三人称視点。
ではどうぞ。
「──それじゃ、その博麗神社に行こうか!」
「そ、そうですね……」
陽花が白玉楼で過ごして三日経過した。現在、妖夢と陽花は白玉楼の門にいる。
前日に幽々子の命令で妖夢は博麗神社に案内する事になった。どうやら【ネタバラシ】らしい。
その際、一日かけて飛翔を身につけていた。彼女の義兄は変わった方法で飛翔していたが、彼女はスタンダードな飛翔を覚える事が出来た。そして案内がてら、妖夢は人里についた。彼女が何時まで幻想郷に滞在するかわからないが、地理を把握させる意味はあるだろう。
人里を見るなり陽花は目キラキラさせながら、関心するように言った。
「すごーい! 昔の時代にタイムスリップしたみたい!」
彼女が言うには外界の本で、人里に類似した光景が本の中に記載されていること。
陽花は辺りをさらに見渡し……そう過程で惹かれたものがあったらしく、彼女はその方角へと駆けていく。
「あ! 人形劇やってるー! ……妖夢さん、ちょっと行ってくるね♪」
「よ、陽花さん? 少し待ってくだ──」
妖夢の制止は届かず、陽花はそのまま走っていってしまった。妖夢も少し反応が遅れど、彼女を追いかける。
彼女がその場所にたどり着くと……陽花と話をする人物が一人。そもそも人里で人形を扱うとなる人物は限られてくる。その人物とは人形を主に使用する魔法使い──アリス・マーガトロイドだった。
現在はすでに人形劇は終了しているが……二人は会話を続けている。
「──アリスさんの人形って可愛い! これって全部アリスさんの手作りなの?」
「え、えぇ……一部の人形は除いてそうよ。今日は過去にもらった人形は持って来てないけど」
「あたしはこんなに裁縫のスキル持って無いよー……。やっぱり、女の子はここまでのスキルを持っていた方が良いのかな?」
「ん~……どれだけ愛着があるかで変わると思うわよ? 好きではないものをやり続けるというのは間違っていると思うわ。人それぞれなんだし……」
「おぉ……! 何か凄い大人な意見のような気がする……!」
「──陽花さん、待ってくださいって言ったじゃないですか……」
会話を切り目を見極め、陽花に話し掛ける妖夢。陽花は手を合わせる仕草で謝罪している中、妖夢の存在に気づいたアリスは目の前にいる少女の情報を求める。
「あら、妖夢。この外来人の子と知り合い?」
「はい。一時的にこちらで預かっているというか……」
「……最近、外来人は幻想郷に来すぎじゃない? やたらと質問してくるこの子だったり、紅魔館の方では静雅だったり。それに博麗神社には──」
「…………しずまっちゃん? アリスさん、その人の苗字ってわかる?」
「…………あ」
アリスが愚痴るように言葉を並べていたが……陽花が彼女に情報を求めた。陽花の質問の意味を理解した妖夢は情けない声を出していたが。
先ほどの陽花の態度とは違う表情にアリスは疑問に思うものの、彼女の質問に答える。
「確か……【本堂】だった気がするけど?」
「しずまっちゃんっ!? 何でしずまっちゃんが幻想郷にいるの!?」
「…………え? あなたって静雅と知り合いなの?」
「知り合いもなにも──あたしとしずまっちゃんと幼馴染みで友達だもんっ!」
「えっ!? 何なのよその偶然!?」
アリスは陽花の言葉にうろたえる。それはそうだろう。今日会った人物があの静雅と友人と言うのだ。加え、独特な呼び方をして。
まだ頭の中で整理しきれていない彼女に、妖夢はアリスに行動を促す。
「……アリスさん、一先ずこちらへ。陽花さんは少しばかり待っていただけますか?」
「あ、うん……わかった」
