幻想世界に誘われて【完結】   作:鷹崎亜魅夜

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 とりあえずあの三人。
 裏主人公視点。
 ではどうぞ。


『太陽の畑と三重奏』

『──そういえば……そろそろ太陽の畑に行くべきか?』

 

 オレは唐突に思い出した。何時か太陽の畑に遊びに行くことを。

 

 のんびりと図書館で槍の手入れをしながらそう呟くと、フラン嬢に童話の読み聞かせをしていたパチュリーがその事について問いかけてきた。

 

「何で急にそんなことを?」

 

「いや、前に侠の事でオレとフラン嬢が幽香とお茶会したって言っただろ? 実は帰りの時に幽香に聞いたんだ。『また遊びに来ても良いか?』的な事を。それで幽香は『考えておきましょう』って言ってな? それで行こうかと思って」

 

「……荒人神だから仕方ないと割り切るしかないのかしら……?」

 

「いや、それは関係ないと思うぞ?」

 

 単に幽香は話しやすい大妖怪だったおかげもあるが、性格的にもそれなりに良かったと思う。

 

 オレの言葉で思い出したかのようにフラン嬢はオレの近くに駆け寄っては聞いてきた。

 

「じゃあ幽香お姉さんの所に行くの?」

 

「……そうすっか。じゃあパチュリー、ちょっくらフラン嬢と共に太陽な畑に行ってくる。レミリア嬢や、オレの来客者が来た時はそう伝えてくれ」

 

「えぇ。じゃあそう伝えておくわ」

 

「よし。じゃあ向かうぞフラン嬢。肩に肩車(ドッキング)だ」

 

「わかった!」

 

 弾んだ声でフラン嬢はオレの肩に乗っかり、オレは能力で太陽の畑に移動した……。

 

 

 

 

 

『……よくあの風見幽香は静雅達の事を受け入れているわね……? そういえばどのような経緯で知り合ったのか詳しく知らないわね──』

 

『(バァンッ)おーい、静雅はいるかー? 今日も申し込みに来たぜー?』

 

『……魔理沙。最近あなたは静雅と弾幕ごっこをすることが日課になってない?』

 

『……そういやいつの間にかそうなっているな……まぁ、どうでも良いぜ』

 

『どうでも良いって……(でも本を持っていかれないなら良いか……)』

 

『それで静雅は……いないな。紅魔館のどっかにいるのか?』

 

『さっき太陽の畑に向かったわよ。妹様を連れてね』

 

『……相変わらずあいつのコミュニティは広いな……それがあいつらしいっていうか……』

 

『(……? いつもと静雅の扱いが違う……?)』

 

『じゃあ仕方ないか。静雅がいないのを利用して久しぶりに本を持っていくとするか☆』

 

『持ってかないでー』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、着いた──ん? 何か音楽が聞こえるな……?」

 

「本当だー……綺麗な音……」

 

 太陽の畑前に移動すると……何やら楽器の演奏が聞こえてきた。一つだけじゃない……音から判断すると弦楽器関係、金管楽器関係、あと一つはキーボードだろうか……? その三重奏の演奏が聞こえた。

 

「……とりあえず向かってみるか」

 

「うん!」

 

 オレ達は歩いて幽香の家へ向かって行く。少し歩いたところで……日傘をさして立っている幽香と──黒い服の主体の人物がバイオリンを、薄紫服の人物はトランペットを、赤い服の人物はキーボードを弾いて演奏していた。

 

 しばらくの間オレ達は聞き惚れてたんだと思う。オレ達は立ち止まって演奏を聴いていた。

 

 そして数分経った後……演奏が終わった。それを見計らってオレは歩き始め、まずは幽香に話しかける。

 

「幽香ー? 久しぶりに来たんだが……」

 

「あら? やっぱり気配で来たと思ったけど……フランドールも一緒なのね?」

 

「幽香お姉さん、こんにちは!」

 

「……ねぇ、静雅。フランドールの私の呼び方何とかならない? 少しむず痒いんだけど?」

 

「それはフラン嬢なりの敬意だと思ってくれ……ところでこの演奏者達は誰なんだ?」

 

