表主人公視点。
ではどうぞ。
一話 『声かけ』
寺子屋での仕事を終え、扉を開いた時──霊夢が何故だかいた。彼女は急に自分が現れた所為か驚いているような表情をしている。
「霊夢? 寺子屋に何か要でもあったの?」
「いや、寺子屋に要があるんじゃないんだけど……侠を迎えに来たのよ」
「? いつもはそんな事なかったのに?」
「……何となく、そういう気分になったの」
珍しい事もあるんだね……普段神社でのんびり過ごしている霊夢なのに。
「(……何か勘で侠が誰かに誘われるような気がしたのよね──)」
『侠君ーっ!』
霊夢が何か思案顔で考えているように見えた時──自分の名前を君付けで呼ぶ声が。
心当たりがあったので自分は近づいて来た人物に返事をした。
「どうしたの──東風谷?」
「はい! 今日は侠君と──」
「さっさと山に帰れ」
東風谷が用件を言おうとした時に、霊夢が遮って追い返そうとしていた。
……何で東風谷にそんな否定的何だろう? 商売敵だから?
いきなり否定的な言葉を言った霊夢に気がついて東風谷は動揺しながらも、抗議を言葉を言った。
「れ、霊夢さん!? その言い方酷くありませんか!?」
「あの二柱があんな事を発言したんだから警戒するのが当たり前でしょ……」
「? 八坂さんと洩矢さんがどんな発言したの?」
気になる事を言っていたので自分は二人に聞いてみたけど──
「「侠(君)は気にしない(でください)っ!」
息が合い、気にするなと言われてしまった。
……何だろう……凄く気になる。
当然自分の疑問を答える事はなく、東風谷は話を再開させた。
「話を戻しますが、本日予定は大丈夫でしょうか? 同じ外来人同士であり、本堂さんの一件も含めて色々な事を話し合いたいと神奈子様と諏訪子様が仰っていましたので、本日の夕食のお誘いに!」
「……静雅も?」
「はい。あ、もちろん居候先である霊夢さんもご一緒に!」
「……私も、ねぇ……」
食事の誘いに霊夢は疑わしい視線を送っている。
……まぁ、一応霊夢に言っておこうか。
「自分は博麗の判断に任せるけど、どうする?」
「……じゃあご飯は貰っておきましょ」
「じゃあ東風谷、そういう事だからいいかな?」
「はい! わかりました! あ、後もう三人ほど招待されても構いませんから! では神奈子様達に伝えてきますね!」
希望通りの答えに満足したのか、東風谷は妖怪の山へと飛んで行った……。
「とりあえず静雅に伝えに行こうか……」
「そうね。行きましょ」
自分達は紅魔館に行こうとしたところで──自分の中に問いかける声が脳内に響く。
『「主よ。我も宴会もどきに参加したいのだが。酒を飲みたい」』
しばらくの間黙っていたご先祖様が心の中で問い掛けて来た。
……それって自分の体で飲み食いするって事ですよね? 自分はお酒禁止されているんですが?
『「主の不思議な体質は大丈夫だの。【力】が足りない事で起きた弊害なのだ。今では度数の低い酒ならば多少はいける。酒を一定量越える場合我が変われば問題ない」』
……不思議な事に【力】を手に入れるほど耐性が付くらしい。
改めて自分達は紅魔館に向かって行った……。
一方、守矢神社はというと。
『──という事で参加してくれる事になりました!』
『……何というか、判断を任せるというのは自分の意思を感じられないんだが……?』
『結果オーライだから良いんじゃない?【酔いに任せて事後作戦】に支障はないからね!』
『す、諏訪子様……本当にやるんですか?』
『早苗の下戸を利用して、早苗がダウン寸前か侠がダウン寸前で布団の敷いた部屋に運んで、誘惑をする! お酒が入っていればいくら紳士の侠でも断りにくくなるよ!」
『(侠以外の人物は私と諏訪子が注意を反らす事になっているが……どうも諏訪子の作戦が失敗する未来しか見えないんだが……)』
そして紅魔館の門番である紅さんの許可を貰い入館、静雅の自室に行きノックして返事があって良いと言われたので入り、事情を霊夢と共に説明すると。
「ぶっちゃけそれって宴会みたいな事だよな?」
「多分そういう事も含めていると思う」
「(……それ以外の目的もあると思うけどね……」)
「ま、オレは参加するけどな」
とりあえず静雅も了承してくれた。これで霊夢と含めると三人になる。
「後は東風谷から三人ぐらい呼んで構わないって言われているけど、それはどうしようかな?」
「侠、オレから一人の人物をあげてもいいか?」
静雅からの願いに霊夢が先に反応し、疑問を問いかけた。
「誰にするのよ?」
「何、働き過ぎている従者に少しの休息を、な」
『──それで私に?』
「そゆこと。だからどうだ──咲夜?」
場所が変わって図書館。紅魔館の主であるレミリアとノーレッジは雑談していた。それぞれの付き人である十六夜とこぁさんもいて、静雅は十六夜を誘っているようだった。
でも、十六夜は否定的返事をしようとしたけど──
