では本編どうぞ。
……おかしいな? オレの耳がおかしかったのか? 聞き間違えじゃなければ……神って聞こえたような気がするんだが……。
とりあえず、聞き返してみることに。
「…………Really?」
「本当よ? 神の分類で間違いないわね」
わーい。神様になったーっ!
…………マジで?
今でも驚きを隠しきれないオレにパチュリーは説明を続ける。
「落とすようで悪いけど、性格の悪い方面の神よ。あなた、ロキって神を知っている?」
「いや、聞いたことがないな……」
神話に出てくる神を知るはずもない。第一そういう興味がないからな。
「ロキっていうのは災いの神として有名で、賢いがいつわり多く,神々の滅亡の原因をつくる神なのよ」
「……神なのに他の神を滅亡させるのか?」
「そうみたいね。他に特徴としてあげるとしたら悪知恵にたけているところね。簡単に言えば普通誰もしないようなことをしたり、イタズラするのが好きな神なのよ」
……不思議とオレに当てはまっているのような気がする。
オレの疑問を答えた後、現在のオレの種族についてわかりやすく説明してくれる。
「妖怪の山の方の巫女はあなたと同じような人の姿を現した神──現人神と呼ばれているけど、静雅の場合は人の心を荒らす姿の神の方の──荒人神ね」
……どうやらオレの今の種族は【荒人神】らしい。
もうある意味人外だなと思っていたとき、パチュリーからの注意事項を言われる。
「これは推測なのだけど……あなた以外の神に分類する人物から見ると、第一印象で嫌悪感を抱く可能性があるわ。何だって神を滅亡させる原因だもの。だからもし会うときは注意しなさい」
「あぁ。注意する」
「それで能力のことなんだけど……これはまた特異の能力ね。能力面だけを見たら幻想郷トップクラスよ」
何かだんだんとチートな存在になりつつあるオレである……。
「それでどんな能力なんだ?」
「説明するのは簡単だけど……その前に聞きたいことがあるわ。美鈴と戦っているとき、どんな決意で戦った?」
「は? 決意? それはもちろん、なるべく攻撃が当たらないようにして、時間切れを狙っていたが?」
「……成る程ね。だから美鈴の攻撃が当たらなかったわけね」
……勝手に納得されてもオレは分からないんだが?
「あなたに美鈴の攻撃が当たらなかった理由。美鈴は接近戦ならトップクラス。それなのに当たらなかった。それはあなたの無意識での能力の発動よ。そういう【事象】にしたから当たらなかった」
「…………事象?」
「静雅……あなたの能力は【事象を操る程度の能力】よ」
「……何かいまいちぴんとこないな……」
事象を操る? だから攻撃が当たらなかった?
「余り理解していないような顔ね……まぁ、実践してみれば分かるかもね。静雅、【攻撃が絶対当たらない事象】と強く念じなさい」
「あ、あぁ……」
──攻撃が絶対当たらない──
「念じたぞ」
「わかったわ……その念じたことを頭にずっと浮かべていなさい──」
パチュリーはそう言うと、何かのカードを出し、詠唱する。
「──日符【ロイヤルフレア】!」
パチュリーの頭上から強烈な光が部屋全体を覆う。余りの光に目を腕で覆う。
「目がっ……」
光が止むと、辺りの本棚が崩れている。何が起きたんだ……?
「……今のは目くらましか何かか?」
「……やっぱりね。何ともない」
だからそう自己完結しないで欲しい。
「今のはちゃんとした攻撃よ。私の持つ広範囲かつ攻撃力が高いスペルカードで、当たればそれなりのダメージは与えられると自負しているわ。けど……こんな近距離にいるのにもかかわらず、あなたには何も影響もない。これは何だか分かる?」
「オレが……攻撃は絶対当たらないように念じたから?」
「そうよ。結果としてあなたは攻撃が当たっていない。本来ならどうやって避けたかで避けられるのだけど、どうやって避けたと思う?」
「……オレは突っ立っていただけだ。どうやって避けたのか分からない」
「そう。あなたの能力は使ったとしても過程が存在していない。結果だけの事象を出している。それがあなたの能力で、過程がどうあれ過程を飛ばして結果を出す。それが私の考察する【事象を操る程度の能力】よ」
「……とりあえずチートと言うことは分かった」
うわぁ……チートとかある意味ひく……こういうのは段々と力を強めていってチートになるのは良いと思うんだが、最初から強くてニューゲームとは……。
…………まぁ、どこかで嬉しいオレもいるんだけどな。
「チートもチートよ。本来やるべき方法の過程を飛ばして結果だけを出す能力よ? 簡単に言えば【殴った事象】とすれば既に殴っているということも可能なのよ、きっと」
…………完全に人間を卒業している気がする。
……能力は分かったか次のことを聞いてみよう。
「そういや弾幕ごっこだったか? その弾幕の練習とスペルカードとか作りたいんだが?」
「そうね。そうすれば静雅も弾幕ごっこが出来るようになるわね。弾幕については──」
『パチュリー様〜……助けてください〜……』
……埋もれている本の下から小悪魔の声が聞こえてきた。
おそらく……パチュリーのスペルカードで本棚が倒れた際、近くにいた小悪魔が巻き添えを食らってしまったのだろう……。
オレは少しパチュリーに視線を送ってみる。
「…………(じー)」
「…………悪いけど静雅……【小悪魔を助けた事象】で助けた後、【本棚が元通りになった事象】で片付けてくれないかしら……? 後日、弾幕ごっこを詳しく教えるから……」
ばつが悪そうに目をそらしながら頼んでくるパチュリー。
「……はいよ」
意識的に始めて使ったことは、救出と片付けになった……。
その後、レミリア嬢(下働きなのでそう呼ぶことにした)に報告すると、『紅魔館勢力がさらに増えたわね!』とご機嫌の様子だった。
……幻想郷、か。まぁ……何とかなるだろ。
──静雅がパチュリーのスペルカードを防いだとき、隠れていた人物──吸血鬼が一人。
『魔理沙や霊夢と同じで……簡単に壊れなさそう!』
喜びに満ちた声でそこにいたが、その姿は地下へ消えていった──
フラグを立てて裏・第一章終了。そして裏主人公がチートになってしまった。どうしてこうなってしまった?
表と裏を比べると話数が違いますが、大事なのはおさまりきること。次回からはまた表主人公側の物語に戻ります。