幻想世界に誘われて【完結】   作:鷹崎亜魅夜

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 サブタイ通り、ようやく判明。
 三人称視点。
 では本編どうぞ。


七話 『表主人公の能力』

 初代龍神との駆け引き。侠の作戦は至って簡単だった。侠が囮になり、霊夢が決定打を決める。ここはティアーの精神世界でもあるが、侠の体をめぐり戦っている。まさか本人が囮だとは普通思わないであろう。

 

 霊夢が気づかれないように空中にいるティアーの足場から攻撃を喰らわせる。しかし、攻撃している最中に霊夢は地面にたたきつけられ、ダメージを普通負っているはずなのだ。

 

 それにも関わらず……本人である霊夢はピンピンしている。

 

 その事に疑問に思ったのか、空中から降りてきた二人の内の霊夢(未だに針をティアーに向けている)に侠は【自分】に戻って話しかけた。

 

「ねぇ、博麗……ご先祖様に尻尾でたたきつけられたよね? 大丈夫なの?」

 

「その事? どうしてか私もわからないけど……痛みがないのよ。おまけに傷もないし」

 

「え……? 自分はまだ体が痛いのに博麗は平気……? ご先祖様も疲弊しているのに……?」

 

「……その事は我が説明しよう。それで霊夢……我は負けを認めておるから針を離してくれぬか?」

 

「あ、そうね」

 

 霊夢はティアーを解放。そして──初代龍神のティアーが説明を始めた。

 

「時に(あるじ)が氷の妖精であるチルノと戦ったときだの。チルノの能力は【冷気を操る程度の能力】。本来は我の【力を手に入れる程度の能力】の対象外だったのだが……運命共同体の主の能力で我の能力が強化されておってな。それで我が求めていた【力】としてチルノの能力に対して我の能力が発動し、チルノの能力を得た。問題はそこからなのだ」

 

 ティアーは手元に氷を作りながら説明を続ける。

 

「主がチルノに勝利して際、先ほども言う通り本来ではチルノの能力は我の管轄外。しかし、主の能力によって我の能力が強化されている分──チルノの能力を変化(へんか)後として扱われてチルノの能力を得たのだ」

 

「……変化?」

 

「そして……我と共にある存在である主は常に能力を我に対して発動しておるのだ。今回の弾幕ごっこでは例外として数えるが。だがの、主の能力発動の条件はもう一つある。それは──他者と繋がっていること。現実世界では主と霊夢が手を繋いでいるであろう? それが精神世界まで浸透し、一時的なのだが霊夢の能力も変化──いや、発展させたのだ」

 

「私の能力が発展……?」

 

 霊夢のふとした疑問にティアーは──こう答えた。

 

 

 

 

 

 

 

「うむ。主の能力は【力を発展させる程度の能力】なのだ。それで我が貸したチルノの能力と霊夢の能力が発展したのだ」

 

 

 

 

 

 

 

「それって……能力が強くなるって事ですか?」

 

「そうだの。他にも基礎体力などの一時上昇もあるが」

 

 侠の質問に答えながらティアーは手元の氷を溶かしながら、ティアーはあるスペルカードを見せながら侠の胸に手を置く。

 

「まぁ、見せれば早いだろうの。この適合【フレイムオーバードライブ】。主に妹紅から得た火の力を貸してみようではないか」

 

 そう言うと……朱色の光が侠の体内に入ると──スペルカードが朱色に輝き出す。

 

 それを見た霊夢は呆然としている中、侠はティアーが見せていたスペルカードを見てみる。

 

「……あ。名前が適合【ヴォルケイノオーバードライブ】に変わってる」

 

「これが主の力。妹紅から得た火を使う力を【火炎を操る程度の能力】に発展したのだ。これは主に火炎を操る能力であるが、熱も操れる。他のスペルも【火符】から【火炎】に、他のスペルの名前も変わっているしの。我が貸した能力は永遠にその能力になる。チルノから得た力も【氷水を操る程度の能力】に発展しておるのだ。これに関しては水の状態変化を操る能力となっている。まぁ実際はおまけもあるのだが今回はそれぐらいにしておこうかの」