「私がいなくなったら紅魔館のおゆはんが作れないじゃない──」
『あの、咲夜さん。もしよろしければ今日のおゆはんは私が作りましょうか?』
十六夜の言葉を遮ったのはこぁさんだった。
少し意外だなと思っていたけど、こぁさんの言葉を賛同するようにレミリアは言う。
「……偶には小悪魔の作る夕食もいいでしょう。咲夜、行っても構わないわ」
「お嬢様? よろしいのですか?」
「主である私が良いと言っているの。遠慮する事はないわ」
「……ありがとうございます」
すんなりとレミリアが許可したのに十六夜は驚いていたけど、受け入れた。
その様子を見たノーレッジは一言。
「……最近、レミィが寛大になってきたわね……」
「あら? まるで私が最近まで寛大じゃなかったと言いたげね? 紅魔館の主なのだからこれくらいは許容して当然よ?」
「はいはい、そうね……(本当に静雅が紅魔館に来てから良い意味で変わってきているわね……レミィと妹様)」
「どうしたんだパッチェさん? 意味ありげの視線をオレに送ってよ?」
「いいえ、何でもない──って、そんな変な呼び方やめなさいと言っているでしょ?」
ノーレッジからの視線に気づきながらも冗談を含めて会話をした静雅。
自分は十六夜の仕事を請け負ったこぁさんに気遣いも含めて話し掛けることに。
「ゴメンねこぁさん。仕事を増やすような事しちゃって?」
「咲夜さんは人一倍紅魔館のために働かれていますから、休んでもらいたいんです」
「それでこぁさんが疲れるのも何だかね……。今度図書館の仕事で手が余るようだったら自分も手伝おうか?」
「えっ!? 本当に良いんですか!?」
手伝うと言っただけで何故か凄い驚かれた。少し驚きながらも、こぁさんの言葉に答える。
「さすがに自分の手に余裕がある時だけど……それでも良いのなら」
「はいっ! その時は宜しくお願いしますね♪」
……よほど人手不足だったんだろうね……こんな広い図書館だと。妖精メイドは大して働かないらしいし。
まぁ、こぁさんの力になれたのならそれで──
「侠~? 何勝手に約束事しているのかしら~?」
……何故だか怒っているような表情をしている霊夢が自分に話し掛けてきた……?
「ゑ? ダメだった? ご先祖様曰わく暫くは動かなくてき良いって言われて手持ち無沙汰になるんだけど……?」
「……はぁ。何であんたはそんな行動的なワケ? た、偶には神社でゆっくりしなさいよ……」
「いや、流石に疲れている時はゆっくりするし……」
「静雅の起こした異変以来、疲れたような表情を見た事ないんだけど……?」
『「主は先祖返りでもある所為か、一定量以上の睡眠があれば次の日には全快するからの。回復力も半端ではない。だが霊夢はその様子が見れない事も含めて不安なのだ、主」
心の中で改めて知らない自分の性質について説明してくれるご先祖様。
しかし……疲れたような表情をみせないぐらいで、心配するものなのでしょうか?
『「そういうものなのだ。特に霊夢に関してはそう思うのだろう」』
ご先祖様の話を聞いていた時──突然図書館の扉が開く音が響き渡った。その人物は片手には一本の箒を持っている。
『お? 何だ? こんなに集まって重大な話し合いでもしてんのか?』
そこにいたのは霧雨だった。自分達を見てそんな事を言っている。
……また紅さんを突破したのだろうか……?
しかし皆はその事を問い掛ける様子はなく、静雅が霧雨の疑問に答えた。
「守矢神社で小宴会するみたいでな。それについた話し合いをしていたところだ。ちなみに後募集中メンバーは後二人で、今の確定メンバーは侠と霊夢にオレと咲夜だ」
簡単に静雅は説明したところで宴会という単語を聞いてか、霧雨は気分が上がったかのように上機嫌で発言を。
「だったら私も参加していいか? 久し振りに騒ぎたい気分だぜ!」
「だってよ侠。魔理沙もメンバーを加えていいか?」
「構わないよ。大方霧雨も参加するだろうと思っていたし」
「わかっているじゃん侠!」
さて、霧雨も参加。必然に騒がしくなるだろうけど、それは割りきろう。
いろいろ考えていたところに、ノーレッジは問い掛けてくる。
「それで後一人は誰にするの?」
「後一人か……誰にしたらいいんだろう?」
誰にするか悩んでいると……静雅が自分に意見をしてきた。
「いっそ、今寝ているフラン嬢を連れて来てもいいんだが……そうなると咲夜を従者にしているレミリア嬢を省いてしまう事になってしまうな……どうしたものか……?」
「ちょっと!? 私を仲間外れのような言い方やめてくれる!?」
静雅の冗談を置いておこうと思ったけど──【従者】という言葉である人物を思い出した。
「とりあえずその人は参加出来るかわからないけど、静雅。ちょっと行きたい場所があるんだけど能力でそこまで移動してもらえる?」
「別に良いが……どこに行くんだ?」
「静雅の言った事と同じで、苦労している人がいる──白玉楼にね」
察しているかもしれませんが。
ではまた。