 オレがそう聞いてみると……バイオリンを弾いていた黒い服の女が話しかけてきた。

 

「ふむ。君は……過去に【幻想日食異変】を起こした外来人の本堂静雅であっているかい? ……それで君が肩車しているのは……紅魔館の吸血鬼の妹?」

 

「おう。合っている。そしてオレの主でもあるフランドール・スカーレット嬢だ。いろいろ日光とかツッコミたいと思うが、それはオレの能力で受け付けないことにしている……フラン嬢、降りて挨拶を」

 

「あ、うん……」

 

 フラン嬢はオレの指示に従ってくれ、ドッキング解除して地面に足をつけて改めて自己紹介。

 

「静雅の説明でもあったけど、フランドール・スカーレットだよ」

 

「なら私も自己紹介でもしておこうか……私はルナサ・プリズムリバー。【プリズムリバー楽団】の長女だ」

 

「……ねぇ、静雅?【楽団】って多くの人がいるんだよね? 三人しかいないような気がするんだけど……?」

 

「…………そこは気にしてはいけないところなんだろう、ルナサ?」

 

「……そう考えてくれると助かる……メルラン、リリカ。挨拶を」

 

 フラン嬢の指摘にオレはルナサをフォローした後、彼女はそれぞれトランペットとキーボードを演奏していた二人がオレ達の前に出てきくる。まずはトランペットを演奏していた子が前に出て自己紹介をしてくれた。

 

「ヤッホーっ! 私はメルラン・プリズムリバーだよ! よろしく!」

 

「おう。そしてテンションが高いな?」

 

「私の演奏を聞けばあなたもテンションがハイだよ! 聞いてみる!?」

 

「ほうほう。そこまでハイになれるのか。じゃあさっそく──」

 

「静雅。それはやめておいた方が良い」

 

 メルランの誘いに乗ろうとしたが、何故かルナサに止められた。

 

「どうしてなんだルナサ? さっきの演奏途中から聞いたが何にもなかったぞ?」

 

「それは私の演奏を含めた合奏だから大丈夫なんだ。……メルランのソロでの演奏は躁状態になって……壊れるほどテンションが高揚する」

 

「なるほど。イカレるのか」

 

「そういうことだ。その時は私の鬱の演奏を混ぜなければならない。そういうことだからソロでの演奏を聴くのはやめておいた方が良い」

 

「えぇ~ルナ姉~? せっかくだから異変の首謀者をハイにさせたかったんだけどなぁ~?」

 

 メルランの発言に、幽香は便乗するかのように言う。

 

「一人で勝手に盛り上がって、冷めた目で私は見たかったけどね」

 

「何という疎外感。聞かなくてよかった」

 

 まぁ、最低限能力で防げると思うけどな……。

 

 話が盛り上がっているところに、キーボードを演奏していた奴が、確認ということだろうか……メルランに話し掛けた。

 

『……ねぇ、私も喋っていいんだよね?』

 

「何で? リリカも普通に喋ればよかったのに」

 

「途中でメル姉が演奏しそうとしたからでしょ!? 私の自己紹介が終わってからそういう事を言ってよ!?」

 

「過ぎ去ったことはしょうがない♪」

 

「もう、メル姉は……まぁ、いいや。私は──」

 

「お前さんの名前はルナサの【三姉妹】、メルランの自己紹介でもう【リリカ・プリズムリバー】ということは説明しなくてもわかるんだが……自己紹介をする必要あったのか?」

 

「えっ!? ここまできて私の説明いらない!?」

 

「おう。いらない」

 

「そこは【いらない】って言わないでよ!?」

 

 何だろうこの三女……弄り甲斐があるような気がする。

 

 一通り(?)お互いの事を知ったところでフラン嬢は幽香にある事を尋ねた。

 

「幽香お姉さん、演奏を聴いてたの?」

 

「まぁ、そうね。でも私はついでだけど」

 

「? ついで?」

 

 フラン嬢の疑問に幽香は当然のように答えた。

 

