。彼女の上着、ワイシャツ、スカート……なるべく美鈴に近い格好になるため黒いニーソも脱いだ。彼女は現在上下の下着と、太ももには――ナイフを入れているホルスターがある。
美鈴はそれを見て一言。
「……流石にそれは外しましょうよ……」
「……そうね……」
美鈴の意見に同調し、咲夜は彼女に手渡した。
「(……ついに着るのね……!)」
少し深呼吸をし、いざ着ようとした時――美鈴の部屋の扉が急に開き――
『あっ! 咲夜いた! それにめーりんもいて……めーりんの部屋で何してたのー?』
――レミリアの妹であるフランドールが入って来た。二人は驚いていたが……咲夜は注意するように言った。
「妹様……例え私達であっても、事前にノック、声をかけていただけると助かります。今回は妹様で良かったですが……出来ればですが、そこのところを宜しく御願いします」
「あー……いきなりだとびっくりしちゃうね。ごめんなさい。それで……咲夜はめーりんの服を着ようとしてるの!?」
「は、はい。そうですが……」
「ねぇ、めーりん! 私も着てみたい!」
期待するかのようにキラキラした目で美鈴に言う。そして彼女は言葉を返した。
「妹様のですか……今妹様のサイズの大きさはありませんが、その時はお嬢様のも作ってあげますよ!」
「やったー♪ ありがとうーめーりん♪」
美鈴の返事にフランは声が弾むようにして上機嫌のようだった。
その光景を見て咲夜と美鈴は微笑ましく思っていたが――
「あ、そうだった……静雅ー! 咲夜、めーりんの部屋にいたよー!」
「「…………えっ!?」」
急にフランは自分の従者である静雅の名前を呼び始めた。そして応えるように――
『――フラン嬢に呼ばれて参上! 紅魔館の執事長、本堂静ま――』
彼なりの場の和ませ方だったのだろう。ふざけた言葉と共に能力で現れた静雅は、ある人物の状態を見て――硬直した。
十六夜咲夜がまだチャイナドレスは着ていなく、下着姿の彼女を見て。
咲夜は思った。フランに着替えについては注意していなかった。精神年齢はまだ幼く、同性だからその事に注意していなかった。
静雅は思った。友人に「能力を使わず十六夜を手伝ったら?」と言われ、部屋から出た時にフランを見かけ、探す事を手伝ってもらう事になった。
実際、彼の能力で咲夜の所にたどり着く事は簡単だ。しかし、急に現れる事はもしも仕事をしている彼女を驚かせてしまうかもしれない。それを防ぐ為に徒歩で咲夜を探していた。そしてフランに「咲夜を見つけたら場所を声に出してくれ」と頼んでいた。無論、彼女は了承した。
だが……フランは深く考えずに彼の事を呼んだ。彼女自身が怒られていない事で彼は怒られる事はないと思った為である。
――彼女はまだ幼く、異性の着替えの前での羞恥を覚えていなかった為で起こった出来事であった。
こういう事情もあった事は、静雅と咲夜はこの場で知った。フランは何も悪くない。そういう事を教えなかった自分達が悪い。
だが……そういう事は咲夜の頭の片隅にあったかもしれないが……それよりも、気になる異性の前で自分の下着姿を見られている。その事実に咲夜は顔が赤く染まっていった。
静雅自身は「これは終わったな」と思いつつ、咲夜に声をかけた。
「……………咲夜」
「……………何よ?」
「――眼福だっ!!」
――彼がそう言った瞬間、周りに多数のナイフが配置されたのは無理はない。
「――と、いう事があったのよ……」
「……ご愁傷様です」
「もう少し静雅に妹様に異性の教育をするように言っておくべきだったと後悔してるわ……」
悔いるようにして咲夜は文に出来事を話した。やはり思い出すのも恥ずかしいようで、話している途中から顔が赤く染まっていった。
そして自分が発端と責任を感じているのか、美鈴が文に再確認するように問う。
「文さん。絶対咲夜さんの名前を出さないでくださいね?」
「安心してください。今回の記事で静雅さんもありますからねぇ……。載せたら私は粛正されてしまうので」
頭を後ろを掻きながら少し疲れているようにしている文。
咲夜はその行動に疑問に思った事でもあったのか、詳細について尋ねようとしたが――
「……? どうして新聞に静雅を気にする必要が――」
『おーい文。レミリア嬢から許可がでたぞー』
咲夜が問いかけている途中で静雅が能力で急に現れた。すぐさま文は彼に話しかける。
「お疲れ様です静雅さん。思っていたより遅かったようですが、何か問題でもあったんですか?」
「前にプリンにハバネロを仕込んだ事を根に持っていてな……。それで能力で見様見真似でババロアを作って食わせた。お気に召したのか、かりちゅまになって許可を出してくれたよ」
「あやや……?【ババロア】というものは何ですか?」
「外界のデザートの一種だ。一応フラン嬢にも作ったが」
文の疑問に答えた彼は咲夜に確認するようにして話しかける。
「レミリア嬢から許可が出たわけだから文を紅魔館に入れるぞ?」
「……お嬢様がそう判断するなら反対はしないわ」
「よし、文行こう。ちなみに誰を取材するつもりなんだ?」
「それは図書館にいる――」
二人は話を交えながら紅魔館に入っていった……。
『……ねぇ、美鈴。ここ最近あのブンヤ、静雅の周りによく現れてない?』
『あ~……何となくそんな感じがしますね。静雅さんが紅魔館から出てくるのを待っていたりしてます。その際、文さんに静雅さんの近況を聞かれたりしてますね』
『(……まさかだと思うけど――)』
『――あれ? 紅さんはともかく……十六夜どうしたの?』
『あら? 侠……また図書館に?』
『そんな感じ。じゃあちょっと行ってくるね』
『……侠さん、行っちゃいましたね。彼も最近図書館に来ているんですよね……まぁ、魔理沙さんみたく本泥棒しないだけ私としては全然構わないんですが』
『(……そういえばパチュリー様から良く来ると聞いていたような……?)』
失敗談、つまり過去の回想も含めているので、文字数が二番目に多くなってしまいました。しょうがないですよね。
今回ので答えはわかると思いますが……次回投稿されるのをみて確信を得てください。
ではまた。