幻想世界に誘われて【完結】   作:鷹崎亜魅夜

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 対決。
 三人称視点。
 では本編どうぞ。


六話 『異変解決者と初代龍神』

 ──初代龍神、ティアーの言葉とともに弾幕ごっこが始まった。ティアーは火球の弾幕を作り放ってくる。それに対して侠は地上で転がり回避。霊夢は空中に浮かび回避をした。

 

 侠は体勢を整え、霊夢に指示をする。

 

「博麗! とりあえずは遠距離攻撃で様子見だ! 相手の実力を測る!」

 

「わかったわ!」

 

 侠は剣に弾幕を込めて数発斬撃を飛ばす。霊夢はアミュレットを投げ、相手を追尾させた。ティアーはその光景に感心していたが──

 

「ふむ……まずは遠距離攻撃で相手の出方を見るというのは感心感心。だがの、安直な攻撃は我には効かないぞ」

 

 ティアーは炎を両手に纏い、拳を前に出して火球として繰り出す。器用に侠と霊夢の放った弾幕に当たり、相殺する。

 

「やっぱり簡単には通らないか……!」

 

「侠、あんたチルノっぽくなれる力があったでしょ! それを使った方が良いんじゃない!?」

 

 悔しげにしている彼に、霊夢は【氷水】の力の使用を促した。その能力を使用することによって、相手の弾幕を無力化出来るのではないかと霊夢は考えたからだ。

 

 しかし、侠は苦虫を噛み潰したようかのように言う。

 

「なれるならなりたいんだが……何故か俺の体にそういう【力】を感じないんだ!」

 

「感じない……!?」

 

 彼の言葉に驚いている霊夢。侠の言葉に察しが付いたのか、ティアーが事実を言いつける。

 

(あるじ)が今まで使っていた氷水の力は現在我が持っておる。主が使えるとしたら無属性スペルか、龍化の制限付きだけだの。しかし我は今回氷水の力は使わぬ。水の力は主の能力が効いておるからな。主の能力が関わっていない火の力を使う」

 

「(……? 氷水の力は俺の能力が関与しているのか?)」

 

「さて、ヒントはこれで終わりだの。我は攻めようかの! 火符【フレイムバースト】!」

 

 ティアーがスペル宣言をし──周りに火球を展開して侠と霊夢に襲いかかる!

 

「これくらいの弾幕なら!」

 

 侠は弾幕を放ち火球を相殺しようとする。結果、弾幕は火球に当たったのがが──

 

「はじけるがいい!」

 

 ティアーがそう言ったとき──相殺したはずの火球が爆発し、小さな火球が素早いスピードで侠と霊夢に襲いかかる!

 

「分裂した!?」

 

「そんなこと言ってないでさっさと避けるわよ、侠!」

 

 霊夢は空中を泳ぎ回るように回避、侠は地上で走りながら回避を続ける。それでもなお、ティアーは弾幕を放ち続ける。

 

「まだまだいくぞいっ!」

 

 ティアーは今度は空に放ち、見えない天井にでも当たったのか……瞬間に火球がはじけ、雨のように火の弾幕が降り注いでいく。

 

 霊夢は御札で弾幕を打ち消しながら回避を続け、侠は剣で火をさばき続ける。

 

 しかし、弾幕が多くなるにつれ──霊夢はスペルカードを宣言した。

 

「霊符【夢想妙珠】!」

 

 霊夢の周りに八個程の弾幕が出現し、それぞれ弾幕は降り注いでいる火の弾幕、ティアーに向かう。火の弾幕は相殺できたがティアーはグレイズ、弾幕を当てて相殺していた。

 

 火の弾幕はなくなりスペルブレイクし、回避行動を終えた侠は霊夢に話しかける。

 

「ありがとう。助かった」

 

「お礼は後でで良いからちゃんとあいつを見てなさい! 何か仕掛けてくるわよ!」

 

「ふむ……さすがにこれだけではダメだの。もう少し強いものを宣言するかの!」

 

 そう言いながらティアーは新たにスペルカードを取り出して宣言。

 

「火符【メテオブレイズ】!」

 

 ティアーは両手をあげ、火球を空高く放つと──さっきまで放った弾幕と比べて巨大化し、侠達に降り注ぐ!

