幻想世界に誘われて【完結】   作:鷹崎亜魅夜

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 パルってもいいのよ?
 引き続き三人称。
 では本編どうぞ。


二話 『起こる小さな争い』

「──んっ!? 何故オレっ!? 霊夢が行けばいいだろっ!」

 

 急な霊夢の命令に静雅は困惑した。困惑することは魔理沙達も一緒なのだが。

 

 霊夢の状況を見てか、咲夜は冷静に詳細を問いかけることに。

 

「どうしたのよそんな荒げた声で? それで静雅じゃなくて霊夢が行けばいいじゃない」

 

「……あいにく、私が取り返したいんだけど、紫が現れて【結界の修復作業をする】とか言って行かせてくれないのよぉ……。それで紫が【神々の天敵である静雅に行かせればいい】って言う事で静雅に行かせるの。文句ある?」

 

「待て霊夢!? 守矢神社ということは妖怪の山、つまり神々がいるところだろ!? そんなところにオレが行ったら火に油だろうっ!?」

 

「……あー。そういえばあなたは【神々を滅ぼす神】だから相性が悪いんだったわね」

 

『カミガミノタタカイー』

 

 静雅の否定的な意見にアリスはある事を思い出しながら言う。

 

 彼の種族は荒人神であるが、パチュリーに『第一印象で嫌悪感を持たれる可能性がある』と言われているのだ。そして静雅は神々を滅ぼす神の性質。他の神と対面したら戦闘は免れないかもしれない。

 

 なので静雅自身、妖怪の山にはいかないようにしていた。そのことを踏まえて静雅は話を霊夢にする。

 

「それにオレは妖怪の山に行ったこともないわけで、地理も詳しくない──」

 

「それなら魔理沙を連れて行きなさい! この中でだったら魔理沙の方が山の地理を知っているから! それで良いわねっ!」

 

「おまっ!? さらっと私を巻き込むな──」

 

「結界修復作業中に取り戻せなかったら……夢想封印よ。じゃあ今すぐ侠を取り返しに行きなさい!」

 

 相手の意見を聞かないでそのまま霊夢は博麗神社方面に向かって行ってしまった……。

 

 全員は茫然としながらも、静雅は魔理沙に行動を促す。

 

「魔理沙……妖怪の山へのナビ、頼む」

 

「……静雅の能力なら楽に侠を取り戻せるんじゃないのか?」

 

「目で確認しない限り能力で人物を呼び出すことができないんだよ……それに妖怪の山にも、守矢神社にも行ったことがないから能力で移動できないしよ……正攻法で行くしかなさそうだ」

 

「……肝心な時に不便だな、その能力。しかし……何が原因で霊夢はあぁなったんだぜ?」

 

「それも気になるところだが……それじゃあまずはそろそろ時間ってことで、フラン嬢を迎えに行くのと同時に寺子屋に向かうぞ。まだそこにいる可能性があるしな。じゃあ咲夜、アリス、天牌。またな」

 

 魔理沙と愚痴を言いあうように話してから、静雅は一先ずここで別れる人物達に挨拶を。

 

「……大変ね。あなた」

 

「……まぁ、戦闘事が起こらなければいいわね」

 

『アリスサン、ソレハフラグダヨー』

 

「フラグをブレイクしないとな……魔理沙、手を借りるぞ」

 

 そう言った静雅は服を着なおして槍が入ったケースを背負った後、魔理沙の手を握った。慣れないことに魔理沙は顔を赤く染め、抗議の声をあげようとしたが──

 

「お、おいっ!? 急に手を──」

 

 ──だがその声は静雅に届くことはなく、二人の姿はぶれて消えた……。

 

 

 

 

 

「(……結局、鈴仙との関係が聞けなかったわね……)」

 

 

 

 

 

 

 

 

「──よっと。寺子屋前に到着っと」

 

「本当に紫みたいな移動をしやがって──って手! 離してくれだぜっ!?」

 

 静雅の能力で寺子屋前に着き、魔理沙は顔を赤くして手を繋いでいることを指摘し、静雅は言う通りに離した。

 

「……何か魔理沙って初心なのか? 男っぽい口調だから男友達とかといろいろ触れ合ってそうなんだが……?」

 

「……男友達って呼べる奴は……ほぼ特いないぜ。香霖はそれとは違うし、侠とは何となくそういう感じはするが」

 

「……オレは?」

 

「……許容範囲だぜ」

 

「おう。少し安心した。でもそんな男友達がいないのに、どうして男口調なんだ?」

 

 静雅は今までの魔理沙の口癖に疑問を持っていたので問いかけてみると、魔理沙はばつが悪そうに目を反らしながら答えた。

 

「べ、別に深い理由はないんだぜっ?」

 

「女として生まれてきたんだから『うふふ』や『きゃはは』とか言っても良いだろうに」

 

 静雅本人としては軽い気持ちで例を言ったんだろう。

 

 しかし、当本人の魔理沙はというと──

 