妖夢は陽花と距離をとり、アリスに事情を説明する事にした……。
半人前説明中……
「──つまり、単純に言えば陽花さんは侠さんの義妹なのです」
「……紫は一体何がしたいのよ……?」
「……それは、私にもさっぱり……」
妖夢はアリスに事情を説明し終えた。彼女から疑問を問われるも、説明ができない。
遠くで疑問そうに見てくる陽花を見ながら、アリスは呟くように言う。
「義妹といえど……侠に似ていないわね。幼い頃から一緒に過ごしていたというなら、どこか性格とか似ていくと思うのだけど……」
「陽花さんは侠さんと比べると行動的です。そういう個性なのでしょう」
「……それで、これからどうするのよ?」
改めて予定を聞かれ、妖夢は答える。
「予定を変更して、静雅さんに陽花さんを会わせようかと。元々きちんと静雅さんと顔合わせをしようと思っていましたし……順番が逆になったと思えば」
「……そう」
話し終えて二人は陽花の元へと戻る。すぐに腑に落ちない陽花を納得させるために妖夢は説明を。
「えっと……実は静雅さんもこの幻想郷にいらっしゃるんです」
「えぇー!? じゃあ何で初日で教えてくれなかったの!?」
「そ、それは……幽々子様からサプライズという事で喋れなかったのです」
「じゃあ仕方ないね!」
「あなたは良いのそれで!?」
豪快な割り切りの仕方にアリスは思わず問いつめた。それでも彼女は何食わぬ顔で言う。
「別に意地悪でじゃないんでしょ? だったら別に怒る事じゃないよ」
「(……ある意味妥協という点だったら、侠に似ているわね……)」
「じゃあ妖夢さん! 博麗神社よりもまずはしずまっちゃんに会いにいこっ!」
妖夢は何時かのように彼女の手と繋ぎ、走って駆けていく。
「陽花さん! そちらの方向は違いますので私が先導するので!」
妖夢は彼女の駆け出しに注意しながら。二人は一緒に、紅魔館へと向かっていった……。
「……落ち着いたら、彼女に静雅の事を教えて貰おうかしら……?」
偶然にも道中では妖怪などに出くわす事も無く、二人は進んでいく。そして着いて──視界には赤い洋館である【紅魔館】についた。
紅魔館の外観を陽花は感想を述べる。
「……赤いね」
「……それが紅魔館ですからね」
「でも──それがかっこいいよね!」
「そ、そうですか……?」
どうやら彼女達のセンスは違うみたいだ。少なくとも妖夢は彼女のようには思ってはいない。
改めて紅魔館を見直し、門番である紅美鈴に妖夢は視線を向けると……彼女は立ちながら眠り続けている。
彼女の様子に確認を含めて陽花は妖夢に問いかけた。
「……あのシエスタ中の中国人っぽい人は誰?」
「えっとですね……彼女は紅美鈴さんです。一応、美鈴さんは紅魔館の門番なんですけど……」
「絶賛職務怠慢中だね」
『…………はっ』
彼女の話題を話していたところ、当本人は起きた。美鈴は二人の存在を確認すると、まずは妖夢の方へと話し掛ける。
「これは妖夢さん。本日はどうかされたんですか?」
「(寝ていた事は聞かない方が良いですね……)本日、静雅さんに会わせたい方がいまして。それが隣にいる陽花さんなのです」
「……身なりから判断するならば外来人のようですね。そして静雅さんと会う為に紅魔館に……? 陽花さんは静雅さんと何か関係が?」
「うん! しずまっちゃんはあたしの大事な友達なの!」
美鈴は陽花に話を振り、彼女は肯定。陽花の発言に興味を持った美鈴はさらに詳細を求めようとしたが──
「静雅さんと友人なのですか!? ……もしかして、博麗神社にいる──」
『美鈴。門番が業務中に雑談するのは感心しないわよ』
