……誰がこの言葉を作ったのか疑問である。
では本編どうぞ。
着いてきた場所。魔法の森の瘴気の影響はなかったから良かったものの、来た場所は戻って人里。そして目の前には石像で作られた──龍があった。
「先生、これは?」
「幻想郷を創ったと言われている龍神の像だ。侠の能力と関係があると思ってきたのだが……何か感じないか?」
「そうですね……特に何も──」
『「ほぅ……ちゃんと我を手入れしているみたいだな。感心感心」』
「ない──っ!?」
「? どうしたんだ?」
上白沢先生の受け答えをしている最中に……頭に言葉が流れた!?
「何か……聞こえませんでしたか?」
「? 特におかしい音や声は聞こえなかったぞ?」
「……気のせい、かな……?」
空耳だったのだろうか……? まさか自分にだけ聞こえたとか?
……気にしてもしょうがないかな?
「あ、いえ、何でも無いです。どうやら気のせいだったみたいです」
「そうか? まぁ、一先ずは寺子屋に戻ろう」
「はい」
……どうやらここには定期的に来る必要がありそうだ。
生徒が帰って寺子屋に戻って荷物を整理し終わった後、本題を話すため座って作業をしている上白沢先生に話しかけた。
「実は人里で働ける場所を探していたんですよ。そこでどこか人手が足りていない所ってありますかね?」
「働ける場所か? それはどうしてなんだ?」
興味を持ってもらえたようなので、目線を合わせるように自分も近くに座った。
「年下の博麗にお世話に慣れっぱなしってのはちょっと気が引けちゃって……せめて自分以上の食い扶持が稼がなければいけないという使命感ですかね?」
「成る程……それならば寺子屋で私の助手をしてくれないか?」
働き口がいきなり見つかった!
「急な話なのに良いんですか?」
「良いも何も、今日の授業を見てて……侠は生徒よりも先生の方が向いていると思ったんだ。最低限の学はある。あのチルノでさえ少しは理解したようだった。チルノはおそらくお前の思っている通り……アレなんだ。その他にも得意じゃない子供たちもいる。主にその子供たち中心に相手をしてほしいんだ。それに私は外界の勉強についてもいささか興味はある。生活に足りる程度の金額は給与するつもりだが……どうだ?」
「上白沢先生がいいのなら、ここで働いても良いですか?」
「あぁ。ここで是非」
ルーミア……ここに導いてくれてありがとう。
「ありがとうございます。これからもよろしくお願いします」
「こちらこそ。じゃあ、少し待っててくれないか? 教材を持ってきて軽い説明をするから──」
上白沢先生は立ち上がろうとするが、何故か立っている途中によろめいてこちらに倒れ込んで──もしかして立ちくらみ!?
「──いつっ」
そのまま上白沢先生はこちらに倒れ込んできた。自分の体は倒れたが、先生はとっさに両手を突き出し、顔面衝突は避けられたが、距離にして約二十センチ前後。かなり距離が近い。
「「……あ……」」
おそらく自分もそうだと思うが顔が少し赤くなり、場に気まずい空気になる。
……上白沢先生って綺麗な顔をしているし、スタイルも良い。それで大人の女性って感じる……。
…………何冷静に分析をしているのだろう?
「す、すまない! 今どく──」
我に戻ったと思われる上白沢先生が覆い被さっている状態から解こうとするが──
『おーっす! 慧音ぇー竹林でかなり大きい筍が採れたんだが一緒に──』
ま さ か の 乱 入 者
上白沢先生から見て後ろからドアが開く音が聞こえ、知り合いと思われる声が聞こえてきた。そして、途中で言葉が途切れる。
この状況を上白沢先生の知り合いから見たらどうのように見え、どのような行動をとる?
知り合いが見知らぬ男に覆い被さっている
↓
上白沢先生の大事な人の分類?
↓
男女のアレをしようとしている?
↓
自分、空気を読まず入ってしまった?