「!? ど、どうしてお前がそれを知っているんだぜっ!?」

 

「? 知っているって何をだ?」

 

 ──すごい動揺していた。顔を赤く染め上げ、指で静雅を示しながら震えていた。

 

 ……実はというと、女の子らしい時代を魔理沙は過ごしていたときがあるのだが、黒歴史として、誰も触れてもらいたくない内容になっている。

 

 しかし静雅の言葉を聞くと……間の抜けた言葉を魔理沙は返した。

 

「…………もしかして意図的でなくて、知らなかったのか…………?」

 

「何だ? さっきの『うふふ』や『きゃはは』が何か関係が──」

 

「さ、さぁ寺子屋に入って侠を探すぜっ!?」

 

 強引に魔理沙は静雅の手を取りながら寺子屋に入って行った。まるで詮索を中断するかのように。

 

「(……何かのネタに使えるかもな、今の)」

 

 ……しかし、魔理沙の反応で黒い笑みを静雅は浮かべていたが。

 

 魔理沙に強制連行され、寺子屋に入って手を離す。中を確認してみると……ほとんど生徒はいなく、いたとしてもフランドール・スカーレットだけ。他に先生である上白沢慧音。

 

 そして──以外にも、何かの文書を手渡している永遠亭の月の兎、鈴仙・優曇華院・イナバがいた。

 

「(! 何で鈴仙がいるんだぜ!?)」

 

「お、うどんじゃん。どうかしたのか?」

 

「あ、静雅……」

 

 静雅が声をかけて鈴仙は存在に気づき、文書を身近な机に置いて、彼女は静雅に近づいて話しかけ始める。

 

「三日ほど前、ここでやった応急処置についての授業をやったでしょ? それについてまとめた文書を持って来たの」

 

「文書を? 先生さん、そんなの頼んでいたのか?」

 

 静雅は初耳だったようで、文書を受け取っていた慧音に問いかけた。だが、彼女は首を横に振り否定。

 

「いや、頼んではいないんだが……わかりやすくどうぞってことでもらったんだ。ちゃんとわかりやすいように書かれているし、フランドールにも読ませてみたんだが、ちゃんと理解しているようでな。ありがたくもらっていたという事さ」

 

「兎のお姉さんの文字綺麗だよー!」

 

「あ、ありがとう……」

 

 慧音の話題に出ていたフランドールも鈴仙を賞賛した。それを聞いた鈴仙は頬を少し赤くし、小さな声だったが返事をした。その様子を見てか静雅はどこか微笑ましそうに言う。

 

「ほぉ。デレデ鈴仙か。良かったな」

 

「……あなたがこういう場面で名前を呼んでいることはふざけているというのはよくわかるわ……なによデレデ鈴仙って」

 

「わからない方が良い時もあるのさ。こういう文化のことは」

 

「……ふふっ。どんな文化よそれって?」

 

 少し笑いながら静雅の言葉に反応する鈴仙。その光景は仲が良く見える。

 

 そして魔理沙は……言葉に詰まりながらも静雅達に話そうと思っていたことについて話を切り出しやすい鈴仙に尋ねた。

 

「な、なぁ……お前ら妙に仲が良くないか? も、もしかして……異性として付き合っているとか?」

 

「!? ち、違うわよ!? 私と静雅とそんな関係じゃないし!?」

 

「だとよ、うどん。オレ達この際に付き合って──いや、まずはお互いの事を知るべきだからそういう事は無しか……」

 

「? 前にも言ったけど当たり前じゃない? そういう事はお互いに知ってから──」

 

 静雅が鈴仙に冗談を言いかけたところを止めた。しかし、彼女は彼の言葉を察してか発言しようとしたのだが……彼は謝りながら手で彼女を制する。

 

「OK。オレが悪かった。だからその事をそのまま言うのをやめようか」

 

「……どうしたのよ静雅? あなたらしくないわね?」

 

「……たまには発言には気を付けような? それで先生さん、侠はいないようだがどこに行ったかわかるか?」

 

「(……どうやらそんな関係じゃないみたいだが……鈴仙は静雅と距離が近くないか? それに珍しく静雅が会話を反らすなんて珍しいぜ……何かあったのか?)」

 

 魔理沙は今の静雅の行動に疑問を覚えたが、そんなことを気に掛けず彼は慧音に侠の所在について尋ねた。

 

「侠か? 侠なら守矢の巫女が迎えに来て、そのまま二人は出て行ったぞ?」

 

「……遅かったか……とりあえず、やることは……フラン嬢。オレはちょっくら仕事ができたから紅魔館に戻れないから、パチュリーや小悪魔に絵本の読み聞かせを頼んでくれ」

 

「そうなんだー……早く帰ってきてね?」

 

「努力はしよう」

 

 静雅は右手をフランドールに焦点を合わせると……体がブレ、その場から消えた。その光景に鈴仙は一言。

 

「……便利ね、その能力。私の能力も防げるようだし」

 