妖夢達には背後から、美鈴からは正面から声が聞こえた。彼女達は声の主を確認する為に体の方向を変えると──そこには白いカチューシャをしては両耳の傍で結われた三つ編みに、外界ではある場所では有名になったメイド服を着ている。買い物帰りなのか、買い物袋はそれなりの体積があった。
美鈴は彼女に言葉を返そうとした──
「あ、咲夜さん。お帰りなさい──」
「──メイドさんだっ!? クールビューティーでメイド服を着たメイドさんがいるー!」
──のだが、陽花は美鈴の言葉を遮って咲夜に詰め寄った。最近の彼女の行動に妖夢は呆れがあるが、詰め寄られた彼女は戸惑いながらめ好奇の目をしている陽花に反応した。
「……えっと……あなたは誰?」
「はっ。そうだった。お互いに名前を教えあわないと呼べないもんねー……。あたしは辰上陽花だよ」
「……辰上……陽花? 一応聞くけど……何のために紅魔館に来たの?」
「ここにしずまっちゃん──静雅がいる事を妖夢さんから聞いたの! 本当は博麗神社に先に行こうと思ったんだけど……まずはしずまっちゃんと話してからと思ってね。……ところで、メイドさんの名前は何ていうの?」
「私は十六夜咲夜よ。それで……ちょっと待っててくれる? 妖夢と話したい事があるから」
彼女は陽花にそう告げると、少し陽花から離れて妖夢を手招きをする。その意味を理解した彼女は咲夜に近づき、話を。
半人前説明中……
「……やっぱり、察しがつきますよね……」
「えぇ……彼女は侠の義妹でしょう? それと同時に静雅と友人だという事」
「はい。それでちょっと計画を変更して、静雅さんと会わせようと……」
「……まぁ、侠の義妹なら紅魔館に入れても大丈夫だろうけど……まずはお嬢様と面会してからね」
「はい。それは当然の事ですね」
咲夜の言葉で頷く妖夢だが……彼女は情報を付け足すようにして説明を補足する。
「……お嬢様は奇妙な外来人が来るというのは知っていたから、許可はすでにもらっているんだけどね」
「あぁー……レミリアさんの運命の能力ですね。納得です」
彼女達は話を終え、待っていた陽花と美鈴の場所に戻り、陽花に咲夜は改めて話しかけた。
「紅魔館に入る為にはお嬢様の許可を得なくてはいけないわ。まずはお嬢様に会わせてあげるから着いてきなさい」
「……本物のお嬢様がいるんだー……。どんな子なんだろう?」
「失礼の無い対応をするのよ。そうじゃなかったら──ん? 逆にある意味お嬢様の方が危ないのかしら……?」
「? どうかしたの咲夜さん?」
「……何でもないわ。妖夢も同行してもらえる?」
「はい。それはもちろん」
妖夢の言葉を最後に美鈴を除く3人は紅魔館へと入っていった……。
紅魔館に入り。陽花は咲夜にいろんな質問をしながら進んでいた。楽しみながらの陽花の様子を見ていた妖夢は何故か複雑だったり。
そして──紅魔館当主の自室へと一行はついた。当主の従者である咲夜は扉をノックし、許可を求める。
「お嬢様、お客人ですが……いかがなさいましょう?」
『大丈夫よ。運命で知っていたからね』
「……陽花、お嬢様に失礼の無いようにするのよ?」
「う、うん……」
咲夜に促され、部屋に入る陽花。後に妖夢と咲夜も進む。
陽花は紅魔館当主を視界に入れた。その彼女はどこか気高く言葉を発した。
「──紅魔館へようこそと言っておこうかしら? 外界の少女。私は紅魔館の吸血鬼、レミリア・スカーレットよ──」
「……可愛い」
「…………ん? 聞き間違いかしら? もう一度言ってもらえる?」
悪魔の翼と少し長い八重歯が特徴である紅魔館の当主──レミリアは自己紹介をしていたが……陽花が何か呟いた事が聞こえず、問いかけると陽花は──
