幻想世界に誘われて【完結】   作:鷹崎亜魅夜

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 サブタイトルなんて飾り。
 基本的にうどん視点。
 では本編どうぞ。


裏・第十三章
一話 『きっかけの話』


『ただいま帰りました~』

 

『おかえりうどんげー。荷物を整理した後来てくれるー?』

 

 人里に薬を売ってきて帰ってきた私。玄関に上がると師匠から要請がすぐ来たので自室で荷物を整理した後、向かうことに。

 

 ちょうどてゐの自室を通り過ぎようとしたときには、誰かの会話が聞こえてくるけど――

 

 

 

 

 

『――結局はあれだ。イタズラには境界線というものがある。怪我するのはイタズラとは呼ばない』

 

『でも、私の作ったトラップで私のふとこ――永遠亭の懐が潤うのは間違いないウサ。そこは譲れないウサね』

 

『まぁ、個人の責任になるからオレがどう言おうが関係ないかもしれないが……中には冗談が通じないやつもいるんだからそれには気を付けろよ?』

 

『てゐちゃんにかかれば竹林の中を駆け回るのは朝飯前ウサ』

 

 

 

 

 

 ……気のせい気のせい。数日前に永遠亭にきた誰かさんとてゐが密談している気がしたけどそれは私の気のせい。スルーして自室に向かい、荷物の整理をした。

 

 荷物の整理をし終わり、それで師匠が待っている部屋まで移動して、扉を確認する意味合いでノック。

 

「師匠、ただいま来ました」

 

『じゃあ入ってくれる? 大まかな説明をするから』

 

 師匠の了承を得て、部屋の中に入ると開発中の薬だろうか……怪しい液体が入っている試験管、ビーカーなどがある。

 

 一先ず研究内容はおいて、概要について尋ねてみた。

 

「師匠、説明というのはどのようなことですか?」

 

「人里の守護者に、過去に医療方法を教えてほしいって前に言われていたでしょ?」

 

「あ……はい。確かに言われました。それで師匠に相談しましたね」

 

「それで明日にでも寺子屋で最低限の応急処置を教えてほしいって人里の守護者から頼まれてね。うどんげがそれで子供たちに教えてあげてくれる?」

 

「え……私がですかっ!?」

 

 師匠から言われたのは……寺子屋で処理の仕方の先生になれっということ。でも……。

 

「処置をする内容をその守護者である慧音さんに教えて、慧音さんが教えるというのはダメなんですか?」

 

「それも考えたんだけど、専門の人物がいた方が質問来た時に困る可能性があるから、永遠亭の誰かが行くしかないのよ。私はここにいないといけないし、姫様はダメ。てゐが真面目にすると思えない。だからあなたしかいないのよ」

 

「そ、そうなんですか……」

 

 師匠が言っていることは納得できる。師匠はいざという時にここにいなくちゃいけないし、姫様は医療関連の知識はあまり持っていない。てゐは……うん。ダメ。

 

 ……極力、人間やほかの妖怪達を関わりなくないけど……どうすれば――

 

『(バァンッ!)話は聞かせてもらった!』

 

「へぇあっ!?」

 

 いきなりの乱入者に変な声をあげちゃった……というより、スルーしていたはずなのに――

 

「――何であなたが永遠亭にいるのよ! 静雅!」

 

 喋りながら扉を開けて来たのは【日食】の異変の首謀者であり、図書館の魔女の薬を買うために来て――てゐと同様にからかってくる男――本堂静雅。

 

 その静雅が私を見て……こう言う。

 

「……へぇあっ!」

 

「ちょっ!? 何で私の声真似するのっ!?」

 

「いや、面白かったんでつい。へぇあっ!」

 

 よし。狂気を操って恥ずかしい行動をとらさせてやる。

 

 そう思い、復讐の意味もかねて私は目を赤く光らせて能力を発動――

 

「――リバーススキルオープン!【害を受け付けない】!」

 

「何をしようが、あなたの狂気は――あ、あれ?」

 

 波長を操ろうとしたけど……さっきまで少しでもあった狂気が操れない!?

 

 戸惑っている私を見てか、静雅は話しかけてくる。

 

「能力使用時に目が赤くなるんだな……おかげで対処をしやすい。一応最低限説明しておくと、オレに負に働く力は通用しないぞ?」

 

「な、何よそれっ!?」

 

「そこはトップシークレットだから教えられないとして……先生さん、寺子屋とか聞こえたんだが、そこに用事があるのか?」

 

「えぇ。そこでの特別授業としてうどんげを行かせようとね」

 

 私をスルーして師匠と話を始める静雅……一体静雅の能力ってなんなの……?

