最初は表主人公視点。
では本編どうぞ。
一話 『動き出す謎の人物』
満月を見た瞬間……心臓に痛みを感じて、急に自分から何かが出たと思ったら──瓜二つの自分が目の前にいる。
いや……正確には少しだけが違う。自分は赤みの掛かった黒髪で目は黒。しかし目の前にいる自分に似た人物は……黒みが掛かった赤髪で、目が赤い。それ以外は同じだ。口調も少し違うようだけど。
急に自分に似た人物が現れたのを見て、霊夢は警戒し、御札を構えて尋ねる。
「何なのあんた……!? 侠に憑いていた何か!? そんなの感じなかったわよ!?」
「ふむ……改めて対面したの。楽園の巫女の博麗霊夢。感じなかったのはおそらくお主の修行不足だろうの。幻想郷の境界の八雲紫や小さな百鬼夜行の伊吹萃香等は感じ取っておったのに。実力があるからといってだらけるのか感心しないの」
「そんなことはどうでもいいからあんたは何!?」
さらっと流したよ霊夢。反応を見てか少し戸惑う似ている自分。
「む、むぅ……我の説教をそんな簡単に流されると切ない気分になるんだがの……ま、まぁ良い。我はこれで失礼する」
何故かどこかに行こうとする──って、急いで話しとめなくちゃいけない気がする!
「待て! 君は一体何なんだ!? 何で自分と同じ容姿をしているの!?」
自分の問いかけに行動を止めて、自分たちの方へ体を向けながら似た人物は答えた。
「ふむ……主の問いだ。答えよう。容姿に関しては我がお主に似ているのではない。逆にお主が我に似ておるのだ。そして我は何者か……それは少し後で話をしよう。おそらく今日中にわかることだからの!」
謎の人物はそう言いきった後──自分と同じ、赤い龍の翼を出して飛翔してどこかへ飛んでいく。自分はすぐさま声をかけて──
「! ま、待て──」
──止めようとしたけど……言いかけている途中で体の力が抜けて、倒れてしまった。
「きょ、侠!? どうしたのよ──」
霊夢の声がドンドン遠ざかっていき――自分はまた、眠りについてしまった……。
〜side out〜
「──ちょっと侠!? あんたどうしたのよ!?」
霊夢は侠の体を揺さぶる。息はちゃんとあるようだが、まだ起き上がる気配はない。
そこへ──急に現れるスキマ。
「霊夢……! 今の気配は何!?」
当然出てきたのは八雲紫だ。異常を感じ、すぐさま来たのだろう。
霊夢は紫に起きたことを全て話す。そして説明を聞き終えると。
「侠に似た何かが出てきて……侠と同じような能力でどこかに行った!?」
「侠は急に倒れちゃうし……どうしたらいいのか……」
「……気配は消しているわね。探すのは難航だわ……」
これからどうするか二人は悩んでいるとき……急に現れた三人の人影。
『……遅かったわね。変な感じがしたらと思ったら自称人間が倒れている』
『一体これは……!?』
『…………』
紅魔館の主のレミリア、その従者の咲夜……そして、侠の親友である静雅だ。
霊夢はレミリア達に話しかける。
「あんた達も違和感を感じてきたわけ!?」
「前々から自称人間には変な違和感があったからね。この満月を眺めていたときに感じ取ったのよ」
「そしてお嬢様の命で私はお供に、静雅は能力に関してみたら私よりずっと早く着けるのでここに来ました」
「霊夢……少し聞きたい。その違和感は何だ? もしかして侠の体に変化があったのか?」
「……そうよ──」
霊夢は紅魔館住民にも説明した。侠の体から瓜二つの侠が出てきて、侠の龍化を使ってどこかに飛び去った事。
それを聞いた静雅はケースを担ぎ直して飛翔する。
「……オレはそいつを探しに行ってくる! 侠を誰か看ていてくれ!」
静雅は一度、咲夜を一度見た後霊夢の言っていた方向に飛んでいった。
次に行動を促すように言ったのは八雲紫。
「……探す人数は多い方が良いでしょう。幽々子や妖夢、藍と橙にも探させるわ。霊夢。しばらくは侠の事を看ていてあげなさい」
「紫!? それなら私も探した方が──」
「侠の意識があったらそれで良いんだけど、彼の意識はまだ戻ってない。体からその似たような人物がの影響で何かあるかもしれない。だから侠の傍にいてちょうだい。それにこの場には──夜のエキスパートもいるのよ?」
「あら? 私を働かせるつもりかしら?」
紫の指名した人物、レミリアは挑発じみた声で返事をする。
「興味があってここまで来たんでしょう? 何も知らず帰るよりは、知って帰った方が良いんじゃない?」
「フン……行くわよ、咲夜」
「わかりました」
レミリア達も飛翔し、似た人物が向かった先に飛んでいった。そして紫はスキマの中に入り、この場から消えて残ったのは霊夢と意識を失っている侠。
霊夢は侠を抱えてこう話しかける。
「侠……あんた一体何者なのよ……!?」
しかし、返事がないまま時間が過ぎた……。
霊夢達が追っている人物──仮に偽侠だとしよう。彼は竹林に着いて、何かを探すようにして呟く。
「ふむ。ここに我が必要な【力】を持っているの者が近くにいるはずなのだが──」
『誰か助けてーっ!』
翼をしまい考えていた偽侠だが、子供の声が聞こえた。恐怖に怯えている声から……おそらく、妖怪に襲われているのだと察した。
ここで偽侠はあることを考えつく。
「む……ここで騒ぎを起こせば、会える可能性があるかの……? まぁ、物は試しだの!」
偽侠はその声の方向へと走っていった……。
『こ、来ないでぇ……!』
一人の少女は目の前にいる三匹ほどの妖怪から逃げている最中に転び、後すざっていた。たまたまの不運で迷いの竹林に入ってしまい、出られないところで妖怪達に襲われていた。少女は目の前によだれを垂らしながら近づいてくる妖怪に恐怖した。
そして──その内の一匹が飛びかかろうとする。
『いやぁあああ!?』
少女は目を塞ぎ、死を覚悟した。
……だが、何時まで経っても体に衝撃が来ない。不審に思った少女は恐る恐る目を開けてみると──
「
──偽侠が助けたのだ。襲いかかってきた一匹の妖怪はひれ伏している。側面から跳び蹴りを食らわせ、一発で気絶させたのだ。
少女は彼を見たことがあるような反応をし、話しかけようとしたが――
『え……先──!?』
「里への方角は南東の方へ走れば問題ない! 巻き込まれたくないならば去れ!」
『は、はい!』
少女は偽侠の言う通りに南東へと走っていった。そして偽侠は妖怪達に振り向き、悲しそうな声で話しかける。
「……我は悲しいぞ。童を襲うとは……今の幻想郷に対しては詳しく知らんが、弱肉強食なのは良い……だがの、未来を紡ぐ童を襲うのはいただけないの。
偽侠はポケットからスペルカードを取り出し――聞き覚えのあるスペルカードを宣言した。
「──適合【ブリザードオーバードライブ】!」
おそらく、誰だかわかっているユーザー様はいると思いますが……感想欄で答えを書くのは次話以降にしてくださると助かります。
─P,S─
原作は東方ですが、別作品を投稿してみました。こちらは不定期更新ですが……時間に余裕のある方はどうぞ。
ではまた。