「──可愛いぃいいっ!」
目にもとまらない速さでレミリアに急接近した。その事に当然戸惑う妖夢と咲夜だが、一番驚いたのはレミリアだ。彼女は陽花に意見をしようとしたのだが──
「ちょ、ちょっと!? 近いわよ! もう少し離れなさ──」
「その翼って本物!? それで八重歯があってその容姿……かっこ可愛い!」
「か、かっこ可愛い……? それってかっこいいと可愛いが混ざった言葉かしら」
「うん! まさにそう! もしも翼や八重歯がなかったら【可愛い】だけだったのかもしれないけれども──吸血鬼がレミリアちゃんを引き立てているのがわかるよ!」
「あ、あら。わかっているじゃない──って、ちゃん付けは止めなさ──」
「それに個人的に吸血鬼って赤が似合うよね! 紅魔館をバックで夜中に現れるレミリアちゃん……凄いかっこいいと思う!」
「! でしょう! やっぱり吸血鬼には赤い色が似合うのよね──はっ!? だからちゃん付けは止めなさいって──」
「それでこの大きな洋館の主がレミリアちゃんなんでしょ? それにすれ違った妖精の人達が多くて……カリスマがなかったらあんなに雇えないよっ! レミリアちゃんって凄いんだね♪」
「う……誉めるなら誉めるだけにしておきなさいよ……。怒れるに怒れないじゃない……」
どこか困った表情をしながら頬を染めているレミリア。彼女は表面上は幼いが、それなりに精神的には落ち着いている方だ。冷やかしならば陽花の言葉を蹴ったのだが……レミリアが感じた陽花は純真に感じた。嘘偽りの無い、彼女の頭の中で思った事を口に出している。加え、レミリアの目を真っ直ぐ見ながら。その少女の対応にレミリアは困っていた。
現状を主を見て悟ったか、咲夜は陽花をレミリアから少し距離をとらせるように引き直す。彼女は注意の言葉を並べ、妖夢も陽花の行動に注意を。
「……あなたとしたら仲良くしたいのだろうけど、お嬢様は困っているから離れてあげなさい」
「陽花さん。先ほど咲夜さんが失礼の無いようにと仰っていたじゃないですか……」
「あ~……確かに馴れ馴れしかったかも。レミリアちゃん、ゴメン」
「……自称人間もこんな気持ちで呼ばれているのかしら……?」
コホンと咳払いをレミリアはした後、陽花に改めて話しかけた。
「それで……あなたの名前を聞いておくわ。何ていうのかしら?」
「辰上陽花だよ。気軽に名前で呼んでね♪」
「! ……咲夜。自称人間はこの存在を知っているの?」
陽花の名前でレミリアは察し、彼女特有の呼称で彼の事を尋ねた。咲夜は妖夢から情報を教えてもらっているが、簡潔に。
「いいえ。まだです」
「そう……そうなると、そこの庭師が陽花を連れて来た。そして──紅魔館で本堂静雅に会いに来た。そういう事で良いのね?」
「は、はい。その通りです、レミリアさん」
レミリアは視線を妖夢に送り、質問を肯定した。
馴染みのある名前を聞いた陽花も同調し、改めてレミリアに願い出る。
「だからお願いっ! しずまっちゃんに合わせて!」
「…………静雅の友人、そして自称人間と関わりのあるあなたなら別に構わないわ。今静雅は図書館にいるはずよ。咲夜に案内してもらえれば」
「ありがとーっ! ……ところで、さっきから【自称人間】って言っているけど、その人は誰?」
陽花はレミリアの許可を得て興奮していたが、すぐにクールダウンしてレミリア特有の名詞について尋ねた。レミリアは陽花の目を見ながら答える。
「そこの冥界の庭師の言う通りに従っていれば、運命通りに出会えるわ。そのうち、ね」
「誰なんだろう、その人……?」