 

 そして……次の静雅の発言に少し耳を疑った。

 

「それだったらオレも同行しようか? 寺子屋の先生さんとは顔なじみだし、オレの親友もそこにいて、主であるフラン嬢も通っているからフォロー出来ると思うぞ?」

 

「静雅……寺子屋と結構関わりがあるの? それで吸血鬼の妹と……あなたの親友がいる?」

 

「そうだ。侠はそこで働いているし、前に諸事情で侠が寺子屋に来れないときはオレが代理していたからな。それに加えフラン嬢も寺子屋に通わせて常識を学ばせている」

 

 ……パイプあり過ぎない? 風見幽香とつながりは持っているわ、寺子屋とつながっているわ、それで紅魔館。親友も情報が正しければ博麗神社とも関わりがるはずだし、異変解決者である白黒魔法使いも……。

 

 思い返していたけど……寺子屋に関わりがあるっていうのなら静雅と一緒の方がいろいろしやすいわよね? それで過去に会った辰上侠は真面目だったし、私の負担も減るかも……。

 

「じゃあお願いしていい?」

 

「了解した。それでうどん、これからどう教えるのか考えた方が良いんじゃないか?」

 

「……あまり教えるという事はしたことがないけど……やっぱり、大事なことよね?」

 

「オレは教えるという事は得意ではないが……いざという時は侠に丸投げしよう」

 

「……あなたの親友が可哀そうに思えてきたわ……彼の事も考えてあげなさいよ……」

 

「大丈夫大丈夫。なんだかんだ侠は文句を言いながらも協力してくれっから」

 

「……いいわね。あなたたちの関係は。お互いに信頼しているみたいで」

 

「十三年以上の幼馴染だからな。うどんからみれば少ないかもしれないが長い時間だ。臆病風に吹かれていたときでも侠は親身になって対応してくれらからな」

 

 …………臆病、ね…………。

 

「とてもあなたが臆病とは思えないけど……風見幽香と繋がりがあるぐらいだし……(臆病なのは私の方だもの……)」

 

「……うどん?」

 

「う、ううん。何でもないわ」

 

 月から逃げてきた最低な理由を思い出してしまった。多分表情が変わっていたから心配のような声で話しかけられたんだと思う。私は平静を繕い、会話を流す。

 

「…………静雅。うどんげの事を頼むわね」

 

「了解した」

 

 師匠は私を見た後、静雅に頼んだ……っているより、思っていることが一つ(それ以上なのかもしれないけど……)。

 

「逆にあなたが寺子屋でふざけないか心配なんだけど……?」

 

「さすがに休み時間でもないときにはふざけねぇよ。ちゃんと授業中は真面目に応対するつもりだ」

 

「……なら良いんだけど……」

 

「……ぶっちゃけ、学ぶ時間にふざけたら侠に笑顔でぶっ飛ばされる」

 

 …………うん。遠い目をしながら語っている様子を見て、とりあえず力関係は侠の方が上だと分かった。

 

 話を一通り終えると、静雅は私と師匠に話しかけながら――

 

「じゃ、一先ず明日ってことで。じゃあな」

 

 ――そう言うと静雅は……その場から消えた。

 

「…………えっ?」

 

「うどんげはまだ知らなかったわね。彼の能力っていろいろ応用が利くらしいのよ。今みたいに瞬間移動したりすることが可能らしいわよ?」

 

「そ、そんなことが……? あ、でも……前に私がてゐの罠で捻挫したとき、彼の指が触れるだけで治ったことがあるんですけどそれは何でしょう?」

 

「そんなことも出来るの……? まぁ、簡単に言えば何でも出来るような能力を持っているんじゃない? てゐも『いつの間にか首根っこを捕まれた』とか言っていたし、本当に万能な能力なんでしょうね。傘を返しに来たという名目で永遠亭にいつの間にかいたし、うどんげの能力を防いだみたいにね」

 

 ……人外過ぎる。あ、でも本人は人間じゃなくて神様なんだっけ。

 

 というより……能力で来たのなら傘とかいらなかったんじゃ……?

 

 

 

 




 次回は寺子屋に移動。もちろん、そこにはある人物も。

 少しばかりか、ネットの調子がおかしいみたいなので、感想返信などは後日にさせていただきます。はやく直ったらすぐにしますので。

 ではまた。
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