 

「……【力を発展させる程度の能力】が本当の自分の能力、か……」

 

 侠はティアーの言葉に納得すると、今度は霊夢がティアーに尋ねた。

 

「今だと私の能力が発展しているのよね? どんな能力になっているの?」

 

「うむ。おそらく推測だがの……【空を飛ぶ程度の能力】を主の能力で発展させて──【法則から浮く程度の能力】になっていると思うぞい。おそらく無意識のうちに、【気配の法則から浮く】ということで、我が霊夢の存在に気づかなかったというのもあるんだろうの。普通の霊夢自身の能力ならば気づけたはずだからの」

 

「……何よその能力?」

 

 霊夢は能力名を疑問に思っていたが、能力を察したのか……侠がおそるおそるティアーに尋ねる。

 

「ゑ……それってかなりの反則的な能力じゃ……?」

 

「……主の言うとおりだの。空を飛ぶのは普段通りとして、法則から浮くのだぞ? ダメージを受けなかったのは【ダメージの法則から浮いた】結果。【体の負担の法則からも浮く】。霊夢の不利となる法則から浮くできる能力なのだ。その気になれば【寿命から浮く】こともできると思うぞい」

 

「へぇ……そうなの」

 

「……なんか博麗、反応薄くない?」

 

 どうでもよさそうな返事をしている霊夢を見て侠は気になり話しかける。当本人の霊夢は当然のように答えた。

 

「どっちみち何時までも侠と手を繋げていなきゃいけないんでしょ? それじゃあお互い困るじゃない」

 

「……確かにいつまでも手を繋いでいるわけにいかないね。戦闘中ならなおさらだし」

 

「……でも、侠──」

 

 侠は納得したが、霊夢は顔をそむけ続けてこう言う──

 

 

 

 

 

 

 

「──あ、あんたがその……手を繋ぎたいなら、私はそれで良い……と思う」

 

 

 

 

 

 

 

「…………いやいや、そんな危機に陥るとかないと思うし」

 

「…………(バカ)」

 

 ぼそっと呟いた霊夢の言葉は侠に届くことはなかった。

 

 ティアーは会話の終わりを確認したのか。部屋の出入り口に向かいながら話しかける。

 

「約束通り我はこれからも主に力を貸そう。変化(へんげ)の上限もなくす。さて、我の部屋を出るぞ」

 

 初代龍神のティアーの先導に従い、白い部屋まで戻って霊夢に話しかけるティアー。

 

「では、霊夢を現実世界に返すぞい」

 

「侠はどうするのよ?」

 

「主は主の部屋に戻るだけだの。そこの黒い扉は主の心の部屋でな。心配することはない」

 

「……そう言っておいて侠の体を乗っ取るとかないわよね?」

 

「我は初代龍神なのだ。約束事はきちんと守る」

 

「……そ。なら良いわ。侠、さっさと戻るわよ」

 

「……ん」

 

 侠の返事を最後に、霊夢の姿はぶれて消える。侠はその後をじっと見ていた。そして──ティアーは侠に話しかける。

 

「……改めてよろしく頼むぞい。我の子孫──【龍神の先祖返り】辰上侠」

 

「……はい。ご先祖様」

 

「うむ。礼儀正しく結構。だがの──」

 

 ティアーは自室の扉に歩み寄り、ドアノブに手をかけながら……こう告げる。

 

 

 

 

 

 

 

「──主はもっと、他人を信じたほうが良いぞ。本堂の者はともかくの」

 

 

 

 

 

 

 

 意味深な言葉を言いながら部屋に入って行き、扉を閉めていった。

 

「…………」

 

 侠は無言で黒い扉に向かって行き、扉の正面に立つと鍵が開く音が聞こえる。聞こえたのを確認して扉を開け、部屋の中に入って扉を閉めた。

 

 

 

 

 

 その後、ガチャリと鍵がかかった音が白い部屋に響いた……。

 

 

 

 

 




 ……もしかすると、とある事に察するかもしれませんが内密にお願いします。気になる方はメッセージにて。

 次話でこの章は終了。

 ではまた。
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