彼女の言葉で頭を働かせる陽花。その彼女に妖夢は行動を促す。
「陽花さん。咲夜さんが待っていますので図書館に向かいましょう」
「……そうだね。行こうか。でも……図書館は苦手だな~。騒いだら怒られそうだもん……」
どこか悩むように陽花は呟きながら言い、二人は咲夜先導の元図書館に向かった……。
図書館に着き。彼女達から見たここは四方八方に多数の本が置かれている。
陽花は周りの様子を見て「本は苦手~……」と弱々しく呟いているが、咲夜は彼女と妖夢に言葉を。
「じゃあ私はこれで失礼するわ。妖夢、陽花の監督をお願いね」
「はい。わかりました」
「さすがに図書館じゃ自重するって──って、あれ? もしかしてあの人影──」
咲夜が能力で図書館を去った後、陽花は三人ほどの人影を見つけた。遠くでも、その会話が聞こえてくる。
『──それでさ、オレは思うんよ。外界の図書館は問題があり過ぎる』
『何よそれ……そんなの魔理沙と一緒じゃない……』
『借りたい時にその本が借りれないのは悔しいですよね……』
『だよなぁ。せめて延滞料金とか設定するべきなんだ。マナーを守らない奴はそう対処した方が良いに決まっている』
『……ここでそういう事を設定したら魔理沙からいくら貰えるんでしょうね……?』
『ははは……』
奥で雑談している三人。そのうち二人は女性なのだが──問題は一人の男性。
陽花は記憶の中で彼の情報を探る。奥にいる男は着崩した執事服を着ているのだが、彼の額の近くで分けている二本の白いヘアピン。男性でヘアピンをしている人物も珍しいが、そうではない。彼女の記憶が正しければそのヘアピンは、兄が親友への贈り物をしたもの。
彼女は走り、三人へと近づいていく。そして、駆けながら彼の愛称を呼ぶ。
「しずまっちゃーんっ!!」
『……ん? 何だこの聞き覚えのある声は──』
彼はその存在を確かめる頃には……走り終えた彼女が存在出来る。陽花は満面な顔で──本堂静雅に話し掛けた。
「ようやく会えた……しずまっちゃん!」
「…………はぁっ!? 何で陽花がこの幻想郷にいるんだよ!? それとも幻想か!?」
「正真正銘、陽花だよ!」
彼にしたら明らかにわかる動揺を含めた声で問いかけたが、陽花は言う。
そして彼女の存在を驚くのは彼だけでは無い。彼女の存在を初めて知った図書館の魔女と使い魔──パチュリー・ノーレッジと小悪魔も同様だ。彼女達は静雅に情報を求めたが、妖夢が場を収めようとする。
「……静雅? その人間の女の子は誰?」
「愛称で静雅さんを呼んでいたような――」
「皆さん。一先ずこちらへ。陽花さんには申し訳ないのですが、待っていただけますか? 事情を説明しますので」
本日で何回目かになる説明を静雅達に説明する事に。
半人前説明中……「アナタダァレ?」「アタシハヨウカダヨ。セナカノホウセキミタイナノスゴイキレイダネ!」「アリガトウ! ワタシフランドールッテイッテ,ミンナカラフランッテヨバレテル!」「フランチャンネ! コッチモヨロシク!」
図書館に来たフランドールと陽花はが雑談している間に、妖夢は図書館にいる人物達に説明。説明を聞き終えた静雅は陽花を見ながら言う。
「……陽花も幻想郷に来ちまうとはなぁ……。侠の疲労がマックスになっちまうな」
「侠さん、いつもあの元気な陽花さんの対応しているのですか?」
「……いや、今はまだいい方だ」
「…………まだ、ですか?」
彼に質問した妖夢は、彼のまだ何かあるような言い方にさらに疑問を抱く。彼女の言葉を引き継ぐようにして、今度はパチュリーが問いかけた。
「……具体的には何なのよ?」
「……侠と触れ合っている陽花が最も気分が高揚する。公衆の目を気にしない程にな」
