幻想世界に誘われて【完結】   作:鷹崎亜魅夜

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 幻想郷では適応力が大事だと思う。
 では本編どうぞ。


五話 『種族と能力、笑う影』

 ……おかしいな? オレの耳がおかしかったのか? 聞き間違えじゃなければ……神って聞こえたような気がするんだが……。

 

 とりあえず、聞き返してみることに。

 

「…………Really?」

 

「本当よ? 神の分類で間違いないわね」

 

 わーい。神様になったーっ!

 

 …………マジで?

 

 今でも驚きを隠しきれないオレにパチュリーは説明を続ける。

 

「落とすようで悪いけど、性格の悪い方面の神よ。あなた、ロキって神を知っている?」

 

「いや、聞いたことがないな……」

 

 神話に出てくる神を知るはずもない。第一そういう興味がないからな。

 

「ロキっていうのは災いの神として有名で、賢いがいつわり多く,神々の滅亡の原因をつくる神なのよ」

 

「……神なのに他の神を滅亡させるのか?」

 

「そうみたいね。他に特徴としてあげるとしたら悪知恵にたけているところね。簡単に言えば普通誰もしないようなことをしたり、イタズラするのが好きな神なのよ」

 

 ……不思議とオレに当てはまっているのような気がする。

 

 オレの疑問を答えた後、現在のオレの種族についてわかりやすく説明してくれる。

 

「妖怪の山の方の巫女はあなたと同じような人の姿を現した神──現人神と呼ばれているけど、静雅の場合は人の心を荒らす姿の神の方の──荒人神ね」

 

 ……どうやらオレの今の種族は【荒人神】らしい。

 

 もうある意味人外だなと思っていたとき、パチュリーからの注意事項を言われる。

 

「これは推測なのだけど……あなた以外の神に分類する人物から見ると、第一印象で嫌悪感を抱く可能性があるわ。何だって神を滅亡させる原因だもの。だからもし会うときは注意しなさい」

 

「あぁ。注意する」

 

「それで能力のことなんだけど……これはまた特異の能力ね。能力面だけを見たら幻想郷トップクラスよ」

 

 何かだんだんとチートな存在になりつつあるオレである……。

 

「それでどんな能力なんだ?」

 

「説明するのは簡単だけど……その前に聞きたいことがあるわ。美鈴と戦っているとき、どんな決意で戦った?」

 

「は? 決意? それはもちろん、なるべく攻撃が当たらないようにして、時間切れを狙っていたが?」

 

「……成る程ね。だから美鈴の攻撃が当たらなかったわけね」

 

 ……勝手に納得されてもオレは分からないんだが?

 

「あなたに美鈴の攻撃が当たらなかった理由。美鈴は接近戦ならトップクラス。それなのに当たらなかった。それはあなたの無意識での能力の発動よ。そういう【事象】にしたから当たらなかった」

 

「…………事象?」

 

「静雅……あなたの能力は【事象を操る程度の能力】よ」

 

「……何かいまいちぴんとこないな……」

 

 事象を操る? だから攻撃が当たらなかった?

 

「余り理解していないような顔ね……まぁ、実践してみれば分かるかもね。静雅、【攻撃が絶対当たらない事象】と強く念じなさい」

 

「あ、あぁ……」

 

 

 

 ──攻撃が絶対当たらない──

 

 

 

「念じたぞ」

 

「わかったわ……その念じたことを頭にずっと浮かべていなさい──」

 

 パチュリーはそう言うと、何かのカードを出し、詠唱する。

 

 

 

 

 

 

「──日符【ロイヤルフレア】!」

 

 

 

 

 

 

 パチュリーの頭上から強烈な光が部屋全体を覆う。余りの光に目を腕で覆う。

 

「目がっ……」

 

 光が止むと、辺りの本棚が崩れている。何が起きたんだ……?

 

「……今のは目くらましか何かか?」

 

「……やっぱりね。何ともない」

 

 だからそう自己完結しないで欲しい。

 

「今のはちゃんとした攻撃よ。私の持つ広範囲かつ攻撃力が高いスペルカードで、当たればそれなりのダメージは与えられると自負しているわ。けど……こんな近距離にいるのにもかかわらず、あなたには何も影響もない。これは何だか分かる?」

 

「オレが……攻撃は絶対当たらないように念じたから?」

 

「そうよ。結果としてあなたは攻撃が当たっていない。本来ならどうやって避けたかで避けられるのだけど、どうやって避けたと思う?」

 

「……オレは突っ立っていただけだ。どうやって避けたのか分からない」

 

「そう。あなたの能力は使ったとしても過程が存在していない。結果だけの事象を出している。それがあなたの能力で、過程がどうあれ過程を飛ばして結果を出す。それが私の考察する【事象を操る程度の能力】よ」

 

「……とりあえずチートと言うことは分かった」

 

 うわぁ……チートとかある意味ひく……こういうのは段々と力を強めていってチートになるのは良いと思うんだが、最初から強くてニューゲームとは……。

 

 …………まぁ、どこかで嬉しいオレもいるんだけどな。

 

「チートもチートよ。本来やるべき方法の過程を飛ばして結果だけを出す能力よ? 簡単に言えば【殴った事象】とすれば既に殴っているということも可能なのよ、きっと」

 

 …………完全に人間を卒業している気がする。

 

 ……能力は分かったか次のことを聞いてみよう。

 

「そういや弾幕ごっこだったか? その弾幕の練習とスペルカードとか作りたいんだが?」

 

「そうね。そうすれば静雅も弾幕ごっこが出来るようになるわね。弾幕については──」

 

 

 

 

『パチュリー様〜……助けてください〜……』

 

 

 

 ……埋もれている本の下から小悪魔の声が聞こえてきた。

 

 おそらく……パチュリーのスペルカードで本棚が倒れた際、近くにいた小悪魔が巻き添えを食らってしまったのだろう……。

 

 オレは少しパチュリーに視線を送ってみる。

 

「…………(じー)」

 

「…………悪いけど静雅……【小悪魔を助けた事象】で助けた後、【本棚が元通りになった事象】で片付けてくれないかしら……? 後日、弾幕ごっこを詳しく教えるから……」

 

 ばつが悪そうに目をそらしながら頼んでくるパチュリー。

 

「……はいよ」

 

 意識的に始めて使ったことは、救出と片付けになった……。

 

 その後、レミリア嬢(下働きなのでそう呼ぶことにした)に報告すると、『紅魔館勢力がさらに増えたわね!』とご機嫌の様子だった。

 

 

 

 

 

 

 ……幻想郷、か。まぁ……何とかなるだろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──静雅がパチュリーのスペルカードを防いだとき、隠れていた人物──吸血鬼が一人。

 

『魔理沙や霊夢と同じで……簡単に壊れなさそう!』

 

 喜びに満ちた声でそこにいたが、その姿は地下へ消えていった──

 




 フラグを立てて裏・第一章終了。そして裏主人公がチートになってしまった。どうしてこうなってしまった? 
 表と裏を比べると話数が違いますが、大事なのはおさまりきること。次回からはまた表主人公側の物語に戻ります。
 
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