三人称。
ではどうぞ。
『──それは本当ですか?
とある雲海にあると言われている──龍界。そこには美しい羽衣を纏って、帽子を被っている竜宮の使い──永江衣玖。彼女はとある不良天人のお目付役でもあるのだが、今回はこの幻想郷を統次している【龍神】に話を聞かされていた。
『本当のことだ。下界に私に似た力を感じるようになった。いや、もしかすると私の方が似ているのかもしれないな……』
「? 言葉の真意が読み取れないのですが……?」
彼女は龍神の言葉に首をかしげた。それは当然のことかもしれない。幻想郷の龍神事情はその幻想郷を統治している龍神、妖怪の山の長である天魔などといった人物しか知らないのだ。
そして今の幻想郷を統治している龍神は──真実を衣玖に話をする。
『これは先祖代々機密事項として取り上げられていたのだが……私はこの幻想郷を統次する四代目の龍神だ。私はこの幻想郷を創った創造神ではない』
当然……普段冷静な衣玖でも、第三者から見ても驚愕の表情を浮かべていた。しかしすぐに彼女は冷静に戻り、思った事の発言を。
「…………すみません。目から鱗が多く落ちているような気分です。ですが、それを私に言ってもよろしかったのでしょうか? 私はそこらにいる普通の竜宮の使いですよ?」
『最近、竜宮の使いの仕事でもある地震の仕事がほぼ無くなったそうだな。衣玖がお目付役として傍にいる不良天人ともいわれる比那名居天子が下界に【要石】を差し込んでくれたおかげでな。そこで特に仕事が無くて、不良天人の世話をしている衣玖にと思ってな。これから頼むことは楽な仕事のはずだ。少しは不良天人と離れてリラックスするつもりで望めば良い。それに……お前ならこの事を簡単に口外はしないだろう?』
「そもそも機密事項と先ほど仰っていたじゃありませんか……? そのようなことを決して言うつもりはありません」
『それを聞いて安心した。お前に任せて正解だった』
衣玖の返事をきて満足そうにする四代目龍神。その龍神の様子を確かめた後、衣玖は詳細を尋ねる。
「それでは……仕事というのは一体何なんでしょうか?」
『その説明をしなければな。何、簡単なことだ。八雲紫が幻想郷に連れてきた外来人の二人の内の一人を龍界に招き入れて詳しく事情を聞くだけだ。何故私と似たような力を持っているのか──いや、この理由は文献でだいたい察しは付いているがな……』
「察しが付いていらっしゃるのですか……それでは、連れてくる名前の人物もおわかりに?」
『下界の様子を見れば大体のことは把握できた。さて……衣玖。この幻想郷を統次する龍神がお前に命令を渡す──』
そして四代目龍神は衣玖に──こう伝える。
『──博麗神社に居候しているといわれている【辰上侠】を龍界に連れてこい!』
短いですが、予定している特別番外編の文字量はそれなりにある方なので。
この章自体の話は終了ですが、次話は特別番外編を投稿した後、現時点でのスペルカードをまとめたいと思います。
ではまた。