「それじゃあ侠さんは少しばかりか迷惑なのでは? いくらなんでも義妹さんからそういう風に触れ合っていると──」
「否定的な言葉で叱るように侠は言うんだが、満更でもない表情がうかがえる」
「こぁっ!? 満更でもないのですか!?」
「あいつはなんだかんだで自覚の無いシスコンだからなぁ……。一線は引いているが」
頭を掻きながら静雅は話を継いだ小悪魔の質問に答える。彼の意外過ぎる答えに戸惑いを隠せない。
改めての確認という事で、静雅は妖夢にこれからの予定について尋ねる。
「それで……陽花は無事にオレに会う事ができた。後は侠に会う……それで良いんだよな?」
「そうですね。後は侠さんと陽花さんを会わせる事です」
「大変だっただろ? 陽花の対応は。あいつは人見知りしないタイプだ。悪戯みたいな事をされたんじゃないか?」
「あはは……幽々子様との協力で少し……」
「そっか。でも――陽花自身が本当に仲良くしている奴じゃないと、そういう事をしないからな。少なくとも、陽花からの視点だと友人以上に思っている事を頭に入れておくと良い」
「そ、そうなのですか……!」
彼からの情報で嬉しく思っていると、静雅は話をしている陽花に呼びかけた。
「陽花ー! オレも同行してやるから博麗神社に行くぞー!」
「はーい! じゃあねフランちゃん! また話そうね♪」
「うん! またね♪」
陽花はフランに別れの挨拶をした後、静雅達のいる場所へと駆けていく。彼は彼女に話を振る。
「フラン嬢とどんな話をしてたんだ?」
「えっとね……しずまっちゃんが中学の頃に学園祭で──」
「……まさかだと思うが、あの話をしたのか?」
「うん。しずまっちゃんがクラスの模擬店で無意識にモデルを利用して、他のクラスの模擬店を荒らしまくった事を」
「……あれ、軽く後悔しているんだぞ?」
「しずまっちゃん自体はそんなつもりじゃなくても、他の人から見たらそうだったんだろうね。その時もモデルの肩書きがあったし、それで近辺の中学からしずまっちゃん目的で来た人は多かったもんね」
「まだあの頃は自分の立場を理解してなかった時期だからなー……。オレのクラスは繁盛したが、他のクラスからクレームは来るわ」
「それでしずまっちゃんに暴力を振るおうとした男子がいたよね。まぁ、それはかっこいいお兄ちゃんがしずまっちゃんを守ったけどね♪」
「傍観していた奴らは『ざまぁ』って気分を良くしたが……その時だよな。基本的に男子から嫌われるようになったのは……」
「いや、しずまっちゃんが『嫉妬乙。もうちょっとまともな言葉が出せないのか? 彼女いない歴=年齢の○○の男子達よ』って言ったからそうだと思うんだけど……? 何もしずまっちゃんの情報を知らない男子から見たらリア充なんだからさ」
「思春期真っ盛りの年頃に言ったのが間違いだったなと反省だ」
「──陽花さん? さっき仰った○○とは何でしょうか?」
「あ、妖夢さん。それはあたし達の共通語だから色んな意味を持っているし気にしないで」
回想だが陽花はアレな発言をしたが……妖夢は意味がわからないようで問いかけたが流した。
……パチュリーはあまり表情変化は見られないが、小悪魔は気まずそうに頬を染めているが。
流石に静雅でも話が長いと感じたのか、話を打ち切って本題に戻した。
「さてと、話し込んでしまったが……陽花、飛翔は出来るか?」
「大丈夫、問題ないよ!」
「よし。じゃあ妖夢、さっさと博麗神社に向かうとするか」
「はい……わかりました」
博麗神社に行く三人達は図書館を、紅魔館を出て行った……。
次話で終わります。
ではまた。