幻想世界に誘われて【完結】   作:鷹崎亜魅夜

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 働きたいでござる。
 ……え? 予想より投稿が早い? テンション上げたら早くできた。
 少し更新速度は遅くなると思いますが、再開。
 物語は表主人公視点から始まります。
 では本編どうぞ。


表・第二章
一話 『就職活動、ルーミア』


「働きたい」

 

 

 

 幻想郷に来て数日。家主の博麗と朝食を食べながら、自分はそう言った。

 

「急にどうしたのよ? 働きたいって?」

 

 自分の唐突に言った言葉に博麗は疑問そうにしている。外界での職業は高校生だったから今まで気づいていなかったけど……。

 

「この幻想郷に来て気づいたんだよ……自分は基本家事ぐらいしかしていないってことを。勉強はあまりしてもしょうがないし……働き口を見つけたい」

 

「別に家事だけでも良いんじゃない? 家事手伝いも立派に働いていると思うけど」

 

 味噌汁(自分が作ったお手製)を飲みながらそう答える博麗。

 

 でも、それでも自分は納得しきれない。

 

「それでもさ、ちゃんとした職業みたいな事をしたいんだよ。博麗は巫女と異変解決をしているから、自分もちゃんと働いて食い扶持を稼ぎたい。自分の入れた賽銭も限りはあるからさ。それに家賃とかも払いたい」

 

 最低限の生活と寝床を提供してくれている博麗(しかも年下)にお世話になりっぱなしというのは気が引ける。

 

「あんた……結構律儀ねぇ……」

 

 ある意味感心したように呟いてくれた。

 

「世の中ギブアンドテイクだからね。それなりのことを自分も返したいと思う」

 

「…………私の周りに本当にいないタイプよね侠は。ここに来る奴らはたいてい賽銭すらしないし……」

 

 ジト目で賽銭箱のある方角へと目線を向ける。

 

 ……確かにここ数日で自分以外に賽銭をした形跡がないからねぇ……。

 

 博麗は目線をこちらに戻す。

 

「働き口を見つけたいのなら人里で見つけてみたら? そこなら何かしらの仕事はあると思うし」

 

「人里か……ま、妥当だね。ちょっくら夕方頃まで粘って探してくるよ。適当なお昼ご飯を持って行って。悪いけど今日の家事は──」

 

「別にそれぐらい気にしなくても良いわよ。自分のことは自分でやるから。侠は仕事を見つけてきなさい」

 

「ん。ありがとう」

 

「……どうもいたしまして」

 

 博麗からの了承は出たので自分が食べ終わった後の食器を台所に持って行く。確かまだ炊いたご飯があったから三個くらいおにぎりを作ろう。少し食べ残していた鮭のヒメマスを具にして。携帯食はまだあるけどまだ使いたくないし。

 

 身支度(馴染むために作務衣)をして、鞄にお昼を入れて博麗神社を出た。

 

 

 

 

 

「……結構家事を半分以上押しつけてるのにそれでなお働きたいって……どんな精神をしているのかしら……?」

 

 

 

 

 

 少年移動中……

 

 

 

 

「ここらでいいかな? 後は歩いて行けばいいや」

 

 飛んでいたのを止め、少し離れた森の中から歩き出す。

 

 ……補足として博麗や霧雨達は、能力を持っている人は大概道具無しで飛ぶことが出来るらしい(霧雨は魔法使いらしくわざわざ箒を使っている)。しかし、能力を持っているのにもかかわらず自分は、何故か自然体に飛べなかった。博麗からコツを聞くも、何故か駄目。代わりに思いついたのが……背中から獣化して、龍の赤い翼を出して飛ぶことにした。(何故か背中の服は破けない)

 

 ただ、やってみて時間制限があるらしい。五分間飛んでいたら急に翼が消えて落下したんだ。幸い木がクッションになってくれた物の、本当に危なかった。その後の実験で、五分間フルに使った場合は一分間のインターバルが必要だと最近分かった……本当に不器用な能力だ。そもそもこれは能力なのかが疑わしい。まぁ、無いよりはあった方が良いけど。

 

 そう思い返しながら歩いて行くと、草の茂みから何か動いている……妖怪か?

 

 警戒して構える。そして──そこから何かが出てくる。

 

「あー、確か侠なのだー」

 

 見た目が全体的に黒い服を着ていて、髪の毛には赤いリボンみたいのをしている女の子が現れた。

 

 ……以前食料を分け与えた妖怪のルーミアだった。

 

「君はルーミアか? 奇遇だね」

 

「そうなのだー。侠は何でここにいるのー?」

 

 両腕を左右に広げながら疑問に思ったことを聞いてくるルーミア。それに自分は答える。

 

「ちょっと働き口を探していてね。それで人里に」

 

「そうなのかー?」

 

「そうなのだー」

 

 ……なんか口調移った。

 

「私もこれから人里に行って寺子屋に向かう途中なのだー」

 

 ……仮にも人食い妖怪らしいルーミアだけど人里に行って大丈夫なんだろうか?

 

「……一応聞くけど、人里で人間を食べたりしてないよね?」

 

「人里にいる人間は食べたりおそってはいけないという事になってるのだー。食べたりしちゃうと警備の人間や霊夢に退治されてしまうのだー……」

 

 少しだけ悲しそうに説明してくれるルーミア。

 

 とりあえず人里も安全性が高いみたいだ。

 

「んじゃ、一緒に行く? とりあえず上白沢先生にも挨拶をしておきたいし」

 

「一緒に行くのかー?」

 

「そうなのだー」

 

「そうなのかー」

 

 ……何か癒やされるな、この子。

 

 とりあえず一緒に同行。しばらく一緒に歩いて行くと、ルーミアが何か訴えたいような顔をしている。

 

「どうかしたの? ルーミア?」

 

「何か侠の鞄からおいしそうなにおいがするー」

 

 そう言いながらよだれを垂らしているルーミア。……おそらくお腹でも減ったのかもしれないな……。

 

 そう思いつつ、鞄から草で包まれているおにぎりを三つ取り出し、一つをルーミアの前に差し出す。自分は携帯食でいいや。

 

「自分の手作りだけどもし良かったら食べる?」

 

「食べるー!」

 

 許可を出したら一つをもらい、おいしそうに食べ始めた。

 

 ……うん。年の離れた妹の世話をやっているみたいでなんか和むな。

 

 そうこうやっているうちに、人里に付いた。ルーミアは頬に付いたご飯粒をとって食べている。

 

 ……そういえば、寺子屋がどこにあるか分からないな。

 

「ルーミア。寺子屋がどこにあるか分かる?」

 

「分かるのだー。こっちなのだー」

 

 ルーミアは手を掴み、多分寺子屋に向かって歩いている。

 

 ……そして数分後。他の建物とは少し大きな、古く貫禄のありそうな家(?)に着いた。

 




 次回、寺子屋のお話。有名な妖精の⑨が登場するかも。
 家事をしつつ、働き口を探す表主人公。霊夢の言う通り何だかんだ義理堅い。
 そしてルーミアと一緒に行動。表主人公は物語でその内語られると思いますが、義理の妹がいます。外見、精神年齢が幼いなら大体扱いは慣れています。
 ではまた。
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