「肝心な時には使えないけどな……そうなると妖怪の山に行くしかないのか……」

 

「妖怪の山? おいおい、山は人間禁制だぞ? 守矢神社と、龍神の先祖返りである侠はともかく……」

 

 この中で唯一静雅の種族を知らない慧音が静雅がしている行動を注意している。その事に気付いた静雅は慧音に弁明。

 

「先生さんよ、割愛するがオレは人間じゃないんだよ。分類上神様」

 

「…………何っ!? そんな事今まで知らなかったぞ!? 過去に起こした異変の時に静雅は人間と書かれていたんだが!?」

 

「文には種族聞かれなかったからなぁ……侠が外界の人間だから、そのまま書いたんだろ」

 

「……それで侠がいるであろう守矢神社に? 話で聞いていたが、守矢の巫女は風邪を引いて、家事を代わりにしていたみたいだが……今日見る限り守矢の巫女は体調は良かったみたいだろうから、行く必要はないんじゃないか?」

 

「……すごい霊夢がお怒りなんだよ。どうしてだか知らないが。それで霊夢は諸事情でオレを駆り出して、ナビゲートで魔理沙を巻き込んで」

 

「しかし、見た目で二人とも人間じゃないか……魔理沙は純粋に人間だ。追い返されるのがオチだぞ?」

 

「せめて妖怪もいたらなぁ……」

 

『だったら──私も同行する?』

 

 二人の会話に──鈴仙が提案する。それを聞いた三人は驚き、静雅は鈴仙に言葉を返す。

 

「うどん? 永遠亭は良いのか?」

 

「今日は特にやることはないし。時間に余裕があるから大丈夫よ。それに静雅に【借り】もあるしね」

 

「……別に貸し借りは考えなくても良いだけどよ……無理はすることはないぞ?」

 

「私は一応これでも妖怪だし、魔理沙よりは役立つと思うわよ?」

 

 急に比べる対象として魔理沙が挙げられ、腑に落ちないように彼女は鈴仙に言葉を言い返す。

 

「! 馬鹿を言うな! 私の方が妖怪の山の地理が詳しいんだぜ! 鈴仙は妖怪の山行く回数は私より確実に少ないだろ!」

 

「例え道に詳しいとしても、あなたの場合人間だから揉め事になるでしょ! 静雅は人間じゃないこと説明すれば済むことだし!」

 

「「…………!」」

 

 二人は言葉を牽制して睨みつけ合う。片方は地理に詳しい。もう片方は問題が起きにくい。

 

 そして静雅本人は気楽に発言したつもりなのだが──

 

「だったら三人で行けばいいんじゃね? ナビは魔理沙が、説得にはうどん、最終手段としてオレの能力で対処をすれば──」

 

「お前は黙ってろ!」「あなたは黙ってて!」

 

「はいっ!? 何でオレ怒られてんの!?」

 

 静雅本人の問題というのに二人から非難を貰った。そのことに理不尽に感じる静雅。

 

 しかし戸惑ったものの、負けず静雅は反論を返す。

 

「オレ的には迅速に行動した方が良いんだよ! ここで口論しても時間の無駄だろうし、霊夢が結界修復する前に事を済まさないといけないんだ! 二人の長所を生かして行動を迅速にした方が良いに決まっているだろ! 大人数だとさすがに駄目だが、三人なんだから許容しろっ!」

 

「……仕方ないぜ。言う事を聞かない兎妖怪よりも静雅の意見の方が効率的だぜ」

 

「あら? 奇遇ね。泥棒魔法使いの意見よりも静雅の意見の方が効率的だわ」

 

「喧嘩売ってんのかお前っ!」

 

「そっちこそっ!」

 

「……何でそんな仲が悪いんだ? お前さん達は……?(もしもの戦力が増えたのは心強いが、どうして二人は相性が悪いんだ……?)」

 

 今の状況を見てか、気遣うように慧音は声をかける。

 

「まぁ、その、何だ。頑張れ……」

 

 気遣いの言葉に、ため息をつきながら静雅は二人を連れて妖怪の山に向かうことにした……。

 

 

 

 

 

 

 

 ──ちなみに、探している人物と隣にいる人物はというと。

 

『東風谷、静雅に会いたいって言っていたよね? 今日は守矢神社から博麗神社に帰る前に、紅魔館に寄ってから守矢神社に行こう』

 

『そういえばもう私の体調は元通りになったので博麗神社に帰っちゃうんですよね侠君……でも、本堂さんに会えるんですね! 今もなお人気モデルと言われている本堂さんに!』

 

『まぁ、どこかに出かけていない限り紅魔館にいると思うけど……じゃ、ちょっと挨拶がてら行ってみようか』

 

『はい♪』

 

 まさかすれ違っていたことに気付かずにいたとは誰も知らない。

 

 

 

 

 




 ……橋姫さん化しても仕方ないですよね。

 ちなみに黙ってろ云々は改行ミスでは無いのであしからず。

 ではまた。
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