 

「隕石みたいな弾幕になっているのか!」

 

「めんどくさいスペルばっか使うのね!」

 

 霊夢はいたって空中を舞い弾幕を回避しているが……侠はずっと地上でよけ続けている。彼は地上と空中なら断然地上戦のほうが得意だ。それに飛ぶ方法は龍化して翼を出して飛翔しなければならない。しかも現時点、持続時間は合計五分。五分を過ぎてしまうと強制的に龍化は解け、一分間の間、龍化が使えなくなってしまう。

 

 ティアーの放った弾幕は上からだけではない。隕石のような弾幕が地上にぶつかるとはじけ、周囲に散らばる。霊夢は空中にいるのでその心配はない。しかし侠は隕石のような弾幕を避けた後、地上にぶつかって散らばった弾幕の回避もしなければならないのだ。いくら龍神の先祖返りと細胞で体が活性化されていても限度はある。地上での回避を続けていればいずれ被弾するだろう。

 

 そのことを侠は悟ったのか──

 

「あまり使いたくないが……しょうがない!」

 

 ──背中から翼を取り出して龍化をし、空中に移動する。龍化をした侠を見てティアーは笑みを浮かべる。

 

「そうこなくてはの!」

 

 同時にティアーも龍化を使い、同じ空中へと移動する。ティアーは空中に移動すると同時に放っていた弾幕のスペルをブレイクをさせた。

 

 しかし……初代龍神のティアーの龍化は翼だけではない。頭には朱色を白色の縞模様である二本角。龍化した肌は赤い鱗ではなく朱色。その姿──火龍の竜人。

 

 含み笑いをしながらティアーは侠達に話しかける。

 

「主が龍化するということは……実質残り時間五分をいったところだの」

 

「……実質的、そうだろうな。その後は当然、博麗の足手まといになる。空中戦に参加できない間、集中的に狙われるだろう。俺が意識でも失いでもすれば負けは決定だ」

 

「侠……大丈夫なの?」

 

「博麗……ちょっと作戦がある」

 

 侠は素早く霊夢のもとに移動をし、簡潔に作戦を耳打ちして説明した。

 

「……ちょっと!? それじゃあ侠が──」

 

「時間が押している! 作戦開始だ!」

 

 霊夢の制止を振り切って侠はティアーに斬りかかろうとする。それに対し、腕の鱗で攻撃を受け流しながら爪で切り裂こうとしたが――

 

「──【パスウェイジョンニードル】!」

 

 霊夢が侠の後方から針を投げ、爪に当たり軌道をずらす。そして何とか侠は紙一重でかわすことに成功した。

 

「助かった霊夢! その調子で頼む!」

 

「めんどくさい役目を本当頼んだものね……! いいわ! やってあげる!」

 

「む……近距離では主、遠距離では霊夢といった陣形かの……? まぁ、よい。それで我が倒せるのならば!」

 

 ティアーがそう言ったとき……侠は急加速をしてティアーを斬りかかろうとし、霊夢は急に姿が消え──背後に現れて蹴りを繰り出そうとしている。霊夢のこの技は【幻想空想穴(亜空穴)】という技だ。

 

 確実に二人の攻撃が当たろうとしていたが──

 

「甘いのっ!」

 

 ティアーは急に尾を出して……縦に一回転時計回りをして攻撃を加えた。さすがに尾での反撃を予想していなかったのか、侠はそのまま前方に吹っ飛び、霊夢に関しては上からたたきつけられてしまったのでそのまま地面に落ち、衝撃で土埃が舞った。

 

「博麗っ!?」

 

「よそ見している暇はないの!」

 

 ティアーは接近して火を纏った爪で切り裂こうとしている。侠は懸命に剣で攻撃を受け流したり、躱したりした。

 