……おそらく、このようなことを考えて最終的には──
「あぁーー……すまん。日を改めてまた来る……」
──退却、だろうね。
謝罪をして、その知り合いは扉を閉めて出て行った。誤解をしながら。
「ち、違うんだ妹紅ぉおおおおっ!? 気まずそうに立ち去らないで私の話を聞いてくれぇええええっ!」
動揺した声を出して上白沢先生はダッシュで知り合いを追いかけていった。
……違う一面の先生を見れて何か面白かったな……。
女性、引き戻して説明中……
「そんなしょうも無いことであんなことになったのか……」
「誤解が生じさせてしまったのは悪かった。だが、せめて訳を聞いてくれ」
上白沢先生の友達と思われる人物を寺子屋に連れ戻した後。何とか誤解を解いた。
その女の人は後頭部に赤い大きなリボンを付けていて、さらに少し髪に小さな赤いリボンを付けている。サスペンダーが着いている赤いもんぺを履いていて、ワイシャツを着ている。
「上白沢先生、この人は?」
「あ、あぁ。私の友だ」
上白沢先生がそう説明すると、その人は自分の前に出てきてくれて自己紹介をしてくれた。
「私は藤原妹紅だ。迷いの竹林の案内人をしている」
「ん。自分は外来人の辰上侠。博麗神社に居候していて、寺子屋の助手になった」
「外来人? 外来人ってのはもっと特徴的な服を着ていると聞いたんだが?」
現在の服→作務衣
……至って普通の幻想郷的ファッションだ。
「まぁ、幻想郷に馴染むためにこの服を着ているんだよ。常に外界の服でうろついていたら周りに馴染めないし」
「ふーん。まぁいいけど。私はたまにここに来るからその時はよろしく」
「わかったよ。藤原ってどこら辺に住んで──」
「名字で呼ばれるのは得意じゃないから名前の方で呼んでくれ」
「…………」
「どうしたんだ? 侠は?」
そういう風に言われ、軽く固まっていたところを上白沢先生に気遣われる。
「えっと……名前で呼ばなきゃ駄目?」
「逆に聞くが、名前で呼びたくないのか? そんな他人行儀に? 侠が寺子屋に通うなら必然的に慧音と関わりのある私との関わりは多くなるはずだ。だったら名前で呼んでもらってもおかしくはないだろう?」
「……そういえば、私に関しても先生付きで名字呼びだな。ルーミア達はしょうが無いとしても、霊夢達に関しても名字呼びだったな。それと関係があるのか?」
二人に詰め寄られ、後すざりをする自分。えぇ……この空気は言わなきゃ駄目なの?
「たいしたことではないんですが……単に、女の人の名前を初対面で呼ぶのになれていないから、恥ずかしいんですよ……」
顔をそらしながら、弁解。
顔を少し、二人に戻してみると──
「「──あははははっ!」」
「えぇーっ!? 笑われた!?」
何故!? 自分は間違ったことは言っていないはず!?
少し笑いを抑えて藤原から話しかけてくる。
「いや〜、答えが予想外すぎてな。幻想郷じゃあ基本名前や愛称で普通に呼んでいるからな! しかも恥ずかしいとか!」
「くくくっ……そんなしょうも無い理由で女性の名字を呼んでいたのだな。だったら私達は名前で呼ばれても構わんよ。さっ! 言ってみろ!」
そして何やら呼ばないといけない空気になった! しかも二人とも、何か顔がにやにやしているし……。
……仕方ない。この二人は名前で呼ぼう。
「……慧音さん……妹紅……」
「ちゃんと言えるじゃないか……顔が少し赤いが」
「慧音さんほっといてくださいよ!」
「慧音がさん付けなのはアレか? 仕事での上司だからか?」
少し恥ずかしく思いながら言ったが、妹紅から話しかけられる。
「まぁ、そんな感じだけど……妹紅は同年代に見えるからさ、呼び捨てだけど……もしかして年上だった?」
「…………あぁ。ものすごい年上だ」
「……もう何も驚かない……」
「でもさ、私としたら堅苦しいのは嫌いだから呼び捨てで良いよ」
妹紅は呼びすてで良いって言ったけど……答えるまでの空白が少し気になった。
ヘタしたらまた弄られそうなので自分は慧音さんに話しかける。
「あぁ……話を戻しますけど、教材の方を見せてもらえませんか?」
「そうだったな。侠は少し待っててくれ。持ってくる」
「慧音ー。じゃあ私は筍の仕込みでもしておくよ」
「あぁ。そうしてくれると助かる」
そして、各々の行動に移した……。
逆ラッキースケベで表主人公が悪くないように見えるから不思議。
※逆ラッキースケベ……とある主人公やトラブルがいろいろ発生する主人公とは違い、普通のラッキースケベはどうあれ主人公の責任となり、主人公は粛正されたり冷たい目で見られたりする。しかし今回の表主人公のケースは第三者から見ると女の人が襲っているように見えるので基本的に静粛などされない。一部例外有り。
表主人公は今回の理由を含めて極力名前で呼びません。今回以外にも理由はあるのですが。
謎の声は皆さんはどこから聞こえたと思いますか? それは……まぁ、進めば分かると思います。
次話でようやく裏・主人公と話がリンクします。というよりこの小説はどちらか一方の物語を読んで、あえてもう一方は読まないという読み方もあります。いずれか【共通・『』】という表示の仕方をして表主人公と裏主人公を本格的にリンクさせます(ただし例外はあり)。
ではまた。