幻想世界に誘われて【完結】   作:鷹崎亜魅夜

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 いじりすぎると報復が。
 鈴仙視点。
 では本編どうぞ。


二話 『話し合いの後で』

 翌日。朝早く寺子屋に向かった。生徒たちが来る前に打ち合わせをするために。簡単な医療号具をカバンに入れてある。実物があると分かりやすいと思ったので一応持ってきた。

 

 そして着き……ノックして扉を開ける。

 

「おはようございます」

 

『ほら、侠、静雅。永遠亭からの臨時講師が来たぞ』

 

『臨時講師……あ、優曇華院だ』

 

『よっ、うどん』

 

 扉の中にある教室を見てみると、人里の守護者である上白沢慧音さん、それで過去に治療したことがあり、初代龍神の先祖返りという辰上侠。そして――本堂静雅。

 

「あなた……本来なら来る必要なかったんじゃない?」

 

 瓦版に書き込んでいる侠の隣で過ごしている静雅に話しかける。

 

「ぶっちゃけ面白そうだから来た」

 

「帰れ」

 

「優曇華院、容赦ないね……」

 

「話を聞いていた通り、君の助手が静雅というわけか」

 

「……助手? そんなの聞いていませんが……?」

 

 おかしい。昨日師匠が言った通りなら静雅の事は何にも言ってないかったはず。でもなんで静雅が私の助手ってことになっているの?

 

 私の疑問の声に静雅は反応を返した。

 

「だって永琳先生さんが言っていた事で『うどんげの事頼むわね』って。それってつまりオレはうどんの手伝いをすればいいんだろ?」

 

「あ……そういえば師匠がそう言っていたような……」

 

「さすがにオレはふざけるつもりはないから安心しろ。侠に怒られるのが怖い」

 

「……怖いって……」

 

 少し予想外な静雅の発言だったけど……侠の言葉で少し納得することになる。

 

「休み時間でふざけるならともかく、教える立場なのに授業中にふざけたら静雅……わかっているよね(ニコッ)」

 

「イエッサー。授業中まじめに取り組みます」

 

「よろしい」

 

 ……師匠以外で笑みで恐怖を感じたのは久しぶりよ……隣にいる慧音さんも困ったような顔を浮かべているし……。

 

 ある意味変な空気の中、慧音さんは場を仕切り始める。

 

「……とりあえず、大雑把な内容について決めていこう。鈴仙、君は今日はどのようなことを教えるつもりだ?」

 

「そうですね……こういうことを教えようと思っています――」

 

 私達四人は今日やる授業について話し合いを始めた……。

 

 

 

 

 

 教師達会話中……

 

 

 

 

 

「――じゃあこういう流れでお願いします」

 

「うむ。では私と侠はわからない生徒へのフォローだ。それで静雅は鈴仙が説明している処置についての実演だ」

 

「わかりました」

 

「了解した」

 

 一通り話し終えると……寺子屋の扉が開き、少しずつ生徒が入ってくる。タイミングはある意味ちょうどよかったわね。

 

 その生徒を見てか、静雅は立ち上がり私達に話しかける。

 

「じゃあそろそろフラン嬢を連れてくる。授業が始める十分前に戻るつもりだ」

 

「行ってらっしゃい」

 

 静雅に言葉に侠は返事を返すと……この間みたく消えた。

 

 彼の親友である侠は何とも思っていないように見えるけど……知っているのかも。静雅の能力。その事について侠に尋ねてみる私。

 

「……ねぇ、侠……静雅の能力って一体どういう経緯で移動しているの?」

 

「静雅の能力? う~ん……悪いけど教えられないかな。静雅って基本誰かに能力は教えないようにしているから。自分は教えてもらったけど、さすがに自分経由で教えられないよ」

 

「教えられない、ね……」

 

「意地悪ってことじゃないんだよ? 静雅の気持ちを尊重して言っているだけだから」

 

「大丈夫よ。あなたが真面目という事は治療を通してわかっているし」

 

 少しばかりか雑談していると――侠のお腹目がけて誰かがダイブした。急なことに侠は仰向けに倒れ、突撃した誰かは侠のお腹に座りながら馬乗りされている……ってなんで侠は押し倒されているの!?

 

 突撃した人物は小柄で、全体的に水色と青の服。頭にはリボンをして……氷の羽ということは――

 

『キョー! いつもより早く寺子屋に来たよ! アタイ偉いっ?』

 

「あ~……うん。偉い偉い。よく早く来たね。まだ時間には余裕はあるのに」

 

『大ちゃん達と競争してアタイが一番速かったんだよ! 褒めて褒めて!』

 

「チルノはスピードでも最強だねー(棒読み)」

 

『えへへ……♪』

 

 褒めることを促してもらい、棒読みで褒めたにもかからず喜んでいる氷の妖精――チルノ。

 

 ……って、そんなのんきなことを言っている場合じゃない! 氷精なんだから接触は厳禁なのに!

 

「そこの妖精! 侠から離れなさい! じゃないと凍傷に――」

 

「大丈夫だよ優曇華院。自分は冷たくも寒くも感じてないから」

 

「……えっ!? 嘘っ!?」

 

「キョーはアタイと同じような能力を持ってるからレティみたいに大丈夫なんだよっ!」

 

「まぁ、そういうこと。心配してくれてありがとうね」

 

 ……初代龍神の先祖返りはそういう影響を受けないという事かしら……?

 

 氷精に続き、どんどん生徒が入っていき――

 

『あーっ! チルノってばまた侠に抱き着いてー!』

 

『私も続くー♪』

 

『ちょっ!? ルーミア!? そんな勢いよくダイブしないでいいのに――カハッ!?』

 

『侠さん!? ルーミアちゃん、勢い付けて侠さんにのしかかったらダメだってば!?』

 

『なら私も続きますー♪』

 

『橙っ!? 三人目はさすがにシャレにならな――グハッ!?』

 

『橙までいっちゃったよ……』

 

『こ、こうなったら私も――それっ!』

 

『ミスティア、君まで――ゴフッ!?』

 

 …………カオスすぎる。次々と寺子屋の生徒は侠へとダイブして、侠は苦痛の声を上げている。腕や足に、胴体にそれぞれダイブした。

 

 その変わった光景に戸惑っていると――隣に静雅が現れ、肩には……吸血鬼の妹を肩車させていた。

 

 静雅は侠の今の状態を見て一言。

 

「何というロリハーレム」

 

『? 静雅ー?【ろりはーれむ】って何?』

 

「目の前にいる状態の侠の事を指す。フラン嬢もみんなに乗っかって侠にダイブしたらどうだ?」

 

『うん! わかった――えいっ♪』

 

「ちょまっ!? フランドールさすがにそれは――(ピチューン)」

 

 あ、なんとなくピチュった気がする。侠は生徒に埋もれていて見えずらい。

 

 

 

 

 

 ……この後、悪乗りをした静雅は侠に寺子屋の裏に連れて行かれたけど……うん。私は何も知らなかった。何も私は見ていない。

 

 

 

 

 

 

 




 ワタシハナニモミテナイヨー?

 ではまた。
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