「くっ……!」

 

「霊夢のことは安心せい。さすがにまだ満身創痍ではないの。だが、主一人だけではどうかの!」

 

 ティアーは爪での攻撃、時折尻尾での攻撃を侠に浴びせていく。侠は必死に攻撃を防ぐが……体にどんどん傷が付けられていき、ダメージが積み重なる。

 

「(……こうなったら──霊夢を信じて(・・・・・・)作戦をやるしかない! やってくれよ……霊夢!)」

 

 侠は一時的にティアーと距離を離し──スペルカードを宣言する。

 

「壊符【ドラゴンインパクト】!」

 

 過去にレミリアと弾幕ごっこに使ったスペルを宣言。威力は高いが、その分自分の体に反動がある諸刃の剣。前回は拳に力を溜めていたが、今回は剣に力を溜めていく。

 

「む……仕掛けてくるつもりだの。ではこちらも!」

 

 力を溜めていく間にティアーもスペル宣言。

 

「火符【ファイアドラゴン】!」

 

 宣言した瞬間、ティアーの構えた手から──火で作られた龍の形をした弾幕が出現。

 

 そして両者は──動き出す!

 

「ゼァッ!」

 

「いくぞいっ!」

 

 侠は猛スピードで突進。ティアーは火龍を侠に繰り出す。侠は最低限腕で目をかくし、隙間で見えるようにしながら……そのまま突っ込む!

 

「何!? 躱さずにそのまま!?」

 

 ティアーの驚きをよそに、侠は火龍にのまれながら──スペルを重複する。

 

「防符【リフレクション】!」

 

 防御スペルでぼやけを纏い、軽減する。スペルの種類からか完全に反射しきれないが──

 

「──喰らえ!」

 

 そのまま力を込めた斬撃を一太刀与えることに成功した。それと同時に防御スペルの効果がすぐにきれてしまったが。

 

「むうっ!? しかし、甘いのっ!」

 

 ティアーは体を後退させつつも、体を乱暴にくねらせ尾での攻撃を侠の脇腹に当てる。攻撃が当たってしまった侠はそのまま地面にたたきつけられ、同時に龍化が解けてしまった……制限時間がやってきたのだ。

 

「はぁ……はぁ……捨て身で攻撃してくるとは思わなかったの。だが、これで──」

 

 息を切らしながら侠を見ながら言いかけた──その時だった。

 

 

 

 

 

 ──侠の口元が笑っている。

 

 

 

 

 

「(!? 何故笑っておられる!? 主は満身創痍に近いはず! 霊夢もまだ起き上がる気配は──気配?)」

 

 ティアーは考えている途中で、あることに気がついた。

 

 

 

 

 

 ──何故霊夢は加勢しなかった? そこまで立ち上がれないようなダメージじゃなかったはず。

 

 

 

 

 

 そして何より気配がちゃんと感知できない。一体何故──

 

「(──! もしや主の能力(・・・・)によって精神世界までにも影響が──)」

 

 

 

 

 

 

 

 

『──神技【八方龍殺陣】!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 ティアーがいる空中にいた足下から……柱状の結界のエネルギーがティアーを襲った!

 

「ぐぁああああっ!?」

 

 霊夢のスペルカードがティアーに直撃する。問題を処理していた時間を狙われてしまったでのミス。

 

「(……やはり、主の能力で、霊夢の能力は──)」

 

 攻撃が止み、ティアーの体がふらつく。その隙を狙い、霊夢は【幻想空想穴】を使って、ティアーの背後に移動。後ろ首筋に針を近づけながら囁くように言う。

 

「……私達の勝ちよ。初代龍神さん?」

 

 霊夢は針を近づけながら倒れている侠へと視線を向ける。侠はふらつきながらも立ち上がり、左腕を上げ、拳を固めて親指を上へと上げた。

 

 それを見て息を切らせながら初代龍神、ティアーは告げる──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──我の負けだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 二人の力で……何とか決着。

 ではまた。
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