「幽霊楽団には定期的にここで演奏してもらっているのよ。ここの向日葵たちに聞かせてあげるためにね。花も生き物だから、演奏を聴かせることで花のストレスも少なくなるし」

 

「幽香は【花を操る程度の能力】だったな。それってもしかして花の気持ちもわかったりするのか?」

 

「そうね。わかるわ」

 

 ……花に演奏を聴かせてあげるとか随分優しいな……おそらく花限定だろうと思うが。

 

 幽香の発言を引き継ぐようにルナサは話を続ける。

 

「彼女と向日葵たちは私の大事なお客様だからね。毎度御贔屓にさせてもらってるさ」

 

「あ、ちゃんと金はもらってんのな?」

 

 オレがそう納得すると、メルランが補足するように言った。

 

「私達はそれなりに有名だからね! 基本的には冥界で活動しているけど、依頼してくれれば駆けつけるから!」

 

「依頼すれば駆けつけるか……楽器もさっきからフヨフヨしているから持ち運びには困らないのか」

 

 オレがそう言ったところ……リリカが何か思いついたようにしてオレに話し掛けてくる。

 

「ねぇねぇ。紅魔館で音楽の癒しとか欲しくない? ちょうど私達がここにいるんだし、紅魔館の主に聞いてみてよ!(ちょうど異変の張本人が目の前にいるんだし、対面しなくて済むからね!)」

 

「……何か心の声が聞こえたような気がしたんだが……まぁ、いいや。ちょっくら聞いてくる。フラン嬢はここで待っていてくれ」

 

 そして一先ずはオレは能力で紅魔館に戻る事に。

 

 

 

 

 

 少年交渉中……「チョッ! シズマサカエッテクルノハヤッ!?」「ヒャッハーッ! ドロボウハショウドクダー!」「ヨウヤクホンヲカリテカエルトコロダッタノニ―(ピチューン)」「フウ…チョウドイイトコロニレミリアジョウガ。カクカクシカジカトイウコトナンダガイイカ?」「…ベツニカマワナイワ」「サンキュー」

 

 

 

 

 

 図書館で泥棒退治をしてレミリア嬢から了承を得たので、向日葵畑にもどって了承を得たので伝えてみると。

 

「やったよルナ姉! 新しい仕事だよ!」

 

「……すまないね。リリカが無理を言ったようで」

 

「まぁ、紅魔館の主が良いって言ったんだ。別に構わないさ」

 

「じゃあさっそく紅魔館へ向かおうよ!」

 

 メルランの言葉でほかの姉妹は動こうとしたが、オレは制止をかける。それじゃあ今回ここに来た意味が無いからだ。

 

「ちょっと待ってくれないか? せめて幽香と雑談程度はさせてくれ。本来それが目的で来たんだからな」

 

「あら? 私だったの?」

 

「前に保留みたいな言い方だったが、前向きに受け取ってくれただろ? 時間が空いたからここまで来たんだ」

 

「……まぁ、じゃあ【初代龍神】について聞きましょうか。どこかのブンヤがそれについて取り上げていたからね。その初代龍神があなたの親友の人間に憑りついているというじゃない? その事について聞こうかしら」

 

「おけ。それで良いなら」

 

「何だか侠も随分有名になったよねー……」

 

 フラン嬢が呟くように言ったのが聞こえたのか、ルナサがその事についてオレに聞いてきた。

 

「【きょう】……それは君が起こした異変を解決した外来人の事だったな。私も新聞で読んだが、いささか興味がある。できれば私達も聞いても良いだろうか?」

 

「いいと思うぞ。もしも侠に会ったらよろしくな」

 

「私もその事聞きたーい! 龍神様がここにいるだなんて珍しいからね!」

 

「(……もし、仮に会って初代龍神の評価を貰って世間に広まったら……毎回演奏できてお金もいっぱいもらえるし一石二鳥どころじゃない♪ これは私も覚えておいた方が良いね!)」

 

 とりあえず紅魔館で演奏するまでの時間までオレ達は雑談していた……。

 

 

 

 




 プリズムリバー三姉妹を出せました。結構雑談みたいになってしまいましたが。

 ではまた。
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